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障害者差別禁止に関する法律 | 1995年障害差別禁止法(2005年改正)&2010年平等法 | 1990年「障害及び健康状態を理由とする差別を禁止する法律」 | 2006年「差別の犠牲者である障害者の法的保護に対する規定」 | 1) 統治憲章 2) 障害者差別禁止法 | 1) 権利章典 2) 1993年人権法で規定 |
障害者権利条約批准及び関連法改正 | 2009年6月。議定書は同年9月。 | 条約・議定書ともに2010年2月に批准 | 条約・議定書ともに2009年5月に批准 | 条約・議定書ともに2008年12月に批准 | 2008年9月。議定書は未批准。人権法を中心に部分改正あり |
権利擁護の公的機関 | 裁判所、平等人権委員会 | 差別禁止平等推進高等機関 | 裁判所 | 差別禁止オンブズマン | 人権委員会、子どもの権利コミッショナー、オンブズマンが中心 |
差別に関する挙証責任 | 障害差別禁止法により被提訴側 | 刑事訴訟の場合には、立証責任は検事側にある(他の刑法違反と同様)。民事訴訟の場合、原告(差別の被害者)は差別の存在が推認される事実を示せば足り、被告側が、訴えられている措置が差別ではないことを立証する責任を負う。なお、HALDE(差別禁止平等推進高等機関)が訴訟参加することもできる。HALDEは調査権を有しており、被害者が入手できないような証拠を要求することも可能。 | 提訴側による被差別の説明 | 差別禁止法により被提訴側 | <不明> |
教育への権利に関する法律 | 2001年特別な教育的ニーズと障害法 | 2005年「障害者の権利及び機会の平等並びに参加及び市民権のための法律」 | 1) イタリア憲法 2) 1992年「障害者包括法」 | 1) 統治憲章 2) 学校教育法 | 1989年教育法(2010年最終改正) |
教育にかかわる障害の定義 | 障害ではなく特別な教育的ニーズとして定義:子どもが「学習における困難」があり「特別な教育的措置」を必要とする状態 | 教育に固有の定義なし。2005年法「身体的、感覚的、精神的、認知的あるいは心理的機能、また重複障害あるいは生活に支障をきたす(invalidant)健康上の問題の一つあるいは複数の、相当程度の、そして永続的あるいは決定的な悪化を理由とした活動についての全ての制限、すなわち個人がその環境において被る社会生活への参加の制約」 | 1) 1992年法:障害者とは、恒常性のあるいは進行性の、学習、人間関係及び労働の面での困難性をもたらし、かつ社会的不利や阻害を引き起こす、身体、精神あるいは感覚に障害を有するもの 2) 2010年基準:学習障害=学習障害の定義を読字障害、書字障害、正書障害、計算障害 | 知的障害者の定義;脳損傷、外因性の障害あるいは内因性の疾病、自閉症または自閉症に類似する症状のある者、及び能力障害を持つ者 | 障害ではなく特別教育ニーズとして定義:「特別な、又は通常の教育環境において支援するための追加補助、改良プログラム又は学習環境、特別の設備又は道具を必要とする子ども」 |
障害児の就学先 | 通常初等・中等学校、特別教育学校、ユニット(特別学級)、ホームスクーリング(エデュケーション)、エデュケーション・ビレッジ、コ・ロケーション | 通常学級、学校教育統合学級・統合教育授業、医療機関 | 通常学級(特別学級は廃止)、特別学校 | 通常学級、特別学校 | 通常学校の通常学級、特別学級・ユニット、特別学校、特別学校分教室 |
就学先の決定主体 | 保護者の意向を尊重しつつ最終的には地方教育当局が決定 | 保護者 | 保護者 | コミューンの担当局 | 基本的には保護者で、特別学校への就学に際しては教育大臣の承認が条件 |
決定に際し紛争があった場合 | 特別な教育的ニーズ・障害裁定委員会 | 差別禁止平等推進高等機関(HALDE)が相談窓口となり、必要な調査などもできる権限をもっている。 | 裁判所 | 学校視察局、異議申し立て処理委員会、児童生徒オンブズマン | 1) 第1段階:教育省 2) 第2段階:人権委員会、子どもの権利コミッショナー、オンブズマン |
インクルーシブ教育に関する法律、政策 | 1) 1996年教育法 2) 2001年特別な教育的ニーズと障害法 | 2005年「障害者の権利及び機会の平等並びに参加及び市民権のための法律」 | 1992年「障害者包括法」 | 学校教育法 | 2010年「全ての子ども・学校が成功するように」政策 |
障害のある子どもへの合理的配慮 | 障害のある児童・生徒・学生のために、不必要で、障壁になることを取り除くこと。最も重要なことは、障害と関わる全ての人たちの「障害」に対する「態度」を変えること | 「国がその権限の及ぶ範囲で、障害児等の通常の環境における就学に必要な財政的・人的手段を講じる」(教育法典に条文化)ことになっている。例えば、学校生活補助員(AVS)の職が創設され、学校内での介助にあたっている。 | 1992年障害者包括法第13条にて主に以下について規定 1) 統合教育計画の調整・策定・実施のために地方公共団体、学校、地域保健機構はプログラム協定を締結する。 2) 教育機器、補助器具の学校への配備 3) 支援教育の配置 4) 介助員の配置 | 各児童生徒ごとに、個別の指導プログラムの作成、特別指導コーディネーター、アシスタント教員の配置等のこと。 | 国家予算の枠内での特別教育ニーズに応じた配慮 |
障害のある教員への合理的配慮 | 地方教育当局と学校理事会に配慮義務あり | 1992年障害者包括法18条〜22条において障害のある労働者について、試験の配慮、配属の優先権、休日の保障などを規定。障害のある教員に特定した規定はない。 | 明文化されたものはない。 しかし、障害のある教員はある程度確実に存在すると思われ、特に、視覚障害者の教員は多い。通常学校での障害のある教員は、視覚障害者で少なくとも何名か確認できた。 | 明文化されたもの不明 |