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第1章 新型コロナウイルス感染症への対応 2

2.政府における対応(新型コロナウイルス感染症対策本部の設置等)

(1)新型コロナウイルス感染症に関する事実

我が国においては、2020年1月15日に最初の感染者が確認された後、2021年4月末時点(国内事例)で、陽性者数 588,900名、死亡者数 10,226名が確認された。

2020年4月から5月にかけての緊急事態宣言下において、東京都、大阪府、北海道、茨城県、埼玉県、千葉県、神奈川県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府、兵庫県及び福岡県の13都道府県については、特に重点的に感染拡大の防止に向けた取組を進めていく必要があったことから、2020年3月28日に、新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下「特措法」という。)に基づき、基本的な対処の方針について定めた「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(以下「基本的対処方針」という。)において特定都道府県(緊急事態宣言の対象区域に属する都道府県)の中でも「特定警戒都道府県」と位置付けて対策を促してきた。

また、これら特定警戒都道府県以外の県についても、都市部からの人の移動等によりクラスターが都市部以外の地域でも発生し、感染拡大の傾向が見られ、そのような地域においては、医療提供体制が十分に整っていない場合も多いことや、全都道府県が足並みをそろえた取組が行われる必要があったことなどから、全ての都道府県について緊急事態措置を実施すべき区域として感染拡大の防止に向けた対策を促してきた。

その後、2020年5月1日及び4日の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の見解を踏まえ、引き続き、それまでの枠組みを維持し、全ての都道府県について緊急事態措置を実施すべき区域(特定警戒都道府県は前記の13都道府県とする。)として感染拡大の防止に向けた取組を進めてきた。

その結果、全国的に新規報告数の減少が見られ、また、新型コロナウイルス感染症に係る重症者数も減少傾向にあることが確認され、さらに、病床等の確保も進み、医療提供体制のひっ迫の状況も改善されてきた。

2020年5月14日には、その時点における感染状況等の分析・評価を行い、総合的に判断したところ、北海道、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、京都府、大阪府及び兵庫県の8都道府県については、引き続き特定警戒都道府県として、特に重点的に感染拡大の防止に向けた取組を進めていくこととなった。

また、2020年5月21日には、北海道、埼玉県、千葉県、東京都及び神奈川県の5都道県については、引き続き特定警戒都道府県として、特に重点的に感染拡大の防止に向けた取組を進めていくこととなった。

その後、2020年5月25日に、全ての都道府県が緊急事態措置を実施すべき区域に該当しないこととなったため、同日、緊急事態解除宣言が発出された。

夏以降、減少に転じた新規報告数は、10月末以降増加傾向となり、11月以降その傾向が強まっていったことから、クラスター発生時の大規模・集中的な検査の実施による感染の封じ込めや感染拡大時の保健所支援の広域調整等、政府と都道府県等が密接に連携しながら、対策を講じていった。また、2020年10月23日の新型コロナウイルス感染症対策分科会においては、「感染リスクが高まる「5つの場面」」を回避することや、「感染リスクを下げながら会食を楽しむ工夫」を周知することなどの提言がなされた。12月には首都圏を中心に新規報告数は過去最多の状況が継続し、医療提供体制がひっ迫している地域が見受けられた。

こうした感染状況や医療提供体制・公衆衛生体制に対する負荷の状況に鑑み、2021年1月7日、政府対策本部長は、特措法に基づき、緊急事態措置を実施すべき期間を2021年1月8日から2月7日までの31日間とし、区域を東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県とする緊急事態宣言を行った。

その後、2021年1月13日に、緊急事態措置を実施すべき区域に栃木県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県及び福岡県を加える変更を行った。これらの区域において緊急事態措置を実施すべき期間は2021年1月14日から2月7日までの25日間である。

2021年2月2日には、2月8日以降については、特措法に基づき、緊急事態措置区域を埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県及び福岡県の10都府県に変更するとともに、これらの区域において緊急事態措置を実施すべき期間を2021年3月7日まで延長することとした。

政府は、新型コロナウイルス感染症に係る対策を強化するため、新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置(以下「まん延防止等重点措置」という。)の創設などを含む新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案を国会に提出し、2021年2月3日に成立した。これにより改正された法は2021年2月13日に施行された。

2月26日には、3月1日以降については、特措法に基づき、緊急事態措置区域を埼玉県、千葉県、東京都及び神奈川県の4都県に変更することとした。

3月5日には、引き続き埼玉県、千葉県、東京都及び神奈川県の4都県を緊急事態措置区域とし、これらの区域において緊急事態措置を実施すべき期間を3月21日まで延長することとした。

その後、3月18日に、上記4都県が緊急事態措置区域に該当しないこととなったため、緊急事態措置を実施すべき期間とされている3月21日をもって緊急事態措置を終了した。

今後は、「緊急事態宣言解除後の新型コロナウイルス感染症への対応」(2021年3月18日新型コロナウイルス感染症対策本部とりまとめ。以下「緊急事態宣言解除後の対応」という。)を踏まえ、社会経済活動を継続しつつ、再度の感染拡大を防止し、重症者・死亡者の発生を可能な限り抑制するための取組を進めていくこととした。

2021年4月1日には、感染の再拡大を防止する必要性が高いこと等から、特措法に基づき、まん延防止等重点措置を実施すべき期間を2021年4月5日から5月5日までの31日間とし、重点措置区域を宮城県、大阪府及び兵庫県とする公示を行った。

2021年4月9日に、4月12日以降については、特措法に基づき、重点措置区域に東京都、京都府及び沖縄県を加える変更を行うとともに、東京都におけるまん延防止等重点措置を実施すべき期間を2021年4月12日から5月11日までの30日間とし、京都府及び沖縄県においてまん延防止等重点措置を実施すべき期間を2021年4月12日から5月5日までの24日間とする旨の公示を行った。

2021年4月16日に、4月20日以降については、特措法に基づき、重点措置区域に埼玉県、千葉県、神奈川県及び愛知県を加える変更を行うとともに、埼玉県、千葉県、神奈川県及び愛知県においてまん延防止等重点措置を実施すべき期間を2021年4月20日から5月11日までの22日間とする旨の公示を行った。

新規報告数は2021年3月上旬以降、大都市部を中心に増加が続き、重症者数も増加が見られた。また、影響が懸念される変異株の感染者の増加がみられ、急速に従来株からの置き換わりが進みつつある。

こうした状況を踏まえ、2021年4月23日には、政府対策本部長は、特措法に基づき、緊急事態宣言を行った。緊急事態措置を実施すべき期間は2021年4月25日から5月11日までの17日間であり、緊急事態措置区域は東京都、京都府、大阪府及び兵庫県とした。

また、同じく2021年4月23日に、特措法に基づき、4月25日以降については、重点措置区域に愛媛県を加え、緊急事態措置区域とされた東京都、京都府、大阪府及び兵庫県を重点措置区域から除外する変更を行うとともに、宮城県においてまん延防止等重点措置を実施すべき期間を「2021年4月5日から5月5日まで」から「2021年4月5日から5月11日まで」、沖縄県においてまん延防止等重点措置を実施すべき期間を「2021年4月12日から5月5日まで」から「2021年4月12日から5月11日まで」と変更し、愛媛県においてまん延防止等重点措置を実施すべき期間を2021年4月25日から5月11日までの17日間とする旨の公示を行った。

2021年5月7日に、大都市部を中心に新規陽性者数が高い水準にあり、医療提供体制のひっ迫も見られることなどから、5月12日以降については、緊急事態措置区域として愛知県及び福岡県を追加する変更を行うとともに、緊急事態措置を実施すべき期間を2021年5月31日まで延長することとした。

また、同じく2021年5月7日に、5月9日以降について、重点措置区域に北海道、岐阜県及び三重県を加え、5月12日以降については、宮城県を除外する変更を行うとともに、北海道、岐阜県及び三重県においてまん延防止等重点措置を実施すべき期間を2021年5月9日から5月31日までの23日間とし、埼玉県、千葉県、神奈川県、愛媛県及び沖縄県においてまん延防止等重点措置を実施すべき期間を2021年5月31日まで延長する旨の公示を行った。

(2)新型コロナウイルス感染症の対処に関する全般的な方針

政府は、新型コロナウイルス感染症への対策は危機管理上重大な課題であるとの認識の下、国民の生命を守るため、これまで水際での対策、まん延防止、医療の提供等について総力を挙げて講じてきた。国内において、感染経路の不明な患者の増加している地域が散発的に発生し、一部の地域で感染拡大が見られてきたため、2020年3月26日、特措法に基づき、新型コロナウイルス感染症のまん延のおそれが高いことが、厚生労働大臣から内閣総理大臣に報告され、同日に、特措法に基づく政府対策本部が設置された。

その後、2020年3月28日に、特措法に基づき、「基本的対処方針」を決定し、各種対策を講じてきた。

その後も感染状況等に応じた基本的対処方針の変更を行い、2021年5月7日の変更において、新型コロナウイルス感染症の対処に関して下記のとおり全般的な方針が示された。①これまでの感染拡大期の経験や国内外の様々な研究等の知見を踏まえ、より効果的な感染防止策等を講じていく。②緊急事態措置区域においては、感染拡大の主な起点となっている飲食の場面に対する対策の強化を図るとともに、変異株の感染者が増加していること等を踏まえ、人と人との接触機会を減らすために、人の流れを抑制するための取組を行うなど、徹底した感染防止策に取り組む。③重点措置区域においては、都道府県が定める期間、区域等において、飲食を伴うものなど感染リスクが高く感染拡大の主な起点となっている場面等に効果的な対策を徹底する。④その他の感染の再拡大が認められる地域では、政府と都道府県が密接に連携しながら、重点的・集中的なPCR検査や営業時間短縮要請等を実施するとともに、まん延防止等重点措置を機動的に活用するなど、速やかに効果的で強い感染対策等を講じる。⑤感染拡大を予防する「新しい生活様式」の定着や「感染リスクが高まる「5つの場面」」を回避すること等を促すとともに、事業者及び関係団体に対して、業種別ガイドライン等の実践と科学的知見等に基づく進化を促していく。⑥的確な感染防止策及び経済・雇用対策により、感染拡大の防止と社会経済活動の維持との両立を持続的に可能としていく。⑦新型コロナウイルス感染症の発症を予防し、死亡者や重症者の発生をできる限り減らすため、迅速なワクチンの接種を進める。⑧緊急事態措置区域、重点措置区域においては、医療提供体制等の確保に全力をあげて取り組む。その他の地域も併せ、「相談・受診・検査」~「療養先調整・移送」~「転退院・解除」まで、一連の患者対応が目詰まりなく行われ、病床・宿泊療養施設が最大限活用されるよう留意しつつ、感染拡大時に確実に機能する医療提供体制を整備する。

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