【小学生区分】 ◆優秀賞 西田 江里菜
優しさに、ありがとう
西田 江里菜 (美濃加茂市立古井小学校 6年 岐阜県)
わたしは、生まれたときから、聴覚に障害を持っています。
音が聞こえないのではなく、音が聞こえ過ぎるのです。
他の人には聞こえないような、小さな音も、遠くでする音も、わたしの耳には入ってきます。音によっては大音量に変換されて聞こえてくるので、わたしの脳には負担が大きく、生活をしていてしんどいときもあります。
友達は、わたしにそんな障害があることは知らなかったと思います。音が聞こえ過ぎるなんて、見た目では分からないし、わたしから話したこともなかったから―。
家でも、外でも、いろんな音がしています。
みんなにとっては気にならない音が、わたしには気になります。
学校のお昼休みは、静かな教室で過ごすこともありました。その時間が楽しかったからでしょうか、友達といるときは、不思議と音は気にならなかったです。
一緒に居てくれた友達に、わたしは助けられていたのだと思います。
学校のような、人が集まる場所では、周りと同じに過ごすことを求められる場面もあり、障害を持つ人にとっては悩むこともたくさんあると思います。
そして、社会には、いろいろな情報があふれているゆえに、正しく障害を理解することは、家族であっても難しいです。
わたしの母も、わたしの障害に気付いたとき、どう向き合えば良いのか分からなかったようです。
母が、いっぱい悩んで、いっぱい泣いていたことを、わたしは知っています。そんな母を見て、わたしもまた苦しかったです。
でも母は、わたしの障害から目をそらすことはしませんでした。いつもわたしのそばに居てくれました。
そして、わたしたち家族を、周りの人たちが支えてくれました。
どんなことで困っているのか、どうすれば困り感を和らげることができるのか、一緒に考えて力を貸してくれました。
自分のことを思ってくれる人がいる、それは、わたしにとって、とても心強く嬉しかったです。
たくさんの人の優しさに、ありがとう。
わたしも、出会えた人たちのような、優しい人で在りたいです。
障害への理解が深まり、みんなが過ごしやすい社会になりますように。