第2章 障害のある人に対する理解を深めるための基盤づくり 9

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広報・啓発等の推進

9.障害者統計の充実

障害者政策の観点からは、我が国が批准した「障害者の権利に関する条約」により障害者統計の充実が求められているほか、統計整備の観点からも、国連統計委員会は障害に関するデータ収集及び手段の精査を要請しており、国内でも「公的統計の整備に関する基本的な計画」(第Ⅲ期)(令和2年6月2日閣議決定)において施策上のニーズ等を踏まえた障害者統計の充実を図ることが盛り込まれた。こうした状況の下、障害のある人と障害のない人との比較を可能とする統計データを整備する観点から、我が国の統計調査に導入可能な障害のある人を捉える設問について検討することを目的として、2019年度に、国際的に用いられている設問セットの比較等を含めた評価分析を内容とする調査研究を行った。同調査研究では、障害のある人を捉える設問に関する調査と、国際的な動向の把握を実施した。

この調査研究の報告書では、調査研究の結果を踏まえ、今後の障害者統計の在り方について、2022年度までの実施を目途に、例えば国民生活基礎調査や社会生活基本調査といった既存の基幹統計調査等について、障害のある人を捉える設問を導入すること及びその場合の具体的な設問の在り方を検討することが望まれるとした。

これを踏まえ、2020年度以降、関係省庁において具体的な検討を行った結果、総務省では、2021年に実施した社会生活基本調査において、日常生活への支障の有無による生活時間の違いなどを把握した。また、厚生労働省では、2022年に実施した国民生活基礎調査において、ワシントングループ(国連統計部シティ・グループの1つであり、各国の政府統計局や障害に関する国際組織の職員によって構成されている組織)の設問により日常生活における機能制限の程度に関する状況を把握した。

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