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平成22年度障害のある児童生徒の就学形態に関する国際比較調査報告書 翻訳資料集

第4章 ニュージーランド

資料1 教育省のHPで説明している就学手続き


(インタビューした日本人の母親の意見でもほぼこの通りであるが、しかし、人権委員会やオンブズマンのレポートを見ると現実にはトラブルがある(下線部:引用者)。)


 まず、校長先生と面会するため(もしも支援が必要であれば、ご自分のパートナー又は友人を連れていくこと。)のアポイントを取って下さい。面会の時には、もしも早期介入プログラムに参加していれば、そのチームの支援を受けることもできます。面会ではあなたのお子さんについての情報を共有した上で、以下のような質問をして下さい。



 また、次のようなことも話してみて下さい。


 あなたの近所の方や友だちにも学校について聞いてみて下さい。お子さんが通うようになるクラスを観察するためにいろいろ尋ねて下さい。お子さんが学校生活開始の準備ができるようになるまで、学校と話しあうこともできるし、また、休み時間やスポーツディのような活動の時に学校訪問をして、学校になれるようにする機会を作ることもできます。


あなたにはお子さんが通学する学校を選択する権利があります。


 そのお子さんの親又は保護者として、希望の学校に就学要綱が適切に定められていなくても、教育大臣の承認を得て、あなたにはお子さんを通わせたい学校を選択する権利があります(注意:就学要綱は特別な教育的ニーズがあるというだけでその子どもを排除するために使うことはできません。)。
 1989年教育法によると、子どもたちは全て5歳から19歳の学年度が修了するまで地域の学校(local school)に通う権利を有しています。第9条による合意あるいは継続的再審可能資源要綱(ORRS)の対象になっている生徒は21歳まで学校に通うことができます。
 学校には生徒が物理的にも情緒的にも安全な環境を生徒に保障する義務があります。もしも、この義務に施設の改善あるいは適切な専門家によるサービスの提供が含まれるようであれば、学校は教育省の特別教育部(Group Special Education:GSE)あるいは、こうしたニーズに対応できる機関と協働することになります。また、学校は生徒に適切な支援を行う時系列の計画や時程(timeframes)を親又は保護者と作成することになります。
 もしもあなたが困った事態になり、担任の先生、校長先生に話しても、あるいは、学校苦情処理方針・手続き(school’s complaints policy and procedures)に従って行動してもその困った事態が解決できない場合には、あなたの地域にある教育省の国家運営生徒支援部長(National Operations Student Support Manager)に連絡をして下さい。あなたの地域のGSE事務所がその連絡についての詳細をお伝えすることになります。

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資料2 ニュージーランドADHDオンライン・サポート・グループ(New Zealand’s ADHD online support Group)のHP https://www.adhd.org.nz/別ウインドウで開きますより


(ここでは、親からの問い合わせが多い、特に人権法上の教育に関する権利についての理解へのアドバイスが行われている。差別や苦情についても触れている。まずは基本的な法の理解から始まる。2011年3月にこのHPを確認しているが、内容的には少し古いものが含まれている。)


基本となるもの(the Fundamentals)


問:人権法に規定される教育とは何を意味していますか。

答:人権法に規定されている教育は、就学前、初等学校、中等学校など全ての教育機関へのアクセスを含んでいます。第三段階の教育、大学、ポリテクニクも入ります。公的な教育機関だけでなく私的な教育機関もこの法律の対象となっています。また、資格のある機関や職業訓練組織も先の事由による差別を行えば人権法が適用されます。


問:人権法は障害をどのように定義していますか。

答:人権法上の障害の定義は以下のように非常に幅広く、ほとんどの障害を網羅しています。


問:障害のある生徒に対するどんな差別の類型が違法とされていますか。

答:教育における違法な直接的差別は以下のものです。


 就学要綱(特別学校は除く)から生徒を排除する基準として、障害や、その他の違法な差別事由を利用することは違法となります。人権委員会は入学要綱が障害のある生徒を排除するようなものになっていないかを監視することができます。


問:差別に関して合法的な例外がありますか。

答:次の差別は合法的なものです。


 教育機関は障害児の特別な要求に配慮するために合理的な努力をしていることを証明する必要があります。学校は何らかの障害のある生徒のためにも運営されねばなりません。


問:人権法は間接的な差別も対象としていますか。

答:人権法は中立的には見えるが実際には障害のある人々や集団を異なるやり方で扱うことになる活動や条件、つまり、間接的差別についても対象としています。例えば、学校で準備される教材が障害のある生徒の特別な教育ニーズを無視して全ての生徒にとって同じであった場合、この生徒たちは教育への平等なアクセスが得られないということになります。こうした例は、視覚障害のある子どもの場合には、印刷物しか準備されない場合に該当します。視覚障害のない生徒よりも不利な条件で扱われることになるからです。間接的差別に対する苦情も人権法で保障されています。しかし、人権法では、苦情を訴えられた活動に合理的な理由があれば、間接的差別の苦情への弁護が認められています。


問:人権法侵害に関して責任を負っている人は誰でしょうか。

答:もしも人権法侵害があった場合、教育当局や教育機関の管理の責任者・責任の機関、例えば、第三教育機関の理事会、学校理事会、個々の教員・校長・学校経営者が責任を負うことになります。


問:人権法違反があった場合にはどうすればいいですか。

答:誰でも自分のために、あるいは、他の人のために人権委員会に苦情を訴えることができます。もしも、人権法違反があるようだと認めた場合には、委員会は審査を行い、苦情提訴者が解決に向かえるように調停を行います。以下に示した苦情処理過程のどの段階でも、調停会議(a conciliation conference)を委員会は招集することができます。


 委員会のスタッフは当事者と解決に向けて活動します。解決とは次のようなものです。


 もしもこれらの解決が不可能な場合には、人権審議裁判所(Compliant Review Tribunal)に事案は移行し、そこで聴聞されます。そこでは数多くの法的救済(remedies)や適切な命令が準備されています。被告者が違反や侮辱を繰り返したり、継続するのを防ぐための命令だけでなく、侮辱、尊厳の喪失、感情を害したことへの損害賠償の命令も含まれます。


問:特別なニーズのある生徒に対して十分な資源を学校が用意できない場合には法的にはどんな問題が生じますか。

答:もしも特別な教育的ニーズのある生徒に対する不都合な条件での処遇が学校管理の範囲を超えるような資源不足によるものだとしたら、これは商品やサービス提供における差別の問題となります。教育省や「専門家によるサービス(Specialist Education Services)」がこうした資源の提供者になります。しかし、これらの機関は人権法上の責任は負っていません。人権法は1999年12月31日までは、ニュージーランド政府が障害を事由にした差別を行っても例外として認められているからです。 教育省や専門家教育サービスはこの例外に入っています。
(訳者注:2001年の人権法改正で、政府・公的部門にも人権法が適用されるようになっているので、現在は教育省も差別の当事者となりうる。)


問:商品やサービスの提供に際して障害を事由とした差別の例外は認められていますか。

答:はい、認められています。


 障害のある人がそれらの提供者に期待するのが不合理になるような特別な方法での設備やサービスの提供を求めた場合、それに対する差別は例外として認められます。また、もしも提供者が相当に面倒な条件(onerous terms)がなければ供給することが合理的に期待できない特別な提供方法を障害者が求めるようであれば、他の人々に対するよりも困難な条件で設備やサービスを提供することへの差別は例外として認められています。


問:人権法は障害のある生徒には障害のない生徒よりも多くの財政支援や追加的資源を与えることを可能にしていますか。

答:はい、可能です。


 障害のある生徒を都合のいい条件で処遇することは違法ではありません。

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資料3 万人の学校:ニュージーランドにおける、子どものインクルーシブ教育への権利


Janis Carroll-Lind博士
主任相談役(principal advisor)(教育)
子どもの権利コミッショナー事務所
ウェリントン


キャサンリン・リース(Katherine Rees)
青少年準拠集団
児童コミッショナー
オークランド


要旨

 ニュージーランドの多様なニーズのある生徒にとって、現行の法律や政策の考え方は彼らの現実に合致していない。子どもたちは大人と同じ基本的人権を有するが、弱い立場の集団として、障害のある子どもは更なる保護と権利の推進を必要としている。子どもの権利コミッショナー事務所(Office of the Children’s Commissioner:OCC)は、2003年子どもコミッショナー法第13条(1)(b)及び国連こどもの権利条約(児童の権利に関する条約)(第3条、23条、28条、および29条)によって決定されたこれらの権利を支援する責任を担う。OCCの電話助言サービスは、(行動も含めた)障害のある生徒は大抵学校から除外される危険があることを示している。インクルージョンは、全ての生徒の存在感、参加及び到達度を高めることを意味する。この報告書はOCCで受けた訴えの本質と、こうした生徒にとって肯定的な結果を達成するための支援的役割を記述するものである。


序論


子どもの権利コミッショナー事務所

 2003年子どもの権利コミッショナー法第13条(1)(b)及び国連こどもの権利条約(児童の権利に関する条約)(第3条、23条、28条、および29条)に決議されているように、子どもの権利コミッショナーは青少年の独立した立場の擁護者であり、ニュージーランドの子どもの多様性を認める法的責任を担う。
 その機能の中心となる支援、監査及び調査に加え、コミッショナーの更なる役割は青少年に影響する事項の決定に、彼らの参加を推進することである。当事務所のこの役割を支援するために12歳から17歳までの8ないし10人の青少年が「青少年準拠集団(YPRG)」のメンバーとして選ばれる。彼らの背景は多様で、都市部と田舎の社会を代表するものになっている。彼らの役割は、若者に関する問題に助言を与え、当事務所の戦略的方向づけを助け、目標達成に資すること、また、青少年との協議を手助けし、子どもの権利コミッショナーに地域の問題を知らせることである。「インクルーシブ教育を実現」させることは、今後も継続する青少年準拠集団の重要な問題の一つである。YPRGメンバーのキャサリン・リースも次のように述べている。

 我々のニーズは皆異なっており、障害は、「誰でも着られるフリーサイズ」的精神で対応できるものではないのです。学校は、生徒にとってより開かれたものとなり、生徒の主張にもっと耳を傾け、彼らに自分たちの権利を認識させなければなりません。


インクルージョンの定義

 インクルージョンは、排除や疎外、未到達(Booth & Ainscow, 2002)などの危険のある生徒たちを特に考慮しつつ、学校の生徒全員の存在感、参加及び到達度を高める過程である。これは、地域の学校において文化、カリキュラム及び人間社会からの生徒の排除を減らして参加を拡大することにより、生徒全員の教育上の障壁を最小にすることを意味する。2002年のブース及びエインスコー(Booth & Ainscow)によれば、インクルージョンは、地域の生徒の多様性に応えるための、学校内の文化、方針及び(教育)実践方法の再構築となる(p.3)。

 1989年教育法の定めにより、ニュージーランドはインクルーシブ教育のシステムを有する。インクルージョンはニュージーランドのカリキュラムの根幹である。このカリキュラムは社会的及び生物学上の性別、民族、信条又は能力や障害、社会的、文化的背景又は地理的位置に関わらず、公立移管私立学校も含めて英語による教育が行われている国立学校の生徒全員に適用される(MoE, 2007, p. 6)。文書に記されているように、『カリキュラムは非性別主義、非人種主義、非差別的であり、生徒のアイデンティティー、言語、能力及び素質が確実に認識され肯定されるとともに、彼らが学ぶためのニーズに対処することを保証する。』(MoE, 2007, p. 9)


生徒の声

 ブース氏とエインスコー氏が提言したように、生徒たちが自分の経験についての考えを理解しようとすることによって初めて、学校の文化、教育方針及び実践方法の再構築による学校の改変が可能になる。生徒たち自身の経験についての考えを検討することは、インクルージョンのより広い研究に関わってくる。生徒が自分たちの経験を概念として捉え、それに影響を受けるという形で、そのプロセスは重要な役割を持つ。しかし、彼らを取り巻く環境は重要ではあるが、本当に意味があるのはその環境の個人個人の経験である。青少年準拠集団のメンバーであるキャサリン・リースは身体障害があり、ニュージーランドの学校システムにおける自分のインクルーシブ教育の経験を皆に共有させてくれている。

 インクルーシブ教育についての私の経験を書いてくれと頼まれたけれど、それはちょっと出来ません。というか、私にはインクルーシブ教育というものはないのです。私は今やっと、インクルーシブでない教育の長い道のりをほぼ終えたところで、ほっとしています。
 私はこれまで13年間、自分が求めていることを果たせるよう、支援をしてもらうための取組を通じて、学校システムの舵取りをしてきました。私は、カールソン脳性まひ児特別学校(Carlson School for Cerebral Palsy)で学校教育を受け始めましたが、6歳までに完全な普通学校に移っていました。そこが私には退屈なのが明白だったからです。ところが、完全な普通学校にいるということは、ほとんど、または私が必要としているときに全く支援がないということを意味しました(教員補助員が来てくれるのは午前か午後でした。)。9時から3時の間の手助けは、明らかに無理でした。
 この経験を元に、統合普通学校教育(integrated mainstream schooling)と当時呼ばれたものを試してみるという決定が下されました。それは、学校にいる間に、理学療法と職業療法の時間及び必要なときに教員補助(員)を与えられるという形で学校生活を組んでもらうということでした。中等教育(7年生から8年生)ではそれが大変うまくいき、私はインクルーシブ教育への答えをやっと見つけたと思ったものです。私のための教員補助は教室の後ろに座っていて、私は助けが必要なとき、後ろを向いて手を挙げ、すると彼女は私の求める援助を何でもしてくれて、それから後ろへ戻って何かをする、というのが常でした。担任の先生も私にどれだけ助けが必要か、いつも尋ねてきました。例えば、食物科学の時間では補助員がそばにいる必要があるかどうか聞かれました。私はいてもらうことを決めましたが、それは全て私自身の決断でした。
 やがて高等学校に行くと、突如として「システム」の必要に直面しました。最初に声をあげたとき、私には理解できないこの悪名高きシステムの様々な側面があること、言い換えればその方が簡単だとか、それまで何年もそうやって来ているからこれがベストなやり方だ、などと告げられました。学校にとって、「ベストなやり方」とは、障害のある3、4人の生徒が一緒に授業に出て、皆で一人の教員補助を共有する、というもので、それは大して問題とは感じませんでした。困ったのは、私自身が、補助員のそばに座らなければならなかったことで、補助員は他の人たちも助けなければならないので、そのためには皆が一緒に座らなければならなかったからです。結果として、私は「ヘルパー」付きの子と見られ、授業に出ている他の生徒たちは私に話しかけなくなりました。同級生とは完全に切り離されて、障害者がひとかたまりになっていつも教室の最前列に座っていることが、全員に支援をするための想定上唯一の方法だったのです。その間、私は「ヘルパー付きの子」というレッテルを貼られ、同級生とは隔たれた気持ちで、普通学級に出席しました。クラスで私に話しかけたがらない同級生たちを責める気持ちがあるかというと、全くありません。子守みたいに親がそばに座っていなければならないような人に、誰も話しかけたくはならないでしょう。補助員がいない日でも、そこは私の「ヘルパー」の席だから、誰も私と一緒に座ろうとはしなかった。そうやって、私は、疎外感と、隔離された気持ちにさせられるそのシステムに耐えて過ごしました。でも私に今でも心に残るのは、以前のように何が必要か、どうして欲しいかを全く聞かれなかったことです。ただ、物事はそのようになっているとだけ告げられ、何事も、全部受け入れるか、全く無いか、という形で示されました。
 調整役の教師(liaison teachers)が、私の希望に応じて、補助無しで授業に出させることにしたことも何度かありましたが、普通学級の教師はどうしたらよいかわからなくなり、私が非常に困って助けを必要としている、と知らせることになるだけで、結局補助の人が送られてくるのでした。そのパターンにおいて、なぜ私が助けを要らないと言ったのか、誰も聞きませんでした。誰かが私に面と向かって、その科目でなぜ私に支援が必要なのかを説明することは全くありませんでした。誰かが問題のありかを私に説明してくれれば、私なりに解決策を提供することも出来ただろうし、先生達だって自分の言い分を説明できたでしょう。
 支援職員と調整役の教師(特別支援部署と普通学校に対処する教員)全員が、様々な選択肢について、生徒の前で忌憚なく話し合い、彼らが過去にどんな支援を受けてきたかを調べ、自分たちがそれに見合うことができる所を検討する、ということがなされるべきだったと思います。それができないなら、できない理由を生徒に知らせるべきで、支援を受ける中での「問題解決」部分にもっと生徒を関わらせれば、その中で別の選択肢が出てくるかもしれない。何しろ生徒たちこそが、その多くが何年もの間、支援職員と協力していくのであり、支援の受け方について積極的に関わるべきなのは彼らなのです。
 学校は障壁を取り壊し、障害認知プログラムを通じてインクルーシブ教育を創り上げようとしています。でも私の経験から言うと、どれもうまくいくようには思えません。何週間か前、学校で13年生の生徒何人かに障害認知(プログラム)についてどう思ったか、何か役に立ったか聞きました。そんなプログラムがあったことさえ覚えている人は一人もいませんでした。私が障害認知って何のことだったか正確に説明しても、よくわからないという感じの表情でした。
 生徒によっては現行のシステムでうまくいきます。実際望み通りな位でしょう。でも同時に、別の、彼らにとってはそのシステムがうまく働かないような人たちがいます。障害とは「誰でも着られるフリーサイズ」的な謳い文句で取り組めるような問題ではないのです。
 こんな風に考えるのは私一人ではないことはわかっているので、教育関係者にお願いするのは、これを誰か一人の大げさな主張として無視して欲しくないということです。何年もの間、一つのシステムに耐えてきて、公に意見を言うつもりはありませんでした。けれどある時、私は大勢のうちの一人で、大変でも私がこうした経験を知らせなければ、決して語られることはないのかもしれないと思ったのです。
 こうした問題への解決策には資金も、奇策も必要ありません。とても簡単です。生徒はどうやって自分たちへの支援がされるかに積極的に関わる必要があります。関係する職員全て、つまり、普通学級の教員と支援スタッフたちが、生徒と共にこれまでの支援の利用され方とそれが彼らにとってうまくいったかどうかについて話し合う場を持つ必要があるのです。問題に見合う対策が可能なら、そうするべきですし、無理ならば、その実質的な理由を明らかにするべきです。全ての人が、問題解決への役割を果たす必要があります。学校は、新しいことを始める必要があるかもしれないという事実をもっと率直に受けとめるべきです。要するに、コミュニケーションに課題があります。そこに、単純に仲間へのサポートという概念に基づいた生徒主導の障害認知プログラムを投入すれば、それがインクルーシブ教育のシステムになります。現在、インクルーシブ普通教育は私にも他の多くの障害をもつ生徒にとっても存在してはいません。しかし、インクルーシブ教育を実現させるための道具は目の前に在って、それを拾い上げられることを待っているのです。


政策と法制

 ニュージーランドには、インクルーシブ教育のシステムのなかでキャサリンのような生徒の存在感と参加、及び到達度を高めることを目指す、施策や法制化における幅広い取組がある。我が国の全ての子どもが「学習者として特定のニーズに見合った質の高い教育」を受ける権利を有する。したがって、学校は、年齢、性別、民族あるいは能力(ERO, 2003, p.2)に関わらず、生徒全員にふさわしい対応をする法的倫理的責任を負っている。『ニュージーランド特別教育政策指針(New Zealand's Special Education Policy Guidelines)』(MoE,2003)にあるように、特別支援ニーズのある児童生徒は、特別支援ニーズのない同年齢の他の児童生徒と同じように、質の高い教育を受ける権利を有する。
 国連こどもの権利条約は子どもたちが、人権、アイデンティティー及び民主主義の尊重(第29条)を育む教育を受ける権利を認めている。同様に1989年教育法第8条は、障害のためであろうと、そうでなかろうと、特別な教育的ニーズのある人達はそうでない人と同様に、公立学校に入って教育を受ける権利を有することを謳っている。生徒全員が教育を受ける資格を有し、いかなる学校も障害を理由に、ある生徒にはサービスの利用を拒否したり制限したりするなど、異なる処遇を施すことは、法律に反する。
 1993年人権法は、人が肌の色や、人種、民族、出身国、性別や性的指向、配偶者の有無、宗教又は倫理的信条、障害、政治的意見あるいは家族の状態によって差別されない権利を有するという記述をもって、教育法を補強している。この法律は、子どもを含め、いかなる人も障害のために不利な処遇を受けることは許されないことを規定している。公立学校と公立移管学校を司るのは同法の第1部Aだが、これにより、教育機関での障害を理由にした差別は禁止されている。人権委員会(The Human Rights Commission)は差別の存在するあらゆる件を調査する権限を有している。さらに、1990年ニュージーランド権利章典法(The New Zealand Bill of Rights Act)は、全ての人が障害などの差別をされない権利があることを謳っている。
 1994年健康・障害コミッショナー法(The Health and Disability Commissioner Act)は特例法で消費者の権利を明示した。例えば、学校での理学療法などのサービスの提供はこの(健康・障害コミッショナー)法における障害者サービスの一環と分類され、適切な基準で行われなければならない(Darlow, 2008)。ニュージーランドを障壁のある社会からインクルーシブ社会(p.7)へ変容させるための長期計画と表現されたように、2001年ニュージーランド障害者長期計画は、ニュージーランドの、非障壁社会へ向けた前進を目指す15の目標を掲げている。間接的には、全ての目標が障害のある生徒の普通学級への包括(インクルージョン)に関わるものだが、第3の目標は特に関連があり、『障害者に最高の教育を与える』(p.18)というものである。ニールソン(Nielson, 2005)は、「2001年ニュージーランド障害者長期計画」を「進行中の議論の実例(p.16)」であると考えている。教育目標と関連する8つの行動計画がある。


 学校は第3目標に加えて、第4目標、すなわち、障害者に雇用機会と経済的向上をもたらすということに基づいて、障害のある子ども、青少年及び職員の学校環境における参加を促進し、支援することによって、同「長期計画」の実践を遂げることもあろう(ERO,2003)。
 ニュージーランドは2008年9月26日に国連障害者の権利条約を批准した。この21世紀初の人権条約は、障害者のために新しい権利を創り出した訳ではなく、障害者に関連している点で、むしろこれまで言われている人権の実現の必要性という従来の認識の上に立ったものである。障害問題局(the Office for Disability Issues, 2009)によれば、同(権利)条約は「障害者長期計画」の実施に向けて大きな起動力と支援を与えるものとなろう。なぜなら、権利条約は、批准国が障害者の全ての人権と基本的な自由について、他の人と同様に、障害を理由にしたいかなる差別もない、十分な認識を持つよう徹底しなければならないと明言しているからである。既にこれはニュージーランド法の特徴となっているが、裁判所は権利条約を国際的法律の枠組みとして用いることができる(障害問題局)。


特別教育政策

 全ての生徒に平等な教育の質と機会を提供する総体的な国際レベルのインクルーシブ教育システム達成を目標としたニュージーランドで最初の特別教育資源政策 (SE2000)が、1996年に導入された(MoE, 1996, p.5)。特殊教育政策を導く7つの原則は次の通りである。


 ニュージーランドには、障害のある子どものインクルーシブ教育権利を支持する広範な政策や法的イニシアティブが存在するが、「特別教育」や「特別ニーズ」といった言葉そのものがエクスクルーシブ(排他的)であると議論されることがある。しかし、特別教育政策の枠組みは、インクルーシブ教育の中で適切で公平なサポートの提供を目的とし、多様な政策イニシアティブを通して多様な生徒の中度から高度のニーズに応えるように考案されている(O’Brien & Ryba, 2005)。

 生徒と教員の双方がインクルーシブ成功のために必要とするサポートが存在していても(Prochnow, Kearney, & Carroll-Lind, 2000)、インクルーシブ教育は今もなお、法律よりも態度が問題となる(Forest & Pearpoint, 1992; Kearney, Bevan-Brown, Haworth, & Riley, 2008; Mentis, Quinn & Ryba, 2005; Spedding, 2008)。子どもの教育の成功において教員の態度は、資金や政策、又は、法律以上に重要なものである。政策や慣習を決定するインクルーシブの価値や信念は、学校文化全体の根底にあるべきである(Mentis et al, 2005; Ministry of Education, 2009)。以下の引用文(Howie and Sleek(1987))は数年前と同様、現在にも関連性を持つ。

 法律は万能ではない。教育の法的権利制定に加えて、適切な設備や機材の提供、豊富な数のスタッフに対する研修、そして、何よりも権利を行使する全ての者に適切な態度を教え込むことが重要である。態度の変化が法律の変化をもたらし、法律の変化が態度の変化をもたらすことを忘れてはならない(p.69)。

 この20〜30年間で現在の法律や政策の理念の多くが定着してきているが、多様なニーズを持つニュージーランドの生徒の現実を捉えたものではない。インクルージョンの領域では、対立する議論が対立する(教育)実践状況をもたらすため理論や実践に様々な緊張が伴う(Kearney, Bevan-Brown, Haworth & Riley, 2008)。インクルーシブ教育の目的の合意だけでなく、インクルーシブ教育の原則の合意も存在しているが、2008年Kearney とその同僚が述べたとおり実践方法に関する不合意も生じている。子どもの権利コミッショナー事務所(Office of the Children’s Commissioner:OCC)も彼らと同じ意見である。OCCの二つの相談窓口に寄せられた質問と苦情から、身体的障害(行動的障害を含む。)を有する生徒は学校から退学させられるという最大のリスクにさらされていることがわかる。


OCCに寄せられた苦情の性質

 OCCの二つの相談窓口は、障害のためにカリキュラムの全部又は一部から除外され、教育を受けられない子どものことを心配する親、専門家、又は、校長や教員から寄せられる質問の多くを処理している。人権委員会(Human Rights Commission)、Families Commission、Youth Law、IHC(知的障害者支援団体‐訳者記)、Ombudsman’s Office などの機関もOCCと同様の苦情を受けていることが明らかになった。

この排除に関する次の事柄は、定期的に報告されている。


 教育法(Education Act (s8))に反してはいるが、多様なニーズを要する生徒は、出席日数を限定され学校行事の全てに参加することができない。

 子どもに関する状況としては、(1)昼休み時間に教室内に残ることが許可されない、(2)一週間のうち数日のみ通学が許可される、(3)教員補助員による支援への資金援助がされる時間帯のみ通学が許可される、などがある。親が同伴できる時のみ子ども達の野外活動参加が許されることがあった。さらに、一部の親には、子どもが継続的に通学できるかどうかは一週間当たりの学校での「親の補助」次第であるとし、実際これは親の教師補助時間を可能な限り長くするよう別の形で要求されていたことがある。ある学校から退学された子供が転校した例がある。高度で複雑なニーズを要する10歳の少年は、一日1時間、教員補助員の下、図書館で過ごすことを勧められた。同級生と教室で過ごしたい意志に反し一つの部屋に独り閉じ込められることへの怒りから子どもは激しく反発した。転校により状況は改善し、週3日、一日4時間(午前9:00〜11:30am、午後1:30〜3:00)通学の許可が下りた。サポート仲介業者は転校によりこの学生がフルタイムで授業に参加できるようフルタイムでの教員補助員の資金を提供したが、学校側はその資金で治療補助の有資格者を雇い教員補助員よりも高い報酬を支払い、結局この子供はフルタイムで授業に参加することができなくなってしまった。

 教員補助員の報酬への上乗せを親が求められるなど、教職員への報酬に対しても親の協力を見込まれることがある。別の学校であれば子どものニーズを満たしてくれる可能性があるという理由から、子どもを任意に退学させるよう圧力をかけられた親もいる。ORRS(Ongoing and Reviewable Resourcing Schemes:「継続的、再検討可能な資金計画」‐訳者記)資金がないと入学を拒否される子どももいれば、資金の有無に関わらず完全に入学を拒否される子供もいる。

 子どもの特定の障害により露骨な差別を受ける例もある。例えば、ある少女が車椅子を常に使用する限り退学を命ぜられる事件があった(車椅子使用に関しては医師や理学療法士の書面による指示があった。)。別の子供は、タクシー運転手を叩いた後、学校へ来ることを禁止され、自制心が得られるまでの間、停学となった(タクシー会社側は、その子どもが自閉症であること、また、同じ道を走ることの重要性を運転手に知らせていれば、そもそも事故は防げたとの認識で、その子どもを必要なだけ送迎することを申し出ていたにも関わらず。)。

ニュージーランドの法律は明白であり、学校側は以下の事項をすることができない。


 数多くあるニュージーランドの政策や法律が既に履行されているにも関わらず、OCCへの苦情の性質から多様なニーズを要する生徒の一部はインクルーシブ教育を受けられずにいることが明らかとなった。これらの苦情は、障害のある生徒の排除の性質を調査したAlison Kearney博士の研究(2009)を正確に表している。Kearneyは排斥的行為(exclusionary practices)を次のように分類している:フルタイムの入学又は通学を拒否される、教育課程内の授業を受けることを拒否される、いじめられる、資金補助面での不適切な教員や校長の考えや慣習がある、面倒をみない、学校職員の価値観と責任感、教員の限られた知識と理解、親と学校職員の関係不良、教員補助員に関する考えと慣習、などである。


生徒に有利な結果を生み出すOCCの擁護的役割

 権利擁護(Advocacy)とは、変化のために行動するという意味の計画的戦略過程である。これは共感、理解及び努力を要したより良い状況作りである。権利擁護は(個人又はグループ)の正義のために懸命に努力することである。次の議論はインクルーシブ教育を実現するためにOCCが勧める方法である。子どもに対する権利擁護的な役割において、OCCの教育部門は次の事柄に努めている。(1)生徒の教育機関を維持することで、学校や生徒に有利な結果を提供すること、(2)学校、生徒及び親の間の論争で生じた学習の障害を減らすこと、(3)学校と地域社会との関係を改善すること、である。
 これらの目標を達成するため、OCCは教育権利擁護サービスを提供している。このサービスの一つは教育問題の解決において子供や世話人を支援することができるコミュニティーベースの擁護者を全国規模で教育し統括することである。二つ目のサービスはPLINFO(Parents Legal Information Line)であり親を対象とした法律、教育、権利擁護のサービスを無料で提供している。このサービスはWellington Community Law Centre に委託されている。

 寄せられた電話の数や性質から親が子どもの権利を常に理解している訳ではないことがわかり、この現状は研究文献と一致している(Cullen & Carroll-Lind, 2005; Liberty, 2000参照)。親は非常に複雑な制度の舵取りをしなくてはならず、家族側は必要なサポート、支援、情報及び資源が得られるとは限らない。これらの問題の多くは、情報の必要性、家族の信頼や人間関係への脅威、家族間の問題などが関わっている(Liberty, 2000)。知識は有効な権利擁護の鍵となり、最高の教育を確実なものにしてくれる。我々の教育権利擁護ワークショップでは、権利に基づいた枠組みの中で参加者の子どもの権利擁護スキルを構築することを目的としている。

 OCCは、その政策や役割に一致する集団問題を明確にし改善することを目標にしている。OCCは体系的権利擁護の一環として政府機関や教育関係者とのミーティングを定期的に行っている。


苦情の処理過程

 生徒にとって問題がない時は、OCCに連絡は来ない。PLINFOやChild Rights Lineに苦情が寄せられた時には、既に、家庭と学校の間のコミュニケーションは断絶している。OCCは、親が子どものニーズが学校で満たされていないと懸念した時は、次の行動をアドバイスする。


生徒と家族は次の権利を有する。


 学校理事会の回答に不満がある場合、親は、OCC、Community Law Centre、Ministry of Education、Education Review Office、Human Rights Commission or the Ombudsman’s Office のいずれかに連絡を取ることができる。
 OCCは、多様なニーズを要する子供がより良い学習成果を上げるため、サポートや資源に関し、個々の苦情に対して公平な解決を見出すよう努力している。OCCは質問や苦情を受け取ると、苦情の根拠となるものを見つけ出す。まず、苦情者が適切な場所に苦情を上げたかどうかを確認する。例えば、学校に解決を求めた後、正式に苦情を上げる場所は学校理事会であり、場合によってはGroup Special Education(Ministry of Education)となる。

 解決を促進するためにOCCはやり取りの全てを必要とする。OCCからも評議会に書面で決定事項の報告書を求めることがある。ORRSへの申請書のうち拒否されたものは、OCCが調査手続き開始方法や仲裁権利について親の認識を確認する。


結論

 障害のある生徒のインクルージョンは社会的公正の問題である。子どもや若者は大人と同様の基本的人権を持つが、弱い立場の集団である多様なニーズを持つ子ども達は自分達の権利の保護や向上のために更なるニーズを要している。学校のカリキュラムは全ての生徒を対象にしており、多様性に応えることは、ニュージーランドにおけるインクルーシブ教育が真に万人のためになることを保証するものである。


参考資料

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資料4

1.人権委員会「障害児の教育への権利」(Human Rights Commission “Disabled Children’s Right to Education “ 2009)


人権委員会

差別の苦情や、お知りになりたいことがあれば、こちらへご連絡ください。


オークランド事務所

Level 4, Tower Centre,
45 Queen Street, Auckland 1141
PO Box 6751, Wellesley Street, Auckland
電話: 09 309 0874 ファックス: 09 377 3593


ウェリントン事務所

Level 1, Vector Building,
44 - 52 The Terrace, Wellington 6011
PO Box 12411, Thorndon, Wellington 6144
電話: 04 473 9981 ファックス: 04 471 6759


クライストチャーチ事務所

Level 3, Guardian Assurance Building,
79 - 83 Hereford Street, Christchurch 8011
PO Box 1578, Christchurch 8140
電話: 03 379 2015
ファックス: 03 353 0959
フリーダイアル電話相談窓口 Infoline 0800 496 877
TTY (Teletypewriter): 0800 150 111
ウェブサイト: http://www.hrc.co.nz別ウインドウで開きます
Eメール: infoline@hrc.co.nz


多言語対応可能です。


手話通訳者の予約が可能です。


アオテアロア ニュージーランド


ISBN 978-0-478-34959-7 (Word)
ISBN 978-0-478-34960-3 (PDF)


障害児の教育への権利


背景


訳者注:SOI(Statement of Intent)は政府機関の目的について説明した文書であり、SSP(Statement of Service Performance)は目的や目標が達成されたかどうかについて報告する文書である。


目的


当委員会への苦情及び問い合わせ

図:2002年1月から2008年12月の苦情と問い合わせ

ニュージーランドにおける法的枠組み


ニュージーランドの政策的取組み


インクルーシブと特殊教育---考え方


人権に関する国際的枠組み


海外の法的・政策的取組


イギリス


アメリカ


カナダ


オーストラリア


人権委員会ワークプログラムのための選択肢作成

人権問題へのアプローチ人権委員会の果たしうる役割
人権基準にあらゆるレベルの意思決定を結びつけることにより、関連する人権約款や人権条約を説明する。人権委員会の専門性を活かし、最近批准された障害者権利条約に対する指針を提供する。
関連性のある全ての人権問題や人権バランスを確認し、必要な場合は最も弱い立場の人間に優先順位を付け全ての権利や権利保有者への尊厳を最大限にする。競合する権利バランスの保ち方についてアドバイスを提供する。組織的障害により結果的に障害児の人権に優先順位が付けられていないことが現在の活動により示されている60
個人、団体に影響を与える意思決定に対する個人、団体の参加の重要性を強調する。苦情の行き詰まりを超えられるような対話の促進と、生徒と家族の聴聞の権利の重要性について教育機関に助言する。
万人による権利の平等な享受や義務により個人や団体の間の差別を無くす。条約に示された差別の定義と条約が学校に課している合理的配慮の義務を強調する。
個人や団体のエンパワメントにより、意思決定の場で、彼らの権利を利用し、彼らの声を正当化することができるようにする。条約、特に自己決定、独立、パートナーシップといった概念に対する理解を深める。
活動・決定への説明責任により、個人や団体がそれぞれに不利に働く決定事項に対し苦情を提訴することが可能となる。学校での特別教育資金の利用についてEROの審査で指摘され、結果として1998年教育省ガイドラインの修正をもたらした61。説明責任の懸念事項に人権というレンズを使う。教育省による新しい大臣に対する説明でも説明責任を特別教育見直しの一要素であるとしている。
資料4 CSV:2KB

結論


別表1:苦情及び問い合わせ 2002年1月〜2008年12月

下記表は、人権委員会に寄せられ関係部署の対応待ちである、障害児の教育を受ける権利に対する苦情及び問い合わせの結果をまとめたものである。

結果件数
未解決の苦情1411%
仲介実施 − 解決119%
仲介実施 − 一部解決32%
仲介実施 − 失敗76%
仲介要請 − 学校や法的管轄に問題があり進展せず(資金問題)43%
仲介者のその他支援により解決65%
その他の情報や仲介者、人権委員会スタッフによる支援2520%
苦情を出した者や人権委員会により仲介プロセスが適切とみなされなかった − 支援進展無し86%
人権委員会の役割が不適切であったため、その他の機関が関与1713%
苦情を出した者が直接学校に相談し、現時点での人事委員会支援は必要なし11%
苦情を出した者が訴えを取り下げた1814%
苦情を出した者が第三者機関のため、人権委員会の関与ができない22%
その他理由で管轄外の苦情54%
苦情は解決したが、人事委員会の役割が不明11%
RADARに結果の記録なし43%
合計126100%
資料4 CSV:1KB

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資料5

法制及び政策年表
1962年
  • 議会委員(オンブズマン)法(the Parliamentary Commissioner (Ombudsman) Act)
1964年
  • 教育法(the Education Act 1964)
1975年
  • オンブズマン法(the Ombudsman Act 1975)
    * 1962年法の改正
1986年
  • 憲法法(the Constitution Act 1986)
1989年
  • 教育法(the Education Act 1989)
    * 1964年教育法の全面改正
1990年
  • 権利章典法(the New Zealand Bill of Rights Act 1990)
1992年
  • 精神保健(強制的評価と処置)法(the Mental Health (Compulsory Assessment and Treatment) Act 1992)
1993年
  • 人権法(the Human Rights Act 1993)
    * 1977年人権委員会法(Human Rights Commission Act 1977)と1971年人種関係法(Race Relation Act 1971)を統合し、人権委員会を設置し、対象となる差別の範囲を拡大し、苦情審議裁判所(Complaints Review Tribunal)を設置。
  • プライバシー法(the Privacy Act 1993)
1994年
  • 保健・障害コミッショナー法(The Health and Disability Commissioner Act)
    * 後の保健・障害コミッショナー権利規定Health and Disability Commissioner's Code of Rights 1996 につながる
1995年
  • 特別教育2000年制定(Special Education 2000)
    * world class, inclusive education system を提言
1996年
  • 仲裁法(the Arbitration Act 1996)
1999年
  • 障害問題担当大臣の設置(Minister of Disability Issues)
2001年
  • 障害戦略の制定(the Disability Strategy)
  • 人権改正法(Human Rights Amendment Act 2001 )
    * 人権訴訟手続き事務局(Office of Human Rights Proceeding)の設置
2002年
  • 社会サービス雇用省内に障害問題局の設置(the Office for Disability Issues)
2004年
  • 障害問題顧問委員会の設置(Disability Advisory Council)
2006年
  • ニュージーランド手話法(the New Zealand Sign Language Act 2006)
2008年
  • 障害(国連障害者権利条約)法(Disability(United Nations Convention on the Rights of Persons with Disabilities)Act 2008)
    * 教育法、地方自治法を初め多くの法律を部分的に改正・改正人権法(Human Rights Amendment Act 2008)
2009年
  • 教育評価機関による通常学校での特別教育の評価
2010年
  • 教育省による特別教育評価(Review of special education)
  • 教育省による新たな政策「全ての学校、全ての子どもが成功するために」制定(Success for All: Every school, every child)
資料5 CSV:2KB

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