【中学生区分】 ◆佳作 水野 心菜(みずの ここな)
私の弟水野 心菜(奈良県立青翔中学校1年 奈良県)
私の弟は「自閉症」という障がいを持っています。自閉症とは主に先天的な原因により対人関係の特異性やコミュニケーションの質的な障がいなどが見られる障がいのことです。近年、自閉症の人は約百人に一人いると報告されており、性別では男性に多く女性の約4倍の発生頻度です。
自閉症の人は外見では障がいがあることが分からない人も多く他の人に困っていても助けてもらいにくいです。
しかし最近ではヘルプマークというものが発表され、私の弟もヘルプマークをつけています。今までヘルプマークをつけていないときは外に出かける時など急に走ったり、叫んだりするので他の人にジロッとみられることもありました。その後ヘルプマークをつけるようになってからはジロッとみられますが、ヘルプマークを見ると何人かの人達は理解してくれるように思います。
しかしヘルプマークの世間での知名度はまだまだ低く知らない人も多くいます。私も自分の弟がヘルプマークを持っていなければ知らなかったと思います。だから今回この作文を読み他の人にも少しでも知ってもらえたらと思います。
私の弟はエレベーターや電車が大好きで、イオンなど2階建て以上の所へ行くと、まっ先にエレベーターを探しボタンを押しに行きます。喜んだり怒ったりすると言葉を話せないので大きな声で叫んだり、自分の頭をベビーカーなどにぶつけたりします。他の人からすると「あの子何? なんであんなことするの?」や同じ歳の小さい子などはすごくじーっとみてきます。大きい声をだしたり暴れたりする時もあるので、私のお父さん、お母さんは迷惑をかけるといけないからと用事を済ませるとすぐに帰ります。
それを見ていて私は、弟は言葉を話さないから他の方法を使って私たちに知らせようとしているだけなのに、どうして迷惑をかけるということになるのだろう、なぜ他の子どもたちのように楽しめないのだろうと思いました。
それはきっとまだまだ自閉症という病気を知っていても名前だけで中身までは知らない人、普通ではないと思っている人がまだまだいるからだと思います。だから、自閉症の人や自閉症の人と家族などにとっては理解されていないのが現状なのだろうと感じました。
私の弟は5歳ですが連語が話せません。単語しか話せません。でも私はそんな弟がすごく大好きです。自分の知っている単語をがんばっていい、伝えようとしてくれます。
そして私やお母さんお父さんに伝わるとすごく嬉しそうな顔をします。そんな表情を見ると私もすごく嬉しくなります。他の人からするともしかしたら会話になっていないように見えるかもしれないし何言ってるんだろうと思われるかもしれません。
でも私はそんな少しの事でもすごく喜んでくれる弟が大好きです。これから大きくなっていって今よりも単語も増え、連語も話せるようになると思います。どのくらい話ができるようになるかはわかりませんが、少しでも話せるようになる事で弟の笑顔が今よりもたくさん見られると嬉しいです。
でも、今すぐたくさん話してほしいわけではありません。弟のペースでゆっくりゆっくり無理しないように覚えていってほしいというのが私の願いです。
そしていつか言葉が分かるようになった時私は弟に「私の弟として産まれてきてくれてありがとう。」と伝えたいです。
今後いろんな事があると思います。つらい事、悲しい事、嬉しい事、びっくりする事、どんな時でも私は弟の一番の味方でいたいです。
これからも自閉症という障がいの事を一人でも多くの方に理解してもらい弟のような人達がすごしやすい世の中になればいいなと思います。