産業再生機構が昨年5月に業務を開始して、1年と数ヶ月が経過いたしましたが、機構はこれまでの活動を通じて、事業再生の新たなモデルを提示するとともに、民間だけではできない難しい案件によく取組んでいると考えております。一方、機構が債権の買取決定を行うことができる期間は来年の3月末までとなっており、それ以降については不良債権処理の促進や事業再生のための手段として機構を使うことが出来ないこととなります。
従って、今後、民間ベースで事業再生が円滑に行われるためには、機構が現在果たしている「私的再生と法的再生の隙間をつなぐ役割」を、制度面・運用面の改善等により補っていくことが必要となるなど、いくつかの課題が残されています。
このような課題を検討する上での一助として、今般、事業再生実務家協会との共催の下、「事業再生市場の現状と今後の課題に関するシンポジウム」を開催させていただくことといたしました。本シンポジウムにおいては、事業再生市場の現状や機構が果たしている役割等について評価を行うとともに、私的再生と法的再生の制度・運用面の改善のあり方、事業再生市場の活性化策、人材育成等、「機構後」に向けた諸課題について、各方面の専門家の方々にご議論いただきたいと考えております。
今後の事業再生市場のあり方についてご関心のある方々の積極的なご参加を期待しております。 |