3-1 調査の実施手順

本調査は、以下の構成・手順で実施した。

(1) 国連障害者権利委員会の最終見解に関する調査 

  • 調査対象国(5か国)について、障害者権利委員会の最終見解を入手し、全文翻訳するとともにその内容の整理・検討を行った。
  • 韓国、ニュージーランドについては9月に開かれる障害者権利委員会で最終見解が示されたので、委員会に出席する石川会長から報告及び資料提供を受けて内容を調査した。

(2) 新規対象国の国内実施及びモニタリング体制に関する調査 

  • 今年度新たに調査対象となったスウェーデン、スペイン、ニュージーランドについては、包括的な最初の報告及び各国の関連資料を収集し、障害者権利条約の国内実施及びモニタリング体制などの基礎情報を整理した。

 <第1回調査研究会> (9月25日)

  • (1)、(2)の中間結果報告を行い、対象各国に対する最終見解の内容・ポイントを検討した。
  • 9月の障害者権利委員会の速報を行い、委員会での議論のポイントなどを検討した。
  • 今後の調査計画、現地調査の組立てなどについて検討した。

(3) 国連障害者権利委員会における包括的な最初の報告の検討における論点の調査

  • 調査対象国から提出された包括的な最初の報告の対象箇所を翻訳した。
  • 国連障害者権利委員会が採択した対象国への事前質問事項を翻訳した。
  • 翻訳資料の内容と最終見解の内容とを照合し、国連障害者権利委員会での検討・対話のポイント、論点は何だったかを整理した。

<第2回調査研究会> (11月14日)

  • (3)の結果報告を行い、収集した資料・情報をもとに、国連障害者権利委員会における包括的な最初の報告の検討の論点が何だったか、分析・考察を行った。
  • 分析・考察の結果を踏まえて、現地調査の訪問先、調査事項を検討した。

(4) 国連障害者権利委員会における包括的な最初の報告の検討における対話状況の調査

  • 事前質問事項に対する対象国政府の回答を翻訳した。
  • 検討プロセスにおいて調査対象国の市民社会、独立した仕組みから提出された主要なレポートや文書を翻訳した。
  • (1)、(3)の分析資料と上記の翻訳資料の内容を照合して相互の関連性等について分析し、国連障害者権利委員会での検討・対話がどのような文脈で進んだかを整理した。

<第3回調査研究会> (2月5日)

  • (4)の結果報告を行い、収集した資料・情報をもとに、国連における締約国報告の検討及び対話プロセスなどについて分析・考察を行った。
  • 分析・考察の結果を踏まえて、現地調査の訪問先、具体的な調査事項、質問事項を検討した。

(5) 現地調査 (2月23日~3月4日、韓国、スウェーデン)

  • 対象国の中央連絡先、独立した仕組み、中核障害者団体などを訪問し、国連との対話状況などについて資料調査では把握できない詳細状況のヒアリング調査を行った。
  • スウェーデンは今年度の新規対象国であるので、国内実施体制、モニタリングなどに関する資料・情報の収集も行った。
  • 現地調査の訪問先などは3-3に示す。

(6) 調査結果のとりまとめ、調査報告書の作成

  • (1)~(5)の収集情報をとりまとめた各国資料を基に、障害者権利委員会と各国の対話に関する比較・考察、最終見解までの国連障害者権利委員会の検討ポイントの考察などを加えて、本調査の報告書をとりまとめた。

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