【小学生部門】 ◆優秀賞 永井 月雫(ながい るな)
白杖SOS永井 月雫(加古川市立浜の宮小学校6年 兵庫県)
母と駅近くの病院にいくために、改札をでてすぐの広場を行こうとしていたときでした。杖をたたきながら歩いている人が、と中で止まってはまた同じところを歩いて進んでいない感じでした。
私と母は「どうしたんやろなぁ」と言いながら、気になり少し様子を見ていました。すると、その人が立ちどまって杖をまっすぐにあげました。
とりあえず、二人で相だんして話しかけることにしました。「なにかお手伝いしましょうか」と母が声をかけると、少しびっくりした様子でしたがすぐに「ありがとう。助かります」と言われました。聞けば目的地は私たちが行こうとしていた病院でした。
私も母も声をかけたのはいいけれど、どうやってサポートすればいいのか分からずとまどっていると、その人に「ひじか肩につかまらせてください」と言われました。つかんであげたほうが安心と思ったのですが、ひじか肩をつかまらせてもらったほうが安心なんだそうです。そして、「ちょっと先に出て歩いてもらえますか」と言われました。その方が段差になってもひじや肩の高さが変わるのでわかりやすいそうです。
私たちがふつうにいけば駅から一~二分の病院でもはじめてのゆうどうできんちょうしたのもあるのか、時間が長く感じられました。でも、無事に病院について「本当にありがとうございました」と言われ、私と母は目を合わせてニッコリしました。手助けができてとてもうれしい気持ちになりました。
私は家に帰ってから、どうして杖が白色だったのかを調べました。白杖とは視覚障害者の人が歩行の際に前方の路面をさわって使用する白い杖で、安全の確保、歩行に必要な情報の収集、他の歩行者などに気づいてもらう、という役割があるそうです。たたきながら歩くのは「周りに自分の存在をしってもらうため、音をだしている」とのことでした。そして、立ちどまって杖をあげたのは、困っているという合図で「白杖SOS」というそうです。
でも、私のようにそのようなことを知っている人はどれくらいいるでしょうか。もっとわかってもらえるように国や市が動くのも大切ではないでしょうか。
たとえば、白杖の意味や白杖SOSの合図、杖をたたいて音を出す理由などを説明したポスターをはったりパンフレットを配ったりしてはどうでしょうか。理解が広がればふしぎそうに見る人も少なくなるし、何かを協力してくれる人も増えるのではないでしょうか。
学校などで弱い立場の人を助けることについてよく教えられます。なので頭の中ではわかっていましたが、今回のような場面に出会い、私も母も声をかけるまでとまどい、時間がかかりました。でも、おもいきって声をかけることで、「ありがとう」という言葉がきけ、白杖のことも知りゆうどうのしかたも体験できて自分にもプラスになることがたくさんありました。
私の周りも白杖についてよく知らない人がたくさんいます。その人たちに今回学んだことを話し、少しでもわかってもらえる人が増えるようにしたいです。そして「少しの勇気で助かる人がいる」と日ごろから心がけていきたいです。