【小学生区分】 ◆佳作 常石 龍叶(つねいし ろと)

笑顔はみんなを救う
常石 龍叶 (京田辺市立田辺小学校  6年 京都府)

ぼくの学校には「くすのき学級」という特別支援学級があります。ぼくのクラスの友達のこうちゃんは、くすのき学級に通っています。4年生のときに初めて同じクラスになりました。一緒に活動をしていく中で、ぼくはこうちゃんの事が大好きになりました。笑顔がとってもかわいいのです。
 こうちゃんはうまく言葉が出せません。でも顔を見ると、怒っている、困っている、喜んでいる、というのが表情で分かります。ぼくは、こうちゃんが笑ってくれるのがうれしいし、かわいくてたまりません。
 こうちゃんは静かにしないといけない場面でも声が出てしまったりします。学年集会の時も声が出てしまったときに先生が
「だまれ」
と言ったのが聞こえました。ぼくは胸がキューっと痛くなって、とても悲しい気持ちになりました。こうちゃんはわざと声を出しているわけではないと思います。注意をするにしても、もう少しこうちゃんにも分かる言葉で伝えてもらいたいと思いました。
 あるときは、クラスの友達がこうちゃんとあそんでいるつもりであっても、からかうような感じになることがありました。こうちゃんがやめてと言ってもやめなかったので、こうちゃんが怒って手を出すことがありました。その行動をこうちゃんは先生から指導されていました。何だかぼくはモヤモヤした気持ちになりました。こうちゃんがうまく言葉を出すことが出来ないのは、みんな分かっているはずです。そんな中でも
「やめて。」
と主張したこうちゃんはえらいと思いました。本当はそこでやめてあげないといけないし、自分が楽しいと思っていても相手がいやな気持ちになっていると気付かないといけないと思いました。
 手を出してしまったことは悪いことです。でも、うまく言葉を出すことができないこうちゃんの精一杯の抵抗だったのだと思います。そこまで追い込んでしまった。なので、こうちゃんがかわいそうに思えました。
 ぼくもいやな事があった時にうまく言葉に出来ず感情的になることがあります。そうなると話が進まなくなるので、落ち着いて話すようにしなければいけない、と思っていても中々コントロールがむずかしいです。だからぼくは、こうちゃんの気持ちがよく分かります。こうちゃんもぼくと同じだと思いました。障害があるとかないとかではなく、人それぞれ得意なこと不得意なことがあると思います。不得意なことが同じ人は分かり合うことができるし、得意なことがある人は助けたり歩み寄ったり出来ると思います。
 ぼくはこうちゃんが大好きです。こうちゃんがぼくを見て笑ってくれるととてもうれしくて、手をつなぎたくなるし話したくなります。これからも大切な友達でいてもらいたいです。
 みんなが笑ってくれたらぼくはうれしい気持ちになります。だからぼくはこれからも、友だちの気持ちに歩みより、みんなを笑顔にさせる人になりたいと思いました。