【小学生区分】 ◆優秀賞 木村 実和(きむら みわ)
おとうとのためにできること木村 実和(岐阜市立長良東小学校2年 岐阜県)
わたしには、五さいのおとうとがいます。少し前から、自分でスプーンをつかってごはんをたべられるようになりました。トイレもせいこうすることがふえました。でも、おとうとはお話することができません。おふろに入るときは、おかあさんがぜんぶ手つだいます。はしったりジャンプすることもできません。わたしがようち園のころ、おかあさんに、
「どうして、こうせいはほかの子よりできないことが多いの。」
と聞いたことがあります。するとおかあさんは、
「生まれつきのびょうきがあって、いろんなことがほかの子よりおそいんだよ。それを、しょうがいがあるって言うんだよ。」
と教えてくれました。
それなら、わたしがこうせいのことをたすけよう。おとうとのために、何ができるのか考えてみました。ごはんの前や外からかえったらいっしょに手をあらうことや、おもちゃのかたづけを手つだってあげること、トイレにつきそってあげること、ごはんを上手にたべられないときに手つだってあげること。これらなら、今でもやっているし、これからもできそうです。それをおかあさんに言ってみました。すると、
「ありがとう。こうせいくんのことをたすけてくれるのはうれしいけれど、じぶんでもできそうなことは、手を出さないで、おうえんしながら見まもってあげてね。」
と言われました。そして、
「みわはかぞくだから、こうせいくんの言いたいことが分かるでしょ。もしも外であの子がこまっていたら、しゃべれないこうせいのかわりに、みわがまわりの人につたえてあげてほしいな。」
と言いました。
それを聞いてから、おとうとの手つだいをへらしてみました。ごはんをたべるのがむずかしいときには、今までは私がスプーンですくって口まではこんであげていましたが、
「じぶんでできるよ、がんばれ。」
とおうえんしてみました。すると、おとうとはじぶんでスプーンをもってごはんをたべはじめました。
「上手だねぇ。」
とほめると、わたしを見てにこにことうれしそうにしました。おかあさんが言った、見まもってあげるといういみが分かりました。
くつをぬぐときやおもちゃをかたづけるときも、
「がんばって。」
とおうえんすると、しっぱいしても何回もちょうせんします。うまくいくと
「おねえちゃん、できたよ。」
と言いたそうにこちらを見ます。おとうとが一人でもできることをふやしてあげたいです。
せい長がゆっくりで、こまらせられることも多いけれど、わたしのおとうとはとてもかわいいがんばりやさんです。