【小学生区分】 ◆佳作 笹川 稜央(ささがわ りょう)

心で通じるやさしい社会をつくりたい笹川 稜央(新座市立大和田小学校4年 埼玉県)

夏休みに「手話体験こうざ」に参加しました。最初に、手話サークルのボランティアの人が、三十分くらいずっと手話で通やくしているのを見て「あんなに手話できるなんてすごい」とおどろきました。その時、熱心に聞いていた人たちが「ろう者」だと後から知りました。「ろう者」の人は、耳が聞こえなくても話せるのかと思っていましたが、生まれつきや、幼いころに耳が聞こえなくなったので、「話せない」ことをはじめて知りました。

その後、グループになって、ろう者の人と一しょに体けんをしました。ろう者の人は、にこにこしていましたが、ぼくはドキドキしました。手話を習うのではなく、「大きなさいがい」が起きた時、ろう者にどういう風に情ほうを伝えるかというれんしゅうでした。ろう者の人は、さいがいが起きて、ひなん所にひなんした時、放送が聞こえなくてとてもこまって不安になるそうです。

さいしょは、身ぶり手ぶりでやってみました。でもうまく伝わりませんでした。分からなくてもニコニコして、いっしょうけんめい分かろうとしてくれました。次に、紙に文字を書いて伝えました。すると、とてもよく伝わったので「よっしゃー」と思いました。話せないのに、ぼくに話しかけようとしてくれました。よく聞き取れなかったけど、何回も「ありがとう」と言ってくれたように聞こえました。ぼくは役に立てたことがとてもうれしかったので、何枚も紙を使って色んなことを教えてあげました。おべんとうを一しょに取りに行った時、ふつうに歩いているだけだったら、しょうがい者って分からないのがふしぎでした。

最後にろう者の人が手話を教えてくれました。あいさつと、自己紹介のしかたを教えてくれました。ほんの少しの手の動きで意味が変わってしまうので、ろう者の人はケラケラわらって楽しそうでした。ろう者の人が楽しそうだったので、ぼくも楽しくなりました。ぼくの手話をとても上手だとほめてくれました。ほめてくれていることは、言葉はなくてもわかりました。

ぼくはこのこうざに参加して、ろう者のことを初めて知りました。世の中には、色んなしょうがいを持つ人がいるんだなと思いました。そして、しょうがいを持つ人を支えるボランティアの人たちもすごいと思いました。ボランティアの人がいるおかげで、しょうがい者はふつうの生活ができるし、安心してくらせるのだと思います。ぼくは、ろう者の人から感しゃされてとてもうれしかったので、ボランティアの人もきっと同じ気持ちだと思います。

今まではしょうがい者と聞くと近づきにくかったけど、これからはせっきょく的に話しかけたり、お手伝いをしようと思いました。ことばが通じなくても、心で通じるので大じょうぶだと思います。ろう者の方の役にたてて、たくさん感しゃされてうれしかったのでこれからもたくさん人の役に立ちたいです。