【中学生区分】 ◆佳作 荒巻 沙南(あらまき さな)

「他者を思いやる」
荒巻 沙南 (学習院女子中等科 3年 東京都)

私は中学から電車通学を始めました。徒歩で通学していた小学校のときよりも登下校に時間がかかったり、行き交う人がかなり増えたりなど慣れないことが未だに多いです。特に平日の部活帰りの際は何十人もの生徒と退勤する人達で改札や電車がとても混んでいて、エスカレーターに乗る列が長く伸びています。
 ある日の部活帰り、いつも通りエスカレーターの列に並んでいると乗り口の端でおばあさんが立ち止まっていました。なぜずっと立ち止まってしまっているのか不思議に思った私は列を外れて近くへ行き、声をかけました。ゆっくりと振り向いたおばあさんの手には白杖が握られていて、その時に視覚障がいのある方だと気付きました。この駅は色々な病院が近くにあるため、怪我をしている方の案内などをされる警備員の方が常勤していらっしゃいますが、その日は混雑している時間帯と重なりいらっしゃいませんでした。頼れる大人もいませんでしたが、このまま困っている方を放って帰るわけにはいかないため、私が知っている視覚障がいのある方のガイドの方法をできる限り実践してみました。そして、なんとかエスカレーターを降りることかでき丁度戻ってきた警備員の方とお会いし、ガイドを変わりました。しかし、私なりに最善を尽くしたのですが、エスカレーターを降りる際おばあさんが立ち止まっている時よりも怯えていたり、私とおばあさんを見つけた瞬間に必死に駆け寄ってくる警備員の方の様子を見て、何かまずい対応をしてしまったのではないかと考え、家え帰って調べました。
 その結果分かったことは「なるべく正面から声をかける」、「どのように手伝えば良いか尋ねる」、「相手の半歩先に立ち、肘を握ってもらい、一緒に歩く」、「段差などがあるときは一旦立ち止まって状況を説明する」でした。
あの時の自分のガイドの仕方を振り返ってみましたが、この四つのうち一つもできていませんでした。特に三つ目と四つ目は私がおばあさんの前腕に手を添えて、横に並んでしまっていたり、声かけはしていたものの、立ち止まっていなかったりなど、とても危ないガイドだったと反省しています。そして無茶なガイドで恐怖心を抱かせてしまったおばあさんにとても申し訳ない気持ちでいっぱいです。
 この日以来同じことは繰り返したくないと思い、障がいのある方が困っていた時のサポートの仕方を調べて学びました。また、調べているうちにヘルプマークの重要さを知り、公共交通機関などではヘルプマークを付けている方に席を譲るなど思いやりのある行動を心がけていきたいと思います。