第4章 障害のある人がその人らしく暮らせるための施策 第1節 4
第1節 生活安定のための施策
4.施設サービスの再構築
(1)地域生活を支える拠点としての体制整備
障害のある人の意向を尊重し、障害者支援施設や精神科病院等からの地域生活への移行を促進するとともに、障害のある人の重度化・高齢化への対応や親亡き後を見据えるため、「基本指針」に基づき、市町村は、円滑な地域生活への移行・継続の支援と地域生活における安心を確保するために地域生活支援の体制整備を進めることとしている。
また、障害の重度化、高齢化、親亡き後を見据え、緊急時の対応や施設・病院等からの地域移行を担う拠点が必要である。このため、「障害者総合支援法」において、2024年4月から地域生活支援拠点等の整備が市町村の努力義務とされた。2025年4月現在、1,292市町村に地域生活支援拠点等が設けられている。
(2)障害者の地域生活支援と障害者支援施設の在り方
障害者支援施設入所者の地域移行を進めるため、厚生労働省では「基本指針」において、施設入所者数の6%以上が地域生活へ移行するという目標値を定めて地域移行を進めている。2023年度においては、障害者支援施設入所からの地域移行者数は1,408人であり、前年度の地域移行者数とほぼ同水準となっている。
更なる地域移行を進めていくため、2025年5月、厚生労働省において「障害者の地域生活支援も踏まえた障害者支援施設の在り方に係る検討会」を設置し、障害者支援施設の役割・機能等について検討を行った。同年9月には、障害者支援施設に求められる役割・機能、あるべき姿として、地域移行を支援する機能のほか、「利用者の意思・希望の尊重」として、どこで誰と、どのように生活したいか本人の意思・希望が尊重される意思決定支援の推進や、「地域生活を支えるセーフティネット機能」として、地域での生活が困難となった場合の一時的な入所、施設の有する知識・経験・支援技術等の専門性の地域への還元、緊急時や災害時における地域の拠点としての活用の推進等を取りまとめ、一定の方向性を示した。
精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に向けて、保健・医療・福祉関係者が連携して取り組むとともに、市町村及び都道府県が精神保健医療福祉体制の基盤整備等を推進することにより、精神障害者の地域移行や定着が可能となることから、障害福祉計画において、精神病床における1年以上長期入院患者数等に関する目標値を掲げている。
また、精神科医療機関、障害福祉サービス事業所、介護保険サービス事業所、自治体等の職員に対し、都道府県等が行う精神障害者の地域移行、精神障害を有する方等の地域生活支援の促進を目的とした研修等に対して予算補助を行っている。