第1章 高齢化の状況(第2節1 コラム)

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第2節 高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向

コラム “地域デビュー”はおすみですか?

地域デビューは、子育て中のお母さんが子供を連れて公園で知り合いを作る「公園デビュー」にならって、親父版「公園デビュー」という意味で使われることもあるが、ここではより広義に年齢や、趣味、地域行事といった活動の内容を問わず、地域で行われている活動に初めて参加することを「地域デビュー」と考える。

地域デビューの状況を見てみると、「退職(隠居)してから」が30.7%と最も多く、次いで「子供が自立してから」(19.0%)、「子育てが終わってから」(14.3%)、「結婚してから」(12.6%)、「独身時代」(10.2%)、「子供を持ってから」(5.8%)となっている。

地域デビューのきっかけとしては、「友人、仲間のすすめ」が43.2%と最も多く、次いで「個人の意思で」(33.0%)、「自治会、町内会の呼びかけ」(22.8%)等の順である。

また、活動全体を通じて参加してよかったこととしては、半数以上が「新しい友人を得ることができた」(52.9%)、「生活に充実感がでてきた」(52.7%)と考えており、ほかにも「健康や体力に自信がついた」(35.1%)、「お互いに助け合うことができた」(30.8%)、「地域社会に貢献できた」(23.2%)等をあげている。

地域活動への参加意向については、半数以上が「参加したい」(「参加したい」と「参加したいが事情があって参加できない」の計)と考えている。ただし、近所づきあいをほとんどしていない人では約7割が「参加したくない」と回答している。

今後、人口規模700万人という「団塊の世代」が退職期を迎える。団塊の世代は都市化の象徴であるとともに、サラリーマン化の象徴でもある。団塊の世代の多くは、現役時代には生活の多くの時間を職場ですごしている。また、都市の特徴で地域とのつながりは必ずしも多くはなかったと考えられる。しかしながら、団塊の世代は、やる気もあり、地域貢献意欲も高い。団塊の世代の意欲・能力を最大限に活かすためにも、退職後にスムーズに地域デビューできる基盤づくりが必要である。同時に、現役時代から地域に関わることでスムーズな地域デビューが実現されると考えられる。

活動に初めて参加した時期
独身時代 結婚してから 子供を持ってから 子育てが終わってから 子供が自立してから 退職(隠居)してから その他 特にない
10.2 12.6 5.8 14.3 19.0 30.7 3.9 3.4
活動に参加したきっかけ(複数回答)
友人、仲間のすすめ 個人の意思で 自治会、町内会の呼びかけ 活動団体の呼びかけ 家族のすすめ 市区町村の広報誌をみて その他 特にない
43.2 33.0 22.8 8.0 7.5 6.6 2.2 2.6
活動を通じて参加してよかったこと(複数回答)
新しい友人を得ることができた 生活に充実感ができた 健康や体力に自信がついた お互いに助け合うことができた 地域社会に貢献できた 社会への見方が広まった 自分の技術、経験を生かすことができた その他 特にない
52.9 52.7 35.1 30.8 23.2 21.1 17.1 0.5 3.9
地域活動への参加意向
全体 参加したい 58.2 参加したくない 37.5  
(近所づきあいの程度)
親しくつきあっている 参加したい 66.0 参加したくない 30.4
あいさつをする程度 参加したい 54.6 参加したくない 40.8
付き合いはほとんどしていない 参加したい 21.5 参加したくない 70.6
内閣府「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査結果」(平成16年)
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