【小学生部門】 ◆佳作 秋山 佳穂(あきやま かほ)

もう一つのバレーボールで知ったこと秋山 佳穂(美祢市立別府小学校6年 山口県)

私は、小学校二年生からスポーツ少年団でバレーボールを始めました。お父さんやお母さん、そして友達のお母さんなどがコーチをしています。パスやサーブなど出来るようになるまでずいぶんかかりました。6年生になってやっといろんな事が出来るようになり、バレーボールらしくなったと思います。

お父さんは、もう一つのバレーボール、知的障害者女子チーム“きららソレイユ”の監督をしています。なので、毎週練習に行っています。私も、時々ついて行ったり、後からお母さんと一緒に行って、練習のお手伝いをすることもあります。

練習に行くと、みんなとても上手です。お父さんに聞いてみたことがあります。「どこが障害なん?」「でも、○○ちゃんはちょっとわかるかも?」っと。お父さんは教えてくれました。「みんな知的障害って言われているけど、できることやできないことがみんなちがって、それぞれあるんよ。でも、お父さんは、障害と思わず“個性”と思ってるんよ」と言います。

「じゃ、奈穂も障害者?だって髪ぬくもん」と私が聞くと、「障害かもね?でも今は病気と思ってるよ。いつか治ると信じてるよ。」お父さんは答えました。そして、障害者は「障害があることによって継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう」と法律で定められていることも教えてくれました。ちょっと難しいけどなんとなくわかったような気がしました。

お父さんは、「パスやサーブが直ぐに出来るようになる選手は少しで、多くの選手は、一年も二年も練習して出来るようになるんよ。練習をすることで、少しずつ上手になるんよ。」と。私は思いました。「私たちと同じじゃん」と。

“きららソレイユ”は、五月の中国・四国ブロック予選会で優勝し全国大会に出場するそうです。五年ぶりの全国大会出場だそうです。私は、負けても負けても頑張って練習してきたことが「すごいなあ」と思いました。私だったら直ぐにあきらめてたかもしれません。

お父さんは、こんなことも話してくれました。「お父さんはねぇ、きららソレイユのみんなをどうしても全国大会に連れて行きたいんよ。だから、選手全員がバレーボールが楽しく続けられるように工夫してるんよ。選手一人一人の性格を知って、どういう練習が良いのか?どういう声かけが良いのか?考えながら練習しているんよ。」と。私は、お父さんがスポ少バレーの時、低学年には、やさしい声をかけ、私たちには、きびしい声をかけるのは、そういうことなのか?と思いました。

私は六年生として、スポ少や学校でも下級生への声かけをみんな同じでなく、一人一人違った言い方をしてみようと思いました。

テレビや新聞で、二〇二〇年の東京パラリンピックに向けていろんな障害者のスポーツを見ることがあります。車椅子の選手、義足の選手、目の見えない選手など、いろんな障害のある方が頑張っている様子を見て、障害があっても、障害の無い人と同じように、いろんな事ができるんだと思いました。そして、障害があることで困ることもあることを知りました。同じ障害名でも少しずつ違うことも知りました。

街の中で、障害のある方を見かけることが多くなりました。今までは、あまり気にしなかったけど、障害のことを少し知って気になるようになりました。障害のある方が困っている様子を見かけたら、声を掛けてみようと思うようになりました。

そして、スポ少バレーも後少しとなりましたが、中学校に入ってもバレーボールを続け、“きららソレイユ”の選手に負けないように頑張ろうと思います。