障害者政策委員会(第14回)議事録 2

○ 石川委員長 再開します。このパートでは日本バス協会常務理事の船戸様、京王電鉄バス安全管理部安全推進・サービス向上担当課長、佐多様、ハイヤー・タクシー連合会ケア輸送委員会副委員長、福祉輸送サービス協会副会長の水田様から意見をお聞きいたします。

本日はお忙しい中おいでいただきまして、ありがとうございます。また、日ごろより、障害のある利用者への配慮等につきまして御尽力をいただきまして、ありがとうございます。

では、日本バス協会の船戸様、佐多様からよろしくお願いします。5~10分程度お話をいただければと思います。よろしくお願いします。

○ 船戸氏 それでは、ただいま御紹介預かりました日本バス協会の船戸でございます。そして、私の隣が京王電鉄バス、実務のバス事業者であります佐多課長でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

まず、冒頭に、本日、当協会の資料は、事務局、大変申しわけなく思っておりまして、先週金曜日ぎりぎりになって作成ができまして、本日点字等大変快く御理解、御協力を賜りましたことをまずもっておわびと御礼を申し上げたいと思っています。

また、本日は、御紹介いただきましたとおり、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、障害者差別解消法の基本方針作成に当たりまして、私どもの御意見についてこの場をお借りして御説明させていただくことについて、厚く御礼を申し上げたいと思っております。現状の私どもで取り組んでおります状況について、本日、簡潔に御説明し、後ほど各委員の先生方から御要望等を伺って、それができるだけ反映できるよう努めていくということを冒頭に申し上げまして御説明に入らせていただきます。

まず、私どもは公共交通機関を運営する者といたしまして、法令等に沿ってお客様が利用される車両あるいは施設等につきまして、お身体の不自由なお客様や高齢のお客様等についても御利用いただきますよう整備を進めているところでございます。

また、必要により乗務員がお手伝いをするというような状況があって、できる限りお客様に快適に御利用いただけるよう、輸送サービスの提供に努めているところでございます。

しかしながら、御承知のとおり、乗合バス事業はバスの車両を運転者さん1人で運行し、その中でお客様の安全を中心とし、乗車の乗り降りの際の御案内、あるいは安全、運賃を含めた御案内等をさせていただいている状況にあります。先ほど来、多分鉄道の会社の関係でのヒアリングもあったと伺っておりますが、その場合には、施設として駅員の方が何人かおられるという状況でございます。バスは運転手さん1人ということで、その中で一番重要なのは、そのほかのお客様にも御協力をいただく、安全を確保するというようなこと含めて、そのようなことがお客様同士での御協力というものを大変私どもとしては理解をいただかなければいけないという状況にあるということを御理解、そのために快適に御利用いただけるよう努めていきたいと考えているところでございます。

それでは、簡潔に資料につきまして御説明申し上げたいと思います。恐縮でございますが、参考資料1というのと2という形で、1はバス事業の現状ということでございますので余り詳細に御説明するつもりはございません。全国の乗合バスの事業者数、全国で約2,000弱、1,991事業者、そして従業員は10万6,000人、あるいは車両数では5万9,000両、輸送人員が41億人、そして収入は1兆円ちょっと切る9,650億円程度になっているところでございます。

次の2ページを送っていただきますと、私ども、いつも申し上げてできるだけ努力している中でバス事業の実情というのも御理解いただくということで、乗合バスの輸送人員が実は昭和43年の時代、101億人ということで、乗合バスの一番ピークの時期でございました。現在、直近でございますが、平成24年になりますと41億人ということで、最盛期の約60%のお客さんが減少しているという状況の中でバス事業を営んでいるというのが現状でございます。

そして、その次がバス事業の経営状況でございます。これにつきましては、大都市部は比較的経営状況はいいというものの、収支率99.5ということで赤字の事業者も結構ございます。約40%近くが赤字でございます。そして、大都市を除くその他地域を見てみますと、おおよそ87%ですから90%近いバス事業者が赤字の経営状況、このような状況になっているのが現状でございます。

そのような状況の中でバス事業は4ページを見ていただきますと、経営状況が悪化して経営破綻あるいは再建をしなければならないというような事案が平成13年度以降、私どもの主なところでも45件発生して、そのような状況の中になっているところでございます。ほとんどの事業者が乗合、貸し切りバスを経営している事業者でございますが、見ていただくと、場合によっては、よく名前を御存じのとおりのところも出てまいります。地方でいう名士が経営破綻になっているというのも実情でございます。例えばいずれにしても幸いにして地域のほかの有力会社等々で現状でも乗合バスの運行としては維持をしているというのが実情でございます。

そして、5ページ目は、このようなバス事業、経営が厳しい中で、私どもももちろん経営努力をしながら、お客様の輸送に対して安全、なおかつ快適にということで努力しているつもりではございますが、その中で、やはり経営状況が厳しい中で、国としての施策、これが27年度概算要求でございますが、363億円という大きな金額が地方公共交通確保維持改善事業ということで、国土交通省からことしの夏に概算要求されたところでございます。実はこの中にノンステップバスという車両の補助の需要もございます。ただ、大半は生活路線維持の運行費補助にこの場合のところで充てられているというのが現状でございます。これから、多分先ほどもお話があったと思いますが、2020年にはオリンピック、そしてパラリンピックというような日本の国策としての大きな事業を迎えていくということで、もちろんノンステップバスを含め、障害の方々が快適に移動できるということについての予算についても私どもとしてもお願いしていきたい。バス事業も努力はしていくつもりではございますが、そのような状況の中で経営も大変厳しいということを御理解いただければと思っております。

次に、現在のノンステップバスや何かの状況でございます。6ページ目でございますが、御存じのとおり、ノンステップバスというのが特に車椅子の御乗車の方でございますし、高齢者の方、段差がないということではノンステップバスというのが非常にいい車両としての性能だと認識しております。現在、約3割でございます。全国には先ほど申し上げましたように5万9,000台あまりの車両数、そのうちの約1万8,000両でございますので、約3割が現在普及しているところでございます。これにつきましても、バリアフリーの方向づけに基づいて、平成32年度末、適用除外の認定車両を除きまして、そのうち70%はノンステップバスを導入するという予定で推進しているところでございます。それ以外に環境に優しいバスの導入ということで、現在ハイブリッドバスあるいはCNGバスというのも導入している状況でございます。

次に、もう一つの資料でございます。バス事業がそれでは障害の皆様にどのような対応をしているのかということでございます。ここに書いてございます資料は、移動が困難な方々ということで、これはごく一部ではございましたが、これに基づいて各地方ではこのようなマニュアルを作成し、乗務員、運転者の方にこういう形で接するのだというような形で指導をしたり、あるいは各個別のバス事業者さんにおのおのやっていただいているところでございます。その参考としてきょうはお持ちして資料提供させていただいたところでございます。

まず、私たちが運転するバスには、乳幼児から高齢者までさまざまなお客様が乗車されております。移動に困難を感じているのは、車椅子を利用している方ばかりではありません。外見からはわからなくても、移動することに大変な思いをされる人も残っているのだという認識を持って、一人一人のお客様に安全に気持ちよく目的地まで御利用いただきましょうということでございます。

そこに書いてございます車椅子の利用者の方、内部障害者の方、視覚障害者の方、そして歩行困難者の方、聴覚障害者の方、高齢者の方、知的障害者の方、精神障害、認知症の方、妊産婦の方、けが人、病人の方という、それぞれそこの病気あるいはそれにかかわる特性をそこに記載しているところでございます。

それに基づいて次のページを見ていただきまして、まず、対応するときのマナーとして相手を尊重することが基本的に重要ですよということを基本にしております。まず、詳細は後ほど読んでいただくことにしまして、大きな項目で、まず声をかけましょう、子供的な扱いは大変失礼だよということ、そして、相手の人格を尊重しましょう、何をしてほしいか聞いてからお手伝いしましょう。

次のページにいきますと、どのように介助してほしいのか確認しましょう。また、同情に基づく行動は相手を傷つけます。目線の高さを合わせましょう。コミュニケーションを大切にしましょう。誠意を持って伝えましょうというようなことを乗務員の方に指導しているというのが実情でございます。

また、車椅子のお客様への対応として、例示をそこに挙げさせていただいています。乗車時にはどのようにするか。そして、乗車ができない場合、お断りする場合にはどのようにするのか。降車時の場合にはこのような御案内をするのだという一例を挙げさせていただいたところでございます。

また、視覚障害のお客様への対応というのがその次の6ページ以降、乗車時、降車時、誘導の仕方、さらにはその他のお客様への対応ということで、聴覚障害のお客様への対応あるいは知的障害のお客様への対応、精神障害のお客様への対応、認知症のお客様への対応というような形で、本日、1つずつ御説明申し上げればいいかと思いますが、本日は大変恐縮でございますが、資料で御提供させていただきますということで御理解を賜れればと思っております。

もう一点だけ、一番大きいのは、日本の風土が、坂道がまずあるということが1つ。そして、雪、季節によってでございますが、地域によっては積雪があるということ、そして、場合によっては車両に乗る際の植え込みがあったりということで、なかなかスロープ板が出しづらいようなところも中にはあるということも、この辺については国を挙げて改善していただいている最中でございますが、まだ場合によってはそういうところがない、あるいは道路が狭くてスロープ板が出しづらいというところも一部あるように伺っております。それについても、今後、私どもとしては、先ほどの車両購入の導入についての国の御支援、そして道路や何かの改善についてのお願い。私どもとしては、気持ちよく乗っていただくための今申し上げましたことを踏まえたきっちりした従業員に対する指導徹底、そして、それがまた皆さんに乗っていただけるのだということでの私どもとしての公的な役割ということを認識して今後も進めていく所存でございます。

とりあえず業界からの御説明は以上にさせていただいて、また後ほど御意見等がありましたら、意見をいただいた上で御報告、御回答させていただきます。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。

○ 石川委員長 船戸様、ありがとうございました。

それでは、ハイヤー・タクシー連合会の水田様、お願いいたします。

○ 水田氏 全国ハイヤー・タクシー連合会と全国福祉輸送サービス協会の福祉タクシーの担当をしております水田と申します。座らせて御説明をさせていただきます。

タクシーは、ドア・トゥー・ドアの公共交通機関ということで、定時定路線型の大量輸送機関とは異なっておりまして、自由度が高い乗り物と言われております。タクシーの特性を生かして公共交通機関としての役割を担っていかなければならないと考えております。今般の障害者差別解消法の施行に当たり、当協会はどのように取り組んでいくべきかをお話しさせていただきます。その前に、当業界が今まで行ってきた内容について、簡単に説明をさせていただきます。

当業界は長年にわたりまして福祉タクシー、ワンボックス、バンタイプの例えばトヨタのハイエース、日産のキャラバン等のリフトがついた車両の導入に力を入れてまいりましたが、ことごとく数値目標に届かず、結局は22年までに1万8,000台の数値目標を掲げておりましたが、いずれも目標には届きませんでした。

その理由としては、高い車両価格、非効率な車両運用。非効率な車両運用といいますのは、私どもセダン型のタクシーは24時間365日運行しておりますが、残念ながらリフトつきのタクシーは通院に特化しておりまして、夜中は動かない、病院がやっていないところは動かない、土日は動かない等、なかなか採算が厳しいということでございます。それにまた厳しい経営環境等がございます。

平成23年の数値目標の見直しに当たっては、今までの考え方を改める必要に迫られました。方向転換の必要に迫られました。ユニバーサルデザインのタクシー、UDタクシーと呼んでおりますが、この導入に大きくかじを切ることといたしました。UDタクシーとは低床式のタクシーでありまして、手すりが多くついておりまして、スロープで車椅子ごと車両に入れる。乗降口が大きく確保されております。屋根が高い。今現在言われておりますのが日産のNV200バネットがUD車両と言われております。導入状況は残念ながら低調でございます。その理由は、残念ながら、当業界で日産車を使う事業者が非常に少ないということ、圧倒的にトヨタを使う事業者が多うございます。日産から売り出している車両がなかなか普及しないということでございます。

平成29年にはトヨタが次世代タクシーとしてUD車両を発売いたします。2020年のオリンピック、パラリンピックを控えている東京では、かなりの数の車両がUD化するのではないかと期待されております。ちなみにバリアフリー新法で定める福祉タクシー及びUD車両の合計は、平成32年、2020年までに2万8,000台を数値目標としております。

しかし、車両等のハードだけではなく、それを運用するタクシー乗務員の行うサービス、つまり、ソフトの部分も同じように重要であります。当業界では、平成23年度より、乗務員に対しましてユニバーサルドライバー研修をスタートいたしました。高齢者や障害者の皆さんが利用しやすいタクシーサービスを実現すべく努力しております。ちなみにこの研修は、UD車両の乗務員だけではなく、一般型に乗務するものも対象となっておりまして、この9月では受講者は全国で1万人を超えました。現在も着々と増加しております。

お手元の資料に簡単にユニバーサルドライバー研修のガイドが載っておりますので、後でごらんいただければと思っております。

今後もハード面だけではなく、ソフト面も含めた両面で高齢者や障害者の皆さんが利用しやすいタクシーサービスを行っていきたいと思っております。

さて、障害者差別解消法に関する件でございますが、当業界では14年ほど前ですが、大きく取り上げられた問題がありました。当時の人気ドラマで車椅子のヒロインが、タクシーに手を挙げてもとまってもくれないと訴えたことから始まりました。このときは、当協会や監督官庁の国交省に抗議の電話が殺到いたしました。本来、お客様が乗車の申し出、手を挙げた場合は必ずとまらなければいけません。拒否すれば、乗車拒否という道路運送法違反となります。また、その一方で、運送規約の中には、運送に適する設備、つまり、リフトやスロープがない場合などのときや、運送に特別な負担を求められるというときには運送の引き受けを拒絶することがあるとされております。正しい対応は車椅子のお客様が手を挙げた場合は停止して、お客様に対し、この車は車椅子用の設備がないこと、また自分は車椅子に関する知識がないので対応できないと説明し、お客様の了解を得なければいけなかったと思っております。

先ほどお話ししましたユニバーサルドライバー研修では、セダン型タクシーでも車椅子のお客様に対応できるように教えておりますが、あくまでも車椅子のお客様自身で移乗、トランスができる場合のお話でありまして、乗務員がお客様を抱えて移乗させることではありません。

乗車の際は、車椅子をたたんでトランクに入れる、降車の際はトランクから車椅子を出して広げるまでの内容であります。また、東京においてユニバーサルドライバー研修を修了した乗務員の数は、東京の全乗務員の8%にすぎません。まだまだ不十分な数だと思っております。

当業界で現在力を入れているのは、スマートフォンを用いたタクシーの配車システムの構築であります。これはスマートフォンのGPS機能を用いたシステムで、タクシーを必要とするお客様がスマートフォンの画面上で自分に一番近い空車のタクシーに対し、その画面上から配車依頼をするものであります。

このシステムと先ほどのお話をいたしましたUDタクシーと組み合わせれば、UDタクシーと表示された画面上の空車タクシーに対し、配車依頼をすることが可能であります。また、何分ぐらいで到着するかがわかれば、車椅子利用者を含む多くの障害者の皆さんの利便は向上すると考えております。ただ、視覚障害者の方に対する対応は課題が残っております。

当業界としては、今後この形、とにかくUD研修のさらなる発展、あとはスマホ配車の実現等、これをまたUD車両の導入を含めて、多くの障害者の皆さんに利用しやすい利便向上のタクシーを供給していきたいと思っております。

以上であります。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

それでは、今から15分程度を目安にして委員からの質問を受けたいと思います。今度は少し改良しまして、そちらから見ると左側のサイドの方で御質問のある方は最初挙手をしてください。

野澤委員お一人なので、まず野澤委員、お願いします。

○ 野澤委員 毎日新聞の野澤と申します。

私は、身内に重い知的障害と自閉症という障害を持った子がいる関係で、主に知的、発達障害の分野からいろいろ考えてきているという立場であります。

バス協会の方の御意見、バス業界が非常に経営が苦しいというのを聞かされると、なかなかあれもこれもと言いにくくなるのですけれども、この取り組みのところ、いろんなことをされていただいているということ、大変感謝したいと思います。ただ、この中で知的とか自閉の方や子供で、割とよく聞くのですが、バスの中で大きな声を出す、あるいはぶつぶつ言う、窓ガラスをとんとんとたたくと。障害があって困っている方を何とかしてあげようという議論が多いのですが、私が今申し上げているのは、むしろ周りの乗客が嫌がっている、迷惑だと思っているという場面です。これに対してどういうふうに対応していただけるのだろう。

私が知っている範囲でいうと、運転手さんが大きな声を出すなと、もう乗るなと言われたと、どうしましょうという相談を何度か受けたことがあります。何度かその当該バス会社に出向いて、私ではなくて私が知っている人にお願いして出向いていってもらって話したりしたことがあるのですけれども、うまく解決することもあるのです。

どういうことかというと、そのときに、彼らは決して周りに嫌がらせをしようと思ってやっているわけではなくて、乱暴なわけでもないのです。いろんな理由があって、それをうまく自分で処理できなかったり、うまく伝えられないためにそういう行動をするわけですね。例えば周りから嫌な目で見られたりとか、自分をいじめている子が同じバスの中にいたとか、普通、そんなことでは窓ガラスをたたいたり大声を出したりしないのですけれども、彼らの障害特性ゆえにそういう行動をしてしまうというようなことをお話ししたときに、そのバス会社さんや運転手さんが、そういうことだったのかということがわかって、今度、子供だったものですから、そのお子さんが乗ってきたときに、「○○君おはよう、きょうも元気だね」とその子に声をかけるのとともに、周りの乗客の人たちに、この子はそういう支援の必要な人なのですよと、それとなく自然な形で伝えるようなことをしたら、周りのとげとげした空気がすごく和らぐというのです。

運転手さんというのはバスの中の空間では物すごい存在感なわけで、その運転手さんがみずからそういう一言声をかけてくれるおかげで、物すごくバスの中の空気が変わって、それがひいてはその子が周りからじろじろ見られたり嫌な目で見られたりするから、よけいにそういう行動を出したのがすごく落ちついてきたという。私、これなどは本当に高度な合理的配慮ではないのかと思ったりしております。

ぜひ、そういうことを一緒に研究していただけないかなというお願い、あるいはそういう取り組みをされていることがあったら、今、少し教えていただければありがたいなと思います。よろしくお願いします。

○ 石川委員長 どうもありがとうございました。

大日方委員、お願いします。

○ 大日方委員 大日方です。

日本バス協会の方々からありがとうございます。いろいろと見せていただきまして、マニュアル等詳細に書かれているなということで感心しております。

1つお伺いしたいのが、今、非常にノンステップバスが普及していくというところで重要なところだと思うのですが、こちらのノンステップバスの運行に当たっては、どうしてもスロープを使う場合、出し入れする時間というものがかかるかと思います。大都市圏においては、定時運行というのは非常に重要だと認識しておりますが、そこのあたりのスロープを出し入れする場合の時間をどのように考えていらっしゃるのか。つまり、定時運行の中にそういったことも含まれた前提で考えていらっしゃるのかというところを取り組みについてお伺いしたいと思います。

それと、ハイヤー・タクシー協会の方々に向けてですが、これはぜひお願いですが、車椅子で乗り降りする場合に、どうしても荷物、トランクが中には私物ですか、運転手さんの私物でいっぱいなので乗せられませんと言われることがありますが、こちらについての私物を載せないようにしてくださいというようなことをぜひガイダンスをしていただければありがたいなと思っております。

以上2点です。ありがとうございました。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

それでは、こちら側、そちらから向かって右側になりますね。御発言のある方、挙手をお願いします。

では、清原委員、お願いします。

○ 清原委員 ありがとうございます。全国市長会三鷹市長の清原です。

実はバスの皆様ともタクシーの皆様とも自治体は日常的に御縁があります。1つには、例えば『バリアフリーのまちづくり基本構想』をつくりますときの策定委員会には多くの自治体、バス事業者の方、そして、タクシー事業者の方にも入っていただいています。また、コミュニティバス等について検討する地域公共交通活性化協議会というのを設置している自治体においても、バス事業者の皆様、そして、三鷹市の場合はタクシー事業者の皆様にも入っていただいています。

そこで、御質問なのですが、今回、障害者差別解消法の取り組みをするに当たって、やはり身近な公共交通であるバス事業者の皆さん、タクシー事業者の皆さんと、自治体はより一層の話し合いの場を持ったり、ともに取り組んでいくということが必要になると思うのですが、あわせて、今、申し上げました『バリアフリーのまちづくり基本構想』の策定委員会でも、地域公共交通活性化協議会でも、三鷹市の場合は、障害者の団体の方にも入っていただいていますし、障害当事者の方にも入っていただいています。そこで、そうしたこれまでの取り組みの出会いを今後の障害者差別解消の取り組みの中で生かしていただければと思うのですが、そういうような動きというのは、もう始まっていらっしゃるのでしょうか。必要であればそれぞれの自治体がコーディネートをして場をつくっていくことにはなると思うのですが、せっかくお越しいただきましたバス事業者の京王電鉄さんに伺いたいと思いますし、タクシー事業者の方におかれましては、個人タクシーというのがありますが、きょうの団体の皆様がこのようなユニバーサルドライバー研修をされているように、個人タクシーの皆様もこうした研修をされているかどうか、情報をお持ちであれば教えていただければと思います。

以上、バス事業者の方とタクシー事業者の方にそれぞれ教えていただければと思います。よろしくお願いします。

○ 石川委員長 ありがとうございます。

それでは、それぞれの事業者から御回答いただきたいのですけれども、最初に野澤委員からありました件、一緒にこれについて取り組んでいくというようなお考えがおありかどうか、あるいは既に研修の際に何らかのプログラムの中に入れて具体的な対応を理想的にはできるはずになっているのかといったようなこと。あと、ついでですけれども、例えば視覚障害者の場合、空席があってもわからず立っていたりなどすることが電車も含めて多いのですけれども、本来であれば市民社会の中で、隣のここに席がありますよみたいなことが自然に出てくるのが望ましいですし、野澤委員がおっしゃったように、社会全体としてのリテラシーというか、多様な人々がいるということを理解していれば、声が出ても赤ん坊の泣き声と同じような意味合いのものとして寛容さの中で吸収されることであるかもしれないし、そういったような問題でもあるけれども、現実問題としてそうではない場合に、ドライバー、バスの運転手にどの程度のことを合理的な配慮として求めることが可能かといったようなことなどについて、できれば船戸様あるいは佐多様のほうからお願いします。

○ 船戸氏 バス協会のほうから、今御質問、御提案いただいたものについて御説明申し上げ、補足の点につきましては同席させていただいている京王電鉄バスの佐多課長のほうから御説明申し上げたいと思います。

まず、先ほど御意見いただいて、大変ありがとうございました。野澤委員の方からは、先ほど来お話がありましたように、バスの中で大きな声を上げたり、あるいはドアとか窓をたたくというようなことのお客様に対してどのように接していくのか。これは非常に重要なことで、その場でお客様に対してバスの運転手、バスは先ほど来言っているとおり1人で乗務しておりますので、その運転手の方がそれはやってはいけないというような形で叱ったりというようなことをしては、これはますますそのお客様がパニクって、ますます違うことが出るというような認識をして、これについては乗務員の方にもそのような形で申し上げている。

特に多いのは、こういうようなお客様については、おおむね日々結構よく乗っていただいているお客さんが多いので、それの情報を次の翌日同じような時間帯に乗務する乗務員の方、運転手さんの方によく伝えたりして、そのようなことがあったときにはこういう対応をするのだということのまず対応が1つだと思います。

もう一点、やはりよくお話を優しくし、お話をかけるということは重要なことのファクターだと思っておりますので、それは教育の中にさらにもう一個入れさせてもらう。もう一個言わせてもらえれば、取り組み状況として、各バス事業者さんも各地域の障害の関係の皆様とこういうようないろんな意味でのコミュニケーションというか、懇談の場をつくらせていただいたところもございます。なかなかしょっちゅうやっているわけにもいかないということで、大変それについては深く反省しなければいけないのですが、できるだけ多くの皆様に、多くの機会をつくって、こういう情報を意見交換させていただくというようなことは重要なことだと思っておりますし、今後ともそれについてはさらに進めさせていただきたいと思います。

もう一点、先ほど石川委員長様のお話で、視覚障害者の方の座席の席もということだと思います。これはもちろん運転手も注意しなければいけないし、できればその周りのお客様もそういうことがあったときに、ここがあいていますよということで優しく御誘導いただくような、これは私どもいつも思っているのですが、最近電車でもバスでもシルバーシートをつくっておきながら、実際に御利用されるのは、場合によってはそれに違うような方が御利用されていることもある。そのときにそういうような方が座らないで立っていただいているようなことも見受けられるような状況もございます。果たしてどうなのかというので、最近ではシルバーシートではなくて、これが当たり前だというようなふうにすべきだという御意見もいただいているところでございます。これは大きな意味で考えていかなければいけない問題かなと認識しているところでございます。

それから先ほど、大日方先生の御意見でございます。ノンステップバスの状況で運行スロープ出し入れ、どれぐらい時間がかかるかというのは後ほど佐多さんのほうから御報告しますが、前提としては、所要時間を計算しておりません。したがって、通常のバスの所要時間というのは通常の乗降で、この停留所は多く降りたり乗ったりするから若干2~3分よけいにとろうとかということはあるかもしれませんが、車椅子の方が例えば乗車されたり、スロープを出してということになると、お客様にお断りをして安全を確認し、それで御乗車いただく、あるいは降車いただく、このような対応をしているのが実情かと思います。

また、先ほど清原先生からいただいた中、重要なことだと私ども思っておりますし、今後、昨年の12月に交通政策基本法を策定し、今度新しく交通基本法のもとに交通計画というものを各地方自治体を中心としてつくられると聞いております。私どものほうも地域自治体と一体となって、バス事業もその中に取り組んでいただいて一緒にお話をさせていただきながら、皆様が安心して御利用いただけるというように私どもとしても努めていきたいと思っておりますので、今後ともよろしく御指導ください。

それでは、佐多さんのほうから。

○ 佐多氏 京王電鉄バスの佐多と申します。

まず、野澤委員からの御質問がございました知的障害の方々の御利用ということで、日々たくさんの方に御利用いただいておりまして、中にはバスの中で大きな声を出してしまったりとか、あるいはほかのお客様からそういった申し出があるようなケースもございますけれども、先ほど船戸常務からも話がありましたとおり、ほぼ毎日バスを御利用いただいているということもございまして、例えば養護学校の先生方と協力をし合って安全にお乗りいただくような取り組みですとか、あるいは地域の方々ともそういった意見を交換しながら、なるべく安心して乗れるような形で日々対処させていただいているということが実情でございます。

あと、大日方委員からの御質問でございましたスロープ板の所要時間の関係なのですけれども、やはり通常の時刻表の設定につきましては、バスの乗降にかかる時間と、あとは交通事情等を勘案した中で時間の設定をしておりますので、スロープ板の出し入れの時間については見込まれていないということが現状でございます。バスの車両もいろいろと改善が進んでおりまして、以前はスロープ板を引き出すような形で対応しているのですけれども、最近は板をぱたぱたと広げるような形で対応できる車も出ておりまして、スロープ板の出し入れの時間が短くなるような車両の構造上の改善ということもされておりますので、バスが遅れることにつきましては、バスを御利用のお客様ですとか、あるいはバス停でお待ちのお客様には御案内をする形でバスがおくれましたということで御案内をさせていただいて御理解を得られるような、そういった形でソフト面での対応をさせていただいているということでございます。

3点目の清原委員からの御質問でございました地域公共交通会議等でさまざまな障害者団体の方との意見交換をさせていただいておりますし、また、その団体の方からも意見を聞いていただきたいという御要望をたくさんいただいております。それぞれの地域の障害者の方々と交流を持つような場を設けましょうというような取り組みもしておりまして、例えば東京都の中で、東京バス協会様が主催される地域の障害者団体の方との意見交換ですとか、あるいは自治体単位で自立支援センターの方から実際にバス会社のほうに来ていただいて、いろいろと車両について意見交換をさせてくださいといった取り組みも行っているというのが現状でございます。

以上でございます。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

それでは、水田様、懇談会について、タクシードライバーへの研修の徹底について等についてお願いします。

○ 水田氏 まず、大日方委員さんから車椅子を載せられないと、トランクは私物でいっぱいであるという話がございました。全くおっしゃるとおりでございまして、私、当業界のいろんな会議でことあるごとにこの点は改善するように指導したいと思っております。また、清原委員から、自治体と一緒に取り組むお話がございました。これは都道府県のタクシー業界に担当がおりますので、ぜひお申し出いただければ、誰か必ず専任してそのものが会議に出席させていただく。ただ、地域公共交通会議は乗合バスのお話でございますので、私どもタクシーがお呼びいただければ参りますが、ちょっと違うかなという感じがいたします。

あと、個人タクシーの取り組みについてでございましたけれども、当協会は法人タクシーの協会でございまして、残念ながら、個人さんと余り接点がないものですから、できれば個人の協会にお話しいただいたほうが話は早いかなと思っております。

以上です。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

済みません、私からも1点ですけれども、スマホ配車については、ぜひアクセシビリティー対応の件を、外資系のほうでもサービスを始めているかと思いますので、ぜひ前向きに御検討いただければありがたいと思います。

○ 水田氏 ぜひスマホ配車には力を入れたいと思っています。今、先生がおっしゃったのはUber、Hailoの話だと思いますが、私ども、また違う切り口で展開しておりまして、今あるセダンタクシーをどうにか全車をUD化したいなという強い思いでおります。ただ、なかなか厳しい側面もございますので、2020年に向けて1台でも多くのUD車両をセダン型のタクシーに変えていきたいなと強く思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。

以上です。

○ 石川委員長 ありがとうございました。船戸様、佐多様、水田様、本日はお忙しい中御出席いただきまして、まことにありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。

それでは、このパートはここで終わりとさせていただきます。

次のパートは4時再開といたします。

(休憩)

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