第2編 全般的推進状況(平成24年度を中心とした障害者施策の取組)
第4章 日々の暮らしの基盤づくり
第2節 保健・医療施策
4.研究開発の推進
障害の原因となる疾病等の予防や根本的治療法等を確立するため、これまで障害の原因、予防、早期発見、治療及び療育に関する研究が行われてきた。これは、障害児施策の基本である障害の予防や早期治療を確立し、有機的かつ総合的に施策を推進させるための基礎となるものである。この研究の成果を踏まえ、1歳6か月児健康診査、3歳児健康診査、先天性代謝異常等検査等が実施されている。
厚生労働科学研究の「障害者対策総合研究事業」においては、障害を招く疾患等についての病因・病態の解明、効果的な予防、診断、治療法等の研究開発を推進している。
国立障害者リハビリテーションセンター研究所では、「障害者の自立と社会参加ならびに生活の質の向上」を目的とした、医学・工学・社会学・心理学等の学際的取組により、リハビリテーション支援技術、社会システム及び障害のある人の健康維持・増進に関する研究を行うとともに、厚生労働科学研究として、障害者対策総合研究事業・社会還元加速プロジェクトに基づき、脳から信号を取り出し、それを利用してコミュニケーションや運動の補助などを行うブレインマシン・インターフェース(BMI)技術を用いた障害のある人の自立支援機器等を開発している。
これまで、視覚刺激による脳波信号等を用いたコミュニケーションの補助と環境制御を可能とし、さらにこれらを基に臨床評価研究を行うなど研究を推進している。
いわゆる難病のうち、患者数が少なく、原因が不明で、根本的な治療方法が確立されておらず、かつ、後遺症を残すおそれが少なくない難治性疾患について、厚生労働科学研究の「難治性疾患克服研究事業」において、難治性疾患の画期的な診断法及び治療法の研究開発を推進しているほか、次世代遺伝子解析装置を用いて患者の全遺伝子を解析し、疾患の早期解明及び新たな治療法の開発を加速度的に推進する「難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究事業(難病関係研究分野)」を設け、難治性疾患に関する調査・研究の充実を図っている。