第2章 障害のある人に対する理解を深めるための基盤づくり 第1節 6

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第1節 障害のある人に対する広報・啓発等の推進

6.ボランティア活動の推進

(1)学校におけるボランティア教育

学習指導要領において、道徳、総合的な学習の時間及び特別活動等において、思いやりの心や助け合いに関する指導、ボランティア活動の充実などを図っている。

また、高等学校等においては、生徒が行うボランティア活動などの学校外における学修について、校長が教育上有益と認めるときは合計36単位を上限として単位として認定することが可能となっている。

(2)地域福祉等ボランティア活動の促進

ボランティア活動の振興の基盤整備については、全国社会福祉協議会内の「全国ボランティア・市民活動振興センター」へ補助を実施している。「全国ボランティア・市民活動振興センター」では、「ボランティア全国フォーラム」の開催などのボランティア活動等に関する広報・啓発活動、情報提供、研修事業等を実施している。

内閣府では、地域における共生社会の実現に向けた課題解決に対応できる人材育成を目的とした「地域課題対応人材育成事業『地域コアリーダープログラム』」を実施した。

このプログラムは、平成27(2015)年度まで実施した「青年社会活動コアリーダー育成プログラム」の成果を活かしつつ、地域の共生社会の中核を担う人材の能力向上、地域の団体間での分野横断的ネットワーク形成等を目的としている。障害者関連、高齢者関連、青少年関連のそれぞれの3分野において、地域における社会活動に携わる日本の青年を海外に派遣するとともに、海外の様々な組織で活動する青年リーダーを日本に招へいして地域における課題の共有や意見交換等を通じて相互に交流することにより、我が国の地域社会活動の中核を担う青年リーダーの非営利団体の運営、国・企業・地方公共団体等との連携及び人的ネットワーク形成の方法等の実務的な能力の向上及び各国、各分野間のネットワークの形成を図るものである。

このうち障害者関連分野について、平成29(2017)年度は、10月に日本青年9名(団長含む)をニュージーランドに派遣し、平成30(2018)年2月にドイツ、ニュージーランド及びオーストリアの青年リーダー計13名を日本に招へいした。

派遣プログラムでは、日本参加青年は、「社会的障壁を障害の主原因と捉えるニュージーランドの文化的背景と社会システムを学び、日本の各地域に根差した仕組みを構築・実践することにより、『障害』に対するネガティブな認識を解消し、誰もが自分の可能性や役割を感じることができる社会を目指す」を派遣団のテーマとし、社会的障壁を障害の主原因と捉えるニュージーランドの文化的背景と社会システムを学ぶために同国を訪問した。社会開発省障害問題担当室、保健省、教育省等の関係省庁による同国の障害に関する取組の歴史及び現状、政策について講義を受け、意見交換を行った。また、在ニュージーランド日本国特命全権大使表敬訪問後、障害者支援システム改革やインクルーシブ教育、アクセシビリティの推進や就労支援、介護者の役割やニーズに対する意識促進・啓発活動等、多様な課題に取り組む諸行政機関及び団体から説明を受け意見交換及び視察訪問を行った。

招へいプログラムでは、外国参加青年は、東京で別途公募により参加した日本青年とともに「NPOマネジメントフォーラム(合宿型ディスカッション)」を行い、「非営利団体運営に求められるリーダーシップ」というテーマで討議した。

その後、鹿児島県を訪問し、県の障害者施策の現状と取組についての説明を受け、医療福祉センターにおいては施設見学及び医療・福祉サービスの連携及び社会参加への取組についての意見交換、「人と人との関係性の中から、自立を目指す」として教育バリアフリーに取り組み、全国で初めて普通科共生コースを設置した高等学校にて授業見学や意見交換を行った。また、障害福祉サービス、保育園、児童発達支援、「多機能拠点整備型面的整備モデル」を目指す地域生活支援等、多角的な活動を行う社会福祉法人の事業所等においては、視察及び施設利用者との交流、鹿児島市との連携についての説明に基づいた意見交換を行った。

鹿児島県のプログラムの総括として「全ての人が障害者への理解を深め、医療・福祉・教育・企業・自治体の連携と障害者支援の取組を発展させる」をテーマに、「障害者の社会参加に向けた多様な主体による地域での連携(ドイツ)」「学校教育を通じた障害者理解と差別解消への取組(ニュージーランド)」「障害者への就労支援の取組(オーストリア)」「日本(鹿児島)の取組」について各国発表の後、障害者支援に携わる人々と外国参加青年がディスカッションを行うセミナーを実施した。

  • ニュージーランドを訪問(障害者の労働力開発支援を行うテ・ポウによる講義及び意見交換)(写真:内閣府)

  • 鹿児島県を訪問(ホームステイにて、ホストファミリーが車椅子を体験)(写真:内閣府)

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