【小学生区分】 ◆優秀賞 藤本 千尋(ふじもと ちひろ)

かかのしょうがい体けんをしてわかったこと藤本 千尋(名古屋市立八事東小学校 1年 名古屋市)

「かかのしょうがいは体けんできないの?」
車いす体けんをしたかえりみち、わたしはかかにききました。かかがてちょうをもっているのはしってるけど、どんな体けんをしているかはよくしらないときづいたからです。かかのことも、しょうがいのことももっとしりたい。わたしはかかに、「かかのしょうがい体けん」をおねがいしました。

さいしょのチャンスはとつぜんやってきました。目のびょういんにいったとき、かかが
「このけんさ、にがてな光ににてるかも。」
といったのです。ちょっとわくわくしながら、目をあけてまっていると、「ピカッ」と目に光がささりました。まぶしい!わたしはとてもびっくりして、目をなん回もぎゅっととじました。ライトがきえてからも、目の中に光がのこっていてチカチカします。じゃまだなあ、いやだなあ。だからかか、よく目をこすってたんだ。わたしはまえに、まぶしがるかかに「キラキラでいいじゃん。」といったことをおもいだしてあやまりました。

つぎは、おうちの中で。テレビにやきゅうのおにいさんたちがうつったときです。
「おにいさんたちなんていってるかわかる?」
よくきいてみたけど、「しゃっしゃー」とか「あーした」とかしかきこえません。テレビの人やほかの音が大きくてとってもじゃまです。音を大きくしてみたけど、うるさくなっただけでいみはわからないまま。でもテレビの人たちも、かかもわかっているみたいだったので、わたしだけおいてきぼりにされたみたいなきもちになりました。でも、
「なんていってたの?」
とこたえをきいたら、かかは「さあ?」とわらいました。なんと、テキトーにわらっていただけだったのです。
「きこえないけど、たのしそうだなとか、がんばってるなっていうのはわかるから。」
え、そうだっけ?みんなのことなんてぜんぜんみてなかった。きこえなくてもかかがおしゃべりできるのは、このおかげだったんだときづいて、すごいなとおもいました。

それから、かかはじぶんのことをおしえてくれました。キャンプでスープをのむとき、「ひにかけて」とわたされたおなべのみずを、ひにジャーとかけてけして、おこられたこと。「ちょっと」とか「ちゃんと」といわれても、どうしたらいいのかわからないこと。むちゅうになると、ごはんもねるのもトイレもわすれちゃうこと。でもきづいたら、どんどんべつのことをはじめてること。
「わたしもそういうときあるよ。」
はげましたくていったけど、かかはこまったかおでわらいました。
「そうだよね。でもかかはまい日、ずっとなんだ。まい日だと、どうかな?」
そういわれて、かかがよく「どうしてわからないの?なん回もいってるのに!」とおこられることをおもいだしました。わたしもそうおもったことがあります。かかはまい日いやなきもちがいっぱいになるからげんきがでないんだ。たまにこまるのと、しょうがいでこまるのはちがうんだとわかりました。

かかのしょうがい体けんをして、わたしはかかのきもちまでしることができました。車いすの体けんのときは、たいへんそうとおもったけど、ちょっとたのしいとおもっていました。ほんとうに車いすですごしている人はどんなきもちなんだろう?きいたり、ふれあってみないとわからないことだらけだとおもいました。それに、いっしょにすごす人のきもちもです。かかと体けんするうちに、わたしもじぶんのきもちや大へんなことがあるのにきづきました。体けん中かかに「たまにたすけるのがめんどくさい」と正じきにいったら、かかはなぜかうれしそうにわらってくれました。じっさいのふれあいの中であいてをしって、おもいやりをもって、でもしょうじきに、これからもそうやって、しょうがいのある人ともたくさんふれあっていきたいです。