【小学生区分】 ◆佳作 石原 希理(いしはら きらり)

みんな同じだよ
石原 希理 (鹿児島市立吉野東小学校 4年 鹿児島県)

わたしのお父さんはさか子で生まれて、のうせいまひになったそうです。そのため、足がふ自由になり、人と少しちがった歩き方をします。小学生のころは、運動会や持久走大会などで走りきると、みんなの前にしょうかいされて
「よくがんばったね。すごい。」
 とほめられていたそうです。だけどお父さんは、「みんなと同じ事をしただけなのになあ」といつもほめられる事にぎもんを持っていたそうです。そんな風に思えるお父さんは、心が強いなあと思いながら話を聞いています。
 そんなお父さんのしゅみは、車イスバスケです。去年には、鹿児島で開さいされた国体にも出場しました。車イスバスケは、足のふ自由な人たちが車イスに乗ってプレーするスポーツで、車イスが体の一部になっているように、とても上手にそうさしています。わたしもやった事がありますが、手だけでそうさするのがとてもむずかしかったです。
 お父さんのチームメイトには、足が動かなくなって車イス生活の人もいます。車イスから車に乗りうつったり、運転したりするのも一人でできます。ふだんの生活や仕事も、わたしたちと同じようにしています。どうしてもむずかしい事は、高い所に手がとどきにくかったり、階だんや高いだんさをこえられない事です。
 わたしは小さいころから、車イスで生活しているお父さんの友達といっしょに遊びに行く事が多かったので、車イスで生活している人のできる事や、むずかしい事を自ぜんと知る事ができました。そのため、車イスで生活していたり、体にふ自由な部分があるからと言って、わたしたちとちがうと言う事ではなく、むずかしい事はいっしょにすればいいだけだと考えています。わたしたちも、体かくのちがいや、とくいな事ふとくいな事がそれぞれあるのと同じだと思います。
 お父さんが小学生のころに、みんなの前でほめられた時に「みんなと同じ事をしただけなのにな」と思っていたのは、そう言う事なのだとわたしは感じています。
 わたしたちは、車イスの人や体のふ自由な人を見かけると、とくべつな目で見てしまいがちです。
 自分中心の目線ではなく、その人の気持ちを考えた「みんなと同じ」と言う目線でせっする事が大切だと言う事を、みんなに伝えていきたいです。