第36回沖縄振興開発審議会総合部会議事録

議事次第

○日時:平成11年3月18日(木) 15:00~16:30
○場所:総理府5階507号室
  1  開会
  2  議事
   (1)  特別自由貿易地域の指定について
   (2)  その他
  3  閉会

配布資料

   資料1  第36回沖縄振興開発審議会総合部会会議次第
   資料2  沖縄振興開発審議会委員名簿
   資料3  沖縄振興開発審議会総合部会委員名簿
   資料4  沖縄振興開発特別措置法第23条の2第1項の規定に基づく特別自由貿易地域の指定について(諮問)
   資料5  特別自由貿易地域指定関係資料
   資料6  「沖縄の新しい企業立地促進制度 -沖縄振興開発特別措置法改正-」

沖縄振興開発審議会総合部会委員名簿

 ○総合部会長
  財団法人沖縄協会理事   亀谷 禮次

 ○総合部会委員(五十音順)
  沖縄県経済農業協同組合連合会代表理事会長   新垣 兼一
  法政大学総長・理事長   清成 忠男
  沖縄県工業連合会会長   金城 名輝

出席者

  ○総合部会委員
   亀谷部会長、新垣委員、金城委員
  ○委員以外の出席者
   大城常夫琉球大学教授
  ○事務局
   玉城総務局長、綱木企画課長

議事

○綱木企画課長 大変お待たせいたしました。定刻になりましたので、ただいまから第36回沖縄振興開発審議会総合部会を開催させていただきます。
 なお、本日は清成委員は御都合で欠席されております。
 それでは、亀谷部会長よろしくお願いいたします。


○亀谷部会長 恐縮ですが、座ったままでごあいさつさせていただきます。本日は大変お忙しい中をお集まりいただきまして誠にありがとうございます。
 本日の会議では沖縄振興開発特別措置法第23条の2第1項に基づく特別自由貿易地域の指定申請につきまして調査審議をしていただくことになっております。
 それでは、まず議事に入ります前に、玉城総務局長よりごあいさつをお願いいたしたいと存じますが、その前に、委員の異動について御紹介をさせていただきたいと存じます。かねて卓越した専門性と高い識見から当部会の調査審議に大きな貢献をしていただきました知念委員が昨年6月29日に委員を辞任されました。御後任はまだ指名をされておりません。なお、本日の調査審議に当たりましては、当総合部会の委員の方以外の方で沖縄の振興策に大変精通をされている方といたしまして、大城常夫先生に特に御出席をいただいております。委員の異動は以上でございます。
 それでは、玉城総務局長にごあいさつをお願いいたしたいと存じます。

○玉城総務局長 総務局長の玉城でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 お忙しい中、お集まりをお願いしましたところ、御出席を賜り本当にありがとうございます。
 今日、審議いただきますのは、先ほど部会長からお話がございました特別自由貿易地域の指定の関係でございますが、去る3月8日に、稲嶺沖縄県知事から野中沖縄開発庁長官に対しまして指定の申請が出されました。早速に長官から沖縄振興開発審議会に対しまして、地域指定をすることについての審議会の意見を求めるということで諮問がされております。この諮問につきまして、昨年6月のこの総会におきまして、今後、特別自由貿易地域あるいは情報通信産業振興地域、観光振興地域、いずれにつきましても、沖縄県の方で準備をしまして、できるだけ早めに出したい、ただ、これがいつ出てくるかというのが不明でございましたので、これが出た段階には総合部会の方で検討してもらい、総会の方に報告をしていただくという流れを昨年の総会において、この部会の方に授権をされております。その流れの中で、本日この審議会運営規則の第3条第2項に基づきまして調査審議を部会に付託されているということでございます。
 今後の予定でございますが、今回の部会でのご審議を踏まえまして、その報告のお取りまとめをお願いいたしたいと存じます。今月の下旬には審議会の総会を予定しておりますので、そちらにお諮りをしまして、最終的な審議を経て、また関係省庁とも並行して協議をいたしまして、これが整いましたならば、今年度中には開発庁長官の指定、最終的には官報告示をもってこれを告示するというふうな形の流れになろうと存じます。もう既に新聞等で特別自由貿易地域の問題はいろいろお話が出ているかと存じますが、沖縄県の中城湾の新港地区の方に申請ということで知事から出されておりますので、その点につきまして御審議をお願いしたいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○亀谷部会長 どうもありがとうございました。
 それでは次に、事務局の方から本日の配布資料の説明をお願いいたします。

○綱木企画課長 それでは、お手元にお配りいたしております資料につきまして御確認をいただきたいと存じます。
 まず資料1は本日の会議次第でございます。資料2及び資料3につきましては、資料2が沖縄振興開発審議会の委員の方々の名簿、3が同総合部会委員の方の名簿でございます。4が「特別自由貿易地域の指定の諮問」と書かれましたものでございまして、1枚めくっていただきますと、沖縄開発庁長官から審議会会長への諮問案というふうになっております。資料5が「特別自由貿易地域指定関係資料」でございまして、資料6が沖縄開発庁で作成いたしましたパンフレットでございます。
 以上でございます。

○亀谷部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、特別自由貿易地域の指定についての調査審議に入りたいと存じますが、先ほど総務局長のごあいさつにもありましたように、本件につきましては、昨年6月30日の当審議会の総会におきまして、特別自由貿易地域の設置に向けての準備状況に応じ、同指定につきまして、知事から申請が出されましたら、機動的に審議会においても調査審議をいたしまして、円滑に諸準備が進められますよう、当審議会運営規則第3条第2項に基づきまして、特別自由貿易地域の指定に関する審議会の調査審議は当総合部会に付託することとされております。去る3月8日、稲嶺沖縄県知事から沖縄振興開発特別措置法第23条の2第1項の規定に基づく特別自由貿易地域の指定申請が野中沖縄開発庁長官に提出され、翌9日に長官から諮問がありましたので、本日総合部会を開催することといたした次第であります。
 まず沖縄開発庁長官の諮問の内容について事務局から御説明をいただき、あわせて国の対応状況につき御報告をいただきたいと存じます。

○綱木企画課長 それでは、特別自由貿易地域の指定について御説明いたします。
 まず特別自由貿易地域でございますが、その創設の経緯、制度及び法に規定された手続の概略につきまして御説明申し上げます。
 創設の経緯でございますが、自由貿易地域につきましては、現在、那覇地区が指定されておりますが、これまで沖縄県、県経済団体等から、その拡充強化についての要望があり、開発庁としては、税制面を中心にいろいろな支援策を講じるとともに、一層の拡充強化について幅広く検討してきたところでございます。こうした中、平成9年11月21日の沖縄復帰25周年記念式典における内閣総理大臣式辞におきまして、総理が加工交易型産業の振興のため、特別の自由貿易地域制度の創設に言及されたところでございます。沖縄開発庁といたしましては、これを受けまして、優遇税制を中心とする特別自由貿易地域制度のかかる具体策を取りまとめて、他の地域指定を含む産業振興施策とともに沖縄振興開発特別措置法の一部を改正する法律案として平成10年の第142国会に提出いたしました。同法案は平成10年3月に可決成立いたしまして、一部を除き同年の4月、一部というのは関税関係につきましては6月29日でございますが、一部を除き同年4月に施行されました。
 次に、制度についてでございますが、特別自由貿易地域制度は加工交易型産業の集積を図り、沖縄における産業及び貿易の振興に資することを目的とした制度でございまして、対象地域につきましては、沖振法の第23条の2に規定されておりまして、その中では企業の立地が進んでいない地域であって、相当数の従業員を使用する企業等の集積を促進すること等が沖縄における産業及び貿易の振興に資するため必要とされる地域というふうに規定されております。企業の立地が進んでいない地域に関する要件は、沖振法の施行令の第12条の2に規定されておりますが、面積が概ね30ha以上の規模であること、それから一定規模の開港又は税関空港に隣接又は近接していること、常時20人以上使用する企業の事業の用に供する土地の確保が容易であることとなっております。
 なお、今日この御説明の中でいちいち御参照いただくのはお手間かと思いますが、参照法令につきましては、資料5でございますが、1枚めくっていただきますと目次がございます。この23ページ以降に参照条文等がつけてございますので、また後ほど参考にしていただければと思います。
 それから優遇措置でございますが、優遇措置といたしましては、従来の自由貿易地域制度に係る優遇措置すべてが適用されます。そのあたりにつきましては、資料5の1ページが特別自由貿易地域に係る制度のフロー図、概略の説明でございまして、2ページが現在の自由貿易地域の制度の説明でございますけれども、従来の自由貿易地域に係る優遇措置がすべて適用になります。そして特別自由貿易地域のみの措置といたしまして、法人税の所得控除制度がございます。これは設立後10年間に限りまして、法人所得の35%に相当する金額を控除して法人税がそれに課税されるという特別の措置でございまして、似た制度は、どちらかといえば所得税の方にそういう措置があるとは思いますけれども、こういった法人税の中で産業振興に係る税制といたしましては、全く他に例のない我が国初めてのものでございます。この措置は、法人事業税、住民税、法人割の計算にも連動しておりまして、法人の実効税率は来年度から、つまり今年の4月から実効税率が約41%に変わるわけでございますが、特別自由貿易地域におきましては、最初の5年間が23%、その後の5年間が27%というふうになり、大幅に軽減するという効果が得られるものでございます。また800万以下の中小企業につきましても、4月から全国ベースでの実効税率が30%でございますけれども、これが当初5年間は17%、あとの5年間が20%という形で一部東南アジア諸国にも匹敵する、あるいはそれ以下の税率が適用になるというふうに考えております。この所得控除の適用が受けられる法人は特別自由貿易地域内で設立された法人で、原則として当該地域内で事業所を有しまして、かつ対象業種としては製造業、倉庫業又はこん包業ということになっております。そして常時使用する従業員の数が20人以上であること、法人の設立後原則として10年を経過していない、最長10年という要件でございます。そして以上の要件につきまして開発庁長官の認定を受けている。特別事業認定が必要になってございます。
 次に、沖振法に規定された手続でございますけれども、沖振法の23条の2第1項におきまして、沖縄開発庁長官は、沖縄県知事の申請に基づき、沖縄振興開発審議会の議を経るとともに、関係行政機関の長に協議して、同地域を特別自由貿易地域として指定することができると規定されております。また同条の第2項におきまして、「沖縄県知事は、前項の申請をしようとするときは、あらかじめ関係市町村長の意見を聴かなければならない」と規定されております。
 次の沖縄県における手続について御紹介させていただきます。沖縄県におかれましては従前よりこの制度については非常に御関心がおありでございまして、「国際都市形成に向けた新たな産業振興策」という要望書の中でも本件については触れられておりました。特別自由貿易地域制度創設、すなわち去年の4月の沖振法改正により創設されたわけでございますけれども、その後も鋭意検討された結果、中城湾港の新港地区の一部が適地であるという結論に至りまして、去る本年1月19日及び2月1日に開催されました沖縄県の自由貿易地域審議会にお諮りになられたと承知しております。同審議会におきましては、慎重に御審議の結果、申請について可という結論に至ったと承知しております。
 また沖振法第23条の2第2項に規定されております関係市町村長の意見の聴取につきましても、申請地域の関係市町村でございます具志川の市長、勝連町長の意見につきまして、それぞれ2月2日付で異議がない旨の意見をお受けになられております。特別自由貿易地域の指定の申請につきましては、以上の沖縄県の手続を経て去る3月8日に稲嶺沖縄県知事から野中沖縄開発庁長官に提出されまして、翌9日に野中沖縄開発庁長官から沖縄振興開発審議会に諮問がなされたところでございます。それが同資料の4でございます。諮問の内容は資料4でございますが、参考資料として資料4をめくっていただきますと、別添として区域について、それから中城湾港新港地区を含めた特別自由貿易地域の地図、そして実施計画が一緒に綴じ込まれてございます。
 次に、今回申請のございました特別自由貿易地域中城湾港新港地区について御説明させていただきます。以降の説明は具体的にデータ及び各資料については資料5の5ページ以降に、中城湾港新港地区の現状として5ページから10ページの間にデータを含めてとりそろえてございます。説明いたしますと、中城湾港は沖縄本島中南部の東海岸に位置しておりまして、およそ2万4,000haの広大な海域を有し、古くから天然の良港として利用されてきた港でございます。中城湾港新港地区は中城湾港の北部にございまして、製造業を中心といたしまして、産業の振興とその基盤整備を図るために埋め立てによる工業団地等の造成、港湾の整備等を行い、流通機能と生産機能をあわせ持った流通加工港湾を新たに建設することを目的といたしまして、同地区の整備が行われているところでございます。昭和58年度から事業を開始いたしまして、第1次から第3次にわたる埋め立てにより合計393haの用地造成が行われております。第1埋め立てによりまして、造成された工業団地は既に分譲済みでございまして、第2次埋め立て分についても一部分分譲済みとなっております。今回の申請地域は第2次埋め立て分の一部と第3次埋め立てにわたる約122haの区域でございまして、この中で100ha近くの工業団地が確保されるということになっております。
 また港湾につきましても整備が進められておりまして、新港地区では4万トン級の船が接岸できる13m岸壁を初め、7バースが既に供用開始されております。中城湾港の貨物の取り扱い量を見ますと約870万トンに上がっておりまして、沖縄県全体の約22%を占めております。その他道路、水道、電力等の立地環境につきましても恵まれた条件を備えております。さらに現在、当該地域への企業誘致につきましては、沖縄県においてはもちろんでございますが、国においても県とともに様々な取り組みを行っておりまして、沖縄への企業立地が円滑に進むことを期待しております。
 以上の点を踏まえまして、今回沖縄県から申請のございました特別自由貿易地域中城湾港新港地区について、先ほど御説明申し上げました特別自由貿易地域の要件との関係を見ますと、申請地域は埋め立て造成による未分譲の地域、すなわち企業の立地がされていない地域でございまして、その面積はおよそ122haと30haを大きく上回っております。また当該地域は相当の貨物取り扱い量を有する開港である中城湾港の区域内にあること、つまり近接・隣接する要件を十分に満たしておりますし、土地につきましても、すべて沖縄県が所有し、立地企業への分譲及び賃貸することとしておりまして、常時20人以上使用する企業に対する土地の確保は、法制度的な点も含めて容易であるということから特別自由貿易地域としての条件をすべて満たしていると考えております。
 また中城湾港新港地区の自由貿易地域の展開につきましては、第3次沖縄振興開発開発計画の中におきましては、中城湾港新港地区等への新たな設置を推進する等国際的な物流中継確保拠点の形成を図るとされておりますし、また後期展望の中では中城湾港新港地区への新たな設置について検討するとうたわれているところでございます。今回の指定はその施策の方針にもかなうものでございます。
 事務局といたしましては、申請のあった特別自由貿易地域中城湾港新港地区についてはこれに指定されるのに必要な要件は一応すべて備えているのではないかというふうに考えております。
 なお、沖振法23条の2に規定されてございます関係行政機関の長との協議につきましては審議会の諮問と並行して鋭意進めさせていただいております。
 以上でございます。

○亀谷部会長 ありがとうございます。
 後ほど当部会委員の皆様によります意見交換をいたす予定にしておりますが、ただいまの事務局の説明に対しまして、何か御質問、御意見等がございましたらお願いをいたしたいと存じます。

○金城委員 諮問の中の4の企業立地という文章の中に「管理主体が設定する立地企業選定基準に適用するものを選定する」とあります。この管理主体というのはどこを指しているのでしょうか、県でしょうか、国でしょうか。

○綱木企画課長 現在は主体は県でございます。

○金城委員 県とすると、土地の所有は県で、立地企業への分譲・賃貸をするというふうな意味の管理主体ですか。

○綱木企画課長 さようでございます。

○金城委員 それからもう一つ、「原則として」ということで例外としては何を考えているのでしょうか。

○綱木企画課長 今現在の自由貿易地域がそうでございますように、これまでの事業認定をしております企業の事業の対象業種のようなものを今後一部見直していく必要はあるのかなと。

○金城委員 製造業、こん包業、運送業、そのほかに、もしその場所を満たしきれなければ、ほかのものを考えなければいけないというようなものがあるんですか。

○綱木企画課長 あるいは貿易振興に役に立ち、かつサポートできるような企業についても、それは必ずしも35%の所得控除を受けられるという意味ではなくて、実際この中に立地する企業は、まず自由貿易地域としての事業認定を受けた上で、さらに35%受けるために特別事業認定を受けることになりますが、事業認定の部分では35%を受けずに、普通の自由貿易地域と同じ条件に入るわけでございますから、その中の企業には一部そういった事業もございますので、今後の検討課題であるかというふうに考えまして、一応入れさせていただいております。

○金城委員 入居はできた、十分地域の制度を受けられないというと、何のために入ったからわからないのではないか。

○綱木企画課長 それは先ほど申しました従業員の要件とか、もちろん自由貿易地域としての要件を備えた上で、かつ特別自由貿易地域の要件を備え、つまり、それは先ほど御説明申しました20人以上の雇用の数とか、そういったことが要件になるわけでございます。ですから、一旦35%の所得控除を受けない形で立地をしておいて、例えば20人という要件を備えてから今度は新たに特別事業認定を受けられるという企業も想定されるわけでございます。

○金城委員 例えば製造業、倉庫業、こん包業という新たな、それ以外のものについては税制の特別措置、そういう制度的な恩恵を受ける対象外の企業なので、法律的にそういうことをうたわないと受けられないのではないかと思うのだけれども、そこはできるんですか。

○綱木企画課長 立地することはできる。優遇措置は受けられると。

○金城委員 そういう企業が実際出てきて企業が入ってくるのかなと思います。自由貿易地域と指定しながら、そこに入ってきて制度の適用を受けられないという、例えばさっき言った20人とか満たしていても制度適用を受けるような、いわゆる業種として指定していなければ受けられないわけだけれども、法律はそういうような指定業種以外の業種も要件を満たせば指定できるような弾力的運用をするんですか。

○綱木企画課長 これは想定でございますけれども、今度OCCという企業が、沖縄コールセンターが入りましたが、今、事業認定しておりません。ただ、聞くところによりますと、二、三年後には実際には貿易を始めて、その暁には事業認定できるのではないかというふうに考えております。ですから、今時点で必ずしも要件を満たしていないで、立地はしてあるけれども事業認定はできないものが、一、二年後に要件を満たすことによって事業認定できるというケースは考えられますし、その事業認定の要件につきましても、今回のOCCの例も含めて少し前広に考えていく必要があるのではないかというふうに考えております。

○金城委員 OCCの話は、二、三年後に担保されるでしょうか。担保されなければ、指定ができないということになるとどうするのだろうという話があります。

○玉城総務局長 特別自貿というのは一番要件が厳格なかわりに、それだけ見返りの優遇措置も相当つくっている。それに満たなければ今の自貿程度のもので、例えば5人ぐらいでやっても、那覇に入っても同じことですから、現在の自由貿易地域が受けられる恩恵は受けられる。それは情報通信産業振興地域でもそうですし、観光の場合もみんな同じですけれども、あるいは工業等開発地区とか、この辺はみんな二重三重に錯綜した形で指定されると思います。ただ、特別自貿の122haほどの中に、今の情勢の中、本当に全部満たし得るかなといういろんな心配もあるわけです。この所得控除という恩典はなくても、そこの地の利、港湾はすぐそばに接続しておりますし、それをうまく活用する企業があるのかどうか。その場合に一律に排除するかどうかという話なんですね。原則はこれに合うべきものを認定して、100ha全部製造業を中心とした企業で埋めるのが一番望ましいんですが、そういうふうに努力はいたしますけれども、その辺の見極め、そこが「原則として」というところは例外が場合によってはあり得るかもしれないというふうな意味を込めて書いているということです。

○金城委員 そうすると二、三年後に仮に指定業種にすると、その地域に入ったものはそういう恩典を受け、制度が受けられるけれども、もう一つ、情報通信産業振興地域というのがあるでしょう。そういうところも同じような業種なんですけれども、同じような制度が受けられないでおかしいという意見が出てくると思うんです。そこまで広げてくるのかというふうな話になるので、この場合、OCCの話が出たものですから、そういうことをすると、その認定の適用を受けるときに、あとの地域はどうなるんだという話も出てくるんです。その辺はもう少しはっきりさせてもらったらいいのではないか。

○綱木企画課長 そういう部分につきましては情報通信産業地域と違いまして、貿易の振興と製造に資するという両方の要件がかかった企業を対象にしておりますので、例えば情報通信産業地域に一般にされれば、立地するであろうコールセンター、あるいはソフトを製作する産業につきましては、製造業としての要件はかなえているかもしれませんが、必ずしもそこは貿易という意味では必要なく立地できるわけでございますから、貿易という意味で、交易という意味で深く縛りがかかっている製造業が特別自由貿易地域に立地することによって恩恵を受けられるというふうに縛りのかかり方が貿易という意味で強くかかっているという意味ですから、そこはちょっと公平を失するということはないのではないかと考えております。

○金城委員 そこに入っている人は貿易をしておれば適用されるけれども、入らない人は貿易しても適用されないということになる。

○綱木企画課長 はい。

○玉城総務局長 貿易を前提としてやるならぜひ特別自貿の方でやって、そのゾーンの中でやることによって選択課税をはじめいろんな優遇措置があるわけですから、それを活用できるような産業で頑張ってもらいたい。情報というのは沖縄はこれからかなり有望地域であります。今考えているのは市町村単位でやりますから、情報関係ですと大抵のところはこれでカバーできるのではないかと思うんです。そういう意味ではその辺は救えると思います。

○大城氏 別の質問ですが、5ページの予定の地域は第2次埋め立ての一部と第3次埋め立ての分を使うという話でしたよね。指定した場合に、実際に指定地域全部が使えるようになるのはいつごろですか。というのは、例えば最初の優遇措置が10年間ですよね。その計算の起点がどこからか、それとの関連があるものですから少しお聞きして、その工事が終わって実際に使えるようになるのはどのくらいなんですか。

○綱木企画課長 私どもも今後取り組んでいく上で大変重要な観点だと思っておりまして、今後新港地区について概ね次のような段階を経て今後展開をしていけるのではないかというふうに考えております。まずは用地の造成、インフラの整備、このインフラには道路、上下水道、電気、ガス等が入ります。そして一部でまた通産省のフレームの中でレンタル工場という制度ができておりますが、これも同じことだと思います。それから立地企業の公募をして内定をする。その上で要件を満たしたものについて開発庁長官が事業認定をし、また35%については特別事業認定、あるいは保税地域の許可を含めて行っていく。その次の段階で立地企業への分譲又は賃貸の契約が締結されて、そして立地企業の施設が建設されまして事業開始に至るという流れでございます。
 一番初めの要件でございます用地の造成とインフラ整備というふうに考えた場合、まだ第1次の、例えば今、特別自由貿易地域は1次から3次までの処分用地に大きく分けられるわけでございますが、このうち一番予定が早く進んでおります第1次処分用地につきましては、用地造成等インフラの整備、あるいは通産の枠組みの中での賃貸工場の建設が平成11年度いっぱいかかるであろうというふうに考えられております。また一部インフラが整備されるのはもう少し早いタイミングがあるかもしれませんが、先ほど申し上げた企業が安全にそこで満足するに至るまでのインフラ整備ができ上がるのはやはりそれぐらいの年がかかるのではないか。そして実際企業が施設を建設いたしまして、あるいはレンタル工場の中でレンタルしまして、施設等を備えつけて事業を開始するのが早くて平成12年度ではないか。そして第2次処分用地、あるいは第3次処分用地につきましては、公有水面埋立法とか、あるいは港湾法の港湾計画の変更である。当初の予定は工場団地であったところから特別自由貿易地域という新たな制度になったものですから、そういった港湾計画等も変更しなくてはいけないという要件がございます。そういったこととインフラ整備、あるいは用地造成を1次処分用地にフォローする形で行っていった場合、2次処分用地についてはインフラ整備ができるのが12年から13年度、3次処分用地につきましては14年度から15年度になるのではないか。そうなりますと公募を経て、それぞれ企業が施設を建設し、事業を開始するのは、2次処分用地については14年度ぐらいではないか、あるいは3次処分用地については16年度ぐらいにかかるかもしれないというふうに考えております。35%の特別所得控除の話は、企業がそこに立地してからということでございますので、その時点から考えていただきたいと思います。

○亀谷部会長 何かそのほかございますか。

○金城委員 土地の賃貸というのは幾らぐらいですか。

○綱木企画課長 2万6,700円でございます。

○金城委員 坪当たり8万ぐらいになるのだけれども、ちょっと高い。これで入ってくるかなという感じがするのだけれども、その辺はどうなんですか。

○綱木企画課長 今後運営主体との話も含めて検討していかなければいけないとは思っております。

○玉城総務局長 その付近の土地と比べてどうですか。それでもまだ半値ぐらいじゃないですか。あの辺の相場はわかりませんが。

○綱木企画課長 7割ぐらいです。

○玉城総務局長 周りで坪十四、五万ぐらいで買えるわけですか。

○金城委員 土地というのは付近の土地との勝負ではない。他の自由貿易地域との勝負なんだから。国内の埋立地の平均的値段というのは幾らぐらいですか。

○綱木企画課長 工業用地につきまして、全国平均が、例えば内陸でございますと平米当たり3万円4,780円、沖縄は若干それより高くて、内陸については5万1,560円、約1.48倍となっております。造成で臨海については全国平均が8万1,950円、これは沖縄が安くて2万6,700円ですから全国に比べると約0.3、3割ぐらいということになります。非造成の部分の工場適地につきましては、全国平均が3万3,580円、沖縄県につきましては4万8,310円となっておりまして、これはやや沖縄が高くて1.4倍ぐらいだろう。それから全工場、造成される全工場適地としては全国平均が3万6,870円で、沖縄は4万7,050円でございますので約1.2倍、そうなりますと、造成の臨海が全国平均に比べて3割程度という非常に安くできますが、それ以外については約1.2倍から1.4倍ぐらいになっているところでございます。ただ、この中城湾については、繰り返しになりますが、全国平均の32.5%となっておりますので、値段としては非常にリーズナブルではないかと思います。

○大城氏 周辺諸国の自由貿易地域に比べれば高いということですか。

○金城委員 そうです。台湾などからみると土地が高いと言っています。

○玉城総務局長 台湾の土地の値段はどうなんですか。向こうも結構高いんじゃないですか。

○金城委員 台湾の企業は、周辺諸国の自由貿易地域にも進出していますから、そういうところなどと比較しているのでしょう。

○玉城総務局長 スービックは国有地と聞いていますから、ただみたいなものじゃないですか。

○綱木企画課長 人件費につきましても、実はこの間ある企業のトップクラスの方から伺ったところ、台湾は確かにレートとしてというか、人件費そのものとしては値段は安いのかもしれませんが、人材の確保が難しいというか、人材を確保するまでのシステムが難しいので、例えばフィリピンを人材確保のコストと能力も含めた形でランクづけした場合、フィリピンがAと考えた場合は台湾がCになる。むしろコストの話よりも本当に優秀な人材を確保するシステムが難しいということを、具体性がわからないところがあるのですが、そういうことをある大手企業の幹部がおっしゃっておりました。

○亀谷部会長 先生、何か御質問ございますか。

○新垣委員 よろしいです。

○亀谷部会長 それでは、時間の関係もございますので、事務局の説明に対する御質問はこの程度ということにさせていただきます。
 次は、部会委員による意見交換に移りたいと存じますが、その前に5分ほど休憩いたします。

〔休憩〕

○亀谷部会長 それでは、再開いたします。
 先ほど申し上げましたように諮問にかかる内容につきまして、当部会委員による意見交換に移りたいと存じます。先ほど来特別自由貿易地域の指定につきまして、審議会の付託に基づきます調査審議を行ってまいったわけでありますが、当部会といたしましては、本件につきまして、審議会への報告の取りまとめを行いたいと存じます。つきましては、直接の問題でございますが、ご意見がございましたらいただきたいと存じます。

○大城氏 先ほどのお話ですと、県の方に頑張ってもらって、埋立地もそうですけれども、早く指定したら早く動き出せるような体制をとってほしいですね。せっかく申請を早めにしていますから。

○亀谷部会長 今、先生のお話のとおりで、現実に立地、オープンできるまでの体制をもう少し促進していただきたいというのは私も申し上げようと思っていたところですが、ひとつお願いしたいと思います。
 それでは、先ほど来の調査審議をいただきました点を踏まえまして、部会の報告案を作成いたしておりますので、これをお諮りいたしたいと存じます。

(「総合報告(案)」配布)

○亀谷部会長 それでは、事務局から読み上げをお願いします。

総合部会報告(案)


 1 去る3月8日に沖縄県知事から沖縄開発庁長官に申請が行われました中城湾港新港地区への特別自由貿易地域の指定については、翌9日、沖縄開発庁長官から沖縄振興開発審議会に諮問が行われました。
 2 本件に関しましては、昨年6月30日の第36回沖縄振興開発審議会におきまして、審議会における調査審議を機動的に行うため、沖縄振興開発審議会運営規則第3条第2項の規定により当総合部会にあらかじめ付託されていることから、去る3月18日に第36回総合部会を開催いたしました。
 3 総合部会においては、沖縄開発庁から説明を聴取し、鋭意調査審議を行った結果、次のような結論に達しました。
   「特別自由貿易地域の指定は、妥当と認められるので、諮問のとおり承認することが適当である。」

○亀谷部会長 ただいまの案が当審議会部会報告の原案であります。いかがでございましょうか。

○金城委員 部会報告には書かなくてもいいんですけれども、口頭で部会長から提言していただきたいことがあります。この地域を運営する管理運営主体の特殊法人設置について早急に検討して設立してもらいたいということです。インフラをつくっても、実際企業が入居した際に、いろんなサービスをする主体がございませんから、なかなか進捗しないというふうなことがありますので、それを口頭でつけ加えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○亀谷部会長 その点については事務局の方で何かありますか。

○金城委員 こんなことをしろというのではなくて。

○綱木企画課長 私どもこの問題はまた重要な問題であることは十分認識しておりまして、管理運営主体につきましては、沖縄県が企業立地の公募、あるいは土地の分譲や賃貸を含めて管理運営を行っていくことと今のところされているところでございます。まずは沖縄県が企業誘致活動や立地企業の受け入れ体制の整備等に積極的に取り組んでいただきまして、それがまず肝要なことかと思っておりますけれども、その点につきましては、県、国としても、できる限りの協力をしていきたいというふうには考えております。ただ、そのあり方につきまして、当初言われておりましたように28条に基づく国の管理運営主体というのは、残念ながら今の行革をめぐる状況の中では極めて厳しい。我々もそれは極めて困難なことというふうに今は認識せざるを得ませんので、ただ、そういった管理運営主体のあり方というのは形態を含めていろんな問題があって、種々議論するべき点があると思いますし、また幾つかの道もあると思います。沖縄県の考えもよくお聞きしながら進めていきたいというふうに考えております。

○金城委員 管理運営主体については今後大いに議論してやる必要があると思います。

○亀谷部会長 形態の問題も含めましてね。

○金城委員 早く設立しないと前に進まないということです。

○亀谷部会長 先ほどの御意見、早く条件整備というお話もございましたし、ただいまのように運営管理の問題というのが当面大きな問題になることは事実でございますので、そういうことも含めて必要かと思いますが、とりあえず当部会として、ただいま事務局で読み上げました案で審議会に報告をいたすということにいたしたいと思いますが、この点についてはようございましょうか。
(「結構です」と声あり)

○亀谷部会長 どうもありがとうございます。
 それでは、当部会といたしましては、この案で審議会に報告をすることといたしますと同時に、あわせまして、ただいまいろいろ御意見をいただきましたが、皆様の御意見、調査審議の内容につきましては、私にお任せをいただきまして、どういう形になるかとは思いますけれども、報告をいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
 それでは、3月25日に予定される審議会に本案で総合部会報告を行うことにいたしたいと存じます。また本件に関します記者発表の取り扱いにつきましては私の御一任を願いたいと存じますが、よろしゅうございましょうか。

(「はい」と声あり)

○亀谷部会長 どうもありがとうございます。
 では、ほかに御意見当がありましたらちょうだいいたしたいと思います。

○大城氏 この問題はこれでいいということで、21世紀プランの話を。

○金城委員 その他ということだから。

○大城氏 スケジュール的な話が少しありましたら、そのお話をお聞きしたいですね。

○亀谷部会長 それでは、本件の方はこれで一応進行済みということにいたしまして、ただいまちょっと御発言もあったかと思いますが、僣越でありますが、部会長の私から一言申し上げたいと思いますけれども、ただいまちょっと触れられましたが、最近の沖縄をめぐります情勢を見ますと、昨年11月に稲嶺知事が沖縄県知事に御就任になりまして以来、また12月に沖縄政策協議会が再開されました。稲嶺知事からも緊急効果的なプロジェクトについて御発言があったようでございます。そういったいろいろな動きが出ているようでございますが、この際、事務当局から経過及び背景その他状況について説明をいただければと思いますので、どうでしょうか。ひとつよろしくお願いいたします。

○綱木企画課長 では、最近の沖縄をめぐる状況につきまして、特に政策協議会の動向を中心に御説明させていただきます。
 今、部会長からお話がございましたように、沖縄政策協議会につきましては、稲嶺沖縄県知事御就任の翌日に当たる昨年の12月11日でございますが、再開第1回としまして、最初から数えますと第9回目の協議会が開かれたところでございます。第8回が平成9年11月でございましたので、1年余り間をおいての再開でございました。この第9回協議会におきましては、総理から100億円の特別調整費を平成11年度予算に計上する旨の表明がなされました。また稲嶺知事からは経済振興のための緊急かつ効果的なプロジェクトといたしまして6項目が示されました。その中に例えば通信コストの低減化、あるいは航空運賃にかかる追加措置、特別自由貿易地域への立地促進のための、先ほど若干引用させていただきましたが、レンタル工場の整備等が入っていたわけでございます。その6項目が示されまして、早急な立ち上げが要望されるとともに、沖縄県民が自信を持って21世紀に向けた将来展望を描けるというような新しい視点に立った「沖縄経済振興21世紀プラン」の策定についての早期の取り組みが要請されたところでございます。そして本年の1月に開始されました第10回の沖縄政策協議会におきましては、前回の第9回目の協議会において知事から具体的な要望がございました6項目について確実な実現を図るべく緊急対策についての取り組み方針というのが了承されたところでございます。また稲嶺知事からは「沖縄経済振興21世紀プラン」の早期の策定、具体的には本年の半ばごろまでには少なくとも中間的な報告を取りまとめていただきたいという旨の要望がなされたところでございます。これを受けて、政府は今後逐次検討を進めることといたしまして、本年4月にも開催が予定されております次回の政策協議会におきまして、同プランとして目指すべき方向について県側、具体的には知事からの御要望をお聞きするという段取りが協議会として了承されております。
 21世紀プランは既に皆様方御承知のこととは思いますが、これ自身は先ほど若干触れさせていただきましたように、平成9年11月21日の式典において当時の橋本総理から表明されまして、21世紀の沖縄の発展のあり方を考える上で加工交易型産業の振興がまず1番、2番目に観光リゾート産業の新たな展開、3番目に情報通信産業の育成、そして4番目に特別の自由貿易地域制度の創設ということを含めまして、5つの沖縄経済振興策を講ずるとともに、沖縄経済自立化に向けての重点的な施策の具体的体系化であるというふうに言及されたものでございます。現実には平成9年11月でございまして、当初スケジュールが順調に進んでおりますれば、昨年の3月には21世紀プランをまとめられる予定で、当初そういう予定であったというふうに聞いております。ですから、橋本総理の式辞を受けまして、開発庁といたしましては、去年の3月、沖縄振興開発特別措置法にこれを組み付けまして、今申し上げた項目の中の特別自貿のお話、あるいは情報通信の育成の話、観光リゾート産業の展開の話をそれぞれ税制の優遇措置を入れた地域指定という形で結実させまして、制度を創設したというところでございます。その後、若干事情が変わったところがあって、また新たな要望という形になっているのかと思われます。
 したがいまして、話が元のところに戻りますが、現在、沖縄県におかれまして、4月に開催が予定されている次回の協議会に向け、鋭意その要望内容の検討が行われていると承知しております。また政府におきましても、中間報告の取りまとめが7月に予定されているというところを聞いておりますので、その内容、あり方について検討を行っているというところでございます。また新聞報道にもございましたが、その間に国と県の間で齟齬があってはならないということで適宜全体プランについて意思疎通が行われているし、また今後もそれが必要であるというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、21世紀プランがどのような内容になるかということについて、あるいはポスト3次振計との関係はどうなるかということにつきましては、今後の政策協議会の議論の推移を見ていく必要がございますが、少なくとも開発庁を含めて国といたしましては、21世紀プランが沖縄の経済の自立化をキーコンセプトとしている、最も重要な視点としていること、現時点ではそのように聞いておりますので、その線は守られると思います。そして沖縄県の要望も踏まえまして、産業振興を中心とした個別具体的な施策が中に織り込まれているというふうに考えております。個別具体的な施策と申しますのは、一方で既に3次振計があと余すところ3年余という射程でつくられております。その3次振計というのは沖縄振興開発の向かうべき方向を総合的見地から包括的に示したものでありますが、10年という長期計画、マスタープランという性格、その性格ゆえの長所短所をまた持っているわけでございます。ですから、その中で時代の推移もあるということを考えた場合、例えば3次振計の中に盛り込まれた施策の推進を促す、あるいは、より具体的な施策を織り込んでいく。さらには一部深堀りをすることで内容を補完していく。あるいは沖縄振興開発についての計画策定当時におきましては、当初考えられなかった、あるいは計画作成当時以降の状況の変化に伴って必要となってきた新たな視点を加えること、また施策相互間のプライオリティーというものをまた再考していくというような性格を21世紀プランは持っているのではないかと考えております。
 ですから、基本的には振興開発計画の延長、あるいは拡大という形に位置づけになると思いますので、開発庁としてはそれをしっかりフォローしていくというところ、またその作成について主体的に参加していくことになりますが、ポスト3次振計につきましては、総点検の結果を踏まえてございますけれども、開発庁が引き続き検討主体になると思われますが、ただいま申し上げました21世紀プランに盛り込まれる、あるいは盛り込まれるであろう具体的な施策、あるいはその理念等を踏まえながら、さらに全体的な、総合的な体系を示していく。すなわち、ある意味で21世紀プランはポスト3次振計に吸収されていくものであるのではないかというふうに考えているところでございます。いずれにしましても、今後今年の夏までに向けまして、開発庁も主体的にこれに参加していく所存でございます。
 以上、政策協議会中心でございますけれども、現在の沖縄をめぐる情勢の一端を御紹介させていただきました。

○亀谷部会長 今のお話ですと、今年の夏ぐらいをめどに一応中間的といいますか、ある程度の取りまとめができる方向でこれから協議会を進めると、こういうことでございますか。

○綱木企画課長 はい、そうでございます。

○亀谷部会長 やはり完全にできるのは1年ぐらいかかるわけですね。

○綱木企画課長 はい。中間的取りまとめでございますから、その次がどういう形になるか。

○亀谷部会長 どういう形になるかは別にしてね。先ほどお話があったように、我が3次振計も残るところ3年でございまして、これまで御案内のように展望等を取りまとめをいたして、これからいろんな問題が出るだろうけれども、適切に対応していこうということで私も審議会にも報告をさせていただきましたが、ちょうどそれとこれが並行というおかしいのですが、大体来年ぐらいにはだんだんなってきますから、その辺を考えていかなければならないと思います。

○金城委員 国際都市形成構想なるものは開発庁はどうとらえているのでしょうか。

○大城氏 前の県政は長期決定をしたんですか。

○綱木企画課長 国にも上がってきております。

○大城氏 受けとめ方というのは、国土計画の中の盛り込まれ方というのか、国の対応はあれである程度は読み取れるわけですけれども、あれは例の基地返還アクションプログラムと連動していましたから、稲嶺知事の姿勢、今度の県政の演説を見ると基地返還アクションプログラムについては、政府との協力体制を築いてSACOを着実にやっていくという、それとの関連でいえば、国際都市形成構想を県の方も少し修正してくるかなという感じはするわけですけれども。

○綱木企画課長 おっしゃるとおりでございまして、一応県政の継続性という面から考えれば、確かにそれは生きているものとは思われますが、さはさりながら新しい県政ができたわけでございますので、その中で新知事のお考えということもまた加味された形で若干調整等が行われるのではないかと思いますが、国としては、現段階では県が正式なと申しますか、組織的に調整に入ったというふうには聞いておりませんので、むしろ私どもとしては、事務的には国際都市形成というのはどうなるのかということを折に触れて県の方に、仮にそれに対して調整が行われるならば早く行ってほしいし、またその結果についても教えてほしいという要請はしているところでございますけれども。

○亀谷部会長 当委員に御関係があった牧野さんも副知事になられておられますし、まだ私もお目にかかっていないのですが、新しい稲嶺知事さんや、今、御質問になったような基本的な問題についていろいろ検討をやっておられるところなんですかね。

○金城委員 あれはどうなっているんだろうということで、県の方も政策の修正をしてこない限り、構想は今までのような形でそれを受けとめているわけですね。

○綱木企画課長 一部については政府全体の受けとめ方みたいなものもまたございますので。

○玉城総務局長 前も国際都市形成構想というのを沖縄県のグランドデザインとしての思いを込めたものであるというようなことを前の総理大臣はおっしゃっておられたんですね。それだけ思いを込めたものであればあるほど、基地も動かせなかったら普天間の後に研究学園都市とか、そういうゾーンを設定しているものですから、それとの整合性はどうなりますかと、逆に指摘していました。知事が代わってしまったものですから、稲嶺体制の中で総括することになると思います。

○金城委員 総括して修正するなら修正する形でもっていかないといけない。

○玉城総務局長 これはあくまでも県のいろんな夢というか、グランドデザインという言い方もしておりませんが、決して国の方でオーソライズするというような話ではなくて、県の考えを尊重するというような言い回しをしておられたんですね。

○金城委員 沖縄に来られた総理があれだけ大演説をして、国際都市形成構想も入っているわけだから、あれをやめましたというわけにはいかんでしょう。

○大城氏 用語としては、県も21世紀のグランドデザインというふうにいって、国の方のグランドデザインという言葉とどっちが先なんですか。

○金城委員 県から出たものでしょう。

○玉城総務局長 県でしょう。あのころは一生懸命取り組もうとしていたわけですから、国としてもいろいろ応援しますから、基地の方もよろしくといういろんな裏があったと思います。途中で基地の方はノーは言ってしまったものですから、膠着状態になってしまった訳です。

○大城氏 特定課題の中に入れたというのは前の総理大臣の思い入れというのか、それがあったという感じがするのですけれども。

○金城委員 構想は3次振計の後期展望の中に入っていたんですか。

○綱木企画課長 入っています。

○金城委員 入れるかどうかいろいろ議論があったけれども。

○玉城総務局長 具体的を一定見つつ、国としてもそれに対応しましょうという形です。

○金城委員 具体的に出たら検討しましょうというような話になりましたね。

○大城氏 関連して政策協議会というのは今後ずっと続くのでしょうか。

○綱木企画課長 中央省庁再編の後、恐らく今の私ども開発庁と内閣担当部局の沖縄担当室は一体化されると思いますので、その中でどういう位置づけるになるのかというのは検討課題でございますし、今のところはどうなるかということについてはまだほとんど議論はされていない状況ではございますけれども、何らかの形で県の声が出てくる場ということの確保については議論がされるのではないかというふうに考えております。

○大城氏 振興開発審議会というのは、10年計画で前期後期で、後期課題というのは5年ごとに議論して出てくるわけですけれども、常時沖縄の声というのか、意見が出てくるというのはそこしか、そこがないような感じもするものですから、政策協議会で非常に大事な役割を担うなと思っているものですから、これは今後のポスト3次振計とのかかわりで重要になってくる点だろうと思いますけれども。

○金城委員 軍用地関係では、想定されない問題の可能性もあるから、全省庁を網羅したような感じのものができれば解決が早いでしょう。

○亀谷部会長 知事さんの方で基本的なスタンスをもって整理されて、お忙しい後ですけれども、県はいずれお出しになるのではないでしょうか。そうしないとまた今のような疑念が、継続性がどこまであるんだというような話になりかねませんから、それはあるのだろうと思います。
 いろいろ大変貴重な御意見をいただいたところでありますが、ただいま事務局から御説明のありました、いわゆる21世紀プラン等今後の沖縄の振興開発施策にかかわる問題でもあると私も考えております。事務当局におきましては、今の説明がありました21世紀プランなど今後の沖縄の振興開発施策等にかかわる問題について引き続きフォローを行っていただき、必要に応じ当部会、さらには審議会の総会に説明をいただきたいと存じております。
 それでは、特に何かございますでしょうか。

○金城委員 ひとつ御協力をお願いしたいんですけれども、今沖縄では自立化に向けた経済振興ということでいろんな案が出ております。いわゆるこれは希望的観測に基づくものがたくさんありまして、身の丈とはかけ離れたような論も堂々とまかり通るようになっているんですけれども、じっくり将来の展望をして、沖縄の持っている経済的な立地条件、それから沖縄を取り巻く周辺の経済環境、そういうものにマッチしないようなものをつくってしまうとうまく機能しなくなり、自立化の促進が思うように果たせなくなり、後で悔やんでも取り返しがつかなくなります。実は復帰して3次振計までやりまして、今自立化に向けたというふうなことで産業振興が叫ばれているわけですけれども、あのとき、もしそういう視点があったならば、そういう視点がもっと高かったならば、沖縄の自立化に向けた産業というのがもっと育てられていたかなというふうな感じもするんです。そういうことで今後沖縄の自立化を目指すというふうなことが主眼になってくるならば、沖縄の経済的諸条件というものをしっかりと踏まえて、そのもとでいろんな計画を立てていただきたい。また立案もお願いしたいということをお願い申し上げておきたいと思います。

○亀谷部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、特にございませんなら事務局から。

○綱木企画課長 ただいまは各委員又は部会長から御指摘をいただきました点につきましては、御指摘も踏まえながらフォローを行い、また川村審議会会長、亀谷部会長とよく御相談させていただきたいと存じております。
 以上をもちまして、第36回沖縄振興開発審議会の総合部会を終わらせていただきます。長時間にわたりましてどうもありがとうございました。

○亀谷部会長 長時間ありがとうございました。