【小学生区分】 ◆優秀賞 後藤 季空(ごとう きそら)

おじさんともうどう犬後藤 季空(神戸市立長坂小学校3年 神戸市)

わたしのおばあちゃんのお兄さんは、目が見えません。今は、八十さいぐらいですが、四十さいぐらいからもうどう犬とくらしています。もうどう犬としてはたらけるのは八年ぐらいなので何びきものもうどう犬とくらしてきました。

おじさんは、東京からわたしのすんでいる神戸までもうどう犬と一しょに一人で来ます。両目とも見えず、まっくらの中、新かん線やタクシーにのります。目が見えないとはどういうことなんだろうと思い、目をつむってみました。何も見えなくて何かにぶつかりそうで家の中でもこわいです。でも、光は感じることは出来ます。おじさんは、光も感じられずまっくらです。それでもおじさんは「目が見えないだけでそれい外はほかの人と一しょだよ。」と言います。どうしたらそんなふうに思えるのかわたしにはぜんぜんわかりません。もし、わたしの目が見えなくなったらかなしくて毎日泣いて外に出ようとは思えません。知らないだけでおじさんもそう思っていたの かな…と思います。

おじさんは、色んなところに友だちがいます。日本中のあちらこちらにもうどう犬と出かけて行くので色んな話をしてくれます。テレビやえい画で見るいい話ばかりではありません。ごはんを食べるお店でも「犬は入れません。」と何回もことわられたことがあるそうです。わたしのお母さんは、おじさんと「もうどう犬きょう会にきふをします。」という、箱が車内においてあるタクシーだったのにおりるとき「犬の毛やよだれとか落としてへんやろなぁ。」と言われてお母さんはすごくおこってタクシー会社に電話をして「もうどう犬に理かいがあるフリをするのはやめてもらえませんか!ぼ金箱をおいているのに運転手さんの言動はおかしいんとちゃいますか!」と言って電話を切ると、おじさんは「ありがとうね。そんなおこってくれて。でもこんなことはしょっ中あるんだよ。ハハハ。」と笑っていたそうです。世の中には、犬がきらいな人もいるし、においもするし毛が落ちるのも事実だけど、もうどう犬に理かいをしているフリをしていることにお母さんははらが立ったそうです。目の見えない人だけじゃなく、体の不自由な人がこまっていそうなときは「何かお手つだいできることはありますか?」と言いなさいとお母さんは言います。わたしの高校生のお兄ちゃんは「地下鉄で車イスの人がおりるとき手つだったらまわりの人にはく手されたわ。」と言うと「はく手するくらいやったらみんな手つだってあげたらええやん。」とまたちょっとおこっていました。

わたしも、もう少し大きくなったら、はずかしがらずこまった人に声をかけられるようになりたいです。