平成25年度障害者権利条約の国内モニタリングに関する国際調査報告書
1-2 調査の背景(障害者権利条約第33条への我が国の対応)
我が国は、平成26年1月20日に国連に障害者権利条約の批准書を寄託し、同条約の140番目の締約国となった。
障害者権利条約第33条では、締約国に対し、同条約の実施を適切に進めるための体制整備を求めている。具体的には、以下の機関を指定することを要求又は推奨している。
中央連絡先(focal point):「締約国は、自国の制度に従い、この条約の実施に関連する事項を取り扱う一又は二以上の中央連絡先を政府内に指定する。」
調整のための仕組み:「締約国は、異なる部門及び段階における関連のある活動を容易にするため、政府内における調整のための仕組みの設置又は指定に十分な考慮を払う。」
独立した仕組み:「締約国は、自国の法律上及び行政上の制度に従い、この条約の実施を促進し、保護し、及び監視するための枠組み(適当な場合には、一又は二以上の独立した仕組みを含む。)を自国内において維持し、強化し、指定し、又は設置する。締約国は、このような仕組みを指定し、又は設置する場合には、人権の保護及び促進のための国内機構の地位及び役割に関する原則を考慮に入れる。」
これらについて、我が国では次のとおり、該当する機関を指定している。
中央連絡先:外務省総合外交政策局人権人道課、内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付参事官(障害者施策担当)
調整のための仕組み:内閣府政策統括官付参事官(障害者施策担当)
独立した仕組み:障害者政策委員会
このうち、独立した仕組みに指定された障害者政策委員会は、障害者基本法第32条に基づき設置された委員会である。今後、我が国では上記の各機関を中心に障害者権利条約の国内実施、促進、調整、監視(モニタリング)の取組を進め、2年後の平成28年1月までに障害者権利委員会に対し包括的な最初の報告(comprehensive initial report)を提出することとなる。