<< 前頁   [目次]

平成24年版障害者白書(概要)

平成23年度を中心とした障害者施策の取組

第5章 住みよい環境の基盤づくり

1 障害のある人の住みよいまちづくりのための施策

誰もが、快適で生活しやすい「ユニバーサルデザイン」に配慮した生活環境の整備を図るため、住宅、建築物、公共交通機関、歩行空間等の生活空間のバリアフリー化を推進し、一定の地域内におけるこれら施設等及びその間の経路の一体的・連続的なバリアフリー化を促進している。

防災知識の普及、災害時の情報提供、避難誘導等防災の様々な場面において災害時要援護者に配慮したきめ細かな防災対策を推進している。

障害のある人の気持ちに配慮した防犯対策を推進するとともに、警察へアクセスする際の困難を取り除くための施策、障害のある人の犯罪や事故被害の防止のための施策を推進している。

【主な施策等】
(東日本大震災への障害のある人たちへの主な支援)

平成23年3月11日に発生した東日本大震災に伴い、被災地、被災者に対して講じられている施策のうち、障害のある人への支援の一環として実施されているものとして、主に次のような施策がある。

<1> 利用者への対応について

  • 震災後に利用者の受けている支給決定の有効期間が切れていたとしても、障害福祉サービスを提供できること。また、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律により、支給決定の有効期間が平成23年3月11日から同年8月30日までに切れる場合は、これを延長すること。
  • 利用者が受給者証を持っていなくても、障害福祉サービスを提供できること。
  • 震災等により利用者負担の支払が困難な方については、利用者負担の徴収の猶予や減免を行うことができること。また、補装具費の取扱いについても同様の取扱いとすること。

<2> 障害福祉サービスの提供について

  • 被災者等を受け入れたときなどに、一時的に、定員を超える場合を含め人員配置基準や施設設備基準を満たさない場合も報酬の減額等を行わないこととすること。
  • やむを得ない理由により、利用者の避難先等において、安否確認や相談支援等のできる限りの支援の提供を行った場合は、これまでの障害福祉サービスとして報酬の対象とすること。
  • 避難所においてホームヘルプサービスを提供した場合も報酬の対象とすること。
  • 利用者とともに仮設の施設や他の施設等に避難し、そこにおいて障害福祉サービスを提供した場合も報酬の対象とすること。

<3> 介護職員等の派遣、避難者の受入等

  • 各事業所等において、介護職員等が不足している場合には、国や県などの調整を受けて、別の事業所等より介護職員等の派遣を受けることができること。
  • 被災等により利用者を避難させたい場合には、国や県などの調整を受けて、受入施設を確保することができること。

<4> 被災地における障害福祉サービス等の再開支援について

  • 震災を受け被災した障害者支援施設等の復旧事業や事業再開に要する経費に関する国庫補助事業を実施し、復旧支援を行った。
  • 甚大な被害を受けた被災地の障害福祉サービス事業所が復興期においても安定したサービス提供を行うことができるよう、被災県ごとに支援拠点を設置し、

ア 障害者就労支援事業所による流通経路の再建や販路確保・拡大等の支援

イ 障害者自立支援法、児童福祉法による新体系サービスへの移行支援

ウ 発達障害児・者のニーズに応じたサービス提供等のための助言・指導

エ 居宅介護事業所等の事業再開に向けた整備の補助

などに取り組むための予算措置を行った。

2 障害のある人の情報・コミュニケーションを確保するための施策

障害のある人の情報通信技術の利用機会の格差是正を図るため、障害のある人の利用に配慮した情報通信機器・システムの研究開発を推進するとともに、アクセシビリティ指針の策定、JIS 及び国際標準化の推進を通じて、これらシステムの普及を図り、また、ホームページ等のバリアフリー化を推進している。

テレワークの推進、情報ネットワークの整備、字幕付きビデオの作成等による情報提供体制の整備や字幕放送等の推進を通じて、障害のある人への情報提供の充実を図るとともに、手話、点訳等による支援やコミュニケーション支援絵記号の規格化等によるコミュニケーション支援体制の充実を推進。

【主な施策等】

▲ このページの上へ