4-2 韓国の包括的な最初の報告の検討プロセスの概観

(1) 検討プロセスの概要

 韓国政府からの包括的な最初の報告は、2011年6月27日に国連障害者権利委員会に提出された5。その後、2014年4月14日~17日に国連障害者権利委員会の会期前作業部会第1会期(以下、「会期前作業部会」と記述する。)が開催され、最終日の4月17日に国連障害者権利委員会が事前質問事項を採択した6。韓国政府は事前質問事項への政府回答を2014年6月20日に国連障害者権利委員会に提出した。2014年9月15日~10月3日に開催された国連障害者権利委員会の第12会期で韓国の包括的な最初の報告に関する建設的対話を含む審査が行われ、同会期最終日の10月3日に国連障害者権利委員会が最終見解を採択した。

(2) 国連障害者権利委員会へのレポート提出状況

 (1)に示した検討プロセスにおける韓国政府と国連障害者権利委員会との文書のやりとり、並びに関係機関・団体から国連障害者権利委員会へのレポート提出状況を図表4-3に示す。

 韓国からは、他の調査対象国と比べても数多くのレポートが国連障害者権利委員会に提出されており、検討のプロセスごとに複数の関係機関・団体からレポートが反復して提出されていることが大きな特徴となっている。その作成・発表主体も多様であり、特に市民社会からは多数のレポートが提出されている。市民社会では、前述したように多数のNGO、障害者団体が参加した国連障害者権利条約NGO報告書連帯が組織されてパラレルレポートの作成を進め、2014年3月と9月の2度、パラレルレポートを提出した。それら以外にも、複数のNGO、障害者団体が国連障害者権利委員会に独自のレポートを提出した。また、独立した仕組みに指定されている国家人権委員会も、2014年3月と7月の2回、独自のレポートを国連障害者権利委員会に提出した。

図表4-3 韓国から国連障害者権利委員会へのレポート提出状況(図表4-2のテキスト版

韓国から国連障害者権利委員会へのレポート提出状況を示す図

出典:国連障害者権利委員会ウェブサイト及び各資料より作成


5 本報告書に示す各国政府、市民社会、独立した仕組みからのレポートの日付は、特に注釈がない場合、国連障害者権利委員会ウェブサイトの記載に基づく。
http://www.ohchr.org/EN/HRBodies/CRPD/Pages/CRPDIndex.aspx
6 本報告書に示す国連障害者権利委員会の事前質問事項、最終見解の日付は、特に注釈がない場合、国連障害者権利委員会ウェブサイトの記載に基づく。

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