障害者政策委員会(第12回)議事録 2

○ 石川委員長 障害者基本計画は、昨年9月に第3次基本計画が閣議決定されました。

第2次障害者基本計画は平成24年度が最終年度となりました。そのため、第3次の基本計画の実効性ある実施並びに効果的な監視に資するために、第2次基本計画の実施状況についてフォローアップを行いたいと思います。

最初に、事務局から実施状況について簡単に御説明をいただきます。

○ 加藤参事官 それでは、事務局でございますが、資料1に基づいて御説明いたします。

資料1「障害者基本計画の推進状況」という少し大部なものでございます。これは第2次障害者基本計画の進捗状況をお示ししたものでございまして、平成15年度から平成24年度の10年間の進捗状況でございます。

この第2次障害者基本計画は、大きく8つの分野、1ページ目に書いてございます1~8までの8つの分野で取りまとめがなされております。

そして、1ページをおめくりいただきたいのでございますけれども、下の真ん中あたりに1と書いてございますが、8つの分野、1ページでは、1としまして「啓発・広報」という分野につきまして、左側のところにそれぞれの分野に基づいた項目、施策の基本的方向ということで①から②、③とか、あるいはさらに小項目がある場合はア、イ、ウと掲げてございます。その右側にそれぞれの項目別の具体的な施策の概要を文章で書いておるものでございます。

1ページ目で申し上げますと、最初の第1分野「啓発・広報」の分野の中で、①としまして基本的な方向ということで、啓発・広報活動の推進とございまして、その右側にその具体的な計画の説明が書いてございます。

さらに、この具体的な計画の説明は、それぞれ段落ごとに通し番号を打っております。したがいまして、この「① 啓発・広報活動の推進」の右側のところは、第1段落ということで共生社会の理念云々と書いてございまして、その大項目で見ますと2ページの2、3までが①の基本的な方向の具体的な計画の本文になっているわけでございます。したがいまして、2ページの真ん中にあります3というところ、これは障害者の日、障害者週間等の各種行事を中心に一般市民、ボランティア団体、障害者団体など幅広い層の参加による啓発活動を推進するという計画が書いてございまして、それぞれ関係省庁がどのように取り組んできたのかということを右側の推進状況というところに経年的に書いておるわけでございます。

例えば2ページでは、今、申し上げた計画の内閣府というのは下3分の1ぐらいのところに書いてございます。内閣府としてありまして、右側に○としまして、障害の有無にかかわらず、国民誰もが相互に人格と個性を尊重し、支え合う共生社会を目指し、障害者に対する国民の理解の促進を図るため、障害者週間行事として以下の事業を実施。特に平成17年度においては、障害者の日が障害者週間に拡充されたことを踏まえ事業を充実ということで、以下、平成16年度から年度ごとにまとめて、5ページを見ていただきたいのでございますけれども、5ページの上から3分の1ぐらいのところに「(平成24年度)」とありまして、最初のポツに平成24年12月3日、東京で「アジア太平洋障害者の十年(2003~2012年)」最終年を記念して「障害者フォーラム2012」を開催し、第1部で障害者関係厚労者・団体の内閣総理大臣表彰を実施。以下、4つほどポツが書いてございます。ここは内閣府が平成24年度に実施した事項ということで書かせていただいているところでございます。

少し概要を御説明させていただこうと思いますが、飛びまして9ページ、2番目の分野であります生活支援という分野で①の項目でございますが「利用者本位の生活支援体制の整備」ということで、その下にアとございまして、さらに細項目となっていまして、身近な相談支援体制の構築ということで、段落ごとに見ると通し番号の8という、身近な相談支援体制を構築するため、各種の生活支援方策を中心としてケアマネジメントの実施体制の整備やケアマネジメント従事者の養成を図る。なお、これらの相談窓口は、さまざまな障害種別に対応して総合的な運営を図ると書いてございます。

これを実施しておりましたのが隣の厚生労働省というところでございまして、その右側に推進状況ということで、最初の○には、地域の関係者によるネットワークを構築し、障害のある人が普通に暮らせる地域づくりを図るため、市町村に地域自立支援協議会を設置、そして、障害者自立支援法の一部改正により、自立支援協議会として法定化(平成24年度)からと書いてございます。

10ページに飛ばさせていただいて、幾つか○を飛ばしまして真ん中あたりに、障害者自立支援法の一部改正により、地域における相談支援体制の強化を図るための中心となる総合的な相談支援センター(基幹相談支援センター)を創設(平成24年度から)。

その下の○でございますが、障害者自立支援法の一部改正により、障害福祉サービス等の利用に係る支給決定プロセスを見直し、サービス等利用計画作成の対象者を大幅に拡大(平成24年度から)となってございます。

それから、また少し飛ばさせていただきまして、15ページでございますけれども、ここも同じ生活支援分野の在宅サービス等の充実というところでございまして「イ 住居の確保」というところで段落別の番号で申し上げると25でございますが、障害者の地域での居住の場であるグループホーム及び福祉ホームについて、重度障害者などのニーズに応じて利用できるよう量的・質的充実に努めるということでございまして、1ページめくっていただいて16ページの上のほうに「国土交通省」とございまして、公営住宅においては、障害者の地域における自立生活の支援等の観点から公営住宅法第45条第1項において、グループホームとして使用することが可能ということで、その実績が平成15年度末から毎年度書いてございます。恐縮でございますが、平成24年度は集計中ということでございますが、平成15年度末が342戸から、平成23年度で884戸という具合に増えておるという状況でございます。

また飛びまして恐縮でございますが、36ページで、今度分野が生活環境の分野でございまして、下の真ん中のところにありますが「③ 安全な交通の確保」ということで、通し番号の69「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」に関する法律に基づき、音響信号等のバリアフリー対応型信号機等の整備を推進するとございまして、これを警察庁のほうで動かしておりまして、右側のほうにございますが、主要な関連経路を構成する道路、その他整備が必要であると認められる道路において、バリアフリー対応型信号機を整備ということで、整備数は平成17年度末から平成24年度末まで3万7,279基といった進捗状況が書かれてございます。

1ページめくっていただきまして37ページでございますけれども、ここは中項目の「④ 防災、防犯対策の推進」というところで、真ん中よりちょっと上の「イ 住宅等の防災対策」というところで、一番下の75番、自力避難の困難な障害者等が居住する住宅及び避難所となる公的施設や利用施設等における障害者の特性に配慮した防災設備の整備・充実を図るとともに、自主防災組織等による協力体制の確立、地域における住民、消防署等による防災ネットワークの確立など地域における災害対策を推進するということで書いてございまして、関係省庁としては内閣府の防災担当の部署でございますけれども、○としまして、高齢者等の災害時要援護者の避難支援に関し、市町村を中心とした「災害時要援護者の避難支援ガイドライン」(平成18年3月)に沿った取り組みの促進に努めていると書いてございまして、中を抜いて下から4行目ぐらいのところ、また平成24年度予算を活用し、避難に関する総合的対策の推進に関する実態調査を行うとともに、有識者や当事者等からなる災害時要援護者の避難支援に関する検討会を平成24年10月から25年3月にかけて5回開催し、災害時要援護者の避難支援ガイドラインの見直しに当たり、盛り込むべき事項等について検討を行い、上記検討会の報告書を取りまとめたということが書いております。

少し飛びまして39ページでございますが、ここは分野では4番目の「教育・育成」の分野になりますが、①として「一貫した相談支援体制」ということで段落別で82番でありますが、障害のある子供の発達段階に応じて、関係機関が適切な役割分担の整備下に、一人一人のニーズに対応して適切な支援を行う計画(個別の支援計画)を策定して効果的な支援を行うと書いてございます。

関係省庁の文部科学省のところを見ていただきまして、上から3つ目ぐらいの○のところで、特別支援教育総合推進事業を通じて、個別の教育支援計画の作成を推進。これは平成23年度までということでございます。

そして、平成24年度からは、特別支援教育就学奨励費補助金、特別支援教育体制整備の推進により、引き続き体制整備を推進。

○ を2つ飛ばしていただいて、特別な支援が必要となる可能性のある子供及びその保護者に対し、早期から情報の提供や相談会の実施等、柔軟できめ細やかな対応ができる一貫した支援体制を構築するため、「早期からの教育相談・支援体制構築事業」を実施。平成24年度からということでございます。

少し飛びまして、48ページ、今度は「5 雇用・就業」の分野でございます。

「①障害者の雇用の場の拡大」ということで、アとしまして「障害者雇用率制度を柱とした施策の推進」ということで、通し番号の97でございますが、障害者雇用制度は、障害者の雇用促進策の根幹となる柱であり、障害者に自立や社会参加の機会を提供する強力な後ろ盾となる制度である。今後とも当該制度を中心として、障害者雇用の一層の促進を図るということで、厚生労働省のところをごらんいただくとわかりますが、民間企業等における実雇用率ということで、平成15年から24年まで6月1日のデータを一般の民間企業、特殊法人等の法定雇用率と、それから、その実績を挙げてございます。

49ページは、国及び地方公共団体ということで、国の機関、都道府県の機関、市町村の機関、都道府県等の教育委員会とそれぞれ実績を挙げております。

また飛びまして62ページでございますが、今度は雇用・就業等の場で総合的な支援施策の推進ということでイとしまして「雇用への移行を進める支援策の充実」ということで、通し番号の128でございます。また、障害者が、就業を行う上で必要な各種の資格の取得において不利にならないよう、高等教育機関等の試験等で必要な配慮を求めるということでございまして、関係所長のところの真ん中あたりに法務省とございますので、そこを見ていただければと思います。

右側の施策のところでございますが、司法試験においては、障害者がその有する知識及び能力を答案等にあらわすに当たり、その障害が障壁となり、事実上の受験制限とならないために健常者との自主的公平を図り、そのハンディキャップを行うために必要な範囲で措置を講じている。あと具体的なことをそこに書いてございます。

その次の○は、司法書士試験、土地家屋調査士試験及び簡裁訴訟代理等能力認定考査においても、同様な配慮をしておるということを書いてございます。

ずっと飛びまして83ページでございます。恐縮でございます。分野としては「情報・コミュニケーション」の分野でございまして、項目としましては「③ 情報提供の充実」ということで、通し番号の185、放送事業者の協力も得て、字幕番組、解説番組、手話番組など、障害者に配慮した情報提供の一層の拡充のための施策を推進するということで、ここは関係省庁の総務省のところを見ていただきたいのでございますが、最初の○のところに「身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律」に基づき、独立行政法人情報通信研究機構を通じて字幕番組、解説番組、手話番組等の政策に対する助成を実施ということで、平成15年度から平成24年度までのそれぞれ字幕番組助成件数、手話番組助成件数、解説番組助成件数というように数字を出していただいております。

また88ページまで飛びます。恐縮でございますが、分野別で見ますと「8.国際協力」という分野でございまして「① 国際協力等の推進」という項目で通し番号の190でございます。

ネットワークづくりや推進体制の整備により、リハビリテーション等の技術交流、情報の交換、技術指導者の養成等の国際協力を一層推進する。特に、アジア太平洋地域における国際協力に積極的に取り組むということでございまして、外務省が関係省庁でございます。

大きく3つ事業がございまして、1つは右側に○と書いてございますが、研修コースということで集団研修をそれぞれ実績が分野別にそういうような数字を掲げてございます。

次のページの89ページの真ん中よりやや下に個別研修ということで同様に国別の協力の実績を書いていただいております。

91ページのところでは、技術協力プロジェクトということで、やはりそれぞれ技術協力について書いていただいています。

少し飛びまして99ページのところでは、個別専門家派遣の下に拠出等というところで、途上国における障害者のためのリハビリ施設の整備等に対する支援あるいは途上国における障害者関連事業に携わる我が国のNGOに対する支援といったことをまとめていただいております。

最後のポツでございますが、国連障害者基金に対しまして253万円の拠出をされたということを書いてございます。

表の見方と合わせまして主だったといいますか、少し御紹介をさせていただいて、大部な資料で大変恐縮でございますけれども、説明にかえさせていただくということで御理解いただきたいと思います。

以上でございます。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

当初の予定では3時35分ですけれども、後でヒアリングもございますので極力この時間は守りたいと思いますので、皆様、御協力をお願いします。

それでは、御意見、御質問がある方は挙手をお願いします。お名前を確認します。名前を確認しますので、自分は言われなかったという人はこの段階でクレームをつけていただければと思います。いいですか。皆さんおろしてくださって結構です。とりあえず名前を言います。それで、もし自分も挙げていたと言ってもらえればいいので。まず名前だけ確認します。

土本委員、門川委員、竹下委員、阿部委員、伊藤委員、川崎委員、清原委員、後藤委員、尾上委員、関口委員、石野委員、ほかにいらっしゃいますか。佐藤委員、中西委員、ほかにいらっしゃいますか。では、中西委員までとします。

1人、2分ぐらいでお願いします。それに対して事務局のほうから1分ぐらいで。厳しい中でよろしくお願いします。

それでは、土本委員、お願いします。

○ 土本委員 ピープルファースト北海道の土本です。

全体的に意見というのはまとめていないのですけれども、今、資料を読み上げていると、すごく早くて追いつかない。周りに支援者がついてやっと文章を見たということは、やはりまだ知的は置いていかれているのかなと思いながら聞いて、どこでカードを上げようかと思っても、次から次へと出てくるということは、今後のことも含めてなのですけれども、何度も何度も言っているように、またそういうふうにやっているのかなと思いました。

以上です。

○ 石川委員長 御指摘ありがとうございます。

説明がどうしても早くなったり難しくなったりするという課題については、これからも改善の努力をしていきたいと思います。よろしくお願いします。皆さんの協力もお願いいたします。それでというわけにはいかないのですが、そのようなことでお願いします。

では、門川委員、お願いします。

○ 門川委員 門川です。

基本計画の状況報告を読ませていただいて、盲ろう者の立場で1点気になる部分がありましたので、簡単に質問をさせていただきたいと思います。

在宅サービス等の墨字で、報告書でいいますと19ページですね。その中の27番目「障害者が社会の構成員として地域で共に生活することができるようにするとともに」というところの中の厚生労働省担当の盲ろう者に関する部分です。

ここには通訳介助者派遣や通訳介助員の養成に関する報告と、それから、通訳介助員の派遣事業の実施状況に関する報告とがありますが、気になるのは、後者のほう、通訳介助員の派遣実施状況についてなのです。

というのは、通訳介助員の派遣実施、ここが平成22年度から全都道府県で実施していただいているのですが、それがなぜか次の年、23年度にはこれが45に下がり、さらにその次の年には24年度41に減っています。盲ろう者に対して通訳介助員の派遣が実施されないということ考えられないので、全都道府県で実施していただいて次の年から減っていっているというのがちょっと理解ができないのですね。ここについて厚生労働省の担当ですけれども、何か間違いがあるのかどうか確認をしたいと思います。よろしくお願いします。

○ 石川委員長 それでは、厚労省の幹事、今日はいらっしゃいますか。もし、おわかりになるようであればすぐに。

○ 厚生労働省 厚生労働省の障害福祉課でございます。

今の件ですけれども、担当部署が違うところがやってございまして、戻って確認をさせていただいて、事務局を通して御回答させていただくということでよろしゅうございましょうか。

○ 石川委員長 後ほど御報告いただければと思いますので、よろしくお願いします。

それでは、竹下委員、お願いします。

○ 竹下委員 竹下です。

大きくは1点で、細かく2点。

大きく1点は、こういう基本計画の実施報告の場合に、最近多く取り入れられている評価の段階的な達成度というものは出さないのでしょうかというのが大きな質問の1点目です。

項目的には2点。1点目は、教育の分野で、これは項目としてどれにというのは残念ながら立てられていないのですが、統合教育における推進と統合教育を受けての児童生徒への支援というものがどういう形で進展してきたのかということはどこに表現されているのでしょうか。

もう一点は、一番最後の情報のところで、今ページ数を探す前に順番が来てしまったのですが、項目を見つけられないので中身で言います。字幕あるいは手話に関するバリアフリー化の数字が出たりしているのですが、それに対して視覚障害者に必要な音声解説放送がこの基本計画内でどれだけ進展したのかについては報告されていないように思います。私の認識では後退しているように思いますので、この点の補足があれば御説明いただきたいと思います。

以上です。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

まず、各省の自己評価ですけれども、達成度についての記載がないというかなり一般的な話なので、これについてはどこにお聞きすればよろしいですか。内閣府でいいですか。

○ 加藤参事官 取りまとめは内閣府なものですから内閣府のほうでお答えしますが、あくまでもこれは推進状況の実態をお示ししたものだけでありまして、ある意味では進捗状況の客観的評価というは各省が出している数字、データをごらんいただくのかなと。それ以上に私どものほうで評価というところまでは踏み込んでおりません。

○ 竹下委員 今後そういうことをする予定はないのでしょうか。

○ 石川委員長 どうぞ。

○ 加藤参事官 第2次の障害者基本計画については、今のところ考えておりません。むしろ、こういうものを見ていただいて、次の第3次にどうするのかということで今回出させていただいたと御理解いただきたいと思います。

○ 石川委員長 今、加藤参事官がおっしゃったように、第3次のモニタリングというのは、権利条約の実施、権利条約に基づく監視なので、各国のモニタリングのやり方を先ほどせっかく御報告したので、それを参考にしながらということになると、おのずと方向性が出てくるのではないかと思います。よろしいでしょうか。

あと2点目、3点目、統合教育と字幕放送、文部科学省と総務省からもお聞きしたほうがいいですね。もし、今可能であれば。

○ 文部科学省 文部科学省でございます。

2つ目のお尋ねについてでございます。十分な答えになっていないかもしれませんが、先ほど内閣府さんの御説明からもありましたように、今回の計画は、いわゆる第2期の計画でありまして、平成15年~24年までの取り組みに関するものでございます。もし、不正確な御回答でしたら後で訂正いたしますが、確かに第2期の計画においては、いわゆるインクルーシブ教育システムというものに関しては、はっきり出てきていない部分があるかもしれません。第3期の計画におきましては、御案内のようにインクルーシブ教育システムについては明確に盛り込みまして、手前みそですが、うちの省で行いました政令改正でありますとか、そういったことについてはっきり記載して、今後取り組み状況をフォローしていくことになっているところでございます。

十分なお答えではないかもしれませんが、以上でございます。

○ 石川委員長 総務省のほうは可能ですか。

○ 総務省 では、総務省から答えさせていただきます。

ページ数が、多分おっしゃった分が83ページの185番、字幕放送、解説番組の関係になります。お尋ねが2件ありまして、解説放送の成果の数字がないということですけれども、185番の右側を見ていただきますと、字幕、手話に次の解説番組助成件数ということで、助成を行った本数のほうを挙げておりますので、こちらをご覧ください。

また、解説放送が後退しているふうな認識があると委員がおっしゃったのですけれども、解説放送も順次毎年伸びていっておりますので、その旨、お答えさせていただきます。

以上です。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

それでは、石野委員、お願いします。

○ 石野委員 石野でございます。

進捗状況についての見方がよくわからない面があるのですが、各省庁によって丁寧に具体的な内容を出しているところもあれば、簡単に出ているところもあるように思います。例えば30ページに、国立障害者リハビリテーションセンターにおける養成状況の言語聴覚士等について書いてあります。入学定員だけが載っていますが、実際に修了した人数が載っておりません。ぜひ教えていただきたいと思います。ほかの専門のところもそうです。警察庁と都道府県等でファクシミリやメール等が必要だと通知をしたというところは書いてあるのですが、その後についてが書かれておりません。どの程度実施できているのかお聞きしたいと思います。

以上です。

○ 石川委員長 細かい質問が続いておりまして、すぐに数字が出てくるかどうか定かでないので、もし後で御報告ということでもよければ、時間の関係もあるのでそれぞれ受けとめていただいて報告していただくという形でもよろしいですか。

○ 石野委員 承知しました。

○ 石川委員長 そうさせてください。お願いします。

では、阿部委員、お願いします。

○ 阿部委員 日身連の阿部一彦です。

質問は、まず9ページから始まる「2 生活支援」「① 利用者本位の生活支援体制の整備」の中で、最初に「ア 身近な相談支援体制の構築」とあります。具体的には、次の10ページの11というところになりますけれども、「障害者相談員が地域で生活する障害者の多様なニーズに身近で対応できるようにするため、相談者の養成・研修を行うとともに、相談員相互のネットワーク化等を図り、その活用を推進する」と、これはとても大事なことであります。

さて、この事業はそもそも昭和42年から始まっている事業と聞いておりまして、障害当事者が障害者、例えば私も身体障害者相談員をさせていただいております。そのような関係から、各地域の障害者相談員協議会の方々と意見交換する機会がありまして、実際には障害者当事者相談員、または家族の相談員の役割というか、委嘱が少なくなってきている事実があります。

どういうことかと申しますと、まずは、この制度自体が一般財源化したということと、以前は県知事の委嘱であったものが市町村長の委嘱に変わったということと、一般財源化の中で当事者・家族の相談員事業がもう既になくなってきた市町村もあるように聞いております。私は被災している地域から来ていますけれども、被災地において、特に著しい状況です。やはり当事者であるから相談できることというのは大きい意味があると思います。

この数値については、先ほどの御説明で、第2次障害者基本計画だからなかなか出ないということはありますけれども、第3次の障害者基本計画のモニタリングでは、実施の主体は市町村になっているもの、そして、市町村こそが、障害者がある私たちが生活する地域でありますので、国が示すこととともに、市町村における実態について報告いただきたいと思います。以前の状況から比べると、障害当事者相談員の任命ということであればすごく少なくなっているわけであります。そして、この委員会でも、または障害者権利条約においても、障害当事者の意見を聞く、障害当事者が主体的にかかわるということを踏まえますと、言ってみますと逆行しているようなこともあるのではないかと思いまして、現在、資料がもし入手できれば提出していただきますけれども、なかなか大変であれば、この次、そして、第3次のモニタリングのときにはしっかり当事者、障害者相談員の役割について、市町村の実態に関する数値もしっかり出していただきたいと思います。

回答があればですけれども、なければ次でもよろしいです。やはり市町村での数が大事ではないかという確認をさせていただきました。

以上です。

○ 石川委員長 今すぐには数字は難しいということなので、後ほど回答させていただきたいということですので、よろしくお願いします。

それでは、尾上委員、お願いします。

○ 尾上委員 DPIの尾上です。

3点ございます。

1つが、14ページの上のほう、施策項目21で、ホームヘルパーや居宅介護等の時間数やそういったことが書かれています。先ほど竹下委員からも評価しないのかという話がありましたが、評価ということではないのかもわかりませんが、少なくとも2007年のときに重点施策実施5カ年計画で数値目標を挙げた項目がございます。

例えばホームヘルプですと、平成23年までに522万時間という時間数、数値目標を立てていたのです。それに対して、この数字を見ますと、23年度ですと462万時間ということですので、数値目標に対して達成率88%なのです。同じように、こういったそもそも政府として決定をして数値目標を立てたものに対してどれぐらいの達成率なのかということは、これは客観的な指標として、進捗状況として、数値目標に対して達成率が幾らというのは記載されるべきではないかと思うのが1点でございます。

2点目が、後のほうになりますが、62ページの施策項目128番目ですが、各省庁における資格試験等での配慮についてのデータが出ていますが、こちらのほうは平成18年度までしか記載をされていません。こちらは今後、差別解消法、基本方針やガイドラインを施行していく意味でも、これらが現在どこまでこういった配慮がされているのかといったような数字が記載されるべきではないか。19年度以降のこういった配慮の情報収集をし、記載をお願いしたいというのが2点目です。

そして、最後、こちらはお願いということになるのかもわかりませんが、16ページでございます。施策項目でいうと25番目ということになるのですが、国土交通省のほうで、公営住宅でのグループホームの利用ということで、24年度まで出していただけるみたいなのですが、今回のこの資料ということではないのかもわかりませんが、加えて都道府県ごとの集計というのをお願いできないかと思います。

というのは、2010年のときに、推進会議のときに出していただいた資料では、非常に熱心にやっておられる自治体もあれば、全くゼロのところの県が17、つまり、3分の1の県が1箇所もこういった公営住宅の活用をしていないということで、全国的なデータだけ見るとちょっとずつ進んでいっているのだなとしか見えなくて、進んでいるところの好事例と同時に、進んでいないところはどうやったら進んでいってもらえるのかみたいなことがわかるような、いわば第3次計画を進めていく意味でも、こういった部分については都道府県ごとの集計ということをお願いしたいと思います。

以上です。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

3点ございました。1点目の重点5カ年計画の数値目標については達成度を記載すべきではないかという点について、内閣府のほうからありますか。

○ 加藤参事官 目標数のあるものにつきましては、御指摘のように割り算をしたいと思います。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

それから、2つ目が資格試験の配慮、18年まで、これも御質問ということで、尾上委員、よろしいですか。

○ 尾上委員 尾上です。

質問としては、なぜ18年度までしか記載されていないのかということと、差別解消法の実施ということから考えれば、現時点でどこまで伸びているのかということが分かるよう、19年以降の集計がされるべきだという意見です。

○ 石川委員長 これはあらゆる資格試験、どの資格試験ですか。

○ 尾上委員 まずは、進捗状況の中に書かれている40の資格試験ということについて、40制度についての実施状況というのが18年度まで記載されているので、40の制度について19年度以降どうなっているかをまず知りたいということでございます。

○ 石川委員長 では、これも内閣府のほうで。

○ 加藤参事官 40制度の見直しを行ったところでございますが、そのうちの18年度までに終了したものが31制度ということでありまして、その後は特に見直しというのはないと考えています。

○ 尾上委員 こういうことだと思うのです。制度の見直しは終了したけれども、こちらの例えば書類の変更であったり、点字をやるかどうかというのは制度そのものの見直しとは別の事項だと思うのです。つまり、その制度の見直しを受けて、じわじわと例えば点字試験のやっておられる制度がふえていっているのかどうか、そういったことを知りたいということなのです。つまり、差別解消法でいう合理的配慮、試験を受ける際の合理的配慮の19年以降の進捗状況を集約していただきたいというお願いです。

○ 石川委員長 それでは、これについては各省に照会して情報収集をしていただくという形でよろしいですか。可能であれば。

3点目ですけれども、都道府県別の統計が必要だという、公営住宅のグループホーム利用ということです。

○ 国土交通省 国土交通省です。

まず、資料では24年度の数値が集計中となっておりますが、きょう時点では数字がわかっておりますので、口頭で申しわけございませんが、申し上げます。24年度の数値は913戸ということになっております。徐々に全国ベースで見るとふえてきているということですが、委員御指摘の都道府県ごとの集計ということについては、どういうレベルで集計がされているのか確認をさせていただきたい。その上でどのような資料が出せるか調整させていただきたいと思っております。

以上です。

○ 石川委員長 ありがとうございます。

それでは、伊藤委員、お願いします。

○ 伊藤委員 難病・疾病団体協議会の伊藤です。

2点ほど簡単な質問をお願いします。

1つ、これは進捗状況の各省庁のデータというのは、各省庁のほうから自主的に行くのか、あるいはこの点はどうなのだということで質問が内閣府のほうからあってつくるのかということを聞きたいと思います。というのは、難病対策というのは始まったばかりで、間もなく法律になるのですが、やっと障害の仲間入りをしたばかりでいろんな比較するものが少ないせいなのか、この1年間だけれども、もともといろんなことをやってきたのではないかという気もするのですが、どんなふうにしてこれを集計しておられるのかということ。

もう一点は、担当の政策室のメンバーが変わったようですけれども、期限が来たということなのか、どういう経緯で変わられたのか。あるいは次の障害者基本計画の推進状況といいますか、進捗状況に反映するようなことなのかどうかお伺いしておきたいと思います。

○ 石川委員長 内閣府のほうから、加藤参事官、お願いします。

○ 加藤参事官 基本的にこの資料のつくり方は、分野別にそれぞれ項目①とかア、イ、ウとかございます。その中に幾つか長文の基本的な計画を書いているところは、段落ごとに区切ってそれぞれのところの段落に該当する施策があれば、事業の概要でありますとか、実績を示してほしいということで各省に協議をかけた、その結果出てきたものということでございます。

○ 石川委員長 ありがとうございました。2つ目はよろしいですね。

川崎委員、お願いします。

川崎委員 精神障害者の家族会の川崎です。

2つお願いをさせていただきます。

1つは、10ページの障害者相談員のところですけれども、実はずっとお願いしているのですけれども、この障害者相談員制度に精神障害者がいまだ制度化されていないというところをぜひともお願いしたいということと、もう一つ、やはり精神障害者の相談というのは大変に多く今ありまして、保健所でもなかなか相談体制ができていない中で、実態では私ども家族会が家族による家族相談ということをやっておりますが、全くボランティア体制でやっておりまして、家族会の会長宅の電話を使って家族会の会長宅でやるというような、そういう状況が続いておりますので、これはぜひともそういう家族会の家族相談に対する支援、何らかの制度化をお願いしたいということが1つであります。

もう一つは、29ページのところの専門職種の養成のところですけれども、実は毎年、精神保健福祉士は数がふえております。しかし、実は現場ではなかなか精神保健福祉士が動いてくれていない。といいますのは、卒業後、福祉の職種よりも一般企業のほうに行っているという状況をかなり聞いております。それはなぜかといいますと、お給料がいいわけですね。そういうところから、やはり優秀な福祉の専門職が現場に来ないというのは問題だと思っておりますし、これから相談事業が強化される中におきまして、かなり憂いていることでありまして、これは前からいろいろ言われていると思いますが、福祉職のお給料アップをしっかりとやっていただき、精神保健福祉士やほかの福祉の専門職がしっかりと現場で働けるような、そういうことをぜひ考えていただきたい、この2点であります。よろしくお願いいたします。

○ 石川委員長 ありがとうございました。御意見、御要望ということで承ります。

関口委員、お願いします。

○ 関口委員 全国「精神病」者集団の関口明彦です。

これを見ていますと、促進を図るとか、促進するとか、検討するとか、実施するとか、語尾が微妙に違うのですけれども、例えば13ページの障害者団体や本人活動の支援というところで、当事者による政策決定プロセスの関与等を支援することを検討すると書いてあって、右側には実施したことが書いてあるのです。その上の障害者の権利侵害等に対応するため、権利擁護システムを地域において導入していくことを促進するの右側には、精神障害者を成年後見制度利用事業の対象に追加と書いております。この追加したのは果たして当事者の意見を聞いたのかどうかというのが、まず第1に疑問でございます。

第2に、20ページですけれども、「当事者による相談活動に取り組む市町村への支援を検討する」と書いてあって、検討するにもかかわらず実施したことが書いてあります。つまり、語尾の問題ですけれども、努めるという語尾もあればいろいろあるのですけれども、右側に書いてあるのを見ると、研修後を実施とか何とかということで、ピアカウンセリングの位置づけ等も含めて、あわせて答えていただければと思います。

最後は、推進するということでございますけれども、73ページ、心神喪失等の医療観察法の問題ですね。これは適切な医療の確保や推進ということですけれども、これだけでは実態がわからないので2つほど聞きたいことがございます。1つは、指定入院医療機関がもう退院してよろしいといって退院請求を出したにも関わらす、裁判所で蹴られて戻ってきた件数が何パーセントぐらいあるのか。

第2に、指定入院医療機関が退院してよろしいといって、裁判所でそれが通って、しかし、そのまま精神保健福祉法上の強制入院になっている人が何パーセントぐらいあるのか。これは今すぐでなくても結構ですから数字をお示しいただきたいと思います。

○ 石川委員長 ありがとうございます。

2点目は後ほど数字をということで、1点目については今お聞きしたほうがよろしいですね。ピアカウンセリング等について、関口委員。

○ 関口委員 よろしくお願いします。

○ 石川委員長 もし可能であればお願いします。わかりました。きょうは担当幹事が欠席ですので、担当以外では答えがたいと思いますので、よろしいでしょうか。また後ほど回答させていただきます。

それでは、中西委員、お願いします。

○ 中西委員 中西由起子です。

最後の国際協力の部分での質問ですが、一番最後のページを見ていただくと「④ 障害者等の国際交流の支援」ということで、これですと障害者自身の国際交流というのは、スポーツ選手だけが国際交流の支援を受けているという形で出てくるのです。でも、実際には、例えば88ページから始まります研修等のところ、その後に続く専門家の派遣等のところで、障害者当事者自身が研修を行いながら交流に努める、たまは専門家がネットワークをつくりながら交流に努めるというような事業もあって、新しい当事者主体の国際協力の流れに24年度の事業を見てみると、対応している部分もかなりあるのですが、このままですと旧態依然の専門的知識の提供、障害者の有無は別として、専門家の派遣というだけで終わってしまっていて、当事者の主体性がある新しい流れというのが出てきていないのです。先ほど資料の作成方法について質問がありましたが、このようなさまざまなプロジェクト、出てきたもの一つ1つに、研修なら研修としてぼんとまとめるのではなくて、項目の「④ 障害者等の国際交流の支援」等で、もう少し新しい傾向に対応しているという形でのまとめができないものかと考えて、その可能性について御質問します。

以上です。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

きょうは外務省の幹事の方、いらっしゃいますか。

○ 外務省 外務省人権人道課の中野と申します。

これまでは、このように項目ごとに毎年の更新という形で実績をまとめておりまして、国際協力の関係部局のほうで、そういった交流について個別の案件がどこまで対応しているかというところまでは、基準設定も難しく、必ずしも見切れていないのが現状でございます。

今後については、今回、国際協力の担当部局の者がございませんけれども、そういう切り口ができるのかどうか相談してみたいと思います。

以上です。

○ 石川委員長 では、御検討をよろしくお願いします。

後藤委員、お願いします。

○ 後藤委員 日本福祉大学の後藤でございます。

第3次基本計画を念頭において、長い視点で3つコメントと意見です。

最初は、形式と体裁ですが、先ほど来御意見が出ていますように、やはり目標としたことと達成したことと対比してどうだったかが必要と思いますし、そこで特に大事なのは、個々の数字が割り算して何パーセントと書いていただくだけではなくて、総括ですね。各大きい項目か、中項目か分かりませんが、この項目をどう達成したかという総括、ここが大事ではないかと思います。これが1点目。

2個目は、権利条約との関係です。権利条約とこの3次の基本計画は同じものではないにしても、だんだん5年、次の5年とやっていくにしたがって、権利条約を横目で見ながら近づけていくという運用になると思います。そうしますと、何のために何を達成しようとしてこの基本計画を実施していくのかという視点が大事になると思います。その点、一個一個の項目ができた、できていないと余りいうと、各省庁も防衛的になるでしょうし、では、これを満たしたからオーケーだというやり方では、逆に全部満たしたけれども、権利条約から見るとそっぽへ行っていたという懸念が生じます。権利条約の視点からどうなっているという点も総括に入れていただくのが必要ではないかと思います。これが2点目。

最後ですが、先ほど来、自治体のことが出ましたが、事業者のこともあります。基本計画は非常に忠実に政府のお仕事ということで書かれてありますが、今後、権利条約への対応ということを考えますと、これは政府の仕事を総括・評価する場だから民は別だとやると二重になっていきます。インターネットが発達して放送に係る負担が減る、あるいは民のバリアフリーが進んで政府の負担が減るとか、相互に補い合うところも出てくると思います。よってトータルで何が達成できている、政府の目標が仮に達成できていなくても全体としてこういうことが満たされているというような視点も入れていただいてはどうかと思います。これは将来に対するコメントです。

○ 石川委員長 後藤委員、御意見ありがとうございました。

それでは、佐藤委員、お願いします。

○ 佐藤委員 佐藤久夫です。

今、後藤委員が言われたことと基本的には同じですけれども、2011年の障害者基本法の改正で、生活実態に基づく施策の策定と評価というようなことが入ったわけで、支援、予算をどれだけ投入したかということだけではなくて、それも大事なことなのですけれども、その結果、生活がどう変わったかということで評価をしようということで、この第3次の基本計画の議論もそういう流れでやってきたと思います。

その点で、内閣府のほうで国際比較の調査をされた中の資料、イギリスの資料などを読みますと、非常に興味深い指標を使っているということがわかりましたので紹介をしておきます。

例えば所得に関して、障害者のない世帯の中で占める低所得の人の割と障害者世帯の中での低所得の割合とを比較する。その資料に基づいて一定の期間内にどこまで近づいたかということの評価をするというようなことが書いてあります。

それから、教育に関連しては、非障害者の中でのニートの割合と障害者の中でのニートの割合を比べようということだとか、ヘルス・アンド・ウェルビィーングというか、QOLの関係では自分の人生に満足している人の割合がどうかということを比較しようということを言っています。すぐこういう調査を日本でもやるということは非常に難しいと思うのですけれども、むしろ新しい第3期の基本計画、この5年間を使って、そういう指標を開発するというようなことこそがこの政策委員会としては非常に重要な役割なのかなと思っていますので、拙速にどんどんすぐやるということではないですけれども、こういう観点での評価の仕方を日本にも定着するようにしたいものだと思います。

○ 石川委員長 佐藤委員、ありがとうございました。指標開発についての御意見、承りました。

それでは、最後だと思います。清原委員、お願いします。

○ 清原委員 ありがとうございます。全国市長会、三鷹市長の清原です。

私も第3次の基本計画のモニタリングに向けて幾つかの視点を問題提起させていただきます。

1点目は、先ほど阿部委員もおっしゃってくださいましたが、この基本計画を実現していく上では、担い手として都道府県、そして市町村という自治体がやはり役割を基本的に担っている部分があります。したがって、第2次までの基本計画については、各府省がみずから何をしたかということを中心にその内容をレビューされていらしたようですが、例えば都道府県にこのような指針を示したとか、都道府県を通じて市町村にこのような指針を示したということで、市町村の現場が進んだものが幾つかあります。

例えば基本的には情報提供で「情報バリアフリー」ということでいえば、総務省がもうこの計画の早い段階で市町村に向けまして「ホームページを点検する基本的な方向性」を示したり、あるいは「JIS規格」を改めていくというようなことを各府省協力して進められています。それは各府省がホームページをバリアフリー化しただけではなくて、やはり市町村、都道府県にも影響を与えています。そういうことがありますので、必ずしも主体として各府省が臨んだことでなくても、都道府県、市町村がその指針等を受けて改善してきたという方向があります。

あわせて、先ほど後藤委員も御指摘されたのですが、例えば自治体だけでも、国だけでも進められないものがあります。1つ例示いたしますと、鉄道においてエレベーターを駅に整備するとか、あるいはエスカレーターを整備することです。これは基本的に国の方針として定められていますが、財源としては、国だけではなくて、都道府県あるいは市町村、鉄道事業者が応分に負担してこの取り組みができます。ですから、市町村が計画に入れなければ、なかなか、ある駅はどうしても財源不足でできないというようなことがあり、法律で財源負担が示されているケースなどは事業が動かないということもあります。担い手がやはり民間の事業者と国、都道府県、市町村が連携することで成り立つというものもございますので、このような基本計画の「推進の担い手」というのが多様であるとき、今後、どのように計画の進捗状況を記載していくかというときに、それぞれの役割、あるいは実績が明確になるようなまとめ方が必要だというのが1点目です。

2点目に、これは多くの委員の皆様がさきの国際的なモニタリングの調査などを踏まえても御指摘ですが、どのように指標をつくっていくかというときに、自治体は法定計画として障害計画をつくり、3年ごとにこれまで更新してきたのですが、必ず実態調査として障害当事者の皆様の御意見をアンケート調査等、あるいはグループディスカッションなどで聞かせていただいています。そのときに、やはり、「定量的な指標」だけではなくて、いかに「定性的な指標」を入れていくかということを現場の市町村、都道府県は悩んでいるわけですが、今後、その第3次の基本計画を国の進捗状況を私たちがどう評価していくかというときに、市町村のデータの積み上げだけでもないでしょうし、都道府県の評価の積み上げだけでもないでしょうし、国としてマクロに指標を持って評価を総合的にしていかなければいけないし、地域の違いを尊重しながらも、全体としての進捗状況を正しくして、その中で不足しているところは補っていくことも必要でしょうから、「定量的な指標」と「定性的な指標」、つまり、府省がそれぞれに行政評価、政策評価の中で進められている御経験がもう10年余りあると思いますから、そういうところのヒントをいただきながら、私たちが評価していくときにどのような指標を集めることによって、網羅的には難しいかもしれませんけれども、それぞれの計画の1つの進捗状況は把握できるというものが生み出せたらいいなとも考えています。

最後に、基本計画を進めていくときには、やはり障害当事者の方、御家族の方、また関係の支援団体や、あるいは社会福祉法人やNPO等の皆さんがどれだけ一緒に計画を進めていくかということが大事ですし、実はその計画の中身を進めていく上でそういうお声が随所に上がってこなければいけないと思います。この政策委員会は当事者の方もいらっしゃるし、関係団体の方もいらっしゃるので、そのような仕組みはできていると思うのですけれども、ぜひ今後とも評価をしていくときに、多元的多層的な意見が有効に評価に反映できるような仕組みをこの政策委員会の皆さんと御一緒に考えていければありがたいなと思います。

それで、自治体が、私たちが評価していく上でも大いに参考にさせていただけるのではないかなとも思っています。

以上です。ありがとうございます。

○ 石川委員長 清原委員、ありがとうございました。

それでは、ここまでとさせていただき、休憩とします。3時50分から再開します。

(休憩)

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