【小学生区分】 ◆優秀賞 村上 立騎(むらかみ りつき)
ヘルプマークを知ってほしい!村上 立騎(今治市立立花小学校 5年 愛媛県)
みなさんは、ヘルプマークを知ってますか。ヘルプマークは、しょう害やしっかんなどがあることが外見からは分からない人が、支えんや配りょを必要としていることを周囲に知らせることができるマークです。ぼくがどうして知っているかというと、ぼくの兄が自閉しょう害を持っていて、その兄がいつもこのマークをリュックに付けているからです。
三年前、ぼくと兄と母で、テーマパークAとテーマパークBに行きました。ぼくは、小学二年、兄は高校一年生でした。松山空港の東京行きの飛行機に乗るゲートの人数は、連休で人がかなりならんでいました。ぼくと兄は、手遊びしながら立っていると、近くにすわっていた人が、
「ここ、よかったらどうぞ。」
と、言って席をゆずってくれました。ぼく達は、お礼を言って二人ですわりました。後で母に理由を聞くと、たぶん兄のヘルプマークを見たんじゃないかということでした。ぼくは、とても感動したのを覚えています。なぜなら、何も言わなくても周りの人が配りょしてくれたのを初めて実感したからです。
羽田空港に着いて、テーマパークAに向かうリムジンバスの中でもありました。車内は満員で、兄は真ん中のほじょ席にすわっていました。通路をはさんで母が、兄の後ろにぼくがすわっていました。車内は静かでしたが、兄はしばらくすると、声を出してしまいました。母は、静かにというシーというポーズを兄に合図をしていて、何度かそれをくり返していましたが、急に大きな笑い声と前の人のかみをさわってしまいました。前の人はおどろいてふり返りましたが、兄と母のやりとりや、ひざにのせていたリュックについていたヘルプマークのおかげか、何もなかったようにしてくれて、おおごとにならずにすみました。後ろにいたぼくも、ホッとしたのを今でも覚えています。
兄は高校生だったので、見た目だけではしょう害があるか、わからないです。しかし、ヘルプマークのおかげなのか、テーマパークAやBの乗り物待ちでならんでいる時も、モノレールやバスの中でも、食事している時も、周りの人が配りょしてくれたと思い、ぼく達はとても楽しい旅行になりました。
それからぼくは、時々ヘルプマークをつけている人を見かけるようになりました。いやこれまでもヘルプマークを持っている人はいたと思いますが、ぼくが気づいていなかったんだと思います。スーパーで買い物している時や駅やバスていなどでも、付けている人を見かけたことがあります。ヘルプマークが、支えんや配りょが必要ですと教えてくれるので、ぼくは少し待とうかと思うようになり、気持ちがゆったりします。まだ、何か自分から声をかけたり、支えんをしたことはありませんが、何か困った様子を見つけたらすぐ声をかけれるように心がけていこうと思います。
今、兄は高校を卒業し、しょう害者しせつで働いています。少しずつ自立に向けて、一人で近くのスーパーへ買い物へ行く練習しています。いつものリュックにヘルプマークをつけて。もっともっとたくさんの人が、ヘルプマークを知って、しょう害やしっかんのある人達が、くらしやすい温かい地いきを作っていけたらいいなと思います。