障害者政策委員会(第17回)議事録 1
○ 石川委員長 定刻となりましたので、これより第17回の「障害者政策委員会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中御出席いただきまして、ありがとうございます。
本日の会議は、16時、4時までを予定しております。
では、事務局から委員の出欠状況について御報告をお願いします。
○ 加藤参事官 本日は、阿部委員、大原委員、門川委員が欠席との連絡を受けております。
また、高橋委員の代理として、北海道保健福祉部福祉局障がい者行政担当局長の坂本明彦様、清原委員の代理としまして、三鷹市健康福祉部長の伊藤幸寛様、花井委員の代理として、連合生活福祉局局長の平川則男様に御出席いただいております。
また、野澤委員が1時間ほどおくれるとの御連絡をいただいております。
なお、本日、会議の冒頭、委員の皆様の御迷惑にならない範囲で取材が入りまして写真撮影が行われますので、御承知おきください。
以上でございます。
○ 石川委員長 ありがとうございました。
それでは、早速ですが、本日の議事に入りたいと思います。
毎回のお願いでございますけれども、各委員から発言を求めるときはまず挙手をいただき、委員長からの指名を受けてから発言をお願いします。
できれば最初に結論、続いて、その理由あるいは説明をしていただくのがわかりやすいかと思います。また、御発言の際はお名前を名乗っていただき、可能な限りゆっくりわかりやすく御発言いただきますようお願いいたします。できるだけマイクに近寄ってお話しください。発言後はマイクを切ってください。どうぞ御協力をよろしくお願いいたします。
本日は、障害者差別解消法に基づく基本方針の素案について、各委員からお送りいただきました意見を中心とした意見交換を行います。
それでは、会議の資料と流れについて事務局より御説明いただきます。
○ 加藤参事官 本日の会議資料と流れについて御説明いたします。
本日は、障害者差別解消法に基づく基本方針の素案につきまして、事前に委員の皆様からお送りいただきました御意見を中心に意見交換を行います。
資料としましては、資料1「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(素案)」、前回お出ししたものと同じ資料でございます。
資料2「委員意見(障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(素案)に対する委員意見)」というものが1つ。
参考資料という委員の皆様方の御提出いただいた意見をそのまま束ねたものでございます。
以上の3点となっております。もう一度繰り返しますけれども、資料1は前回と同じものでございます。資料1は委員の皆様からお送りいただきました意見を素案の見出しに沿って整理したものでございます。また、各委員からの意見につきましては参考資料にそのまままとめて出してございます。
次に、具体的な進行についてでございますが、まず、事務局から委員の皆様からいただきました御意見の整理状況について15分程度で御説明申し上げた後、50分程度の意見交換を行います。
その後、15分の休憩を挟んで意見交換を60分程度行います。なお、所要時間につきましてはおおむねの目安でございます。切りのよいところで委員長の御判断で休憩をとっていただくということでお願いしたいと思います。
以上でございます。
なお、これ以降の写真撮影は御遠慮いただきますようお願い申し上げます。
以上です。
○ 石川委員長 ありがとうございました。
それでは、これより始めたいと思います。
それでは、基本方針の素案に対する委員意見の整理状況について事務局から説明をお願いいたします。
○ 加藤参事官 御説明申し上げます。
まず、前回のときにお願いいたしましたように、各委員からいただいた意見につきまして、そのまま理由でありますとか修文部分、修文案の全体をまとめたものが参考資料ということで出させていただいております。提出していただいた意見につきましては、同じような趣旨あるいは微妙に異なる趣旨のものなどさまざまございますけれども、一応事務局のほうで基本方針素案の見出しごとにいただいた意見を類似する意見ごとにまとめて書き出したものが資料2ということでございます。
基本方針は前回も申し上げましたけれども、差別解消法の趣旨、目的あるいは国会における法案審議、附帯決議を踏まえて、その枠組みの中で政府が障害を理由とする差別の解消に向けた施策を実施していく、あるいは取り組んでいくことに関する基本的な考え方を示すものであります。提供していただいた意見の中には、枠組みを超えて定義をするようなこと、あるいは新たな施策を求めるような御意見もございますが、それらも含めて資料2には全て入れているところでございます。
資料2でございますけれども、最初に、この資料の見方といいますか、事務局の整理の仕方について御説明いたします。
1ページ目のところでございますけれども、全体にかかわる御意見ということで、ここは柘植委員と三浦委員が前回あるいはメモで提出いただいたものでございますが、基本方針にかかわる基本的な考え方を序文といいますか、前文といいますか、そんな形で全体のメッセージを伝えたらどうかという御意見をここのところにいただいております。
次は「I 障害を理由とする差別の解消の推進に関する施策に関する基本的な方向」の「1 法制定の背景」のところでございます。ここも同様の意見を大河内委員、佐藤委員、玉木委員からいただいておりまして、特にアンダーラインの引いてあります社会的障壁については、同法第2条第2項に「障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、概念その他一切のものをいう」と規定されたというふうに基本法の2条2項を引用したらどうかという御提案でございます。
同様に次は「2 基本的な考え方」の「(1)法の考え方」ということで、ここは河井委員、柘植委員、次のページ、松森委員からそれぞれ御意見を頂戴しております。
次は「(3)の条例との関係」のところでも石川委員長、佐藤委員、玉木委員、竹下委員から下線の引いてあるような御意見を頂戴しておるところでございます。
その次が「II 行政機関等及び事業者が構ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する共通的な事項」ということで「1 法の対象範囲」で最初の●であります障害者の定義のところでございますけれども、大日方委員、佐藤委員、玉木委員から、修文案といいますか、追加の意見で、また障害者の家族も対象とするというのを追加したらどうかという御意見でございますけれども、ここの定義は障害者基本法の定義をそのまま踏まえておるわけでございまして、新たに障害者の定義に家族というのをつけ加えるということはなかなか法律の解釈上も難しいのかなというのが実情でございます。基本方針で定義の対象を広げるというのはできないと考えておるところでございます。
次のページでございます。以下、対象分野でありますとか、真ん中のところに「2 不当な差別的取扱い」「(1)不当な差別的取扱いの基本的な考え方」というところで、ここも石川委員長、大濱委員、佐藤委員、竹下委員、玉木委員から、障害者の権利条約における障害に基づく差別の定義に準拠し以下云々というアンダーラインの引いてあるところの御意見をいただいています。
また、その下でありますが、石川委員長のほうからも、さらに御意見をいただいているところでございます。ただ、ここの差別の定義についてでございますけれども、これは差別解消法の法案審議の際に国会の附帯決議におきましても、今後の事例の集積を待った上で法律の施行状況を見ながら検討することということに附帯決議されているところでございますので、この基本方針の中で定義を定めることが可能なのかというのは難しいなというのが事務局の考え方でございます。
あと以下、次の4ページからは「(2)正当な理由の判断の視点」ということで、石川委員長、石野委員、大濱委員、大日方委員、高橋委員、竹下委員、花井委員、それぞれからアンダーラインのついているような御意見を頂戴してございます。
以下、同様な構成になっております。
あと説明したほうがよろしいでしょうか。どうしましょうか。
○ 石川委員長 どうぞ。
○ 加藤参事官 続きまして4ページでございます。今申し上げた正当な理由の判断をしてということで、石川委員から花井委員まで頂戴してございます。
次、5ページでございますが「3 合理的配慮」というところでございます。「(1)合理的配慮の基本的な考え方」の最初の●のところ、法は、権利条約の趣旨を踏まえというところで、やはり石川委員長、石野委員、あと加野委員、佐藤委員、玉木委員からアンダーラインのような御意見を頂戴しております。次のページに竹下委員、玉木委員、三浦委員からずらっと御意見を頂戴してございます。
6ページの真ん中でございますが、2つ目の●、合理的配慮の具体的内容というところにつきまして、加野委員から御意見を頂戴しております。あと佐藤委員、竹下委員からもいただいているところでございます。
7ページでございますが、ここは合理的配慮の典型例のところでございますけれども、車椅子利用のために段差に板を渡す、高いところに陳列された商品をとって渡すなどの物理的環境への配慮のところも石野委員、大濱委員、佐藤委員からそれぞれ少しつけ加えたらどうかというような御意見を頂戴しています。
2つ目のポツの筆談や読み上げによるコミュニケーション、わかりやすい表現を使って説明するなどの意思疎通の工夫のところも石野委員、大河内委員、松森委員からそれぞれ少し具体的なところをつけ加えたらどうかということでございます。
ただ、これは事務局がもともと典型例を書くときに懸念しておったのですけれども、何でもかんでもここに書くのかということと、もう一つは誰が読んでも皆さん相場観としてこれはなるほどなというような典型例として書きたいなということでありまして、余り専門的な技術を持ったような職員の方を配置するというようなことは、皆さんがどこでも合理的配慮としてできるかどうかというのは難しいのかなという気もしております。
8ページでございますが、3つ目の典型例でございますが、障害の特性に応じた休憩時間の調整などのルール・慣行の柔軟な変更などが挙げられる。なお、今後、合理的配慮の好事例を蓄積し、広く国民に提供するものとするというところも、佐藤委員、玉木委員、田中委員からそれぞれ御意見をいただいております。
真ん中の後に合理的配慮はというところですが、ここも石野委員、あと大河内委員、佐藤委員、玉木委員、松森委員、川崎委員、佐藤委員、佐藤委員、玉木委員とそれぞれ御意見を頂戴しているところでございます。
9ページでございますが、意思の表明に当たってはということでございまして、石川委員長から御意見を頂戴しています。大河内委員、佐藤委員、竹下委員、田中委員、玉木委員、次のページで柘植委員の方からこの箇所で御意見を頂戴しております。
ここも法律上の定義としては、意思の表明がある場合にというような合理的配慮の定義になっておりますので、規定になっておりますので、ここも基本方針では意思のある場合にという規定を超えることは難しいのかなと考えています。
10ページ、2つ目の●合理的配慮があるところで、やはり石野委員、佐藤委員、竹下委員から御意見をそれぞれ頂戴しています。
「(2)過重な負担の基本的な考え方」で過重な負担についてはというところで、石野委員、大日方委員、竹下委員、次のページで高橋委員、玉木委員、花井委員からそれぞれ御指摘をいただいております。
あと「事務・事業への影響の程度(事務・事業の目的・内容・機能を損なうか否か)」というところにつきましては、石川委員長、佐藤委員からそれぞれもう少し具体的にといいますか、基準みたいなものを示したらどうかという御意見をいただいています。
12ページの「実現困難度(人的・体制上の制約、物理的・技術的制約、地域性)」のところでは石川委員長、石野委員、河井委員からそれぞれ意見を頂戴しています。
費用負担の程度のところでは、石川委員長のほうから著しく不均衡であることといったような基準的なものをもう少し示すようにといった意見をいただいています。あと、事務・事業規模のところでも石川委員長のほうから、著しく困難であることという修正案をいただいており、財政、財務状況のところも石川委員長から同様の御意見をいただいています。あと佐藤委員から御意見が出ております。
○ 石川委員長 では、前半はここまでのところで議論をしたいと思います。
事務局からこの基本方針で書くことができること、書くことができる範囲を超えていること、両方あったというお話がありました。これは一番重要な点かと思いますので、個々の委員提案について、詳細にということもさることながら、まず、ここの原則がはっきりしていないと議論していっても効率が悪いということもありますので、一番大きなところから議論していくべきかと思います。その観点での各委員の御意見をまずいただきたいと思います。
御意見ある方は挙手をお願いします。
では、竹下委員、お願いします。
○ 竹下委員 竹下です。
まず、大きなものの考え方といいますか、基本方針の枠組みのところで1点と、もう一つは、他の法律との関係も少し頭に置く必要があると思うので、この2点について発言させていただきます。
まず1点目ですけれども、今、加藤さんのおっしゃるように、基本方針そのものは障害者差別解消法の具体化といいますか、あるいは障害者差別解消法に基づく差別をなくすための柱づくりをしているということは確かだと思うのです。
したがって、そういう意味では法律の枠を出ることはできないということについて異論はないわけですが、問題は1条から少なくとも8条までを見たときに、その法律で規定された条文あるいは文言はどういう形で基本方針に具体化されているのかという吟味といいますか、そういう問題だと思っております。したがって、それが本当に各条文の文言や、あるいは1条から8条までの枠組みからはみ出しているかどうかということについて、それ自身が場合によったら議論になるということも含めて少し考えていただきたいというのが第1点目の抽象的ですが中身です。
第2点目は、確かに基本方針は差別解消法6条に基づく基本方針であることは間違いありませんが、それは大前提として障害者基本法、さらには憲法、さらには権利条約、これらの上位法あるいは関連法との関係で内容が決まるものだと理解しています。少なくとも、この基本方針を定めるに当たって、権利条約、憲法、障害者基本法が基本方針の中に盛り込まれるべきは当然であって、それをはみ出してはならないし、それを無視してもならないと思うのです。したがって、細かく2点だけ申し上げれば、例えば障害者の定義については確かに基本法の概念をはみ出すことはできないというわけでありますが、と同時に、あわせて差別解消法が差別を解消しようとしている目的から考えておのずと障害者の範囲が時にはずれてくることがあり得るということも十分考えなければならないはずであります。
2番目に、差別の概念でありますが、差別の概念は確かに8条や7条には何が差別に当たるかは書いていない。裏返しに言えば、何が差別に当たるかわからないからこそ、この基本方針があるのだということになるわけです。もちろん、私は今回の障害者差別解消法7条、8条、各1項が直接差別、あるいは積極差別と呼んでも構いませんが、直接差別をその禁止の対象にしていることを前提とした場合でも何が直接差別に当たるのかということについて全くわからないのでは基本方針の体をなさないと思うのです。それだけに直接差別として何が7条、8条の各1項によって禁止されるかということが基本方針によって示されなければならないというのが基本方針の目的だろうと思うのです。その点では、条約と言っているのは全部障害者権利条約のことですけれども、条約、憲法、基本法というものがその基本方針の内容に充填されるべきは当然だと理解しています。
以上です。
○ 石川委員長 ありがとうございました。
この件についてはほかの委員の御意見も伺いたいのですが、いかがでしょうか。
それでは、私から、意見を述べさせていただきたいと思います。
竹下委員がおっしゃったように、この基本方針というのは差別解消法を運用しやすくしていくために行政及び事業者に対して、その考え方、運用の仕方等について説明していくためのものでありますけれども、であればこそ、上位法である条約と適合的な解釈を示すということがどうしても必要であると思います。
それは枠組みのまさに中にあるものと考えます。それを抜きにして基本方針を書くことはできないと考えます。そのために、例えば障害を理由とする差別というのは、障害者権利条約においては、障害者に基づく差別となっておりますので、これとは対応していますよということは説明しておく必要がある。それは明らかなことですから、説明しておかなければいけないと考えますし、合理的配慮における意思の表明というのは、これだけを読むと、あたかも必須要件であるかのように読めますけれども、しかし、権利条約ではそのようなことは書いていない、基本法にも書いていない、雇用促進法でも場合分けがされています。
そういった全体の法体系の中での差別解消法の書きぶりの位置づけはどういうふうに解釈するのが適合的なのか、整合的なのかということを基本方針で示さないといけないと思います。それは必須要件ということではなくて、非可視的な障害については言われないとわからないので、言われないとわからないことに対してまで合理的配慮義務に反していますよといきなり言われてしまうのは行政機関としても、事業者にとっても、それはとても酷なことなのでそのように書いてあるのであって、これがないから例えば可視的である、あるいは認識可能性が十分確保されているときにまでそれがないことを理由として合理的配慮義務が免責されるということをこの法は意図しているわけではあるまいと。そう考えると、上位法との整合性、適合性がとれなくなってしまうので、そうではないだろうということを基本方針に書く必要があるということを私は意見として申し上げたということなのです。
法律家の立場で加野委員、もし御意見あればお願いできればと思います。
○ 加野委員 加野でございます。
私も今竹下委員と石川委員長がおっしゃったことに同感で、法律の枠内でと事務局のほうでおっしゃいましたけれども、この法律は権利条約に基づき、障害者基本法に基づき作成されたもので、この文言どおりでなければ枠内でないということではなくて、この文言を権利条約の趣旨や障害基本法の趣旨から解釈して、合理的な範囲のことについては十分に説明を加えなくてはいけませんし、やはり障害者権利条約から来ている趣旨については、初めにきっちりと明記しないと国民の理解もなかなか進まないと思いますので、そういう意味では差別解消法の文言のみにとらわれて、その法律の枠内ではないので基本方針に載せられないというのは違うかなと考えております。
○ 石川委員長 どうもありがとうございました。
遠藤委員、どうぞ。
○ 遠藤委員 私は法律の制定あるいは改正という視点でお尋ねをしたいのです。皆様方に御説明するまでもなく、本法は国会で御審議をいただいて、その上で皆様が見ている形になったということです。
その審議の過程も踏まえてQ&Aなるものができ上がっていて、これについてはもう既に内閣府のホームページを介して公になっていると理解しております。問10の1、ページでいうと15ページ、Q&A集ですね。ここに本法で障害を理由とする差別の定義規定をおかない理由如何ということで問いがあって、それに対するお答えが1、2、3と書かれております。
お手数なのですが、いま一度、この中身とこの設問に対するお答えが出てきた経緯について事務局の方からご説明をいただければありがたく思います。
○ 石川委員長 ありがとうございました。
事務局のほうから、Q&Aの今の遠藤委員御指摘のところ、1、2、3とあるのですが、これについての議論の過程といいますか、それを説明してほしいということがありましたので、お願いします。
○ 田中企画官 内閣府の田中と申します。
まず、この差別解消法については、障害者権利条約の趣旨を踏まえて、障害者基本法の第4条の差別の禁止というものを具体化する法律として実施するために制定されました。
そして、今ここで議論されておりますのは、差別解消法において差別という定義規定が置かれておりません。どういうものが第1項の不当な差別的取り扱いになるのか、そして、2つ目として、合理的配慮の不提供というものについてどういうものが具体的な事例、事案、そういうものに当たるのかということについては、法の審議の過程においても、そういった具体的事例の集積はまだ十分ではなく、不当な差別的取り扱い、そして合理的配慮の不提供というものについて定義を置くには事例の積み上げがまだ不十分であろうという審議であったかと思います。
その上で、この法律の施行後3年たった時点において施行の状況を見る、また、蓄積された事例等を参考にして、差別についての定義も検討するものとするということが参議院における附帯決議の中に書かれているところでございます。
そうは申しましても、障害者権利条約の趣旨を踏まえて基本法第4条の改正が行われ、そして今回の差別解消法も成立しておりますので、その差別というものについての基本的な考え方というものについては、条約の趣旨を踏まえたものとして成立しております。
そういった趣旨、条約にそもそも書かれている趣旨について何らかの言及をする、そのような方向での修正が1つとして考えられると思っております。
○ 石川委員長 ありがとうございます。
確認ですが、最後におっしゃったのは、条約に言及するということは、条約ではこういうふうに書かれていますよということを基本方針の中で、条約ではこう書かれていると書くことは可能ではないかということだったでしょうか。
○ 田中企画官 はい。条約を踏まえてこの法律はできておりますので、まず条約のそういった精神を明らかにして、そして、法律はこれを踏まえているというような構成で書くことができないかと思っております。
○ 石川委員長 ありがとうございます。
私はそのような意図で文言を提案したのですけれども、枠の外内という議論について、今、加野委員、竹下委員、私も申し上げましたけれども、この範囲のこと、このことを踏まえた上で枠の中という御判断ということで事務局のほうはよろしいでしょうか。つまり、条約適合的な解釈、そのために必要な補充的な解釈あるいはその反対に若干の緩和的な解釈が必要な場合にはそれを行わなければならないということも枠組みの内部であるという理解でよろしいでしょうか。
○ 田中企画官 まず、その条約の趣旨、精神、そういったものを踏まえているという関係性については盛り込めるような工夫を検討したいと思います。
その上で、具体の書きぶりについてはなかなか内閣府の事務局として今ここでこれですという答えが難しいこともございますので、また関係省庁と御相談させていただきたいと考えております。
○ 石川委員長 ありがとうございます。
それでは、ここまでのところで。事務局のお考えとして、そのような理解を踏まえた上でもここは枠組みの外だというのは言っていただいたほうが議論しやすいかなと思うのです。そういうやり方でよろしいですか。ここはストライクかボールかと言えばボール。セーフかアウトかと言えばアウトと言っていただいたほうが。
○ 加藤参事官 先生、済みません。先ほど資料の説明のところで私余分なことを申し上げたところが大体我々はボールではないかと判断したところでございます。
ですから、それ以外の権利条約に基づいた枠組みであるとか、もとより基本法に基づいた枠組みであるというところは、書きぶりなりは工夫できるのかなと思っていますけれども、先ほど申し上げた障害者の定義に家族を含むといったことは難しいかなということと、先ほどの差別の定義も、まだ先ほどの法案審議の際にもなかなか難しいということで、とりあえず、この法律を走らせた中でそういう事例を集めるという前提でできていますので、そこは我々事務方で崩すのは難しいかなということで申し上げたところであります。
○ 石川委員長 確認ですが、2点です。
家族は法の中で対象としていないので、対象とするということはできませんというお話。
ここに解消法においては差別の定義はないので、差別の定義としてここに書き込むことはできませんということでよろしいでしょうか。
○ 田中企画官 はい。そのとおりです。基本方針において定義はこれですと書くことが難しいということです。
○ 石川委員長 わかりました。定義として書き込むのではなくて、適合性という観点から行政解釈を示すべきであるという複数の委員の意見については御賛同、御理解いただいた上で、あとは各省との調整で書きぶり等については検討していただけるという理解でよろしいですね。
○ 田中企画官 はい。先ほどの議論にございました、例えば条約の考え方等を踏まえている、そういう点等をこの基本方針の中に明らかにするという方向で調整をやってまいりたいと考えております。
○ 石川委員長 ありがとうございます。
合理的配慮の事例について、これを追加、これを追加というのもありまして、これについては、これを入れるのだったらこれも入れてくれとなって、リストは延々とふえるということが予想されますけれども、これについてはむしろ事務局にというよりも、委員のほうでもう少し調整が必要なのではないかと思うのです。
つまり、多くの行政機関及び事業者にとって過度な負担でないものを事例として示したい。つまり、過度な負担である、ないにかかわらず必要かつ合理的に配慮という概念を用いるという選択をするのであれば、それはまた別ですけれども、これについても私は意見を述べていて、加野委員も述べていらっしゃって、これについても確認したいのですけれども、もうそうであれば最善の配慮は全て合理的配慮となるわけで、それはそれで筋が通るのですけれども、ここで言いたいことはやはり行政機関や事業者にとって、これは最低限、ミニマム、どこへ行ってもこういうのは合理的配慮ですということを事例として述べたいというのが事務局の考え方だと思うのです。
何か工夫があって、それはそうなのだけれども、もっと場合によってはできることもあるし、それが最善の配慮、必要とした配慮とは違うのだということもどこかで何か書けないかみたいな、そういう具体的にこれを入れる、あれを入れると言い出したらきりがなくなってしまうので、もう少し一般的な言い方で何らかの工夫があると建設的かなと思うのですけれども、何かそのような観点からの御提案はございませんでしょうか。
花井委員の代理の平川さん、お願いします。
○ 花井委員代理 ありがとうございます。今の点につきましてでありますが、何が過重な負担でそうではないのかということに関して言いますと、1つ現行制度、さまざまな差別禁止に関する現行制度があります。まずはその制度を整理して、現行制度で具体的にこういうものが合理的配慮としてしなければならないというのをまず明確にしていくというのが必要かなと思います。既にそういう事例がありますが、それを明確にしていく。あとはさまざまな判例とかありますので、それもまた整理をしていくということでありますので、現在到達をしている合理的配慮は何かというのは整理できると思いますので、それをちゃんと明確にしていくというのが必要かなと思います。
そういった意味で、この問題でいいますと前回の花井委員のほうから御意見をいろいろ言わせていただいておりますけれども、基本的にはお互いの相互理解というのが大変重要でありますので、その理解をどうやって進めていくのかという形もありました。ただ、一方で相互理解といっても抽象的でありますので、この辺はさらに議論が必要かと思います。
以上です。
○ 石川委員長 ありがとうございました。
河井委員、お願いします。
○ 河井委員 全肢連の河井です。
私もこの委員の意見をいろいろ拝見したときに、余りにもいろいろな具体例が出てき過ぎてしまって、これを羅列することによって、ここに書かれないものが抜け落ちていく危険性があるのではないかと考えました。例えば車椅子の通行に関してはスロープも大事なのですけれども、通路幅も必要なのです。例えばストレッチャーに近いような形であれば奥行も必要であったりとかということもありますので、段差だけにとらわれるのではなく、例えば車椅子であれば車椅子が通行できる通路を確保するというような考え方を書けばそれで解決するのかなと。余りにも細かいところにとらわれ過ぎるのはよくないかなと考えました。
以上です。
○ 石川委員長 おっしゃるとおりだと思いますが、それで具体的にどういう書きぶりがいいかについて、代案といいますか、どなたか知恵を出していただけないでしょうか。どなたかいらっしゃいませんか。
竹下委員、どうぞ。
○ 竹下委員 竹下です。
確かにこの具体例というのは非常に慎重であるべきだと思うのです。なぜかというと、具体例にこだわり過ぎると、逆に狭めることにもなりかねないのです。そういう意味からも、具体例を出す場合には非常に慎重にやるべきだと私自身も思います。
私はその部分については、何が合理的配慮として求められるかというものがよりわかりやすくするというところに基本方針のみそがあるのかなと思って提案させてもらった次第です。
すなわち、こうすれば合理的配慮だよ、こうすればそれは適正な配慮だよという具体例を1つ示すことは、ある種の危険を伴うと同時に限界があるわけですから、そうではなくて、そうした具体例に代わるものとして何を考慮すれば、どのような観点に立って配慮すればそれが必要な、かつ適正な合理的配慮かという観点の文言を挿入することでこの部分はいかがでしょうか。
○ 石川委員長 ありがとうございます。
例えば、いわゆる機能障害と社会的障壁の相互作用でさまざまな困難という意味での障害、ディスアビリティが起きる。だから、そのディスアビリティを削減するためには社会的障壁を下げるという必要があって、それを合理的配慮として、過重な負担でなく行える範囲で合理的配慮義務を行政機関及び事業者も努力義務を負うというのが考え方ですから、例えば機能障害ごとに見えないことプラス障壁で生じる不利益とか困難とか、聞こえないことプラス障壁で起きる困難とかというものを列挙する感じですか。それとも、もっと抽象度が高い書きぶりですか。
事務局はいかがですか。事務局はこれがわかりやすいだろうというものを幾つか挙げられたのですけれども、これだけでよいというふうに一番低いところに下げどまりしてしまう心配や、ここでこれだけが強調されることでほかのものが合理的配慮から見えなくなってしまうという心配があるという御指摘から、これを入れてほしい、あれを入れてほしいという話に一方ではなるのですけれども、そうならない方向での何か名案はないでしょうか。
遠藤委員、どうぞ。
○ 遠藤委員 名案ではないのでお許しいただきたいのですが、初めてこの素案を見たときに感じたのは、書き手の方は機能に注目してしまうと網羅的に書くのは難しいということであり、1つ目の黒ポツについて言えば、これは物理的な側面からどういうことが求められるのかということであったのだと思います。
2つ目の黒ポツは人的な支援をした場合の考え方を明らかにしたものと思います。
3つ目の黒ポツはそれ以外ということで、例えば制度だとかルールだとか、柔軟な対応をすることによって、目的とするものが達成できるのではないだろうかといった形で整理したものと理解しました。それであればそういう分け方もあるので、これに賛成するという意味で他の意見は出さなかったところです。
いずれにしましても、そもそも具体例の部分につきましては、この基本方針をもとにつくられる対応要領、対応指針の中で書いていくというのが、この一連の流れだと理解しております。余りここで細かいものを入れる、入れないという議論をするよりも、考え方だけを整理しておいて、他のところに時間を費やしていくほうが私は効率的ではないかと思います。
以上であります。
○ 石川委員長 ありがとうございました。
大変建設的な意見をいただいたと思いますが、ほかの委員の皆さん、もし異論がなければそういう方向でさらに修文していただくということでいかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
では、それ以外の点につきまして、まだ少し時間がありますので、御発言を求めます。御意見のある方は挙手をお願いします。
では、伊藤委員、お願いします。
○ 伊藤委員 ありがとうございます。基本的には余りよくわからないということもあって、ここに対する意見ではないのですが、質問ということでよろしいでしょうか。
○ 石川委員長 質問の内容にもよりますが。
○ 伊藤委員 医療の現場における本人の意思表示というのは大変難しいことが多いわけです。特に重症になるにしたがって、インフォームドコンセントよりも、いわゆる代諾といいますか、インフォームドアセントを必要とするという場合に、本人の意思がどこまで可能なのか、そういうどこかで線を引かないと、親なり誰かが代諾したからそれでいいのだということで重大な手術を受けてしまうとかということもあり得るのですけれども、そういうものもこの範疇の中で差別解消法の基準方針の中で入れるということは可能なのか、可能でないのかということをお伺いしたかったのです。
○ 石川委員長 ありがとうございました。
難しい質問でありますが、事務局、お答え可能でしょうか。
○ 加藤参事官 多分先生が想定されているのは、かなりシビアなケースなので、恐らくインフォームドコンセントのそちらの、医療法のインフォームドコンセントのほうはより専門的なといいますか、出ていくようになるのではないか。こちらはどちらかというと一般的な医療に限らずサービスを提供するあるいは何か商品を提供するといったときを想定しています。もちろん未成年の方であるとか、会話が十分できないという方は想定しますけれども、例えば意識のない方とか、あるいは赤ちゃんとかを想定しているかというと、それは考えにくくて、むしろそれは医療のという切り口で医療法あるいは医政局でやっているようなインフォームドコンセントのガイドラインとかかわってくるではないかなと思っています。
○ 石川委員長 伊藤委員、どうぞ。
○ 伊藤委員 実は私たちは今意識がないと言われている重症の患者も実際に意識があると仮定して同じ人間として扱っていかないと、意識がないと仮定してしまうとただの物体になってしまう可能性があるので、例えばベッドにしてもマットにしても医療行為にしても、そういう人がいるということを前提として何らかの支援、福祉的な支援も行うべきだろうし、介護も行うべきではないかと思っているのですが、というところで出た疑問なので、これは医療が限界なので医療の範囲なのか、福祉サービスにも及ぶことなのかというのはいずれどこかで少し議論をしなければならないような気がしております。ありがとうございました。
○ 石川委員長 どうもありがとうございました。
権利条約でいえば第12条にかかわる、いわゆる支援つき自己決定と代行決定の話にも深くかかわってまいりますので、これはまた今後の当委員会の中でも議論として取り上げさせていただきたいと思いますが、ほかに御意見あるいは御質問はございますでしょうか。
竹下委員、どうぞ。
○ 竹下委員 竹下です。
合理的配慮のところで場所の特定に悩んでいたのですけれども、点字で言うのはなかなかつらいのですが、これはどこになるのかな、合理的配慮の(1)の4つ目の●だそうですけれども、合理的配慮がどういう場合に提供が義務づけられ、あるいは実施を求めることがいいのかという記載の部分で、本人から意思の表明があったときというところの絡みなのですけれども、実は障害者雇用促進法のところでも合理的配慮が現在指針づくりとして進められているわけでありますが、そこにおいても事業者において容易に知り得る場合については、合理的配慮についてちゃんと考慮しなさいよと、検討しなさいよということになっているわけです。
したがって、そことの整合性から言っても、本人が言わなかったから何もしないということにはならないのではないかと思って私どもはこの提案をした趣旨です。8条の2項の範囲の問題ということになるかと思うのですけれども、そういう場合に本人のもちろん申し出があった場合については第一義的には当然であったにしても、本人の申し出がなかった場合について何もしなくてもよいということになるというのは法の趣旨ではないく、あくまでも本人の申し出がなかった場合においても、事業者においてそのことが容易に認識し得る場合については、その実施が検討されるべきだということになることをぜひ私は喚起しておいていただきたいと思っております。
以上です。
○ 石川委員長 ありがとうございました。
これについては、先ほど私も同じところで意見を述べているのですけれども、方向性は事務局が既にお示しいただいたようにも思いますが、念のためもう一度お願いいたします。
○ 田中企画官 内閣府の田中でございます。
先ほど権利条約の趣旨を踏まえた考え方について記述する方向で、何らかの修正を検討してまいりたいと申し上げましたが、これは、特に定義に係るところについて念頭に置いて申し上げたところです。
今、議論いただいています意思の表明についてでございますが、素案の4ページの「3 合理的配慮」の(1)基本的な考え方の●の4つ目になります。基本的には、「意思の表明に当たっては」という条文、文言があることから、そうした意思の表明について、いろいろな方の意思表明も含むという解説をここでしておりまして、また、下から3行目、「また」というところで意思の表明がない場合であっても、障害をお持ちの方に対して適切と思われる配慮を提案するなど自主的な配慮に努めることが法の定める合理的配慮には当たらないが、法の趣旨に鑑みれば望ましいという、規定を少し超えるような形で、そういうものをぜひ社会として進めていきたいという趣旨をここで盛り込んでおるところです。
○ 石川委員長 遠藤委員、どうぞ。
○ 遠藤委員 発言ばかりして申しわけございません。先ほど、竹下委員がおっしゃったことにもう少しつけ加えさせていただきますと、障害者雇用促進法については2つの場面に分けて考えております。募集採用の局面と、労働契約を締結した後の局面、2つに分けておりまして、竹下委員がおっしゃった部分については、本人からの申し出がなくても対応しようというのは、まさに労働契約締結後のお話であります。
それはなぜかというと、労働契約を締結することによって当該障害者と事業主との関係がある程度長く続くからであり、その状況を確認できるという背景的なことがあるから成立するわけです。ただ今、皆様方がおっしゃっている部分については、相手方の申出がない場合について、もう一方の方々がどういう状況下の中でも、その方の障害の有無を判断することになり、それを踏まえた形で差別をしてはならないという義務規定が発効するわけです。理念的なところは十分理解できるのですが、どういう場合が求められて、どういう場合が求められないのか。もう少しいえば、どういう場合が障害の有無を把握できるのか、どういう場合が把握しなくてもよいのかといったところが十分整理できないうちに「望ましい」という形で書くことが、果たして現場の混乱を来すようなことにならないだろうか。疑問なしとしないということだけ申し上げておきます。ただ、趣旨は十分理解しておりますので、そういう気持ちを持っていろいろな方に対応していくことは必要だと思っております。
ただ、一方で、その人がそういうことを表明していないのに、あるいは認めたくない方について、あなたはそういうことが必要ですという断定的な物言いをすること自体が何らかの軋轢を生むことも現場であるわけでございます。その辺のデリケートな部分も含めて今後、対応要領、対応指針の中で展開していく必要があると考えています。
以上であります。
○ 石川委員長 遠藤委員、ありがとうございます。
そこで手前みそになって恐縮ではございますけれども、事務局案と竹下委員の修正案のちょうど中間ぐらいのところで私は提案しております。つまり、何が問題かというと、わからないのに義務があると言われて、それが義務を果たしていないと言われるのは、それは酷な話だと、これは全く理解できます。逆に、わかっているのに言われていないものねというのは黙殺でしょうと。それまでこの差別解消法はそれを許容していると考えると、上位法との関係、ほかの法との関係からしても、それはつじつまが合わないので、そこは緩和的な解釈をここで示す必要があるということで、だけれども、遠藤委員がおっしゃるようなことも踏まえて、建設的対話の働きかけ、義務と言わずに責任があるというぐらいの書きぶりはいかがでしょうかと提案させていただいている次第なのですが、遠藤委員、これぐらいの書きぶりはいかがですか。
○ 遠藤委員 趣旨は十分理解しておりますので、その辺は現場が混乱しないような形での方向性をぜひ打ち出していただくよう御検討を賜れればと思います。
○ 石川委員長 ありがとうございます。
そのような方向で今建設的な対話が進んでいるような印象を持っているのですが、事務局、いかがですか。少なくとも法の定める合理的な趣旨には当たらないがという解釈は、これは逆だと思います。だって、上位法等の整合性がとれない方向での解釈をここで踏み込んでしていることになると思いますので、これはまず少なくとも削除していただく必要があると思いますし、さらに、こうこうこういう理由でこのように解釈するという筋道を通して説明すれば皆さんに理解していただけると私としては思っているのですが、いかがでしょうか。
先に事務局の御意見。
○ 田中企画官 先ほど御紹介しました、「また」以下のところで、「意思の表明がない場合であっても障害者に対して適切と思われる配慮を提案するなど、自主的な配慮に努めることは、この法の定める合理的配慮には当たらないが」というところは、「意思の表明」についての条文がございます関係上、そこで言っている合理的配慮には当たらないのだけれども、その趣旨は同じ方向である。法の趣旨に鑑みれば望ましいというところが、事務局としてできるところを精いっぱいニュアンスを出させていただいたところでございます。
先ほどの御指摘で「法の定める合理的配慮には当たらないが」と明示しているところで御議論があったと思いますが、これも内閣府の事務局の一存で決めることが、この場でお返事することが難しいことでもありますので、各省庁とよく相談をさせていただきたいと思っています。
○ 石川委員長 ありがとうございます。
つまり、この立法者が意図した、言いたかったことと表現との間に若干のずれがあって、強い表現をとり過ぎている。そこは上位法と適合的な解釈をするために、縮小的な解釈、緩和的な解釈を基本方針で示す必要があると考えていて、ここの部分は縮小ではなくてむしろ拡張するような解釈になっているので、ぜひ削除していただきたいというのが私の意見です。
さらにつけ加えて、よりわかりやすく建設的な対話の働きかけについて、それを期待する、望ましいと書いていただけないでしょうかということです。
○ 田中企画官 今の御趣旨を踏まえて検討させていただきます。
○ 石川委員長 どうもありがとうございます。
伊藤委員、いかがでしょう。
○ 伊藤委員 3の(1)の下から2つ目の●のことなのですけれども、障害者からの意思表明のみでなく、意思表明の困難な場合にはということで、知的障害や精神障害や発達障害と例示されているのですけれども、重い病気の場合もあるのですが、それはどうしますかという話だったのですけれども、これは小さい話なので言わなくてもいいかなと思ったのですが。
○ 石川委員長 ほかに御意見ありますでしょうか。
それでは、ここで休憩させていただきます。2時45分再開とさせていただきます。
(休憩)