【小学生区分】 ◆佳作 岡口 虎ノ介(おかぐち とらのすけ)
障害者というコンプレックスをもちながら、自分らしく生きるには 岡口 虎ノ介(山鹿市立山鹿小学校5年 熊本県)
ぼくは、発達障害をもっていますが、見た目には、わかりにくいです。かんたんに説明すると、音や光に敏感で皮ふの触れた感触も、健常者の人には、何ともない事でも、より冷たく、より熱く、より痛くかんじてしまい、つい大きな声も上げてしまいます。
そして頭の中で考えている事が整理できないまま、とっさに言葉に出してしまい、相手にご解させて、口論になった時に、衝動的になって、相手を叩いたり、けったりしてしまいます。本当はあやまりたくても、何て言っていいのか、わからなくて、頭の中がからっぽになり、苦しくなります。
だけど、ぼくのまわりには、自分と同じ特徴や痛みや苦しみを持ちながらも、がんばっている友達がいてうれしく思います。母は、「健常者の考えはこうである。」とか、「健常者は、何をがんばっているから、あなたも同じ様に努力しなければ、将来、一人では、生きていけない」と、言われ続けてきました。
果たして、そうなのか…と、最近考える様になりました。障害がある事は健常者と比べて、本当におとっているのか…。人に迷惑をかける事は、自分は無意味な存在なのか…。母の考え方にこん乱していました。
そんな中、ぼくは、ゲーム依存症をわずらい三カ月病院に入院しました。
病院の中で出会ったのは、ぼくと同年代の子達ばかりでした。見た目には、どこが病気で障害をもっているかなんてわからなかったです。でも付き合っていく中で、ぼくと同じ様に、コミュニケーションが苦手な子や、ゲーム依存になって、日常生活ができなくなった同じきょうぐうの子達が沢山いておどろきました。病院のスタッフさんは、みんな心のケアのスペシャリストでした。トラブルが起きても、どちらだけが悪いといった決めつけた言い方はされず平等に、話をきいてくれて、興奮した時は、落ち着く場所に移動して一対一で対応してくれました。そこで人間関係の基本を教えてくれました。
退院する頃には、前向きな気持ちになれました。以前は障害を持っている事に、コンプレックスに思っていましたが、ぼくは、ぼくだとわかりました。人は、こうあるべきとか、へん見をやめて、たとえ、人と価値観が違っても、相手を否定せず、自分に自信をもって生きていこうと思いました。
これからは、障害があるとか無いとか区別せず、困っている人がいれば、助けてあげられる人間になりたいです。