【一般区分】 ◆佳作 野沢 香苗(のざわ かなえ)

「クリエイター」野沢 香苗(新潟県)

私は障がい福祉サービス事業所「堀之内工芸」に勤務して四年目の生活支援員です。仕事は、日々やりがいがあり利用者の皆さんと楽しく活動をしたり、仕事に真剣に取りくんでいます。私がこの仕事に就こうと思ったのは、小さい頃から近所や学校の同級生に障がいのある友達がいたことが関係しています。

そこから福祉の仕事に興味をもちました。

仕事をするなかで、たくさんの気づきや視点に気づくことがあります。利用者さんのこだわりや日々のルーティーンから気づくことや季節が変わると変化することもあります。

それをポジティブに受けとめると生活の中で活かせたり、仕事の精度が上がるきっかけになることもあります。一般的には、なぜ?と思うようなことも、視点を変えて、面白いね。なにか活かせることはないかと常に考えています。日本に住んでいると、人と同じということに安心感を得ることがあります。ですが、それはもったいないと思うこともあります。よく、「あの人は変な人だね。」「普通じゃないね。」というような言葉を耳にします。

ですが、変な人とは誰が基準となっているんだろうと不思議に思い違和感を感じます。

健常者という言葉があります。でも、健常者の方でも個性的な人やこだわりの強い方もいます。私が伝えたいのは、障がいのある・なしに関わらず、みんながクリエイター(創造者)と呼ばれたらいいのになぁと思っています。この世界には自分と同じ人間は存在しません。一人ひとりに個性があり、創造できる世界が広がっています。そこに、少しサポートがいるかどうか。それが障がいのある・なしの違いととらえられたら、すごく温かい世界だなと思います。

私が大好きな利用者さんの中にダンスがとても得意な方がいます。音楽が流れると、自分の中にあふれるパワーを全面にだした魂のこもったダンスをみせてくれます。目が生き生きと輝き、みているだけで心が熱くなってきます。この才能をたくさんの人に見てほしいと思います。職場には、ダンスだけでなく絶対音感のあるピアニスト、工作が得意な方、箱折りのプロなど、たくさんのクリエイターがいます。私も同じクリエイターとして負けていられないなと、日々刺激をもらいながら過ごしています。

障がいのある人が生きにくい環境・雰囲気・雇用状況は今の時代にそぐわないと思います。一人ひとり違う個性を認め、楽しみ、面白いと感じる人が増えていけば、こんなに素敵な世界はないだろうなぁと思います。

私はこれからも、面白いが何につながるか、利用者さんの工賃につながらないかなぁと考え、暮らしが豊かになるように支援を考えていきたいです。私は、堀之内工芸という、今の職場が大好きです。現場で色々な意見を出しあい、創造し、チームで話しあいができるからです。職員の目指す目的が同じだからだと思います。すべての出会いに心から感謝でいっぱいです。これからも、自分に今なにができるのか、なにをすべきなのか考えながら、今後も楽しく過ごしていきたいです。