2.情報アクセシビリティに関する勉強会
2-1 概要
情報アクセシビリティに関する勉強会は、障害者基本計画の分野別施策に掲げられた個別の施策のうち、情報アクセシビリティに関する現状を把握するための枠組み(以下「枠組み」という。)についてご提言頂くことを目的として開催された。取組の進捗状況を各府省が把握し、障害者基本計画の推進に資するために、様々な立場の有識者から忌憚のないご意見をお聞きする場として設定されたものである。構成員としては、ウェブアクセシビリティ、人間工学、教育支援、情報通信政策といった情報アクセシビリティに関係する各分野における専門家を迎え、3回にわたり検討を行った。第1回目の勉強会は2015年1月15日、第2回目の勉強会は2015年2月9日、第3回目の勉強会は2015年3月19日に開催された。以下に構成員一覧を示す。
情報アクセシビリティに関する勉強会 名簿
- 株式会社インフォアクシア 代表取締役 植木真
- 有限会社サイパック 代表取締役 工藤智行 (会長)
- 東京大学先端科学技術研究センター 准教授 近藤武夫
- 筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター 准教授 白澤麻弓
- 名古屋学院大学商学部 講師 山口翔
2-2 検討の経緯
勉強会では、分野別施策に掲げられた個別の施策に関し、取組の実施状況を各府省が把握し、障害者基本計画の推進等に資するよう、次の手段で検討を行った。
2-2-1 抽出
情報アクセシビリティは、障害者基本計画の「分野別施策」の一つであるとともに、同計画の「横断的視点」でもあるため、改めて同計画の「生活支援」から「国際協力」まで合計10分野の分野別施策に計上されているすべての個別施策を対象として、情報アクセシビリティに関係する個別施策を抽出した。
2-2-2 評価体系
障害者基本計画に計上されている個別の施策のうち、情報アクセシビリティに関係する施策について、進捗状況を把握する際に必要となる項目や尺度に関し検討を行った。さらに、各府省における取組の実施状況及びその効果に関する把握・評価に係る準備作業の一助となるよう、個別施策ごとに当該施策の実施状況の把握・評価の方向性に関しても試行的な検討を行った。
2-2-3 項目の過不足
情報アクセシビリティに関しては、平成23年の改正において「情報の取得」「他人との意思疎通」といった新たな視点が加わっている。また、情報通信技術に関しては状況の変化が早く、平成25年の障害者基本計画(第3次)策定から3年が経過していることから、障害者基本計画に計上されている個別施策以外に、(各府省で進捗状況を把握することが)情報アクセシビリティの推進に寄与すると考えられる取組が存在すると想定される。このため、障害者基本計画に計上されている個別施策以外に、(各府省で進捗状況を把握することが)情報アクセシビリティの推進に寄与すると考えられる取組が存在し得るとすればどのようなものがありうるか、その可能性について検討を行った。