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第4章 日々の暮らしの基盤づくり > 第1節 生活安定のための施策 > 5.スポーツ・文化芸術活動の推進

平成24年版障害者白書

平成23年度を中心とした障害者施策の取組

第4章 日々の暮らしの基盤づくり

第1節 生活安定のための施策

5.スポーツ・文化芸術活動の推進
(1)スポーツの振興

ア 障害者スポーツ大会等の開催

障害のある人のスポーツに対する国民各層の理解と関心は年々高まりをみせており、現在では、全国各地で数多くのスポーツ大会やスポーツ教室が開催され、また、国際スポーツ大会に我が国から多数の選手が参加している。平成23年度においては、ギリシャ共和国のアテネで「2011スペシャルオリンピックス夏期世界大会」が開催され、世界170ヵ国・地域から6,261名(うち、日本から52名)のアスリート、2,423名(うち、日本から23名)のコーチ・役員、約25,000名のボランティアが参加した。本大会は、4年に一度行われる知的・発達障害のある人のスポーツの世界大会であり、夏季大会と冬期大会が開催されている。また、国際障害者年の記念行事として昭和56年より毎年開催され、第31回を迎えた「大分国際車いすマラソン大会」には、世界16か国から261名の車いすランナーが出場した。本大会は世界初の車いす単独のマラソン大会であり、国際パラリンピック委員会公認大会となっている。

イ 障害者スポーツ指導者の養成

障害のある人がスポーツ活動を行うためには、それぞれの障害の特性に応じて適切な指導ができるスポーツ指導者の確保が不可欠である。このため、公益財団法人日本障害者スポーツ協会において障害者スポーツ指導者制度を設け、同協会や都道府県が実施主体となってその養成を行っており、全国で21,924人(平成23年12月31日現在)が指導者として登録されている。

ウ 障害者スポーツ振興のための取組

障害者スポーツについては、公益財団法人日本障害者スポーツ協会を中心として、障害者全体のスポーツの振興を進めている。具体的に、国においては、全国障害者スポーツ大会を開催するとともに、地域生活支援事業の一環として、「スポーツ・レクレーション教室開催等事業」により、各地方公共団体による大会・教室の開催や指導者の養成、身近な地域でスポーツを親しめる環境の整備、パラリンピック等の国際大会に参加した選手を招いて障害者スポーツの楽しさを体験してもらう事業に対して支援を行っている。また、選手強化のため、世界大会でメダル獲得が有望な選手・団体に対し重点的な強化等の実施や、パラリンピック、デフリンピック、スペシャルオリンピックス等の国際大会が開催される年度には、選手団の派遣や国内強化合宿を実施している。その他、「社会福祉振興助成事業」を通じて、同協会が行う国際大会への選手団派遣事業や指導者の養成事業、各競技団体が行う全国大会の開催事業等への助成を行うとともに、同協会においても、組織強化や主催大会の実施、国際大会への日本選手団派遣、パラリンピック競技大会のメダリストへの報奨金や選手の育成強化を図るための、各企業への協賛や募金の呼びかけなどを行っている。

なお、平成23年6月にスポーツ基本法が成立し、その基本理念に障害のある人のスポーツを推進することが明記され、各地方公共団体及び関係機関は、障害のある人と障害のない人が共にスポーツに親しむことのできる環境等の整備に努めることになっている。

第31回大分国際車いすマラソン大会

第31回大分国際車いすマラソン大会

(2)文化活動の振興

最近では、障害のある人によるコンサートや、障害のある人も楽しめる舞台芸術公演、展覧会等も各地で開催されるようになってきている。また、国立劇場や新国立劇場においては、障害のある人の入場料の割引を、国立美術館、国立博物館においては、展覧会の入場料の無料を実施しているほか、全国各地の劇場、コンサートホール、美術館などにおいて、車いす使用者でも利用ができるトイレやエレベーターの設置等障害のある人に対する環境改善も進められている。

また、障害のある人の生活を豊かにするとともに、国民の障害への理解と認識を深め、障害のある人の自立と社会参加の促進に寄与することを目的として、「第11回全国障害者芸術・文化祭埼玉大会」(平成23年度)が埼玉県において開催された。

第11回全国障害者芸術・文化祭埼玉大会 (C)金子由郎

第11回全国障害者芸術・文化祭埼玉大会 (C)金子由郎

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