【小学生区分】 ◆優秀賞 外角 秀仁(そとずみ しゅうと)
ゆうき外角 秀仁(世田谷区立旭小学校1年 東京都)
たくさんのあめがふったひのことです。
ぼくは、はじめて、ていでんというのを、たいけんしました。まっくらでなにもみえません。テレビもきえました。めを、いつもとおなじようにあけているのに、いっしょにあそんでいたおとうとのゆうとのかおがみえません。
「ままー まっくらでこわいよー」
2かいにいるままにさけびました。
「だいじょうぶ? ゆうとはいる?」ままのこえがきこえます。ゆうとをさがさなきゃ。
「ゆうとーゆうとー」
「ここらよ」
こわいからハイハイをしてこえのするほうへうごきます。おとうとのゆうとは、ちょっとだけしゃべることがにがてです。
5さいですが、さいきんやっと、すこししゃべれるようになりました。
でも、うまくことばがいえなくて、あいてにつたわらないで、くやしそうです。
6さいのぼくより、しっかりしていて、がんばりやさんなのですが、うまくにほんごがしゃべれません。
まっくらで、こわいぼくだけど、ゆうとはへいきです。
「しゅうと、こっちらよ。まっくららね」
「だいじょうぶ? こわいね」
「こわくないよ。てをつなごう」ゆうとはたくましいです。
「てをつなごう」
ふたりでしばらくてをつないでじっとしていました。
「いっしょらから、だいじょうぶらね。まっくら、いやらね」
「めがみえないとこわいね」
「あ、あかるくなったよ」「よかったね」
「ままー」
「こわくなかった?」ままがききました。
ままが、どうろにあるきいろのラインを、みたことがあるかと、ぼくたちふたりにきいてきました。
あ、おもいだしました。あります。どうろにきいろいラインがあります。
じてんしゃでとおるとき、ゴンゴンするラインはおうだんほどうや、でんしゃにのるときにもあります。
「あれは、めのみえないひとがあんぜんにあるけるようにあるんだよ」ままがいいました。
「え、みえなくてあるけるの?」
ぼくは、さっきまっくらでこわくて、あるけなかった。ままは、しろいつえのはなしもしてくれました。ぼくは、そんなだいじなラインだとしらなくて、きいろのラインのうえをあるいてしまっていました。みえないってとてもこわいのにあるくなんてすごいです。
ゆうきがあるとおもいます。
ぼくのおとうとも、ちゃんとしゃべれなくてもがんばって、げんきよくあいさつします。
めのみえないひとも、じょうずにしゃべれないひともみんなてをつないでなかよくできたら、こわいものもなくなって、えがおがたくさんになるんじゃないかな。
ぼくも、ゆうきをだして、こまっているひとがいたら、こえをかけれるようになりたいです。