【小学生区分】 ◆最優秀賞 師橋 ひより
いっしょに遊ぼう。
師橋 ひより (城陽市立今池小学校 5年 京都府)
みなさんは、特別支援学校に通っている子ども達について知っていますか。障害者週間とは、障害のある人達について、関心をもとうという週です。
私の兄は、特別支援学校に通っています。知的障害のある自閉症児です。好きなものは乗り物やキラキラした物です。うれしい時はニコニコしながら「うー♪」と言います。 反対に、おこっているときは、歯をくいしばりながら「うー!」と言います。私は、兄の顔を見なくても、兄がどんな気持ちの「うー」なのか聞き分けることができます。
ある日、私の学校の先生が兄や兄の学校の友達が交流に来ることを教えてくれました。私は、心の中で「いやだなぁ。友達になんて言われるだろう。」と不安に思いました。友達に「変だね。」と言われたことがあるからです。でもそれは、私だけの思いこみでした。みんなが「ひよりのお兄ちゃんて、足は速い?」などきいてくれて、うれしくなりました。私は、「お兄ちゃん、走るの好きだよ。」と教えてあげました。先生からも、「お兄ちゃんの好きな乗り物はなに?」と聞かれ、船が好きだということを伝えました。みんな、お兄ちゃんが来ることを楽しみにしてくれているんだなぁと感じました。
そして、交流会当日もうれしいことがあったのです。チームでゲームをするとき、友達の一人が「こっちだよー。」と兄をさそってくれたのです。私は、うれしくて、うれしくてたまりませんでした。初めて会った兄に、声をかけてくれて有りがたいなぁと感じました。
しっぽ取りおにごっこでは、私たちがおにになり、兄たちは走ってにげます。そのときの兄の表情がとても楽しそうでした。学校の友達も楽しそうに追いかけていました。
後日、私の学校の参観があり、母といっしょに兄も来ました。そのときに、「ひよりのお兄ちゃん、久しぶり!」と友達が兄の目の前に立ち、声をかけてくれました。けれど自閉の兄は、目を合わせることがむずかしく、顔をよけて、その友達よりも向こうを見ていました。でも、その友達も兄と目を合わせようと何度も兄の顔の目の前に、自分の顔をもってきては、チャレンジしていました。母は、そのことを今でも何度も話すので、友達のほうから兄のそばにきて声をかけてくれたことが本当にうれしかったのだと思います。交流会という特別支援学校の子どもたちと関わる機会があったことで、兄を「友達」だと思ってくれているのだと感じました。
兄のまわりには、兄のことを理解し、兄と関わろうとしてくれる人が本当にたくさんいます。そのおかげで、いろんなイベントや行事に家族で参加するようになりました。兄は人とのつながりに恵まれていると、母はいつも言っています。私も、兄のように、たくさんの人に支えてもらいながら、毎日を楽しく過ごすことができる人が増えていくといいなぁと思います。
本当は、兄がいることで今でもがまんすることはあります。でも、兄がいることで、この世界にはいろんな人がいるということを知りました。そして、自分から積極的に関わるようにもしています。この先、私と同じ思いの人がこの世界にもっともっと増えていくといいなぁと思っています。