平成17年度(第4回)バリアフリー化推進功労者表彰に寄せて

内閣府特命担当大臣 猪口邦子

この度バリアフリー化推進功労者表彰を受賞されました皆様に心よりお慶びを申し上げますとともに、皆様のこれまでの活動に対し、深く敬意を表します。

本表彰制度は、高齢者、障害者を含むすべての人が安全で快適な生活を送ることができるよう、社会のバリアフリー化を推進する観点から、バリアフリー化に関する優れた取組を広く世の中に紹介し、普及させることを目的として創設され、今年で4回目となります。全国から推薦された81件のさまざまな取組事例の中から、内閣総理大臣表彰が2団体、内閣府特命担当大臣表彰が5団体と1名の方に授与されました。

この中には、日常生活に欠かせないトイレ・浴室等の水まわり空間のバリアフリー化についての取組や、労働者団体、使用者団体、行政等の連携による障害者の雇用支援についての取組をはじめ、公共交通機関やペンションのバリアフリー化、博物館や住宅のバリアフリー化に関する情報提供等の活動、副音声・字幕を備えたバリアフリー映画の企画・製作など様々な取組が含まれています。全国各地で、幅広い分野において社会のバリアフリー化が推進されていることを改めて実感いたしました。

現在、我が国では急速に少子・高齢化が進んでいます。このような中にあって、活力と魅力に満ちた国づくりを進めるためには、年齢や障害の有無等にかかわらず誰もが社会の活動に参加・参画し、社会の担い手として役割と責任を果たすことができる社会の実現が求められております。

政府においては、平成16年6月、バリアフリーに関する関係閣僚会議において「バリアフリー化推進要綱」を定め、ハード・ソフト両面にわたる社会のバリアフリー化のための施策を進めているところです。

しかしながら、改めて我が国の現状を見ると、バリアフリー化に対する理解に欠ける企業行動も未だに見られるなど杜会のバリアフリー化により一層努めなければならない状況にあります。申し上げるまでもなく、バリアフリー化の推進は、行政とともに、民間企業、地域、家庭など国民一人ひとりがバリアフリー化の理念や必要性等に対する関心と理解を深め、社会全体で取り組んでいくことが必要です。今回受賞された皆様を始めとする多くの関係者の方々に、今後ますます御活躍いただき、社会におけるバリアフリー化推進の活動の輪が一層広がっていくことを期待いたしております。

最後に、審査に当たられた委員の方々、今回の表彰に御協力いただいた皆様に心より御礼を申し上げます。

平成18年1月
内閣府特命担当大臣 猪口邦子