障害者政策委員会(第15回)議事録 2

○ 石川委員長 再開します。事業者者団体の皆様を事務局から御紹介いただきたいと思います。

○ 加藤参事官 このパートでは、定期航空協会の事務局部長の西山様。

全国地域航空システム推進協議会事務局長の松井様。

日本旅行業協会バリアフリー旅行部会部会長の田中様、同協会の関様、立花様、長田様。

全国旅行業協会専務理事の有野様、同協会の若井様から御意見を伺います。

○ 石川委員長 皆様、お忙しい中御出席いただきましてありがとうございます。

それでは、最初に定期航空協会の西山様よりお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○ 西山氏 定期航空協会の西山です。よろしくお願いいたします。

本日はこのような機会を与えていただきまして、ありがとうございます。

まず、定期航空協会は、協会会員社数が13社、国内の定期航空を運送している会社で構成されております。航空運送事業に関する調査研究を行い、航空運送事業の健全な発展を促進することを目的に活動している団体でございます。

それでは、きょうは私から、お客様に飛行機を御利用していただくとき、航空会社がどういうことを考えているのかということを少し加えながら、基本方針に関するそれぞれの設問に対してお話をさせていただきたいと思います。

私のほうからは、資料に沿って御説明をいたしますので、資料の11ページ目からをごらんください。

まず、1-1、どのような場合を差別的取り扱いと考えるのかという点についてですが、私どもは障害があることのみを理由として、ほかのお客様と異なる取り扱いやサービスを提供しないといった場合は、差別的取り扱いに該当するものと考えております。

1-2のどのような場合に正当な理由があると考えるのかについては、航空機の安全やお客様の安全を脅かすおそれがある場合、全てのお客様に安心して快適な空の旅を楽しんでいただくことを目的とする場合には、正当な理由に当てはまると考えております。

例えば、こちらの記載の例では、日本の航空会社では一部、障害をお持ちのお客様に対し、非常口の座席を御利用いただけない、早めに空港にお越しいただく、つき添いの方の同伴が必要といったお願いをする場合がございます。しかしながら、これは私どもが差別的取扱いに当たらないと考えております。

この資料への記載方法としては、障害や車椅子に関連させて記載をしておりますが、この背景には、例えば非常口座席を御利用になるお客様に対しては、現在、搭乗されている他のお客様の安全を確保するため、緊急脱出の援助をお願いするということをやっております。こちらが2009年4月1日からの運用でございます。

また、お客様の同伴を求めていることについてですけれども、緊急時の対応などの観点からといった理由がございます。早めに空港にお越しいただくという点では、お客様の要望を理解し、どのようなお手伝いができるのか、また、それを受けて、係員間の正確な引き継ぎにもつながっていくものと考えています。

航空会社サイドのほうからすれば、定時運行への御協力のお願いの観点、そういったことも理由に挙げられます。

続いて、12ページに進みまして、1-3、どのような場合にそのような配慮が求められるのかということについてですけれども、安全運行、定時運行に影響を与えるおそれがない場合。全てのお客様と航空会社係員の安全を脅かすおそれがない場合。全てのお客様の快適性や利便性を損なうおそれがない場合。サービス要員や保安要員としての役割の範囲を超えない場合に、このようなときに障害の種類や症状が多種多様であることを認識して、お客様の要望に基づいたお手伝いに努めることが求められるのだと考えております。

続いて、1-4の過度な負担についてですけれども、こちらについては、航空会社とそこで働く係員の双方において発生するものだと思っております。民間航空会社として、時間や費用における負担は重いものになります。こちらの例としては、買い物など個人的な要望という注釈をつけておりますけれども、係員が長い時間拘束される場合というものを記載いたしております。限られた人員の中においては、他のお客様へのサービス提供に支障を来すという事象は、航空会社にとっては、過度な負担に当たると考えております。

1-5では、研修や教育の新しい取り組みとして、発達障害のお子様が航空機に乗ることができるようになるための練習セミナー、複数の航空会社が協働で社員向けセミナーに取り組む例という点を挙げております。後者のほうでいえば、航空会社によって対応が違うといったことが少しでも少なくなればと考えております。

13ページに進みまして、3-1、対応指針に関してです。

差別的取り扱いや合理的配慮の不提供に該当するか否かは、個々の事案ごとに判断されることとなっています。基本方針等において考え方が示された後でも、判断に迷う事例やトラブルになる事例が起こり得ると考えています。

対応指針においては、できる限り具体的な事例を明示していただきたいと考えています。その際に、航空分野において考慮いただきたい点がございます。米国の法律になりますが、航空アクセス法の整合性に留意する必要があります。これは、航空輸送に対し、障害を理由に障害のないお客様と異なる取り扱いを禁じた法律で、具体例も多く記載されております。2009年より米国に乗り入れる米国以外の航空会社にも適用されていて、日本国内においても既に同様の基準で運用している航空会社もございます。つまり、ルールや運用が二重基準とならないよう考慮いただきたいと考えております。

4-1、体制の整備という点ですけれども、判断に迷う事例やトラブルになる事例等について、事業者からの相談ということも今後想定されるものだと思っております。関係省庁の役割分担を明確にしていただくとともに、事業者との連携を密にとれる体制構築をお願いしたいと考えております。

私からの説明は以上で終わります。ありがとうございました。

○ 石川委員長 西山様、航空アクセス法との整合性をはじめとしまして大変貴重な御意見、ありがとうございました。

それでは、全国地域航空システム推進協議会の松井様、よろしくお願いします。

○ 松井氏 私は、全国地域航空システム推進協議会の事務局を務めさせていただいております松井でございます。本日はよろしくお願いします。

私たち全国地域航空システム推進協議会は、全地航の呼称で国の関係機関、地方公共団体、航空業界等の間で親しまれております。昭和58年11月に発足した任意団体で、小型航空機を活用した地域航空システムのあり方に関する調査研究を行うとともに、その推進を図ることを目的に設立されました。全地航は地域振興の視点から、地域航空システムのあり方の検討や推進を行う地方公共団体の団体でございます。全地航の賛助会員として、地域航空事業者11社が加盟しておりますので、今回は地域事業者の声を聞いてこの会に臨みました。

全地航は地方公共団体の団体ですので、地域事業者の声がイコール全地航ということではなくて、全地航事業者部会の意見ということになります。

意見書におきまして、正当な理由がある場合は差別とはならないとされる場合で例を挙げていますけれども、これは1-2になりますが、障害をお持ちの方が航空利用を御希望の場合に、個別にさまざまな対応をしております。したがって、個々にそのお客様の御要望に基づいてさまざまな対応をしているわけですが、その上で安全面であるとか定時運行等の理由でどうしても事業者として対応できない場合があるので、それは差別的な取り扱いではないと考えております。

加えて合理的配慮でございますが、お客様のさまざまな御要望に対して、搭乗飛行機に当たっての職員による手助けや筆談、読み上げ等の障害に応じたコミュニケーション手段による対応することは、合理的配慮だと考えております。安全運行、定時運行、空港従業者の役割を超えない範囲でのお手伝いは合理的配慮あり、これを超えるものが航空会社としての過重な負担となってくるのではないかと考えています。

それから、バリアフリーについてですけれども、地域航空は、20人乗りだとか、もともと地域航空の私ども全地航に加盟されている航空会社は100席以下の小型航空機の運航をしているコミューターであるとかコミューター以外の地域航空を運航している事業者でございますので、機材が小さいということがございます。この機材が小さいところは、例えば搭乗橋等に対応できないような空港がたくさんありまして、そういうところについては、なかなかバリアフリーがうまくいっていないというところもあるのですけれども、一部の事業者においては、パッセンジャーボーディングスロープを独自に準備するような計画もしていると聞いております。

それから、例えば1-2のおんぶ等での対応というのがございますが、これについて今のパッセンジャーボーディングスロープ等が小型機においては有効でございますが、リフター等での対応についても個々でしております。どうしてもおんぶの対応をしなければいけないときはあるのですけれども、おんぶについても、係員との接触が多くなるとかということがありますので、御本人の御意向を伺いながら、場合によっては前と後ろ、要は上半身を対応するもの、足を持たせていただくもの等で対応している場合もありますので、個々の対応については可能な限り実施しているということでございます。ここに書いてある1-2の①~⑥については1つの例として挙げております。

以上でございます。

○ 石川委員長 松井様、ありがとうございました。

それでは、日本旅行業協会の田中様はじめ皆様、よろしくお願いいたします。

○ 長田氏 日本旅行業協会の長田と申します。

まずはじめに、旅行業の登録制度と当協会、日本旅行業協会についてごく簡単に説明させていただき、次に発表されます全国旅行業協会と当協会との違いについて御理解いただければと考えております。

旅行業を行うには、旅行業法に基づき登録を受ける必要があります。旅行業の登録には、その業務の範囲によって第一種旅行業、第二種旅行業者、第三種旅行業者、旅行業者代理業者に区分されます。当協会の現在の会員数1,119社のうち半数以上の637社が海外国内旅行のパッケージツアーの企画募集販売ができる第一種旅行業者です。それ以外の正会員は、国内のみのパッケージツアーの企画募集販売の第二種旅行業者と、それよりより業務の範囲の小さい第三種旅行業者で構成されております。

この現行の登録制度は平成8年の旅行業法の改正で変更になったもので、それ以前は海外と国内旅行両方のパッケージツアーの企画募集販売ができる会社を一般旅行業者、国内のみのパッケージツアーの企画募集販売ができる会社を国内旅行業者といい、私ども日本旅行業協会の正会員となれるのは海外、国内を扱う一般旅行業者で、全国旅行業協会様の正会員は国内旅行会社となっておりました。

現在では、旅行業の登録区分によって加盟する旅行業界の指定はなく、旅行業を始める企業は自由意志で私ども日本旅行業協会、または全国旅行業協会のどちらか、またはいずれの協会にも加盟しないことを選ぶことができます。しかし、先に申し上げたような経緯から、当協会、日本旅行業協会の正会員は、海外旅行の取り扱いが中心か、または海外旅行専用の会社が半数以上あると考えております。

最後に、当協会は平成8年、社会貢献委員会の下にバリアフリー旅行を推進するために、バリアフリー旅行部会を設置し以来、会員旅行会社向けのバリアフリーハンドブックの制作やセミナーの開催などの活動を行っております。

引き続き意見記入用紙に基づいて報告させていただきます。資料の19ページをお願いいたします。

1-1、不当な差別的取り扱い基本的な考え方としてどのような場合を差別的取り扱いと考えるのかについては、旅行中の安全確保や参加者に対するサービス提供に問題が生じるおそれがないにもかかわらず、担当者の障害に対する知識不足や思い込み、事業規模によっては、周りにわかるものが少ないため、障害を持つお客様に旅行提案をすることができないまま旅行のお申し込みをお断りしてしまう場合などが考えられます。

当協会としても会員旅行会社に向けた活動として、業界向けバリアフリーハンドブックの制作、セミナーを行っているところではありますが、そのようなことがあります。

1-2、不当な差別的取り扱いの基本的な考え方として、どのような場合に正当な理由があると考えるのかについては、旅行契約上決められているサービス内容を提供できなくなることが明白な場合、例えば同じ旅行に参加する他の旅行参加者に対し、契約に基づいたサービスが提供できない場合や、障害を持つお客様だけでなく、全てのお客様の安全が確保できない場合などを考えております。

1-3、合理的配慮の基本的な考え方として、私どものほうは、観光庁が推進するユニバーサルツーリズムの観点が重要だと考えています。例えばパッケージツアーにおいて集合時刻、場所、注意事項等の案内を現在は口頭中心で行っておりますが、これを案内書面の配布に変えるなどの配慮をすることで、耳の不自由な方や高齢のお客様だけでなく、より多くのお客様に対して的確な案内が可能となります。

案内書面としてこのようなコミュニケーションカードを考えており、既に一部の旅行会社では対応しております。

資料の20ページ、1-4、合理的な配慮についてどのような場合に過重な負担と考えるのか、その判断要素をどう考えるかについては、以下の場合において過重な負担に当たるのではないかと考えております。

お申込み時に御案内したサービスの提供段階において、お客様の個別の事由により、専門要員を確保するなど、事業者に経済的な負担が生じる場合。医療行為や介助、介護のように、専門知識、経験が求められ、事業者が責任を持てない範囲の業務や、お客様御本人の身体状況を悪化させる懸念のある行為を行う場合。

1-5の事業者において障害を理由とする差別を解消するための取り組みとして望まれる取り組みについては、業界全体及び各事業者の従業員に対する研修や関連する情報の共有化を検討していきたいと考えております。

2-1の行政機関等が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置については特にございません。

資料の21ページ、3-1、事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置について、対応指針に記載すべき事項としては、不当な差別的取り扱いとなる行為の具体例や合理的配慮の好事例などの事業者が業務を行うに際し参考となる事項の記載を要望いたします。

4-1、その他障害を理由とする差別の解消の推進に関する施策の期待については、不当な差別的取り扱いとなる行為の具体例の提供や判断に迷うときの相談体制、窓口の設置を要望いたします。

4-2、障害者差別解消支援地域協議会については、特にありません。

22ページ、上記の質問のほか、基本方針の作成に当たり申し上げたいことが1つございます。旅行は、交通機関や宿泊施設、テーマパークなどの観光施設など、さまざまなサービスを組み合わせてつくられる商品です。訪問国が違えば同じサービスであってもお客様がイメージされるサービス水準と異なる場合もあります。また、旅行を取り扱う事業者は、小規模のものが多く、その運営形態や取り扱う旅行商品も多岐にわたります。

旅行業界として不当な差別的取り扱いに当たる行為の禁止や、合理的配慮を目指すに当たって、上記のような理由による一定レベルのサービス提供確保が難しい場合が想定されます。したがいまして、サービス提供に関連する各業界団体と連携して取り組む必要があると考えております。

以上でございます。

○ 石川委員長 長田様、ありがとうございました。

それでは、続きまして、全国旅行業協会の有野様、若井様、よろしくお願いします。

○ 有野氏 一般社団法人全国旅行業協会の有野と申します。よろしくお願いいたします。

私ども協会につきましては、先ほど御説明されました一般社団法人日本旅行業協会と同様でございますけれども、旅行業法に基づく登録を受けた旅行事業者が会員となりまして、その全国的な協会組織を持っております。

具体的には、全国の中小企業を中心とした旅行会社が会員のほぼ全体を占めておりまして、第一種、第二種、第三種という旅行業区分の中では中小企業が多い第三種の事業者が5,400社のうち約3,000社を占めております。

協会といたしましては、旅行業法に基づきまして、観光庁長官の指定を受けた協会でありまして、旅行業法の中での旅行者に対する苦情相談の受付事業、それから旅行会社に対する社員の指導事業、それから万一旅行会社が倒産などした場合における、既に支払われた旅行代金の弁済に関する事業、それから、旅行のより円滑な発展のための調査研究、このような事業を行っております。

また、障害をお持ちの方々が旅行の参加がより可能となりますように、バリアフリー旅行の推進など、ユニバーサルツーリズムの促進につきまして、観光庁の御指導のもとにJATAさんと協力しながら取り組んでおります。

これが協会の概要でございます。

それでは、本日の基本方針作成に関するヒアリングの意見という形で答えさせていただきたいと思います。

まず、「1の行政機関等及び事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する共通的な事項。」

「1-1、不当な差別的取扱いの基本的な考え方として、どのような場合を差別的取り扱いと考えるのか。」

答えといたしまして、今後検討してまいりますと書いてございますけれども、当協会の関係の委員会におきまして、具体的に法律の趣旨等を説明し、また議論を今後重ねていきたいと思っております。

現時点で私どもが考えておりますのは、障害をお持ちの方が、障害があることだけの理由で旅行に参加できなくなるような、このようなことは絶対あってはいけないと思いますので、先ほどのバリアフリー旅行の推進をはじめといたしまして、どのように円滑に旅行ができるか、その際の障害となる事項を今後検討してまいりたいと思っております。

それから、次の「1-2、不当な差別的取扱いの基本的な考え方として、正当な理由がある場合は、差別とはならないとされているが、どのような場合に正当な理由があると考えるのか。」ということでございますけれども、これは今後とも検討してまいりたいと思いますが、やはり旅行というのは、旅行に参加される方全員の一定の行動が必要になると思いますので、そのような旅行の企画そのものが可能とならないような場合、逆に言えば、それが困難な場合に正当な理由があるということが考えられますが、この点につきましては、具体的事例を今後検討してまいりたいと考えております。

次の「1-3、合理的配慮の基本的な考え方として、どのような場合にどのような配慮が求められると考えられるか。」ということでございます。旅行につきましては、私どもの会員の旅行会社が旅行の企画を行いまして、それに旅行参加者の方々がいらっしゃいます。その意味では、その参加される方皆さんが障害者の方が円滑に旅行にお出かけできるように、お互いに助け合うという環境づくりが必要であると思います。今後具体的にどのような場合かということは検討していきたいと思いますけれども、同じスケジュールに基づいて円滑な行動ができるような旅行というものが必要となりますので、旅行の案内等のコミュニケーション手段をできるだけ多様化することとか、また、当然旅行につきましては、交通でありますとか、宿泊でありますとか、いろんな交通手段や施設を利用するということがございますので、そういった施設の情報を事前に把握して正確にまた提供していくこと等が考えられますが、この点については、今後具体的に考えていきたいと思っております。

それから、「1-4、合理的配慮に関する実施について「過剰な負担」の判断要素をどう考えるか。」という点でございます。これは23ページをごらんいただきたいと思います。旅行会社といたしまして、過度な費用負担が発生する場合や旅行の実施が困難になるような場合には、「過剰な負担」となるのではないかと考えておりますが、その過度な費用負担というものはどのようなものかという点につきましては、今後より委員会等におきまして検討してまいりたいと思いますけれども、当然旅行につきましては、経済的な負担というものを伴っておりますので、経済的負担が通常の障害をお持ちの方固有の理由で負担していただけるかどうか、どこまで御負担をお願いできるかといった点での費用の負担問題でありますとか、また旅行実施の際の健康状態等の点につきまして、どのように確保しながら旅行を実施するか、こういった点についての具体的な事例づくりがあった上での判断要素が求められると思います。

「1-5、各行政機関等及び事業者において障害を理由とする差別を解消するための取り組みでございますけれども、今回の基本方針の作成に当たりましては、諸外国の事例等も研究された上でつくられると思いますけれども、やはり先進的な取り組み事例等につきまして、私どもできるだけ情報を得まして、また、旅行会社の職員の研修等にいろんな啓発、法律の趣旨が徹底されますように、啓発活動が必要になると思われます。

「2、行政機関等が講ずべき措置」でございますが、こちらにつきましては、当方の事業者という立場で特に現在申し上げることはございません。

「3、事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する基本的な事項」でございますけれども、不当な差別的取り扱いとなる行為でありますとか、合理的配慮、またトラブルが発生した場合の対処方法など、各旅行会社の従業員が業務を執行するに際して参考となりますような共通の事例等のルールづくりが私どもとしても必要になると思われますので、この点につきまして関係の委員会におきまして検討してまいりたいと思っております。

次の25ページでございます。「4、その他障害を理由とする差別の解消の推進に関する施策に関する重要事項」でございます。

「4-1、体制整備、啓発活動、情報収集についての期待」でございますけれども、先ほどと同じでございますけれども、諸外国の先進事例等に関する情報の御提供をいただければありがたく思います。また、私ども事業者が具体的な御相談をするような窓口があれば、それもありがたいと思います。

「4-2、障害者差別解消支援地域協議会の機能、取組みへの期待」でございますけれども、各地域の協議会の活動内容につきまして、情報の御提供をいただきまして、その皆様の協議された事項等についての会員への周知等を行ってまいりたいと思います。

「5、上記以外の事項で基本方針作成に当たり留意点、整理すべき点について」でございます。昨年法律が成立してから1年余り、間もないということでまだ短いということではございませんけれども、やはり法律の施行までの間に、広く旅行者である国民全体にも法律の趣旨がより周知されて、障害をお持ちの方の旅行参加が円滑にできるように私ども取り組んでまいりたいと思っております。その意味でも、広報、啓発活動の充実が大切だと考えております。

以上でございます。

○ 石川委員長 ありがとうございました。以上、4団体から御意見を頂戴いたました。

それでは、委員の質問を受けたいと思います。今度は向かって左側、三浦委員から大日方委員までで、まず最初に。

では、最初に石野委員、お願いします。

○ 石野委員 全日本ろうあ連盟の石野でございます。

今、それぞれの団体から非常にいい取り組みの事例について、今後差別事例についての検討、また判断に迷う場合の対応を考えるというお話もいただきました。全日本ろうあ連盟としましては、現在、全国的に調査を始めているところです。聴覚障害者の差別事例について集めております。また、合理的配慮の好事例も含めて、9月20日に締め切りですので、今後何らかの形で御報告を申し上げられると思います。さて、聴覚障害者の場合、旅行の趣味を持つ方が非常に多くおります。例えばハネムーン、家族旅行、または団体旅行、さまざまな形態の旅行があります。旅行会社と契約する上で、聴覚障害者とわかると申し込みを拒否をされるという例が、一度だけではなく本当に何度も起こっております。その場合、旅行会社と交渉をしますが、なかなか聴覚障害者だけの参加を認めていただけない。そこであきらめてしまう人もいます。

旅行会社としては、聴覚障害者に対して対応ができないから必ず手話のできる人を同行してほしいと言われます。それだけではなく、窓口でも筆談ではなく、やはりまた通訳者の同行がないとなかなか柔軟に対応できないということがたくさん出てきております。

そういう意味で、差別事例をさらに把握し、対応すべきだと思っております。別に、障害者だけの専用の旅行プランというものも合理的配慮の一つでありますが、サービスの内容も一般に比べると費用も高めになっています。また、障害者にとっても経済的な負担を強いられるという面がありますので、いかがなものかと思っております。

以上です。

○ 石川委員長 ありがとうございました。石野委員からのお立場からすると不当な差別的取扱いになるのではないかという御指摘でありましたので、後ほど2つの協会のほうからの御意見をいただきたいと思います。

それでは、平川委員、お願いします。

○ 平川委員 平川です。

私、精神科の病院の院長をしておりまして、精神科の患者さんのことについて御質問させていただきます。

精神障害の患者さんたちは、飛行機に乗れるのか、乗れないのかということで大変にハードルを高く感じております。今、非常に薬物療法が進歩しておりまして、普通に仕事をされている方もいらっしゃいます。現に私の患者さんで韓国のプロジェクトのチームリーダーになっていく統合失調症の患者さんがいらっしゃいました。一度も飛行機に乗ったことがないけれども、仕事で行かなければいけない。そのときに、自分がこの病気を持っていることで飛行機に乗れるのだろうかということで大変悩まれました。結局、病気であることを伏せて乗られていきましたが、大変そのときのハードルの高さに偏見といいますか、差別を私自身も感じて、どうしたらいいかということで一緒に悩んだことがございます。

この中に自傷他害のあるような場合は乗れないということで特に差別はないというような考え方のようですけれども、自傷他害があれば、これはもう入院していただくようなぐらいの悪い方ですので、通常、町で暮らされている精神障害者の多くは大変何かしてはいけないのではないかと、自分がこれをしたらいけないのではないかということで常に内向している方が多いので、ぜひ飛行機を乗るときの割引を、精神を広げてどうぞ乗ってくださいというような御意見、意図をまず出すとかして、ぜひもっと社会に参加していただけるような形にならないかなと願うところでございます。

精神障害者の方が飛行機にどういう状況で乗れるのかということについての基本的な考えについて御質問したいと思います。

以上です。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

それでは、野澤委員、お願いします。

○ 野澤委員 毎日新聞の野澤と申します。

今もいろんな御意見がありましたけれども、例えば知的障害の方についても、旅行を断られるとか、旅館やホテルで宿泊を断られるとか、あるいは飛行機についてもいろんな苦情といいますか、サービスを利用するに当たっていろんなことが過去にいろいろありました。余り最近聞かないのですけれども、でも、ときどき耳にしたりします。

私は、4-2の障害者差別解消支援地域協議会についてお尋ねしたいのです。今、このモデル事業をやっていて、私もこのモデル事業の設計に携わっている者なのですが、多分これはどういうものなのかと皆さんよくわかっていないというか、我々もよくわかっていないので何とも答えようがないだろうなと思って見ていたのですけれども、これは都道府県とか市町村ごとにこういう協議会をつくってもいいという法律の書き方で、これがつくられていくはずなのです。

具体的なそれぞれの乗り物に関する、あるいは旅行に関する苦情というのは地域協議会に来るのです。それぞれの都道府県や市町村のですね。そうしたときに、地域協議会が中に入っているのは国の地方機関とか法務局だとか労働局だとかそういう関係機関が集まるのですが、そういう旅行や飛行機についての苦情が来たときに、一体どこに対してこちら側は、地域協議会は相談に行ったらいいのだろうか、一緒に考えていただけるのだろうか。

例えば国のそれぞれの関係の監督官庁の地方機関というのはどこなのかとか、あるいはそれぞれの業界団体に地方機関のようなものがあるのか。ないとすると、それぞれの地域協議会が直接この協会さんにお話を持っていくしかないわけですけれども、そういう対応が可能なのかとか、できれば密に連絡をとりながらソフトな解決をできれば一番いいと思っているのですけれども、そういう今後の協力体制について、こちらからどんなふうなことが考えられるのかということを知りたいので、今の現時点でもしお答えできることがあればいただきたいと思います。

以上です。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

それでは、辻井委員、お願いします。

○ 辻井委員 中京大学、日本発達障害ネットワークの辻井です。

発達障害で断られるというようなことは今も野澤さんと全く重なるのですが、減ってはいるのですが、中身の問題というので、まずは飛行機に関連しては発達障害向けのセミナーなどが動き出しているというのは大変すばらしい話でありがたいことだと思っております。

旅行と飛行機と両方重なってなのですが、やはり感覚の問題というのが一般と少し違うような場合の方たちというのがいて、1つは気圧についての感じ方というのが少し違うので、ちょっとした気圧の変化のところで体調が崩れてしまう。子供などだとぎゃーと泣き出してほかのお客様も結果的には困ってしまうというようなことは実際にはかなりあって、ですので、本当に耳抜き、鼻抜きみたいなことの講習を特別なセミナーでなくても普通の対応としてキャビンアテンダントの方なり、あるいは事前の乗るところでシートベルトをつけましょうなどというのと同じようなところでアナウンスをしていただけると、本人たちにとっても、周りのお客さんにとってもよりよいことにはなるのではないかなということは思います。

それから、旅行業と飛行機と2つの協議会という形で来ていただいているのですが、ぜひ共有化していただけると大変ありがたいかなと思っております。旅行のほうは今度食事のほうで偏食で、結局旅行に行ったのだけれども、食べる物が食べられなくて白飯を食って帰ってきたという、御飯に塩をかけて食べてきたという話は聞くわけで、そういう意味では情報としてバイキングなのかそうでないのかとか、選べるのか、選べないのかとか、もしどこまでの特別な対応というのが旅館なり民宿なりのほうで対応ができるのかといった情報というのがきちっと提示されるということは旅行しやすく上では大事なことではないかなと思います。意見です。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

それでは、玉木委員、お願いします。

○ 玉木委員 玉木と申します。よろしくお願いします。

定期航空協会さんと全国地域航空システム推進協議会さんに共通して感想、意見かなと思います。私も電動車椅子ユーザーで、航空機利用にあたり、いろいろと経験をしておりますが、すので怒らないように丁寧に説明していただきたいなと思っています。

まず1点目は、定期航空協会さんの書いていただいているものの1-2です。例えば車椅子利用の方は1時間前に来てくださいということも、それはもう時間がかかるから仕方がないかなと思って、私は行くわけです。ところが、早めに行っても、航空会社及び受付担当者で対応が全然違う。私自身同じ車椅子に乗っていても、バッテリーの取り扱いについても下手をすれば4カ月周期で変わることもある。あるときは、持ち込みはできませんと言ってみたり、3カ月後には、お持ち込みくださいと言ってみたり。さらに、手荷物検査場の職員も航空会社と別組織であるということで、あたかも私が危険物を持ち込むような感じで、バッテリーのチェックをするのに10分ぐらいかかるのですね。ここに書いている意味合いと、実際現場で扱われている対応というのが全然違うということをまずは御理解いただきたいなということ。

それに伴って、定期航空協会さんの書いてある1-4の過重な負担ということ。例えばカウンターで車椅子を預ける際、航空会社の車椅子で地上係員に押してもらっていくわけですが、済みません、トイレに寄ってくださいとか、済みません、ちょっと弁当を買っていいですかというところまで、ここで行くと過重な負担と言われてしまったときに、それなら、車椅子に乗っていたらおしっこを我慢しなければいけないのかとか、朝一の飛行機だから、やはり朝弁を買って乗りたいなとか、実際はあるわけです。そういうことも考慮していただいた上で、こういう文書を出していただく際は慎重に出していただかないと、誤解が誤解を生じて、せっかくいい社会というかいい形をどうやってつくっていきましょうかということをしゃべっているのに、余りよくないのかなというのが1点。

もう一点は、日本旅行業協会の方が話の中で、全ての人の安全を確保できない場合は一定我慢してちょうだいねみたいな聞こえ方がするわけです。でも、全ての人というと、障害ある人も含めて全ての人だとしたら、この表現も、あれ、どういうことなのかなというふうに捉えて、そこら辺の誤解を解いていただければありがたいなと思います。

以上です。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

ここで大分出ましたので、1つは、まず精神とか聴覚とか、減っているとはいえ知的、場合によっては発達障害も含めて、パッケージツアーあるいは飛行機への搭乗を断られることがあり得ると、この点について。

○ 西山氏 定期航空協会の西山と申します。

まず、石野委員から御発言がありました、手話ができるスタッフ、それから筆談者等のお話がございましたけれども、航空会社のほうでも手話が全員できるカウンターの係員とか、それの確保を完全にできているかという状況にはないのも事実だと思っておりますが、少しずつではありますけれども、手話ができる方を置くというような工夫をしているという報告事例も聞いておりますので、環境としては、今できることは筆談ボードを使って受付をしていくというようなことは各空港飛行機の中でもございますので、そちらを使っていくのが今すぐできることなのかなと感じております。

平川委員からございました飛行機に実際乗れるのかというところでございますけれども、航空会社がお客様の症状を見て判断するというのは非常に難しいものがあると思っておりまして、私どもが判断を非常に困るというところにおいては、お医者様からの航空機の御旅行が可能であるという、お医者様としての見地から判断をいただくというのを頼りに御搭乗いただくという制度をとっているところがございます。こちらが診断書の提出を求めるというところとひもづいてくるわけでございますけれども、航空会社がどうしても単独では判断できないというところについては、その辺は御協力をお願いしたいということと、病気の症状というのは人それぞれ重いもの、軽いもの、あろうかと思います。飛行機旅行というところを考えて、次の御質問で気圧が違うというお話ももしかしたら関連するかもしれませんけれども、飛行機旅行が大丈夫なのだということを御本人の方にお話しいただいてあらかじめお話しいただいておく、そういった情報を航空会社のほうにもお伝えいただくということで、今、本当に乗れるのだろうかという単純な疑問、そこからは一歩踏み出していけるのかなと思っておりますので、私どもが病気、病名によって搭乗を拒否するということは全くございませんので、その日の体調、やはりだめなときがあるのかもしれません。そういうことをお客様のほうで判断していただくということも必要になろうかと思っています。

それから、発達障害のところで耳抜き、鼻抜きなどの御指摘をいただきました。申しわけありませんが、紹介はしましたけれども、細かいセミナーの中身まで踏み込んで私で把握していませんので、何とも解説できませんけれども、御参考にさせていただきたいと思います。

車椅子をお預かりする件、玉木委員からございましたけれども、途中のお話の中では、バッテリーの取り扱いも一部入っているのかなと感じました。飛行機でバッテリーによっては、航空機に持ち込めない、輸送ができないといった案件にもなるものがございます。また、車椅子によっては、特殊なカスタマイズをされていて、取り外しがスムーズにできないものとか、そういった一般市販されているものではないもの、こちらが手続としては非常に時間がかかるものだと思っておりますので、係員のほうの教育というところも頑張ってまいりますけれども、その車椅子の取り扱いということに関して御助言いただければ、それに合わせて対応は可能なのかなと思うところがございます。

一部、モデル事業についてです。地域協議会のモデル事業について、協力、連携体系をどうしていくかというところでございますけれども、私ども先ほどのお話を聞いて直感的に思いましたのは、都道府県、市町村、それぞれでつくられていったときに、それぞれから私ども協会のほうに問い合わせが入るという状況も対応するには難しいのかなと思っておりますので、どこで一元的に集めて、どこで調整をしていくかという仕組みづくりというところで知恵を出していきたいと思っておりますので、すぐアイデアはないところではございます。

○ 石川委員長 ADRみたいなものはやってらっしゃいますか。いわゆる司法外の紛争解決の仕組みのようなものは協会としては持ってらっしゃいますか。

○ 西山氏 いえ、そういった仕組みは特に持っていないです。

私が書きとめたメモに対しての意見は以上でございます。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

それでは、日本旅行業協会様、お願いします。

○ 田中氏 では、日本旅行業協会バリアフリー旅行部会の田中と申します。

御質問の全てが旅行業に関してではないかと思いましたので、こちらで確認できたところとして、まず最初に石野委員から御指摘がございました聴覚障害の方の御旅行参加の拒否というところについてなのですけれども、この問題は確かに我々としても認識をしておりまして、こういう事例があるというような認識はしてございます。

それに対して、当バリアフリー旅行部会としては、やはりそういった問題を改善すべく、先ほど少し御説明しましたハートフルツアーハンドブックというもの、コミュニケーションカード、こういったものを全て日本旅行業協会のホームページに掲載し、どの会員会社でも取り出して使えるようなある種マニュアルですとか、このコミュニケーションカードはお客様にスケジュールを御案内するとか、例えば注意事項を御案内するというものをつくっている。こういったものを使って、そういった聴覚障害の方々の御参加をより積極的にというようなアプローチをしております。私どもの宣伝がまだ十分でないので、こういう活動をしていてもまだ周知されていないところが残念なところですけれども、そういう形で会員会社に対してより前向きに対応するようセミナーも行っております。

先ほど別のお話で、辻井委員の御指摘、航空協会との協調ということについては、バリアフリー旅行部会が会員会社向けにやっておりますセミナーでバリアフリーのセミナー、こういったお手伝いの必要なお客様、御高齢のお客様、こういった方々の受け入れの仕方について、実は航空業界と一緒にセミナーをしているという事実もございますので、引き続いてこれについては前向きにしていきたいと思っております。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

それでは、全国旅行業協会様のほうに、今の御意見と重なる部分は割愛してくださって、何かそれ以外にもし特にございましたらお願いいたします。

○ 有野氏 そうしますと、先ほどの協議会の関係でどのように対応したらという御質問を野澤委員様からいただきまして、私ども、この障害者差別解消支援地域協議会につきましては、国と地方公共団体の機関が構成員となっているということで法律が定められております。そういう意味で、国の地方機関でありますと旅行、観光に関しますと、地方運輸局が関係しているのではないかと思いますが、そのような機関が参加されているようであれば、またそちらのほうを通じまして、観光庁さんのほうからも私ども協会のほうに情報がいただけるのではないかと思います。そういった形で、この協議会におきまして課題となった時点、いろんな問題の解決をすべき事項がございましたら、観光庁のほうからも情報をいただきながら、日本旅行業協会さんと一緒に検討していきたいと思っております。

以上でございます。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

時間が予定よりも超過しておりますが、私の向かって右側のほうにまだ発言の機会を提供していないので、御意見はなしで、御質問だけということにさせてください。簡潔に、一番重要な質問だけ。

では、阿部委員、まず。

○ 阿部委員 日身連、日本身体障害者団体連合会の阿部といいます。

私は、下肢障害がありまして、この頃は搭乗前に、杖を所持して待機していると何かお手伝いすることがありませんかと合理的配慮を言い出しやすい仕組みを航空業界さんがなさっていて、とてもありがたいことだと思います。

それで、私の場合、途中、小さい飛行機を利用する場合には、バスで移動するときがあり、車内で座れないとたいへんです。これまでの経験から、そのことを自分は下肢障害者でバスで移動するときに大変なのだというお話をすると、もちろん、そこの乗るところでも配慮してくれますけれども、これは到着のところでも配慮してくれる場合もあれば、実は私がうまく伝えられなかったのかもしれませんけれども、到着した空港ではその配慮がなくて困ったというようなこともあります。これは恐らく過重な負担にはならないと考えられますので、この連携をうまくとっていただくことは私たちにとってとてもありがたいことだと思います。

それから、もう一点、きょうは該当するのかどうかわかりませんけれども、保安検査場で補装具を利用していますと、金属が入っていますので止められてしまいます。保安検査していただくのですけれども、そのことによって、後ろから続く方々がストップする場合と、検査をしながらでもスムーズに流れる場合があります。やはりストップになると私たちも心の負担がとても大きいので、保安検査が航空会社さんなのかどうかもわからないのですけれども、その辺のところ、保安検査をしていただくのは構いませんけれども、そのことによって搭乗手続が、保安検査の手続が停止してしまうと、私たち自身の心の負担も大きいので、その辺についても空港会社そのものなのか、旅行会社でもないのかもしれませんけれども、空港設備の会社になるかもしれませんけれども、合理的に配慮していただけるようになればいいなと思っています。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

では、河井委員、お願いします。

○ 河井委員 手短にお話しさせていただきます。河井と申します。

私は肢体不自由者父母の会の会員でおりまして、重度重複の子供たちが多くおります。そうすると、排泄のコントロールができずにおむつを利用している者が大変多くございまして、通常の生活範囲ではどこでおむつがえができるかということは把握しているのですけれども、観光地に行きますと全くわからない状況があります。ですので、旅行業界の方におかれましては、そういった観光地でおむつがえのできるベッドのあるトイレがどこにどれだけあるのかということの情報を収集していただいて、その情報の提供をお願いしたいと思います。

あと、航空、飛行機に関しましては、機内でおむつがえができないと私は認識しているのです。子供が小さいうちはベビー用のベッドでできるのですが、そこからはみ出す大きさになったときに、子供を連れて飛行機に乗ることを断念しました。今後、航空機の設計とかをされるときに、そういった1カ所だけでもちょっと大きい個室をつくっていただいて、そういった配慮をしていただけると大変ありがたいと思います。お願いです。

以上です。

○ 石川委員長 先ほど発言をお認めしなかった三浦委員長代理、済みません、どうぞ。

○ 三浦委員長代理 1点お尋ねいたします。15ページ目に、全地航さんが不当な差別的取り扱いの基本的な考え方として搭乗・降機の順番の指定を挙げておられます。搭乗が最初で降機が最後ということが記載されていて、これは100人以上の航空機も同じような国内運用だと思います。私は、身体障害者の方々の施設の協議会関係者ですが、20年前からオーストリアなどの航空機を使いますと、真逆の判断といいましょうか、最後に乗って最初に降りるという、当事者の方には非常に楽な運用がなされていました。これらを含めて考えますときに、これが法に位置づけられるものかどうかは私はわからないのですが、その運用の見直しと、あと合理的配慮はサービスマニュアルを超える個別支援だと思っておりますので、その個別支援を充実させていただきたいというお願いを込めまして、質問ではありませんけれども、意見です。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

ほかに清原委員と柘植委員も手を挙げていらっしゃったのですが、時間の関係もございますので、申しわけありませんが、切らせてください。済みません。

まず、阿部委員からの質問に対して、地域航空協会様、お願いします。

○ 松井氏 この案件につきましては、まさに連絡、コミュニケーションだと思いますので、どの程度のお手伝いが必要なのかということは個別にあると思いますので確認が必要だと思いますが、今お伺いした範囲であれば連絡の問題だと思っています。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

それから、河井委員からありましたおむつがえができる場所のデータの提供、旅行業協会様への御要望ということだったのですが、あるいは自治体のオープンデータみたいなもので提供していただくという可能性もあるかと思うのですけれども、旅行業協会様のほう、今度は全国旅行業協会様、お願いします。

○ 有野氏 全国旅行業協会でございます。

先ほどの観光地での河井委員からのおむつがえできるベッドの場所等につきまして、具体的にどのような場所があるかということも、その観光地の関係の自治体、関係機関とも連携しながら、できるだけ情報を集めまして情報提供できるように今後とも努めていきたいと考えております。

以上でございます。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

時間が超過しておりますので、このパートはここまでとさせていただきます。4団体の皆様、どうもありがとうございました。

パート3は4時に開始いたします。

(休憩)

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