【小学生区分】 ◆優秀賞 伊藤 翔馬(いとう しょうま)

ぼくと祖母伊藤 翔馬(今治市立立花小学校6年 愛媛県)

ぼくの祖母と祖父は、耳が聞こえません。祖母は、生まれたときからで、祖父は病気で聞こえなくなった中途失聴だったそうです。祖父は、ぼくが一才の時に亡くなったので祖父の事はぜんぜんおぼえていませんが、祖母とは2才のころから一しょに住んでいます。だからぼくにとって、障害というものはいつも身近にありました。ぼくが小さい時、祖父と祖母は耳が聞こえない事が当たり前だと思っていたと思います。しかし大きくなっていくにつれて、ぼくの祖母は普通の人とは違うなと思いはじめました。祖母と一しょにいると何か笑われているような気がしていました。他にも祖母が困っている時、ぼくが通訳すると何か嫌な目で見られているようで、とても視線を感じました。しかしある日をきっかけにそんな事が一切無くなりました。その日は、祖母と初めて行った手話サークルのクリスマス会でした。かべがきれいにかざりつけられ、大きなツリーが立てられ、大きなテーブルにおかしが置かれていました。たくさんのおじいさんとおばあさんが居て子ども達もいました。その人達のほとんどは、耳が聞こえなかったり、障害がある人でした。ぼくは、こんなにも障害がある人はいるんだとおどろきました。クリスマス会では、ジェスチャーゲームをしたり、クイズをしたり、げきをしたり、とても面白く、楽しい時間をすごすことができました。そして、このげきをみたり一しょにゲームをしてみて、障害者だからといってできないと決めつけるのではなく、その変な考え方をなくしていかなければいけないと思いました。考えてみてください。もしぼくだけが耳が聞こえて、他の人達全員耳が聞こえなかったら、ぼくが障害者だと思われると思います。このように自分達より少ない少人数の人間をおかしいと思う事がおかしいと思いました。そして、それからは祖母といても視線や嫌な目で見られているような気は、一切なくなりました。ぼくは、クリスマス会以外でも手話サークルに行くようになりました。そして手話サークルの人とは、とても仲が良くなり、年がはなれた友達がたくさんできました。

障害があると、『きっとできない』と考えてしまう事が多いと思います。『できない』ではなく、障害のある人も『できる』方法を考えていけばいいと思います。少しのお手伝いや代わりになる手話などがあれば、障害に関わらず『できる』ようになると思います。ぼく達と違うから知らないふりをしたり、変な目でみるのではなく、お互いに歩みよりお互いに知る事で、どの人も『できる』世の中になると思います。お互いを知り、手をとりあって支えあっていけばいいと思います。