【小学生区分】 ◆優秀賞 長谷川 慶佑(はせがわ けいすけ)

その出会いがぼくをかえた長谷川 慶佑(福島大学附属小学校2年 福島県)

ぼくの友だちの中に、生まれつき目が見えない人がいます。心からそんけいできる、すてきな大人の人なので、ぜひしょうかいします。

一番さいしょにその人に会った時、こわい、どうしようとかんじたのをおぼえています。どう話せばいいか、何かお手つだいをしないといけないのか、分からなくなってしまったからです。ぼくは、お母さんのうしろに、そっとかくれていました。

そんなぼくをたすけてくれたのは、「こんにちはって、いつもみたいに元気に話してごらん。」というお母さんのことばです。思い切ってあいさつと名まえを言ったら、その人もあいさつをしてくれて、大すきなてつ道の話もしてくれました。話の中では、何と、たった一人で、お気に入りのでん車や新かん線にのるために、日本全国をたびすることも教えてくれました。ぼくもてつ道が大すきなので、話にひきこまれて、わくわくしながら聞きました。そして、さっきまでこわがっていた自分が、ふしぎなくらいにどこかにきえていました。

わかれる時にぼくのあたまをなでて、「けいすけくん、大きいね。」と言った時、ぼくはハッとしました。ぼくがどのくらいのしん長なのか、どんなかおか、どう体を動かしているのか、何も分からなかったのだと、その時はじめて気づきました。きっと、ぼくの声のちょうしや、間、時々ぼくとその人の話の間に入るお母さんのことばを聞きながら、ぼくの気持ちを考えて、話してくれていたのかもしれません。

その人との出会いは、ぼくの障がいがある人へのイメージをかえました。ぼくたちがあたり前と思っていることをするために、たくさん考えて、くふうしながら生きていること。話をすれば、障がいなんてかんけいがなくて、心がかようこと。お手つだいしたほうがいいのかなとまよう時は、ゆうきを出して聞いてみることも大切だということ。出会いからこれらのことを強くかんじています。

少し前、コンビニエンスストアで、目の見えない人が白いつえを持ちながら、買いものをしていました。

「何かとりますか。」ぼくの声に、はじめはびっくりしていたけれど、「ありがとう。」と言ってくれて、ぼくは心があたたかくなりました。前のぼくだったら、こわい、どうしたらいいのだろうという気持ちで、話しかけようとはしなかったと思います。

さいごに、ぼくのゆめは、障がいがある、ないにかんけいなく、たくさんの友だちをつくることです。たくさんの出会いから、自分を成長させていきたいです。

そして、てつ道が大すきなぼくの友だち、ありがとう。前にプレゼントしてくれた、たびのおみやげ、大切にしているよ。