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第3章 社会参加へ向けた自立の基盤づくり > 第1節 障害のある子どもの教育・育成に係る施策 > 3.指導力の向上と研究の推進

平成24年版障害者白書

平成23年度を中心とした障害者施策の取組

第3章 社会参加へ向けた自立の基盤づくり

第1節 障害のある子どもの教育・育成に係る施策

3.指導力の向上と研究の推進
(1)教職員の専門性の確保

特別支援教育を担当する教員の養成は、大学における教員養成の原則に則り、現在、主として大学・学部の特別支援教育関係の課程等において行われている。また、幼稚園、小・中学校及び高等学校の教員養成においても、教職に関する科目のほか、特別支援教育に関する科目の履修が可能な教育課程を編成している大学もある。

また、研修を通じた資質向上を図るため、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所においては、特別支援教育関係の教職員に対する研修を行っているほか、独立行政法人教員研修センターにおいても、各地域で中核となって活躍する管理職を育成する学校経営研修において特別支援教育に関する内容を盛り込んでいる。さらに、都道府県等教育委員会においては、小学校等の教員の初任者研修や10年経験者研修においても、障害のある子どもの理解のための研修が行われている。このほか平成14年度から放送大学において、現職教員を主な対象とした特別支援学校教諭免許状取得のための科目が開講されている。

また、教員免許更新制における免許状更新講習においても、必修領域の項目の一つである「子どもの変化についての理解」の中で特別支援教育に関するものを含めて扱うことが規定されている。

(2)免許制度の改善

特別支援学校における、専ら知的障害のある子どもに対する自立教科以外の教科(国語、数学等)の教授又は実習の担任については、部及び教科の種類にかかわらず、特別支援学校の教諭の普通免許状に加えて、幼稚園、小・中学校又は高等学校のいずれかの学校の教諭の普通免許状を有する教員は、知的障害のある子どもに係る学習指導要領上の特例等による指導を円滑に行う観点から、これを行うことができることとされている。

さらに、平成19年度より、従来、盲学校・聾学校・養護学校ごとに分けられていた教諭の免許状が、特別支援学校の教諭の免許状に一本化されている。同時に、特別支援学校教諭免許状の取得のためには、様々な障害についての基礎的な知識・理解と同時に、特定の障害についての専門性を確保することとなっている。また、大学などにおける特別支援教育に関する科目の修得状況などに応じ、教授可能な障害の種別(例えば「視覚障害者に関する教育」の領域など)を定めて授与することとしている。

但し、特別支援学校教諭免許状については、教育職員免許法上、当分の間、この免許状を保有せずに幼・小・中・高等学校の免許状のみで特別支援学校の教員となることが可能とされているため、専門性確保の観点から保有率を向上させることが必要である。

特別支援学校の教員の特別支援学校教諭等免許状の保有率は、全体で70.3%(平成23年5月1日現在)であり、全体として前年度と比べ0.3ポイント増加しているが、依然として低い状況にある。このような状況に対し、各都道府県教育委員会等において教員の採用、配置、現職教員の特別支援学校教諭免許状取得等の措置を総合的に講じていくことにより対処することが必要であり、後期5か年計画においても、特別支援学校教諭免許状の保有率向上をすべての都道府県において中期計画等に位置付けることを目標として盛り込んでいる。

(3)特別支援教育の関係機関等

ア 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所

独立行政法人国立特別支援教育総合研究所は、我が国における特別支援教育のナショナルセンターとして、自閉症を併せ持つ知的障害のある子どもの教育を行っている筑波大学附属久里浜特別支援学校との連携を図りながら、特別支援教育に関する政策的な課題や教育現場の喫緊の課題について、実際的な研究を総合的に行うとともに、各都道府県等において指導的立場に立つ教員等を対象に、「特別支援教育専門研修」や「特別支援教育コーディネーター指導者研究協議会」、「発達障害教育指導者研究協議会」等の研修事業を実施している。さらに、同研究所の「発達障害教育情報センター」において、教育関係者等に対し、インターネットを通じて、発達障害に関する各種教育情報の提供や教員研修用講座の配信を行っている。(参照:http://icedd.nise.go.jp別ウインドウで開きます(※発達障害教育情報センターホームページへリンク))。

イ 特別支援教育センター

都道府県の特別支援教育センターにおいて、当該都道府県における特別支援教育関係職員の研修、障害のある子どもに係る教育相談、特別支援教育に係る研究・調査等が行われている。

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