【小学生区分】 ◆佳作 林 真己
僕たちはかわいそうじゃない
林 真己 (島原市立第一小学校 6年 長崎県)
僕には病気がある。それは、先天性ミオパチーだ。ミオパチーとは、筋力が弱い、筋力低下、つかれやすい、偏平足、十分睡眠をとっても日中眠いなど、いろいろ症状がある。簡単に言うと、筋肉が周りの人と違う特徴を持っているということだ。
僕は三人兄弟の末っ子として生まれた。兄も姉も僕と同じ病気を持っていた。普通この病気は兄弟で発症すると同じ症状が出るらしい。だが、僕たちは遺伝子の組み合わせがうまくいかす、みんな違う病状か出た。兄と姉は僕と違いとにかく肉がつかなかった。筋肉もつかなかったので種類は違うが症状か多かった。僕は幸い兄や姉に比べて症状が少なかった。だから、サポートがたくさん必要だった兄たちのサポートをすることが多かった。
兄たちの手伝いを頼まれることが小さい頃は嬉しかった。だが、三年生になってすぐの頃、不満が沸いてきた。なぜ僕がしなければいけないの?僕も同じ病気なのに。いろいろな不満が頂点に達した。僕は兄たちのサポートをしなくなった。
そして、その年の春休み、家族で旅行した時、神社があるちょっとした山を登ろうということになった。その時に僕は姉を待たすに先に登っていった。僕が頂上についてしばらくして姉は頂上に着いた。僕はもう待ちくたびれていた。だから、姉が着いた途端下り始めた。だいぶ待って姉が僕のもとへ来て言った。
「疲れたから少し休ませてほしい。」
僕は、少し待ったが早く車に戻りたかったので姉に、
「まだ?暑いから車に戻りたい。」
と、言った。姉は、
「もう少し待って。」
と言った。だが待てなかった。僕は姉を急かして車にもどった。その後もいろいろなところを回った。でも、姉は車で待つと言って、留守番をした。不思議に思い聞くと、
「これ以上歩いたら、股関節が痛くなって、何日も歩けなくなる。真己は元気でしょ?でも、お姉ちゃんは歩きたいけど無理なの。」
と答えた。そこで僕は、はっとした。姉も兄もしたくてもできないことがあるのた。僕は姉たちに比べて、たくさんのことができるのだから、姉たちのサポートをしなくてはと思った。そして、手伝った後に姉たちから言われる「ありがとう」が嬉しかったのだ。そのことに気づいた。それから僕は、姉たちのサポートを自分から進んで行うようになった。
周りは僕たちを見て、かわいそう、大変だね、と思うかもしれない。確かに大変だ。だが、僕たちはかわいそうではない。僕たち兄弟は病気があっても関係ないくらい仲がいい。時にはライバルになり、周りの兄弟と変わらないのだ。そして、自分たちに病気があるからこそわかる気持ちもあるかもしれない。だから病気というだけで、かわいそうと言わないでほしい。
僕たちはかわいそうじゃない。病気を持つ良さもあるのだから。