【中学生区分】 ◆優秀賞 上森 叶愛
笑顔であふれる世界
上森 叶愛 (氷川町立氷川中学校 2年 熊本県)
「宇宙人みたい!」
小学生のころ、友達と遊んでたら、突然このようなことを言われました。
私は一瞬何を言われたのか理解ができませんでした。少し時間が経ち、何を言われたのかやっと理解ができました。
私は生まれつき左手の中指がありません。自分が小さいときはあまりそのことを理解できていなかったので何とも思わず過ごしていました。でも小学生になって、周りから手のことについて何か言われていると感じるようになりました。それを母に話すと、学校で少し時間をとってもらってみんなの前で私の手のことについて話してくれました。でもその話をしてから、「手、みせてー!」と言われるようになりました。私は手を見せるのがいやでした。だから話をそらしたりしてなるべく手を見せないようにしていました。
そんなある日、友達に言われたのが「宇宙人みたい!」と言う言葉でした。すごく悲しかったです。小学生の低学年の間はそのようなことが続き、辛い日々でした。高学年になると手のことについて言われることは少なくなったけれど、リコーダーなどが始まって左手の指が一本ないから不便だったし、隣の人と手の動きを確認する時間等があって、とても嫌でした。習字のときも、左手で紙をおさえておかないといけないから、できるだけ誰にも見られないようにして書いていました。とても仲がいい友達にはふつうに手を見せられるけれど、あまり親しくない人には見られたくないと感じ、たまに「左手がちゃんと五本あったらどんな感じなのかな?」と思ったりすることもありました。でもそういうことを母に言うと産んだほうが悪いと言っているようになってしまう気がして、あまり言えませんでした。中学校を卒業するまでは、ほとんど小学生のころからいっしょの人しかいないから、そんなに不安ではないけれど、高校から先は不安でいっぱいです。でも周りには支えてくれる人たちがたくさんいてくれるから、そういう不安に負けずにがんばりたいです。
「宇宙人みたい」
たったその一言で人は傷つきます。でも、支えてくれる人がいると、笑顔になることができます。私も、これまで支えてもらった分、だれかを支えていけるといいなと思います。