第40回沖縄振興開発審議会総合部会・専門委員会合同委員会議事録

議事次第

○日時: 平成12年10月31日(火)15:00~16:30
○場所:虎ノ門パストラル4階「松」
  1  開会
  2  議事
   (1) 沖縄振興開発審議会総合部会専門委員会調査審議結果中間報告
   (2) 今後の調査審議の進め方について
  3  閉会

配布資料

   資料1 沖縄振興開発審議会総合部会専門委員会調査審議結果中間報告
   資料2 沖縄振興開発審議会総合部会における今後の調査審議の進め方について(案)

沖縄振興開発審議会総合部会委員名簿

 ○総合部会長
  財団法人沖縄協会理事   亀谷 禮次

 ○総合部会委員(五十音順)
  琉球大学教授   大城 常夫
  沖縄県経済農業協同組合連合会代表理事会長   儀間 義勝
  法政大学総長・理事長   清成 忠男
  沖縄県工業連合会会長   金城 名輝

沖縄振興開発審議会総合部会専門委員会委員名簿

 ○座長
  法政大学総長・理事長   清成 忠男

 ○座長代理
  琉球大学教授   大城 常夫

 ○委員(五十音順)
  琉球大学教授   池田 孝之
  日本銀行那覇支店長   内田 真人 (平成12年5月15日まで   沼波  正)
  (株)危機管理総合研究所代表取締役研究所長   小川 和久
  琉球放送(株)代表取締役会長   小禄 邦男
  世界貿易センター沖縄顧問   儀間 光男
  沖縄県経済農業協同組合連合会常務理事   金城 正信
  名桜大学教授   小濱  哲
  大阪産業大学教授   今野 修平
  国際協力事業団沖縄国際センター所長   佐々木 豊
  沖縄国際大学教授   富川 盛武
  早稲田大学教授   富永 英義
  (有)インターリンク沖縄代表取締役社長   (有)インターリンク沖縄代表取締役社長
  沖縄国際大学教授   野崎 四郎
  (財)沖縄観光コンベンションビューロー沖縄コンベンションセンター館長   比嘉 悦子
  琉球大学教授   眞榮城 守定
   注:座長及び座長代理は総合部会に属する委員

出席者

  ○総合部会委員
   亀谷部会長、大城委員、儀間委員、清成委員、金城(名)委員
  ○専門委員会委員
   池田委員、金城(正)委員、小濱委員、今野委員、佐々木委員、富川委員、冨永委員、豊川委員、内田委員、野崎委員、比嘉委員、眞榮城委員
  ○沖縄開発庁
   榊総務局長、小山事務局長、竹林企画課長、外崎跡地利用企画官、久保田企画官、福本調査官

議事

○竹林企画課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第40回の沖縄振興開発審議会総合部会及び専門委員会の合同委員会を開催させていただきます。
 本日、専門委員の先生で所用のため御欠席の先生は小川和久委員、小禄邦男委員、儀間光男委員の3名の方でございます。それでは、亀谷部会長よろしくお願い申し上げます。
 
○亀谷部会長 本日は、お忙しいところお集まりいただきまして誠にありがとうございます。昨年9月に、当部会におきまして今後の調査審議の進め方について決定し、これを受けまして専門委員会を設置し、これまで沖縄振興開発計画に基づき実施されてきた諸施策等の現状と課題について調査審議を進めてきていただいたところでございます。 
 そこで、本日の会議におきまして、これまでの専門委員会での調査審議結果を中間報告として御報告をいただくとともに、今後の調査審議の進め方について審議をしていただくことといたしております。
 それでは、議事に入ります前に事務局の方から本日の配布資料の確認をお願いいたします。
 
○竹林企画課長 それでは、お手元に総合部会専門委員会合同部会の資料を配らせていただいております。配布資料についての御確認をお願いしたいと思います。
 まず資料1でございますが、本日先ほど専門委員会で、決定いただきまして総合部会に御報告いただきます沖縄振興開発審議会総合部会専門委員会審議結果中間報告でございます。
 資料2は後ほど御審議いただきますが、今後の総合部会における調査審議の進め方の案でございます。以上、資料は2点でございます。  
○亀谷部会長 ありがとうございました。それでは、専門委員会調査審議結果中間報告につきまして、専門委員会の座長の清成委員から御報告をお願いいたします。  
○清成座長 それでは、専門委員会の調査審議結果の中間報告をいたします。
 本専門委員会は、昨年9月30日に開催された第37回総合部会の御決定を受けまして、これまで約1年にわたり沖縄の社会経済状況、所得、経済構造、人口と雇用、産業振興、社会資本の整備、人材育成、国際交流拠点の形成等につきまして調査審議を進めてまいりました。それで、昨年10月4日に第1回の委員会を開催して以来、延べ8回この会議を開催しまして、沖縄開発庁の実施した総点検結果、それから沖縄開発庁及び各省庁の実施した総合調査結果の報告を受け、審議を行ったわけでございます。これらの詳しい審議状況につきましては、中間報告の後半に資料編としてまとめてあるとおりでございます。
 次に、調査審議結果につきまして、その主な概要について御説明いたします。
 まず、沖縄の社会経済状況であります。2ページでございますけれども、沖縄県の人口は近年人口増加率が鈍化しつつも、平成11年には131 万人と3次振計における想定値であります130 万人を超える規模を既に達成しております。昭和47年から平成11年の間の人口増加率は全国平均より18.5ポイント高いという状況になっております。人口構成につきましては、年少人口の占める割合が全国平均よりも高いという状況にあり、若年者が多いという意味で人口の吸引力、扶養力を持ち、ポテンシャルが域内に滞留しているというように評価できるわけであります。
 次に4ページでございますが、雇用につきまして完全失業率は昭和47年以降年々上昇し、海洋博覧会終了後の昭和52年の6.8 %を頂点として、その後は増減を繰り返しながら低下傾向で推移していたところでございますけれども、その後の長期不況を反映しまして再び悪化傾向で推移しておりまして、平成11年に8.3 %、これは本土復帰後最悪の状況になっているわけであります。また、年齢別の構成を見ますと沖縄におきましては15歳から29歳までの若年者の完全失業者が、完全失業者全体の約5割を占めております。その原因としましては、新規学卒者を中心に若年者の地元志向が強い一方で、県内には就業にふさわしい場が限定されているということ等によるものと考えられるわけであります。
 次に6ページでございますけれども、所得について昭和47年度では60.3%でありました一人当たりの国民所得との格差ですね。これは復帰後の高い経済成長を反映しまして縮小傾向で推移し、昭和61年度には76.7%というようになったわけでありますけれども、それ以降は経済成長率が低下する一方で、全国より高い沖縄県の人口増加率によりまして一人当たりということですから逆に拡大傾向に転じて、平成9年度では69.7%という数値になっているわけであります。
 なお、3次振計では一人当たりの県民所得は目標年度において310 万円、これは平成2年度価格でありますけれども、これを超え、全国の所得水準との格差は縮小していくということが期待されているわけでありますが、平成9年度では実績値で216 万円というふうになっているわけであります。
 次に9ページに移りまして、経済構造についてであります。産業構成別に名目値の県内総生産を見ますと、第1次産業につきましては昭和47年度の7.3 %から平成9年度には2.4 %へと低下しておりまして、第2次産業につきましては昭和47年度の27.9%から平成9年度には18.2%と低下傾向を示しているわけであります。また、第3次産業は昭和47年度の67.3%から平成9年度は83.0%と、そのウェートを大幅に高めているわけであります。
 次に12ページでございますが、米軍施設区域の整理・統合・縮小と返還跡地の利用ということについてでございますけれども、平成8年12月の沖縄に関する特別行動委員会、つまりSACOの最終報告におきまして、普天間飛行場を含む11の施設・区域の全部または一部の返還が合意され、これが実現すれば沖縄県におきます米軍専用施設・区域面積の約21%、約5,002 ヘクタールが縮小するということになり、これはこの沖縄の本土復帰以来、今日まで返還されました施設・区域の面積の累計を上回るものであります。
 それから13ページに移りますが、今後ともSACOの最終報告を踏まえまして、米軍施設・区域の整理・統合・縮小に向け、より一層強力に取り組んでいく必要があるわけであります。また、返還跡地の有効利用につきましては平成11年12月に閣議決定されました「普天間飛行場の移設に係る政府方針」に基づきまして、普天間飛行場等の返還及び跡地利用の円滑な推進に向けた検討が国、県、地元市町村で進められているわけであります。今後の返還跡地の利用に際しましては、米軍施設・区域の所在する個別の地域の視点のみならず、都市機能の再編整備、防災機能の強化、環境資源の保全・創出など、これからの沖縄振興という広域的な視点に立った新しい取組が不可欠であります。
 次に、15ページに移りまして産業の振興についてでありますけれども、3次振計において産業の振興を図ってきた結果、観光・リゾート産業につきましてはリーディング産業としての地位を確立し、情報通信産業についてはリーディング産業としての発展を期待されるという状況になっているわけでありますけれども、総体としては製造業等において企業立地が進まないなど、依然として生産部門が弱く、財政による需要への依存度が高いという状況にあるわけであります。バブル崩壊後の長引く景気低迷等のさまざまな環境変化の中で、この沖縄におきましては経済的な効果の少ない分野を含め、総花的に資源を配分するのではなく、沖縄が得意とする競争力のある分野、例えば観光でありますとか高齢社会に対応した総合的健康産業、介護産業、亜熱帯の特性やバイオテクノロジーを活用した農林水産業等の分野に資源を集中すべきであります。このようにして、沖縄の特性を活かした沖縄ブランドというものの構築を図るべきであります。
 このような観点に立って個別の産業の分野について述べますと、まず農業につきましては今後とも農業生産基盤、農業近代化施設、流通加工施設等の整備を推進するとともに、営農体制の確立や亜熱帯地域の条件に適合した特色ある産地の育成に努め、亜熱帯のブランド化を図る必要があるわけであります。
 それから16ページに移りまして、林業につきましては森林の公益的機能の強化と亜熱帯地域の特性を活かした林業の育成を図るため、多様な森林整備等を引き続き推進する必要があります。
 水産業につきましては、水産業の持続的発展を図るため、今後とも生産基盤等の整備を進めるとともに、熱帯海域の海洋特性を活かしたつくり育てる漁業の推進、資源管理型漁業の定着、観光・リゾート産業との連携を図る必要があります。
 2の製造業につきましては、食品製造業、建設資材関連製造業などの地場製造業の経営の革新や、企業の立地の目標とする業種の絞り込みとその促進策の強化を図るとともに、亜熱帯性の地域特性等を活かした沖縄が競争力を有する分野に産業振興策の重点をシフトしていくべきであると考えられます。
 17ページに移りまして、中小企業につきましては中小企業の経営体質の強化等に取り組む必要があると同時に、こうした現状をネガティブな視点でとらえるのではなく、ベンチャー企業が生まれる素地を有しているという前向きな視点でとらえ、これを助長していく仕組みが必要となるわけであります。
 次に18ページに移りまして観光・リゾート産業の振興についてでありますが、今後も沖縄で最も競争力を有する産業分野と考えられる中で、沖縄が将来的に国際的な観光・リゾート地となることが望まれるわけでありますけれども、我が国において高齢化が急速に進行しているということを踏まえますと、沖縄を国民の総合的な保養の場として位置づけ高齢者の活性化を図っていくことは、我が国全体の活性化に寄与するということになると考えられるわけであります。
 そのためには、沖縄の地域特性を発揮した観光・リゾート地域にふさわしい豊かで美しい地球環境の形成が不可欠であり、海岸線や斜面緑地等を保全するとともに自然環境の再生・創出に向けて積極的に取り組み、環境資源の再構築を図るべきであります。また、沖縄の伝統的集落や田園風景等の保存、沖縄らしい町並みや景観の形成等を推進していくことが必要であり、こうしたことによりリフレッシュができる人間回復が可能になる癒し、それから安らぎを与えてくれるという沖縄の魅力を維持していくことが必要であります。
 それから、同時に沖縄の伝統芸能や祭り等の個性豊かな独自の歴史文化を保護・継承するとともに、これらに係る施設の整備等を推進していくことにより、時間を重ねて味わいのある沖縄独特の文化を創造していくことが必要であります。
 また、19ページに移るわけでございますが、国内外からの誘客を促進するために、国内を始め国際的な会議の開催等の各種イベントの誘致・創出、人材や組織の育成等を図っていく必要があり、取り分けコンベンションとリゾートの連携が不可欠であることから、別々の施策ではなくて密接な連携の下での体制と環境の整備が必要であります。
 20ページにつきまして、2の観光・リゾート関連産業の振興についてでありますけれども、農林水産業については野菜、花き、熱帯果樹等について観光客の多い夏場の供給体制を確立するための新品種等の開発を行い、伝統工芸産業につきましては沖縄の独特な伝統文化を継承する地場産業として、観光と結び付いた重要な産業として考えていくなど、観光・リゾート産業との連携を図っていく必要があるわけであります。
 それから21ページでありますが、情報通信産業の振興でありますけれども、リーディング産業として発展していくためにはコールセンターのみならず、コンテンツ関連企業やソフトウェア関連企業等も視野に入れて今後も振興を図る必要があります。また、沖縄の将来を考えた場合、東京を中心とした本土との連携を図るとともに、経済、産業、その他の分野において最も隣接している関係にあるアジア・太平洋地域との連携を図っていくことが必要であり、このような近隣諸国との関係に留意しつつ、地域性、高速性を備えた情報通信ネットワークの整備を図る観点から、大容量の情報通信ネットワークや情報通信関連施設等の優先的整備を推進する必要があります。
 更に、「沖縄国際情報特区構想の推進方策等に関する調査研究報告書」というものに基づいた各般の取組を図る必要があります。
 なお、若い労働力が豊富で賃金コストも低いということ等により、コールセンターの進出が相次いでいるわけでありますけれども、求められる人材の質量の両面で人材の需給バランスがとれておらず、今後一層の人材育成を進めていく必要があるわけであります。
 次に23ページに移りまして、南の国際交流拠点の形成についてでありますけれども、沖縄は地理的にも歴史的にも近隣アジア、太平洋諸国等との国際交流の拠点となり得る素地を有しており、九州・沖縄サミットを契機に沖縄の特性を再認識し、名実ともに我が国の南の国際交流拠点として形成していくための積極的な取組が必要であります。
 まず1の国際交流拠点形成のための基盤整備につきましては、経済、学術、文化、保健医療、人材育成等のさまざまな分野、形態での国際交流、国際協力をより一層推進し、南の交流拠点の形成に向けた基盤整備を引き続き進める必要があります。また、沖縄が貿易、流通、観光等の各分野において日本の南の交流拠点であるために何が必要であるかということを検討し、着実に実績を上げることによって最終的にアジア・太平洋の交流拠点となることを目標とすべきであるということであります。
 なお、本年6月20日の閣議決定を踏まえ、国、沖縄県、地元市町村等をあげた国際会議の誘致に向けた取組が重要であります。
 24ページに移りまして、2の国際交流の場の形成につきましてはアジア・太平洋地域の交流・協力拠点にふさわしい国際交流の場の形成を図るため、沖縄国際センターとの連携の強化、同センターの研修員とのネットワークの構築により、各交流拠点間のネットワーク化を図り、国際交流ゾーンの形成を推進する必要があります。
 また、3の国際交流及び国際協力の推進につきましては、沖縄の地域特性を生かした人的交流、文化・学術交流、経済交流、友好親善交流など、さまざまな分野における国際交流の活発化を図る必要があります。
 更に沖縄の有する歴史的、自然的な地域特性を活かしながら、今後も国際協力を積極的に推進するとともに、その実施に当たっては相手地域の持続的発展に役立つようきめ細かな協力を推進するほか、環境問題等の地球的規模の問題の解決にも貢献する必要があります。 
 次に25ページに移りまして人材育成関連についてでありますけれども、1の学校教育につきましては、沖縄においては大学進学率が低いという状況にありますが、各方面において人材を育成する上でまず基礎的な学力が土台となることから、その向上を図るため、粘り強い取組が必要であります。それで、この高等教育につきましては今後本土からの学生を引き付けるためにも沖縄らしい高等教育の充実が求められているとともに、理想的には夜間開講や土日開講を行い、広く社会人が学ぶことができる環境を整備する必要があります。 
 小中高から大学に至るまでの学校教育においてITを活用した教育を率先して進めるとともに、これからの人材には技術と英語の能力を備えることが求められていることから、技術教育や英語教育の充実のための積極的な取組が必要であります。また、基地の大学の人的資源の活用方策を模索するといったようなことも期待されているわけであります。更に教育機関における課題としまして、教育の質的な向上を図るために、他の機関と連携をとるということが求められているわけであります。
 26ページに移りまして、2の職業訓練についてでありますけれども、人材の育成については企業側、需要側でございますけれども、それから供給側の大学等の側、それから地域、関係行政機関等、さまざまな角度から問題点を抽出し、議論を深めていくということが求められているわけであります。
 また、少子高齢化が進展している我が国におきましては、長期的には技術のある若い人材が著しく不足することが予想されておりまして、この沖縄にあっても同様の問題が存在しますことから、公共職業能力開発施設等の機能を最大限に活用し、若年者を重点とした専門的な教育・訓練を集中的に沖縄において行うことも検討する必要があります。
 更に、沖縄の産業振興のために、今後沖縄の特性を活かした環境問題等の実験プロジェクトを立ち上げ、このプロジェクトに沖縄の人を参加させることが必要であり、このような実際の実験プロジェクトに沖縄の人が加わり、そのノウハウを取得し、沖縄からベンチャー企業が誕生するということが期待されるわけであります。
 次に27ページでございますが、社会資本等の関連について、沖縄における社会資本の整備につきましては沖縄固有の政策ニーズを意識した投資という視点が弱くなりがちであったきらいがあるわけでありますけれども、少子高齢化に伴い低経済成長型に移行しつつある中で、施設の維持・更新に要する費用が増大するため、徐々に社会資本整備に充てられる財源が不足してくると思われるわけであります。こうした中で、今後の沖縄における社会資本整備の在り方について改めて検討する必要があります。
 今後の方向としまして、客観的な政策評価を始め、地方分権への対応、情報公開と住民意向の反映等の時代の流れに的確に対応した社会資本整備、世界に通じる個性と魅力ある地域づくりに応じた社会資本とは一体何かということを意識した社会資本の整備、環境、福祉、防災、情報等に対応した質的充実に配慮した社会資本整備が求められるわけであります。
 また、社会資本整備の今後の具体的な方向を示すならば、沖縄のリーディング産業である観光・リゾート産業の振興を図る視点から、豊かな自然環境に配慮するとともに伝統的集落等の保存、沖縄らしい町並みや景観の形成、文化の伝承等を担う農山漁村の整備等を推進し、将来にわたって地域住民のみならず観光客の利便性・快適性の向上につながる地域の資産となる社会資本の整備を実施していくことが必要であります。
 環境との関連におきましては28ページでございますけれども、環境保全と社会資本整備の調和を十分に考慮することが必要であり、資源のリサイクル化等を積極的に推進すべきであります。緑の保全・整備との関連においては、今後とも緑地の維持・保全や荒廃地、都市の緑化の推進に努力すべきであり、例えば沖縄における観光・リゾート環境の形成といった新たな視点を加え、公園、緑地等の整備を積極的に進めることが必要であります。
 福祉との関連におきましては、福祉のまちづくりに対応するようにあらゆる建物、施設において人に優しい環境整備が必要であります。
 返還跡地の利用との関連におきましては、SACO最終報告に盛り込まれた措置の着実な実施に当たって、単に返還跡地の利用という視点にとどまらず、活力ある都市圏の再構築等に向け、広域的な都市基盤の整備、都市機能の分担連携等のための枠組みが必要であります。
 次に29ページでありますが、今後の審議に向けて、1の3次振計の実施状況及び評価につきましては、3次にわたる振計に基づき沖縄の振興開発が進められてきた結果、振計の目標の一つである本土との格差は施設整備面を始めとして次第に格差が縮小するなど、着実な成果を上げてきております。また、産業振興の面においては、国、沖縄を挙げてさまざまな取組が進められてきた結果、観光・リゾート産業が沖縄のリーディング産業としての地位を確立するとともに、情報通信産業が新しいリーディング産業としての発展を期待されている状況となっておりまして、これらの動きにつきましては今後の沖縄経済自立化の方向を示すものとして率直に評価したいというように思うところであります。
 しかしながら、沖縄の産業構造における問題点として指摘され続けてきましたのは、生産部門が脆弱であるということであります。この点は今なお改善されていないわけでありまして、財政による需要への依存度は高いという状況にあるなど、3次振計において目標に掲げられた自立的発展の基礎条件の整備が未だ十分とは言えないと考えられるところであります。
 3次振計において新たに沖縄の振興開発の目標とされた沖縄が広く我が国の経済社会及び文化の発展に寄与する特色ある地域として整備をされるということにつきましては、特にアジアとの関係をも踏まえつつ、国際交流拠点の形成に向け、どのような整備がなされるべきか更に検討を深め、諸施策を実行に移していく必要があると考えられます。
 2の今後の沖縄の在り方についてでありますけれども、21世紀を目前に控える今日、世界は大変革のうねりの中にあるわけでありますが、今後の世界的潮流としましてはグローバリゼーション、IT革命、環境問題に対する意識の高まりといったようなことが挙げられるわけであります。この巨大で将来の予測が非常に困難な変革の中で、予測は難しくても今後において沖縄がいかにあるべきかを考える必要があるわけであります。
 30ページになりますが、この巨大な潮流に沖縄が乗り、ひいては沖縄がその潮流を活用するためには沖縄は何をなすべきか、そのために国はどのような環境整備を行えばいいのか、今後活発な議論が求められており、この点については中間報告提出後、更に議論を深めていくということが求められております。
 あえて一、二の方向性を示すならば、グローバリゼーションとの関係においては、従来は本土、なかんずく東京から隔絶された場にあるという沖縄の位置づけが、成長が期待されておりますアジア諸国との交流において我が国の南の拠点に転換し得るということを意味しており、今後の沖縄の在り方については、こうした観点を踏まえて考えるべきであります。
 また、IT革命は従来の時間・距離の概念を根底から覆し、行政、産業、教育等の各方面の構造や手法に根本的な変化をもたらすものであり、この機能を有効に活用するためには従前の仕組みを抜本的に見直すことが必要でありますが、沖縄においては、沖縄の持つ世界に誇り得る独特な文化、独自の感性を生かしつつ、柔軟に対処することが求められております。
 環境問題との関係については、「ゼロエミッション・アイランド沖縄」構想が策定されたように、沖縄においては環境保全のみならず、環境共生・創出の観点を新たに加え、諸施策を展開すべきであると考えられます。
 更に、我が国では急速な高齢化が進展しておりますが、沖縄においてはこれを否定的にとらえるのでなく、沖縄の温暖な気候を始めとする優位な環境を活かし、高齢者の保養・交流、活動の場として位置づけられることを目指すべきであります。
 3の沖縄の振興開発の方向についてでありますけれども、これまで沖縄の振興開発は「本土との格差是正」の目標に端的に示されたように、これまでは本土へのキャッチアップを主眼になされ、「我が国の中における沖縄」という位置づけを超えるものではなかったと言えるところであります。3次にわたる振計に基づく取組により、施設整備面を始めとして次第に本土との格差が縮小するなど、着実に成果を上げてきており、このような状況とともにグローバリゼーション等の世界的潮流の中で今後の沖縄の在り方はアジアとの関係を十分に踏まえて考えるべきであります。その意味で、「本土との格差是正」は今後、社会資本の整備面にとどまらず、沖縄の持つ経済構造、社会構造といったさまざまな面から幅広い議論を要するものと考えられます。
 また、沖縄はいまだ経済的自立が達成されていないという状況にあることから、沖縄が自立的発展を図るためには活力ある民間経済の構築が求められており、31ページになりますけれども、そのために沖縄の産業界や県民を中心とした前向きかつ責任ある取組が必要であり、国、県はその環境整備を積極的に推進する必要があります。その際には、県民生活面等における施設整備率が本土と比べて相当な水準に達した今日、21世紀に向かう世界的潮流を踏まえ、沖縄の自立を支える面に重点的に投資をする、いわゆる「選択と集中」の概念を積極的に取り入れるべきであります。こうした取組により、リーディング産業の一層の振興を図り、その成果が県内の他の産業に波及し、相乗効果を生むことにより、雇用の拡大、県民生活の向上等が図られることを期待するとともに、こうした取組に当たっては、国、県、市町村、民間部門等の役割分担を明確にし、「参画と責任」を意識しつつ、かつ一体となって沖縄の将来を見据え、戦略的に取り組む必要があります。
 更に、沖縄における人材の育成については、沖縄の振興開発を図る上で最重要課題の一つであり、今後は沖縄の人材の育成及び確保に係る明確なビジョンが求められるのではないかと考えられております。
 なお、今後の沖縄の振興開発の在り方を考える上で米軍施設区域の存在にも思いをいたす必要があります。SACO最終報告に盛り込まれた措置の着実な実施を図ることが重要であるとともに、返還跡地の利用の促進に取り組み、想定し得なかった広大な返還跡地が確実に発生することから、その利用について沖縄の将来を見据えた幅広い見地からの検討が求められるわけであります。米軍施設・区域の存在が今後の沖縄振興に与える影響については、本専門委員会においては種々の意見が出され、今後ポスト3次振計の検討において更に議論を深めていくわけでありますけれども、その際には沖縄に米軍専用施設・区域が集中しているという事実とともに、冷戦構造の崩壊という今日的な状況等を十分に踏まえて議論を進めることが必要であると考えられるわけであります。
 以上が中間報告の内容でありますけれども、本専門委員会としてはこの調査審議結果を踏まえ、今後の沖縄振興開発の在り方について更に調査審議を掘り下げていく必要があると考えるものであります。以上でございます。  
○亀谷部会長 清成座長さんには、中間報告の結果内容につきまして詳細に御説明をいただき、大変ありがとうございました。
 この専門委員会調査審議結果中間報告につきまして、何か御質問御意見等がございましたらお願いをいたしたいと存じます。
 ただいま中間報告をお聞きいたしまして、なお今後これらの審議の過程で出ました諸問題は更に詰める必要のある点も多々あるように伺いました。この御審議の中にもありますように、現在のグローバリゼーションの中で我が国自身が行政、社会経済、あらゆる面で大きな変革を遂げようと、その中でポスト3次振計を踏まえた沖縄の問題をどういうふうに詰めていくかということで、この1年間清成座長さんを始め、お忙しい中を御審議いただいたことに深く感謝申し上げる次第であります。
 いろいろ御議論が出ておりますように、今後これからあと更に手順の御相談をいたしますが、1次、2次、3次振計と同様、ポスト3次振計につきましてもこれまで以上に我が国を取り巻く大きな諸問題、特に沖縄につきましてこの施策の基本的なスタンスをどこに置くかということが改めて大きな課題であろうかと、私見ではありますが感じておるところであります。リーディング産業を始め、諸施策についての選択と集中等、いろいろな御議論もあるようでありますので、どうか今後更に御議論を詰めていただければ幸いかと思います。
 特に御発言はございませんか。  
○金城名輝委員 委員の皆様、大変御苦労様でした。立派な中間報告ができました。
 ただ、この中にいわゆるグローバリゼーションや、情報化の進展の中での沖縄の優位性はある意味では薄れてきたのではないか、と思われるものがあります。
 例えば、情報産業でもそうです。これは距離を問わない。それからもう一つは、沖縄がアジアの近くにあるというふうなこともグローバリゼーションあるいは情報化社会の中ではその距離的優位性が薄れてしまいます。優位性には経済的優位性、あるいは文化的、あるいは学術的、技術的優位性というのがあると思うんですけれども、どの分野で優位性があるのか、また現実の可能性等について、改めて深く検討していただきたいと思います。
 それから情報化社会に対応するための学校教育や人材育成に関して現在の世界の情報化というのは日進月歩でどんどん進んでおります。そのような状況の中で、沖縄を情報の拠点にしようとするならば、学校教育や人材育成について即戦力人材、近い将来の人材、将来の人材というように、タイムテーブルにもとづいた人材育成が必要ではないでしょうか。世界の情報化に遅れないためには、最初はやはり県外から技術者を導入するということも考えなければ、東京あるいは世界の中から遅れてしまって、拠点形成が難しくなる可能性もあります。そういう意味で、この情報化拠点の形成につきましては沖縄が、世界の流れや東南アジアの流れの中でどの辺の地位にあるかということをしっかり把握して、学校教育や人材教育を検討する必要があります。
 尚、、いろいろな構想がありますけれども、何時迄に誰がどういう方法でやるのかというふうな具体的な実施計画がなければ、課題解決が遅れるような結果を招くおそれがあります。したがって、これから最終報告をまとめられるときには、主体はもちろん沖縄県民ですけれども、そのようなことについても検討して頂きたいと思います。よろしくお願い致します。  
○亀谷部会長 どうもありがとうございました。ほかにございませんか。これをもちましてこの中間報告を了承ということにさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
 それでは、そのようにさせていただきます。次に、審議会への報告でありますが、次回の審議会総会まではなお若干の時間があるようでございますので、会長を始め審議会委員には近日中に御報告をしたいと思います。事務局の方はそれでよろしいでしょうか。  
○竹林企画課長 審議会会長には御報告に上がりたいと思いますし、またほかの各委員の皆様にもしかるべき方法でお届けしたいと思っております。  
○亀谷部会長 それでは、よろしくお願いいたします。
 なお、本報告は本日の会議終了後、公表することにいたしております。
 次に、沖縄振興開発審議会総合部会における今後の調査審議の進め方についての案につきまして御審議をいただきたいと存じます。事務局の方から御説明をお願いいたします。  
○竹林企画課長 それでは、お手元の資料の一番最後の方に1枚紙で資料2というものが配られております。これにつきまして、事務局の方として御説明申し上げます。
 今後の総合部会におきます調査審議の進め方についての案でございますが、まず読み上げさせていただきたいと思います。  
                (資料2朗読) ○亀谷部会長 どうもありがとうございました。ただいま企画課長からお話がありましたが、今後の調査審議の進め方について何か御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。  
○清成座長 今回の中間報告は生産部門が弱い、脆弱だという懸案の問題は当然あるんですが、ただ、時代の潮流というのは工業化時代ではないということだろうと思うんです。それで、いわゆるニューエコノミーという評価はいろいろあるわけでありますけれども、そういう新しい視点からIT産業等の育成をやる必要があるんですが、どうも今まで発想として工業化時代の政策手法をそのまま使って議論することが非常に多いんです。ですから、特に沖縄の場合には先ほど金城委員が御指摘になったんですが、別にIT時代に有利になったんじゃないんです。イコールフッティングでほかの地域並みになったということにすぎないんです。それは沖縄でもできるし、台湾でもできるし、中国でもできるわけであります。ですから、そういう点ではグローバライゼーションということになりますと国境を簡単に越えてしまいますので、その点も含めながら既存の産業政策とか、そういう視点ではない視点と、それから政策手法がやはり必要になって、そこの詰めにこれから入るんじゃないかという考えを持っているわけであります。  
○亀谷部会長 どうもありがとうございました。ほかにございませんか。
 特に御意見がないようでしたら、原案のとおり総合部会として決定をし、具体的な調査審議につきましては専門委員会において調査審議を進めていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、そのように取り運びをお願いしたいと存じます。清成座長さんを始め、専門委員会の委員各位におかれましては中間報告の策定、今日まで誠に御苦労様でございました。最終報告にこれから向けて御審議をよろしくお願いいたしたいと存じます。
 どうもありがとうございました。
 そこで、事務局を代表しまして出席の榊総務局長から、総合部会及び専門委員会の各委員にお礼のごあいさつがあるそうでございます。  
○榊総務局長 本日は委員の皆様、長時間にわたりまして大変熱心に御審議いただきましてありがとうございました。
 これまでの審議状況を振り返ってみますと、昨年9月に総合部会でこの専門委員会の設置が決められました。その専門委員会の中では、3次振計に基づきまして実施されました施策の現状と課題を中心に、約1年近く審議を進めていただいたわけでございます。皆さん大変お忙しい方ばかりであったわけでございますが、これまで8回専門委員会を開催いただきまして精力的に取り組んでいただいたわけでございます。私ども沖縄開発庁の方も、3次振計の総点検ということで「沖縄振興開発の現状と課題」を今年の6月に取りまとめさせていただいたわけでございますが、今専門委員会ではこれらとは別に更に深い観点から御議論をいただきまして、本日大変示唆に富んだ中間報告を取りまとめていただきまして、総合部会での御承認もいただいたということで、本当に皆様の御労苦に対しまして感謝申し上げたいと思います。 
 今後におきましては、総合部会において御決定をいただきました進め方に沿いまして、中間報告を踏まえて本当の本番といいますか、沖縄振興の今後の在り方という本論の方に入っていくわけでございますが、総合的な御検討を更にお願いするということでございますので、委員の皆様には今後とも一層のお力沿えをいただきますようお願いいたしまして、簡単ではございますが、お礼のあいさつに代えさせていただきたいと思います。ありがとうございました。  
○亀谷部会長 どうもありがとうございました。それでは、以上をもちまして第40回沖縄振興開発審議会総合部会専門委員会合同委員会を終わらせていただきたいと存じますが、本日の調査審議に関する記者発表の取扱いについては、事務局に御一任願いたいと思いますが、いかがでしょうか。  
           (「異議なし」との声あり)  
○竹林企画課長 記者発表につきましては、専門委員会調査審議結果中間報告及び本日の調査審議の主な御発言を紹介させていただきたいと存じます。  
○亀谷部会長 それでは、以上をもちまして第40回沖縄振興開発審議会総合部会専門委員会合同委員会を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。