VI 叙勲、褒章と関連する制度

VI-1 位階、「国民栄誉賞」・「内閣総理大臣顕彰」等の表彰制度について 【現状】
位階(叙位)は、内閣の助言と承認により天皇の国事行為として行われる栄典の一つであり、聖徳太子が創設した冠位十二階の制に由来し、約1400年の歴史を有する我が国で最も古い制度の一つである。現在は、国家・公共に対し功績のあった者が死亡した際に、その者の生前の栄誉を表彰し、追悼の意を表すものとして運用されている。
国民栄誉賞は、広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があった者について、その栄誉を讃えることを目的として、内閣総理大臣が表彰するものであり、昭和52年にホームラン世界記録を達成したプロ野球の王貞治氏が受賞して以来15名の方が受賞されている。また、内閣総理大臣顕彰は、国家、社会に貢献し顕著な功績あった者を顕彰するため、内閣総理大臣が表彰するものである。
【懇談会における主な議論】
  • 国民栄誉賞を勲章制度に統合してはどうかという議論があるが、国民栄誉賞は、国民に親しみのある分野で前人未踏の業績に対して総理が機動的、弾力的に表彰するものとして創設されたものであり、国家公共に対する功労の集積を評価する勲章と同一にすることは制度としておかしいのではないか。
  • 功績には質の違ういろいろなものがあり、それぞれにふさわしい多様な褒め方があってしかるべきではないか。勲章の周辺にそれぞれの功績にふさわしい褒め方として褒章、国民栄誉賞、内閣総理大臣顕彰というものがあり、しかもそれなりに国民の間に定着し尊重されているということを考えるべきではないか。

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