【小学生部門】 ◆優秀賞 犬塚 優璃(いぬつか ゆうり)
見守られて犬塚 優璃(福岡県立久留米聴覚特別支援学校5年 福岡県)
私は、生まれつき耳が聞こえません。
小さい時からお父さんやお母さんといっしょに、手話やいろんなことを覚えました。
学校にはお母さんから車でおくりむかえをしてもらっていて、人に会うことはありません。でも小学三年生からは、自主登校をして家から学校まで歩いて行くようにしました。
さいしょは、お母さんといっしょに歩いて学校に行く練習をしました。いままでは車で行っていたから、わからなかったけど、歩いて行くと道がせまいことや車がスピードを出してギリギリを通って行くことがわかりました。
学校にいくとちゅうに中学校があります。
その中学校は毎日、校門に先生が立って朝のあいさつをします。
私は初めて歩いて通る時に、その先生があいさつしてくれたことに気がつきませんでした。後から、お母さんから聞いて知りました。私は、手話がないと声だけでは、なかなか気づくことができません。
次の日から私は、自分からその先生の方を向いて手話であいさつをするようにしました。
その先生は手話がわからなくても
「おはよう。」
と言って頭を大きくさげてくれました。
私は、うれしかったです。それから毎日中学校の先生とあいさつをしています。
中学校があいさつ運動の時にほかの先生たちも校門に立ちます。
その先生たちも朝のあいさつをしてくれます。いつの日かその中の一人の先生が手話で
「おはよう」
とあいさつをしてくれました。
私のために手話を覚えてくれたのだと思いました。私はとってもうれしい気持ちになりました。
私は歩いて学校に通うようになっていろいろな人に会うようになりました。
中学校の先生のほかにも近所のおじさんやおばさんにも会います。その人達がお母さんに私が元気に学校に行っていることや、あいさつをしてくれることを、話しているそうです。
私はいろんな人に見守られて、元気に学校に通うことができているのだと思いました。
これからも、元気に学校に通いたいです。