第1章 高齢化の状況 

(2)高齢者の就業を取り巻く環境

ア 高齢者の雇用情勢は依然厳しさが残る
 高齢者の雇用情勢をみると、平成18(2006)年の完全失業率は、55〜59歳で3.5%、60〜64歳で4.5%、65歳以上で2.1%、また、有効求人倍率は、55〜59歳で0.59倍、60〜64歳で0.58倍、65歳以上で0.56倍となっており、前年(17(2005)年の完全失業率は55〜59歳で3.6%、60〜64歳で4.9%、65歳以上で2.0%、有効求人倍率は55〜59歳で0.49倍、60〜64歳で0.47倍、65歳以上で0.45倍)と比べ改善しているものの、依然として厳しいものとなっている(図1-2-47)。

図1-2-47 年齢階級別にみた完全失業率、有効求人倍率
図1-2-47 年齢階級別にみた完全失業率、有効求人倍率

イ 今後の高齢者の雇用予定を「未定」とする事業所が約半数
 今後の高齢者の雇用について、「増やさない予定である」とする事業者は36.0%となっている一方で、「増やす予定がある」は10.9%にとどまっている。増やさない理由としては、そもそも「高年齢者に適した仕事がない」が43.4%、「高年齢労働者に限らず、採用の予定はない」が40.6%、「体力、健康面で無理がきかない」が29.7%、「若年・中年層の雇用が優先される」が26.3%となっている。逆に増やす理由としては、「経験・能力を活用したい」70.7%、「高年齢労働者に適した仕事又は年齢に関係ない仕事がある」35.3%、「高年齢労働者を雇用することは時代の社会的要請である」24.3%となっている(図1-2-48)。
 また、「未定である」とする事業者が約半数を占めている。

図1-2-48 60歳以上の労働者の雇用予定
図1-2-48 60歳以上の労働者の雇用予定

ウ 50歳代の者の多くは仕事に必要な能力開発・自己啓発を行えていない
 50歳代の者の仕事のための能力開発・自己啓発の状況をみてみると、平成16年11月から平成17年10月までの1年間に「仕事のための能力開発・自己啓発をしなかった」とする者は、男性の50〜54歳で59.6%、55〜59歳で64.2%となっている。また、女性の50〜54歳で72.4%、55〜59歳で76.8%となっている(図1-2-49)。このように、50歳代の者の多くは能力開発・自己啓発を行っていない。

図1-2-49 50歳代の能力開発・自己啓発の状況
図1-2-49 50歳代の能力開発・自己啓発の状況

 こうした背景には、個々人が能力開発や自己啓発を行いやすい環境が整っていないという事情もあると考えられる。厚生労働省の「能力開発基本調査」によると、自己啓発の問題点として「忙しくて自己啓発の余裕がない」(47.6%)、「休暇取得・早退等が業務の都合でできない」(21.6%)といった回答が多い結果となっている。

 第2節 高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向

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