第2章 障害のある人に対する理解を深めるための基盤づくり 8

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障害のある人に対する理解促進のための広報・啓発等の推進

8.公共サービス従事者等に対する障害者理解の促進

「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(平成25年法律第65号)では、国や地方公共団体等の職員に不当な差別的取扱いを禁止及び合理的配慮を義務付けている。障害のある人が地域において安全に安心して生活していく上では、公務員を始め公共サービス従事者等が障害及び障害のある人について理解していることが重要である。

警察では、新規採用及び昇任時の研修や警察署等における職場研修等の様々な機会をとらえて、障害者施設への訪問実習、有識者による講話等、障害の特性等への理解を深めるための研修を実施している。

刑務所等矯正施設に勤務する職員に対しては、矯正研修所及び全国7か所の矯正研修所支所において、各種研修を行っている。人権擁護、精神医学などの科目を設けて、様々な特性を有する者への適切な対応について講義しているほか、社会福祉施設における介護等体験実習を実施するなどし、障害のある人に対する理解を促進している。

地方更生保護委員会及び保護観察所に勤務する職員に対しても、新任の保護観察官を対象とした中等科研修など各種研修において、職員の経験や業務内容に応じ、障害のある人や障害特性に対する理解を深めるための講義等を実施し、障害のある人に対する理解の促進とその徹底を図っている。

法務省では、都道府県及び市区町村の人権啓発行政に携わる職員を対象として、その指導者として必要な知識を習得させることを目的とした「人権啓発指導者養成研修会」を実施している。障害のある人をテーマとした人権問題も取り上げており、障害のある人の人権問題を含む各種人権問題への理解と配慮の必要性を訴えている。このほか、検察職員、矯正施設職員、出入国在留管理庁職員及び裁判所職員に対する研修等に講師を派遣し、法執行機関及び司法機関の職員の人権問題に関する理解と認識を深めることに努めている。

日本司法支援センター(法テラス)では、本部の担当職員が公益財団法人日本ケアフィット共育機構が認定するサービス介助士の資格を取得し、新規採用職員に対する研修を始めとする各種研修で、障害のある人への支援の方法や、利用者の立場を理解した丁寧かつ適切な対応方法等の知識を伝達し、各地の取組につなげている。さらに、各地で取り組んだ障害のある人への合理的配慮等を行った事例を全国の職員間で共有することで、法テラス全体における職員の対応や事務所の環境の改善につなげている。

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