5-2 スウェーデンの包括的な最初の報告の検討プロセスの概観
(1) 検討プロセスの概要
スウェーデン政府からの包括的な最初の報告は、2011年2月3日に国連障害者権利委員会に提出された。その後、2013年9月2日~13日に開催された国連障害者権利委員会第10会期で事前質問事項の検討が行われ、9月13日に国連障害者権利委員会が事前質問事項を採択した28。スウェーデン政府は、事前質問事項への回答を2013年12月18日に国連障害者権利委員会に提出した。その後、2014年3月31日~4月11日に開催された国連障害者権利委員会第11会期での建設的対話を含めた審査を経て、会期最終日の4月11日に国連障害者権利委員会が最終見解を採択した。
(2) 国連障害者権利委員会へのレポート提出状況
(1)に示した検討プロセスにおけるスウェーデン政府と国連障害者権利委員会との文書のやりとり、並びに関係機関・団体から国連障害者権利委員会へのレポート提出状況を図表5-2に示す。
スウェーデンからのレポート提出の流れを見ると、検討プロセスのステップごとに、多くの市民社会団体が国連障害者権利委員会にパラレルレポートを提出している。また、パラレルレポート以外に「質問事項の提案」や「事前質問事項への回答」を市民社会団体が独自に作成し提出している点も、スウェーデンの検討プロセスにおける特徴といえる。
しかし、他の調査対象国とは異なり、独立した仕組みからのレポート提出はない。これはいうまでもなく、スウェーデンでは独立した仕組みが指定されていないためである。
図表5-2 スウェーデンから国連障害者権利委員会へのレポート提出状況(図表5-2のテキスト版)
出典:国連障害者権利委員会ウェブサイト及び各資料より作成
28 スウェーデンの包括的な最初の報告に関する事前質問事項(文献11)、p1