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総合科学技術会議 重点分野推進戦略専門調査会

エネルギープロジェクト第一回会合

議事要旨

 

1.日 時: 平成13年4月23日(月) 13時30分〜16時00分

2.場 所: 虎ノ門パストラル新館6階 藤

3.出席者(敬称略):石井紫郎、桑原 洋、白川 秀樹、茅  陽一(リーダー)、

井上 信幸、内山 洋司、大島 壽之、木元 教子、黒田 昌裕、冨浦 梓、

寺島 実郎、平田 賢、前田 肇、松村 幾敏、山地 憲治、渡邉 浩之

4.議題:

  (1)総合科学技術会議の概要について

  (2)科学技術基本計画について

  (3)エネルギープロジェクトの運営について

  (4)エネルギー分野の現状認識について

5.議事概要:     

 

(1)事務局より本会合開催に至った経緯について概略説明。

(2)各出席者の自己紹介

(3)茅リーダーより本プロジェクト運営にあたり基本方針説明

今回の作業は重要である、特に国のベースを担うエネルギーというのは非常に大事な分野である。今回、8つ分野が選ばれているが、その中の1つとして我々もぜひよい考え方を打ち出して、調査会のほうに報告できればよいと考えている。よろしくご協力のほどお願いしたい旨の発言。

(4)事務局より資料に基づき運営要領案説明。運営要領案採択。

   茅リーダー欠席の際は代理リーダーとして桑原議員を指名。

(5)総合科学技術会議、及び科学技術基本計画内容について、概略説明。

(6)茅リーダーより、議事運営方針説明

6月前までの範囲で、エネルギー分野での重点領域についての考え方をまとめる。7月以降はより長期的な視点で改めて作業を行う。これから2カ月ぐらいの範囲で、当面、重要と思われるエネルギーの分野は何だということをできるだけ絞って示す。

研究開発のマトリックスが考えられる。縦軸は、言うなれば項目についての分け方で、横軸は時間軸。エネルギーであるので、長いものは当然考えなければいけない。縦軸は供給軸、需要軸と、その間に入るような変換、あるいはシステム的な技術というものも入ってくる。

 供給であれば化石燃料の新しい開発技術、それから非化石燃料には原子力、いわゆる新エネルギーといったものが入ってくる。変換技術では従来の発電機関連技術だけではなく燃料電池、マイクロタービン等の分散電源技術、さらに水素関連の技術というものも当然入る。需要関係の技術もかなりR&Dの対象として重要ではないかと考えている。アメリカのエモリー・ロビンズが、日本はその分野に対してのR&Dが少ないのではないかという指摘をしている。ヒートポンプなども1つのいい例であるし、住宅、いわゆるエコハウス型のものも、あるいは輸送に関する技術、その他いろいろなものが縦軸に並ぶのではないか。

 この中でなかなか難しいのは、原子力のように、従来、形式的には大きな資金がかけられているものがあり、こういうものをどのように考えていくかということも1つのポイントではないか。

こういうマトリックスをどのように塗り分けていくか。つまり、できるだけ力を入れるべきもの、そうじゃないものというふうな塗り分けをするのが、多分このワーキンググループの第一の任務ではないかと考えている。

 

各出席者からの主な質問・意見の概要は以下の通り(矢印以降は茅リーダー、事務局からのコメント(敬称略)

【平田】戦略的重点化では最初に4分野に重点を置き、これにに加え、エネルギー、製造技術、社会基盤、フロンティアの4分野においてもという補足的記述が多少気になる。これは序列があるのか。→4つは同列。

【桑原】4つから1つ下がって、エネルギーを含む4つがあるということで、とりあえず理解をしておくということになっている。予算をどれだけどこに振るかということでは多分大きな区分けはなくて、重要なものには振っていくという視点である。

【内山】エネルギー分野では、必ずしも供給力を確保するという問題だけでなくて、ほかの分野の技術とどうやって協調し合って、技術の発展があるかということが非常に大事になるのではないか。特に需要分野に関しましてはエネルギー政策上非常に大事なポイントではないか。情報通信、環境、あるいはほかの材料などの分野とお互い融合し合った技術開発は非常に重要。ある程度そういう分野との融合を図る領域の研究課題も一つの枠組みとして望ましいのではないかと思う。

【木元】1(ライフ),2(情報),3(環境),4(ナノテクノロジー・材料)で○を切ってしまって、5(エネルギー),6(製造技術),7(社会基盤),8(フロンティア)と並べないのかという思いがある。エネルギーにかかわっていると環境とは分けて考えられないし、パラレルにおいておかないと問題というのは見えてこない。5,6,7,8となぜ○にしなかったかの理由が知りたい。

【茅】私と秋元さんはエネルギーと環境の両方のメンバーである。環境でエネルギーが虐待されそうになったら突っ張るつもりでいる。

【木元】予算が違ってしまうように思うが。

【茅】そんなにはならないと考える。

【石井】後の4つについては、国の存立にとって基盤的であり、国として取り組むことが不可欠な領域に目をつけてご判断いただきたいというクライテリアがいわば1つ余計についている。ライフサイエンス分野とかIT分野というのは、必ずしもそういうクライテリアを念頭に置かなくても、非常に基礎的な研究も重点的にやるんだということはあるが、あとの4つについてはもう1つ別のクライテリアで、いわば多少絞りをかけたと言うと、少しまたおしかりを受けるかもしれないが、視点としてそういうところに目をつけてご判断をいただきたい。社会基盤とフロンティアでも同じような議論が出ている。決して予算の配分上のシェアが違ってくるという意味、あるいは二次的なものであるという意味ではないというふうにご理解いただきたい。

【木元】4つのことについてはなお書き的に書けば良い。

 

【黒田】スケジュールと、ここで検討する内容について確認をさせていただきたい。かなりタイトなスケジュールだと思わざるを得ない。盛り込まれるべき内容という資料8によれば、様々な分野についての研究開発の意義、特に経済的効果とか社会的効果、雇用創出、社会に与える影響を評価しろということになっている。これは技術の方と違って、経済学とか社会学をやっている観点からいったら、1つ1つの技術について、1カ月や2カ月でそんなものが簡単に評価できるかという感じを持つのが正直なところであるが、それでもなおかつ死力で絞るということでなければいけないのかどうか。それから、もし絞ったとしても、今後の検討の中でそれをどういう形で社会的、経済的評価みたいなので扱うか。

→資料8というのは重点化戦略専門調査会で配られた標準的なフォーマットというか、期待される項目である。例えばライフサイエンスとか情報通信といったある種、それを全体を総体的にとらえられるような分野と、エネルギーのように個々の分野が合成されているものとおのずと限界がある部分もあり、それを目標にできるだけということにならざるを得ない。全部がパーフェクトに社会学的、経済学的に分析をこなすということは、日程的あるいは我々のマンパワー的にできない可能性は十分ある。

【黒田】一、二カ月でパーフェクトというのは難しいと思うが、環境とかエネルギーというのは、1つ1つの技術評価が非常に大切なことは言うまでもない。それが経済的、社会的に与える影響を評価した上で施策を考えないと、長期的にも指針を誤ってしまう可能性が十分ある。あまり急いで、形だけ整えるということが目的ではなく、本来そこを見据える視点まで含めてここでじっくり議論するという観点がないと、この分野についてはなかなか難しい。1つ1つの技術を取り上げて、それをただ、できるかできないか評価すればいいというたぐいのものでは無いのでは。

【石井】第一期の科学技術基本計画と今度のこの計画を比較すると非常にはっきりわかることだが、今度のものは前期のものにあった数値目標的なもの、あるいはかなり細かい具体的な施策の計画の部分がはっきり言って抜けている。つまり、あまり計画的な色彩を強く出していないというか、持っていない。どちらかというと基本理念的な、あるいは戦略的な書き方がしてあり、そういった性格のものにとどまっている。本来であれば、それを具体化する、まさに計画的な要素がこの中に織り込まれるべきだが、この計画は、省庁再編成の問題、科学技術会議自身が総合科学技術会議に変身するということ等々、今回の非常に特殊な事情のもとに、技術的な理由から第2の部分が具体的にこの中に盛り込まれなかった。もっと積極的には、非常に流動的な時代であるから、スタティックな5年間の計画をあらかじめ立てて、あとはそれを粛々ということをやるとかえって危ないだろうということ。いわば具体的な計画に関するような部分はこういった場で年々議論を積み重ねて、より適切なものに年々リバイズしていくというプロセスで考えていくということがむしろ妥当なのではないか。機動的、戦略的な計画に持っていったらいいだろうということで、前期のものと比べるとかなり計画という名にはあまり適しないようなものになったといういきさつがある。

これからまだ議論がずっと続いていくということ。マトリックスに色を塗っていくという話があったが、いわば下塗りの程度しかこの2カ月ではできない。その後の議論で補充し、あるいは修正していくという気持ちじゃないとうまくいかない。

【冨浦】重点分野推進戦略専門調査会の第4回が6月中旬にある。分野別推進戦略(案)の作成と書いてあるので、エネルギープロジェクトとしては、6月上旬にはエネルギー分野推進戦略(案)の検討を多分ここに供給しないといけない。早急に現状認識と重点領域について討議をお願いしたほうがいいのではないか。この時間軸の中で間に合わせようとすると間に合わないのでは。

この計画ではCOP3の合意達成のように、直近の課題との整合性をどう考えるか。時間軸として5年というのではなくて、1、2、3年みたいな、そういうところまで踏み込んで考えるのかどうか。

総合科学技術会議で計画の案は、科学技術基本計画に依拠したものであると理解する。第二期科学技術基本計画というのは5カ年であるから、5カ年の計画でいいのか。R&D、なかんずくエネルギーのような計画というのは、10年ないしは100年に至るような時間軸の中で考えないと十分な案は出てこないのではないか。この時間との整合性をどう考えたらいいのか。

→当然エネルギーの問題というのは数年の範囲で政策が決まるわけでは無く、20年、30年という規模は最低必要ではないか。その期間の中であるエネルギーの政策、科学技術政策も含めた政策を考えて、当面5年あるいは1年、2年、3年の直近の問題に関して、どのように対処するかというものを議論していただきたい。

ここに書いてあるものを見ると、主として従来の自然科学技術系にのっとったものが多いように見える一方、例えば重点領域の国民の健康や生活の質の向上、国の安全保障及び災害防止などというような意義もここの中に書き込まれている。つまり人文社会科学等との整合性をどう考えたらいいのか。なかんずく合意形成をどう考えたらいいのか、あるいは価値観、生活の変化、こういったことをどう考えるのか。特に技術革新の障害となる制度的問題点があるが、法制度以外に社会的制度とか慣習とか、そういうものもいろいろ障害がある。こういうことまで踏み込むのかどうか。→ エネルギーの問題は自然科学の技術上の問題もあると同時に、その実現に当たって社会的な判断が入ってくるわけなので、合意形成に当たっての価値観、生活の変化の問題、法的制度、慣習の問題等々といったものを頭に入れながら、検討する必要がある。

→当然エネルギーの問題は自然科学の技術上の問題もあると同時にその実現に当たっての価値観、生活の変化、法的制度、慣習の問題なども頭に入れながら検討していく必要がある。

国際的な広がりをどう考えるのか。我が国のみに有効な技術を考えるのか、国際的なものも対象として取り上げながら、結果として我が国に有効なもの、こういうものをどう考えるのか。

→エネルギー問題は、1つの国だけで完結できるような状態ではなくなっている。したがって、国際的な視野でエネルギー問題、そしてその問題を解決する科学技術の課題というものを考えて行く必要がある。特に石油エネルギーをとってみても、アジアというのは非常に少ない。経済成長、それから中国、インドネシアも輸入国になったということから考えると、将来的なセキュリティの問題を考えてみても、国際的に物事を考えながらこの戦略を考える必要がある。

(7)事務局より、ここ数年内に公的機関で作られた以下のエネルギー関係の戦略について概略説明。

−平成7年のエネルギー研究開発基本計画

−学術会議から提言さたエネルギー研究開発総合戦略の確立について

−国家産業技術戦略のエネルギー分野

−原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画

 

各出席者からの主な質問・意見の概要は以下の通り(矢印以降は茅リーダー、事務局からのコメント)

【冨浦】原子力長計は大学における核エネルギー、原子力の研究が少しやりにくい状況にあるやに聞いている。特に私立大学等における試験原子炉は、これを休止する、廃止する等についてなかなか不便だと。これを何とか便ならしめるようなことを考えていただけないだろうか。関連があるのかどうかわからないが、ある種の公的研究資金の中には、ただし原子力に関係するものを除くという注意書きがあるものがあるとのことだが、そういうことで、原子力にかかわる研究から多少やりにくいという意見がある。こういう問題について、こんな機会に何らかの形で検討が進められることができれば大変好ましい。

【木元】第7章の原子力の研究、開発及び利用の推進基盤の1.人材確保の2つ目のパラグラフあたりに、「このため、人材養成の中核的機関である大学」ということで、ここのところに人材をどう確保し、どう育成するかということを書かれている。この中で議論がかなりなされた。矢内原原則などのこともかなり論議の的になったが、結果としては長期計画の中には文言としては入っていないが、各部会の議事録を見れば、かなり論議されたことがわかっている。そのことは今後の展開の中に入ってくるのではないか。

(8)総合資源エネルギー調査会の検討について、本会の会長をしている茅リーダーが概略説明。

各出席者からの主な質問・意見の概要は以下の通り(矢印以降は茅リーダー、事務局からのコメント)

【寺島】マトリックスで優先順位を踏み固めていくときに、当然のことながらエネルギーというのは基本的には戦略意志の問題だということを非常に強く感ずる。極端に言うならば、地政学的な国益概念みたいなものを明確にしなければ、優先順位はなかなか見えないという部分がある。

科学技術基本計画というのがこの会議にとっても1つのガイドラインになると思うが、エネルギーのところでさらっと、「現在の主力である化石燃料への依存の低下を目指す」という表現がこの中に出ているが、例えば化石燃料への依存といってももっと一歩踏み込むと、この国の石油の中東依存というのは、第一次石油危機のときよりもはるかに高くなっていて、86%ぐらいまでいっている。この国の一次エネルギーの供給における中東に対する依存を例えば何割に持っていくとか、何%に持っていくなどという戦略意志が明確にないと、長期にわたってのエネルギーの優先順位とか、重点性というものは本来見えてこない。アメリカのエネルギー戦略を研究していると、ヒドゥンアジェンダーということがある。アメリカの石油の中東依存を例えば2割以下におろしておこうとか、そういう大きな展開の背後に強い明快な意志みたいなものがある。そういうものを一切なしに、科学技術の優先順位の問題だけではエネルギーというのは多分議論できない。

 例えばITでもアメリカの科学技術に対する考え方というのは、デファクト化し、ブラックボックス化して、みずからの優位性を確立していくという大きな思想みたいなものが科学技術戦略の中にあるが、日本のITは、広帯域大容量のブロードバンドを普及させるとか、インフラを整備するという段階でIT戦略という言葉を使っている。エネルギーにおいても戦略という言葉を使うならば、国益性を非常に明確に出さなければいけない。これは1つの迷いでもあるが、1つのテーマとして発言しておきたい。アメリカの東海岸で、ベンチャーキャピタリストとか称する人たちがもはやITの時代じゃないと言って、手のひらを返すようにナノテクノロジーだとか、あるいはバイオのビジネスプロポーザルを片手に殺到していく人といろいろ会ってきたが、科学技術の問題の商業主義化というか、極端なマネーゲームとして科学技術の問題が展開されてきている状況に対する健全な批評眼を持たないと科学技術政策は成り立たなくなっていくんじゃないか。エネルギーの世界においてさえ、安全とか安定ということ以外に、市場主義も極まって、例えば電力デリバティブなどという世界さえ、電力の金融ビジネスみたいなものが目の前にあらわれ出てきているような時代になっている。

極めて客観的に科学技術政策に優先順位をつけていこうとしても、商業主義的に分断されてくる。特に金融ビジネス化していくようなことに対する視点をしっかり持ってないと食い散らされていくということについての問題提起だけ、冒頭の発言としてさせていただく。

【内山】この出席者の方々に全体のコンセンサスが必要ではないかなという気がする。特に資料8の(1)の当該分野を取り巻く状況、その辺をどう各委員が認識しているかといったところが、それ以降、検討する上で極めて大事なポイントになる。エネルギー情勢というのは説明いただいた資料からもわかるように、従来の縦割り的な技術開発から総合的な戦略的なほうへ次第に移ってきているといった視点、その中で従来の経済産業省だけでなく、国土交通省等さまざまな省庁の関係する問題になってきた。そういう点でも、内閣府の役割というのは非常に大きくなってきたのではないかという気がする。今後のエネルギー需要、あるいは供給技術のあり方も考えると、かなり総合的なエネルギー技術本来の役割を今発揮するような状況になったきた。しかし、そうはいっても、いかに産業をつくるかということを考えると、需要そのものがそれほどに伸びないわけであるから、新たな産業育成を図っていくということを考えると、どうしても質的な面でのエネルギー供給のあり方という面を重視せざるを得ないのではないか。そういう中で新たな産業を創出する工夫が必要になってくる。長期的に見れば、当然のことながら日本及びアジアのエネルギーの供給の脆弱性というのは基本になるが、それをいかに需要側等々と協力し合って、強靱なシステムをつくっていくかということになる。需要がそれほど伸びない中で、エネルギーの大幅な技術転換を図るというのは非常に難しい状況にあるので、より総合的な政策が必要になってきているのではないかと思っている。

【平田】エネルギーの問題には省庁横断的な議論が必要。

事務局が環境省で、こちらは経済産業省が事務局だと、また縦割りのような感じになってしまう可能性がある。CO2の議論は相互乗り入れが非常に重要だと思うので、環境とエネルギーの両委員会が合同で議論できる場が必要な感じがする。CO2の削減の見通しだが、経済産業省の計算ではマイナス6%は無理だという結論なのか。

→むしろエネルギー起源ゼロ%をターゲットにして、資源エネルギー庁では計画を練っているという感じである。ゼロ%というのは国の目標なものであり、6%分はほかでやるということになっているので、6%の2%分が新たな技術開発、0.5がメタンとその他非CO2のGHG等々ということがあり、6%分は別で対応するということになっている。ゼロ%にするというのは国の目標であり、これはどこの省庁ということは無い。

【平田】CO2の問題は、共通の議論の場が必要じゃないか。

【茅】外ではそのとおりだと思うが、この会合では、例えば事務局は環境省と経済産業省と両方から来ている。環境のワーキンググループとエネルギーのワーキンググループを一緒にやるという話もあった。まだ議論が進んでないうちにやるのは早過ぎるということで、別にしていただいた。

【渡邉】エネルギーの問題は長期スパンで考える必要がある。資料8には5年という言葉が出てきているが、茅先生の最初のマトリックスの話のときに、20年というようなタイムスパンが出たと思う。我々がここで議論するのは、どのぐらいのところを視野に入れてまとめていくのかということをもう一度確認したい。→先ほどは私見を述べたが、資料8の2ページ目に重点領域とあり、重点領域に関しては平成13年度から5年間における重点化すべき領域を示すと書いてあるが、括弧書きで今後の見通しに係る期間は原則5年間を想定しているが、各分野・領域の実情を考慮して適当な期間とするとある。したがって、科学技術基本計画は5年ということなので、5年というものを原則考えてはいるが、重要なことは、各分野できちっとした戦略をつくるのに適当な期間は何なのかというところであるので、そこをきちっと設定していただいて、その上でこの5年は何を目標とすべきなのかとか、ここ1、2年の短期的な話は何があるのかというような議論をしていただければと思っている。

【事務局】基本計画は5年ということでつくられているが、これは10年を一応見通しながら、前の半分の5年分についての計画だということであるので、10年というスパンは当然基本計画そのものの中に入っているというふうにご理解いただければと思う。

【茅】これはR&Dであるので、5年なり10年なりといっても、当然、実際に使われるのはもっと先ということになる可能性は十分ある。

【山地】時間軸の話で、大体片づいたと思うが、1つだけ、エネルギーは中でも実用化というところまでいくと、非常に長期のものをたくさん含んでいる。しかし、アクションは5年間だと思う。そうすると、評価をしたり、チェックをしたりするシステムにある種注文がついていくのではと思うので、そういうことをまとめることも我々の視野に入っていていいのでは。

原子力の扱いについて、総合科学技術会議の精神としてはエネルギーという分野だったら、当然、原子力も全部含めてということになると思うが、組織上の問題もあって、同じ内閣府の中に原子力委員会があるわけなので、原子力に関してどういう扱いをするのか、確認させていただきたい。

茅リーダーの時間軸を横にとって、縦に項目をとる中で、供給からデマンドのところまでいって、デマンドがだんだん重要になってくると思うが、その位置づけの中に、これがうまく言えないが、エネルギーの場合、例えば省エネの場合にしても、エネルギー経済とか、あるいはエネルギー政策学とか、従来の自然科学的なこととか技術的なものじゃない研究もある。これはエネルギー政策学とか、エネルギー評価学という位置づけなのかもしれないが、そういうのもこの中に研究項目として入れていっていただきたい。

【黒田】エネルギーの問題については、今回、資源エネルギー調査会で茅先生のもとでいろいろやっているが、一番問題は、技術そのものの評価よりも、それをどういう社会の中とか、戦略というものも含めた意味でのどう評価を社会的にシステムとしてやっていくかというのは、非常に重要な課題になっている。我が国である意味でそれがまとまって議論できる、もしくはまとめてアカデミックな形で議論する形の研究が非常におろそかになっているという気がしてしようがない。経済の問題でも技術をとらえて、それを社会的、経済的に評価できるような形のデータベースとか、評価のシステムモデルとかについて議論を闘わせることができるというのは非常に数少ないので、エネルギー戦略という形の中での研究課題とすることは非常に重要だろうという気がしている。

今回6月までに徐々にブラッシュアップしていくというお話だったので、いきなり6月までにとてもそれは無理だと思うので、そういうことを視野に入れた中長期のエネルギー技術開発をこの場で徐々に構築していくということをぜひお願いしておきたい。

【大島】今、海外で、例えば米国、欧州を含めて、このような戦略的なエネルギー施策というのはいろいろ検討もされて、進んでいるということがある。その中で、例えばアメリカでいうと、EPRIがスポンサーになって中心に1,500℃級のガスタービンを数年前から開発して、これを戦略商品として実用化していくということもやっているし、原子力の分野でも、NERIのようなところで、20億円ぐらいだったと思うが、大学あるいは研究所レベルで基礎的な研究をやっている。これと同じようなことをヨーロッパ各国でやっていると思う。 その中で、我々として協調できるものと我々独自でやるものが、いろいろあるという気がする。ベンチマーキングをした方がよいというのが随分ある。既にいろんなところで、いろんな形で整理はされていると思うので、我々日本としてどういう動き方をすべきか、どういうところをねらうべきかということをもう少し考えるとよい。日本なりの非常に大きな特徴があるので、それをどうとらえていくかが1つの視点として必要だろうという気がする。

エネルギーの問題というのは非常に長期的な視点で考えていかなければいけないという問題があるが5年間で24兆円という非常に大きな額で、我々の分野というのはどのぐらいそれを使うことができるかということもあるし、それからさらに長期的な意味での問題がいろいろ出てくるだろうと思う。原子力分野では今アメリカが特に、わりと小さい容量のものをいろいろ開発しようとしているわけだが、こういうものを民間レベルでやるには相当な資金もかかるし、これはSBWRとか、そういう名前になっているが、容量的には5万から10万kwクラス、あるいは5、60万kwクラス、いろんな形がある。こういったものはこれから海外に持っていく場合にも非常に役に立つし、日本としても、これは経済的に成り立つかどうかというのは非常に問題かもしれないが、わりと小さいものを台数並べて運用していくということも可能だろうと思う。これは相当な費用もかかるので、そういうテーマも検討課題の中の1つとして挙げていただいてはどうかというふうに感じている。

【松村】ここで6月ぐらいまでに重点領域の設定をするという中で、この中身をかなり分けていかなくてはいけないのかなというふうに思っている。資料5の19ページのエネルギー分野の中で、「現在の主力である化石燃料への依存の低下を目指すとともに」云々というところがあるが、この中で2つあり、1つは化石燃料から化石燃料というか、GTLとか、DMEであり、国のセキュリティにかかわる技術開発。これはいずれにしても化石燃料が圧倒的な量なわけで、それを日本の国として安定的に確保する。先ほどは中東依存を減らすと、具体的なターゲットを立てるという話がありましたが、日本は欧米と違って石油もガスも石炭もほぼ100%輸入である。ガスはためておくことができない、石炭はためておくことができるが、使いにくいということで、こういったエネルギー変換技術というのも省エネルギーじゃなくて、セキュリティという面からかなり重要な課題であるのかなと。CO2の観点から、これもやはり2つに分ける。1つは新エネルギー、自然エネルギーというか、それからもう1つ、頭ではよくわかっているが、意外と意識されてないのが省エネルギーの当たり前の技術である。先ほどエネ庁の総合エネルギー政策の中で、2010年2,000万c−tというのは非常に重いというリーダーの発言だったが、例えば石油とガスをあわせて3億5,000万トンの1割を省エネルギーすれば3,500万トン出てくる。この3,500万トンを太陽電池とか新しい自然エネルギーで賄う、あるいは風力発電、そういうので賄おうとすると気が遠くなるような数字になる。一方、今あるものを省エネルギーする技術というのは、今までえてして民間の産業活動の中で任されてきた分野であって、役所でも省エネ課とか、あるいは新エネ課ということで、石油あるいはガスの省エネルギーの地味な研究開発は民間にほとんど任せて、あまり推進されなかったというふうに認識している。今回の重点領域の設定の中には同等の重さで入れていかないと、2010年の目標というのはなかなか達成しないんじゃないか。具体的にいえば、省エネルギーであれば熱電変換素子とかの分野というのは新エネルギーではないので、廃熱を利用するという技術開発も非常に重要な分野と考えている。

【木元】今いろいろ話を伺ったが、後で原子力だけはまとめるということなので、そのときの議論になるかもしれないが、原子力委員会で策定した長期計画が、今回のこのプロジェクトで、どのように扱われるのか。それとの整合性はどうか。そういうことはどこかで検討されるのかどうなのか、屋上屋のような形になるのかならないのかちょっと懸念するところである。

資料5で先ほどから論議があったが、石油にかわるものという形で20ページに燃料電池その他が書いある。原子力の分野でいうと、次世代の革新的原子力技術といきなりここに来ているが、長期計画の中でも先端技術の開発ということで論議されており、高速増殖炉サイクル技術の研究開発ということが敢えてうたってある。そうすると、現実の問題として、資料8のところで当該分野の現状認識ということを頭に、社会的、経済的に研究開発に対するニーズということで挙げている。現実的にどれがどのように動いているのか、それを踏まえた上での論議の中に入ると思うが、そうなるといきなり革新的原子力技術ということの前に、現実に動いている高速増殖炉のサイクル技術をどうとらえるのか、細かいことになるが、それもぜひ踏まえていただかないと、あまり現実路線にそぐわない、また現実路線を無視しているような状況に陥らないかと懸念があるので、その点を確認させていただきたい。

【井上】先ほどから評価の観点についていろいろと意見が出たが、資料8の盛り込まれるべき内容を見ると、一番書きにくいのは3番の評価のところではないかという感じがする。各省庁により従来実施された施策の成果と評価はなかなか書きにくい点であり、それから特に評価なるものが資源配分に反映されるのではないかというところもある。ここでは評価の視点について何かコンセンサスを得る必要があるのではないか。

大変短い時間で議論するわけなので、意見が分かれたときどうするのかという、対処をどうするかということを考えておく必要がある。

→原子力委員会との関係だが、総理のもとにあった諮問機関であり、平成12年11月に原子力の長期計画をまとめている。これは当然のことながら閣議にも報告されているので、おおよその原子力の開発研究についての思想はこれを踏襲していくのが自然体だというふうに思う。ここに書いてあることをおよその前提としながら、全体の審議に貢献いただくとありがたい。

原子力委員会はあくまでも原子力の推進方策を見ていくということだと思う。こちらは原子力も含めて、全体のエネルギーの政策及びそれにかかわる科学技術をどういうふうにやっていくのか、今までの体制でいいのか悪いのかということも含め、全体として議論していただきたい。その上で原子力にかかわる部分は、この原子力委員会が従来どおり責任を持ってやっていくのだろうと思っている。

→技術に関する社会的評価の話、それから欧米でいろいろ検討されているところとどういうところが協調でき、かつ我が国で独自にやるところはどういうものであるかとか、化石燃料の問題に関する今後の議論の展開の仕方、評価の問題等々は先生方の発言通りであり、その線に沿ってここで議論していただきたい。

【茅】 私の今の立場というのは普通は座長と呼ぶが、今回リーダーという名前になっている、なぜリーダーかなというのでよく考えてみると、多少おまえが主体的にやれということではないかと思うので、今後のまとめも考えて、今いただいた意見について私なりに答えると1つは、戦略性、あるいは現状をどう認識するかという問題。

 つまり重点を置くということを決めるためには、このワーキンググループとしてこういうところが重点のポイントだということを決めないといけないわけだが、その考え方としては、供給の安定性、これはいわゆる中東依存度だけではないと思うが第1であり、第2番目は温暖化に対する対応、おそらくこの2点がまず一番の基本にあるのだろうと思う。より長期的にいえば、化石燃料資源の有限性をいかに克服するかという点があるわけで、こういった前提条件にエネルギー開発の方向を探るというのが多分今回の方向ではないかと考えている。

 その中でどれを一番重点を置くかということは簡単には決められない問題で、多少バラ色めいた言い方であるが、こういった3点をそれなりにそれぞれ全部考えて、戦略を立てていくということではないかと思う。原子力の問題については原子力長計があるということはよくわかるが、このワーキンググループで今まで考えられているから、原子力の議論はしないということにしてしまうと、ほかでも同じようなことが出てくる可能性がある。私自身は、原子力は聖域なのではなくて、原子力全体をどういう方向にエネルギーワーキンググループとしては考えるかという意見が出てもいいと思う。それはおそらく長計の話と矛盾するというほど細かいところまではとてもいかないと思うが、少なくともここでの議論というのはそういった聖域なしで、エネルギーに絡むあらゆる分野を議論すべきだというふうに考えている。重点分野という中にを加えるべきものに対する意見で、出席者の中では、1つは社会科学の側面をぜひ取り上げるべきだという意見が何人かから寄せられた。これはおそらくPAのような問題、現在でいうパブリック・アウト・オブ・リーチの問題を含んでいる。もう1つは省エネルギー技術ということであり、こういったことをもっと強調すべきだという議論があったかと思う。また、GTLあるいはDMEのような化石燃料から化石燃料へという技術の話も出たが、これは当然のことだが、一種の変換技術であり、当然、議論の中では取り上げるべき問題かと思う。

以上が私の認識であり、その認識に基づいて、次回あるいはその後にもう少し具体的にどういうところに焦点を絞っていくべきかという議論をお願いする。

【冨浦】非常に短い期間でまとめていかないといけないわけなので、どういう具合にやっていくのか、なかなか具体的なイメージが出てこないが、従来こういうプロジェクトに参画すると、事務局当局の方が大変有能で、どひゃっと報告書が出てきて、私どもはそれを見て、「ああ、もっともでございます」というのが大体通例である。せっかくの機会であるので、またせっかく有識の委員にたくさん集まっていただいているわけだから、本来ならば委員が執筆すべきなんだろうと思う。「じゃ、おまえ、書くか」と言われると、はたと困るので、たたき台は提供してもらい、事前に配ってもらったものを出席者が徹底的に吟味して、時間が間に合うものはコメントする、時間が間に合わなかったらこの場でコメントするという格好で、資料をリファインしていくというやり方をやっていくべきではないかというぐあいに考えているが、いかがか。→発言のとおり、そのような準備をする心づもりでいる。よろしくお願いする。つくるに当たって、各先生たちのご協力等々が必要となると思うので、その辺、協力の点含めてよろしくお願いしたい。どういう形で出すかによるが、なるべく差し障りのないような形ではなくて、少々過激な形をとったほうが議論が出やすいのかなとも思うので、そのような形もとっていきたいと思っている。

【桑原】私は常勤であるので、事務局と事前に討論した。さあ、ここはどう考えたらいいかなというところも多々あるが、皆さんにどう考えたらいいかなという問題提起を含めて申し上げたい点が1つある。エネルギー政策とエネルギー問題を解決するための科学技術の開発というのは、表向きは別項ととらえたい。中では非常にリンクしているが。それで、科学技術のほうからいうとどういうことかというと、こういう技術の可能性がある。これを政策上反映したらすばらしいことが起きそうだと。あるいは将来起きるかもしれないというのも多分研究テーマになるであろう。そういう点が科学技術の開発にあると思う。政策上どうしてもこれを解決したい。それに対して、科学技術をやりなさいという不可能に近いものも挑戦しようというところの開発が2つ目にある。すなわち2つの面があると思う。 その2つ目がこれからのエネルギー政策そのものに可能性を当てれば、エネルギー政策も変わっていく楽しみがあるので、そういう関係だと私は見ている。 今まで、きょうもいろいろ資料にあったように、この辺の政策の問題あるいは可能性の問題というのは、随分いろんなところで議論が出ていて、皆様の中からもいろいろな方が参加されて出ている。これを改めてここでやるのは屋上屋かもしれない。だから、もしこの辺の今まで出ているものを全部、ちょっとここは直したほうがいいなというところは、ぜひ議論はしたほうがいいと思う。ただ、そこをまた屋上屋をやることは、どうもあまり時間の余裕がないのではないか。 非常に現実で申しわけないが、平成14年度の概算要求へ向けての作業が私たちの頭にあり、先ほど縦割りの話があったが、各省で従来のように積み上げられて、足し算されたものを認めなさいという、この悪習は絶対に今度は繰り返すまいと。私どもも多分期待はそこにあるだろうと思っている。今、事務局にも我々がまず中心だよと。先生方のいろんなご意見を伺いながら、ひとつ骨のあるものをつくろうではないかと動いている。具体的にはどういうものを各省に示したいかというと、こういうものは今重要だから、やりましょうということを我々の意見としてまとめて、重点化の専門委員会のほうにかけて、そうだなと。これは重要としようということになると、多分、金額はそこまであまり決まらないと思うが、各省に伝達される事項の中には、エネルギー関係でこういうところの技術開発テーマを優先的に取り上げてやっていこうじゃないかという、つまり皆さんの意図が伝わっていく。そうすると、省のもの、あるいは募集に対する応募のような格好で向こうから出てくる。それ全体を今度は俯瞰して、これはオーケーだ、これはちょっと待とうとかいう議論になっていくはずで、6月とか7月のあたりにはそういう意味ではかなりメッセージが伝わるようにしたい。

 先ほどから非常に急ぐということが議論された。全般的にというとなかなか大変だが、きちっとやりたいというのが我々の意図であり、事務局に対する期待も含めて、皆さんとそのように動いていけたらと希望している。リーダー、いかがですか。

【茅】  大体私の思っていたイメージと同じなので、その方法でぜひやりたいと思っている。

【石井】1つ、ご紹介申し上げたい。このプロジェクトで議論いただく、あるいは仕事をしていただく主たるミッションは、日程からわかるように、概算要求をにらんで各省庁における概算要求活動に1つの指針というか、メッセージを発していく。そして、それをまたウォッチして、秋になって問題があれば、またそれに対する修正なり補正なりを考える。つまり国の予算の中で、エネルギーならエネルギーの研究開発について適切な方針を打ち立てていくという、それについて議論いただくということだと思う。

 もう1つ、実は総合科学技術会議の仕事の中に科学技術振興調整費をうまくマネージしていくという仕事があり、その新しいプログラムとして、今度幾つかのものをスタートさせることにしていて、現在、その実施方法については文部科学省のほうで考えてくるわけだが、先ほどから話にあったようなエネルギー政策とか評価の問題、あるいはそれに関する社会的な合意なり、政策的な意思決定の方式をどう考えるのかとか、いわば社会科学との接点を考えるという問題については、この科学技術振興調整費のプログラムのいくつかとかなり接点があるのではないかと私は感じて、伺っていた。 これはいずれ、あと1カ月もたたないうちに募集要項等が公表されるので、詳しくはそれをごらんいただきたいが、差し当たって私が関係あるかなと思ったプログラムは2つあり、1つは政策提言に関するプログラムである。これは自然科学はもちろん、人文社会科学の研究者が共同して、具体的な政策のあり方についての政策提言を、1年ないし2年かけて調査研究してやっていただくというのが1つプログラムとして予定されている。もう1つは振興分野とでもいうか、これは人文社会系の学問と自然科学、科学技術との融合、あるいは接点に関する新しい研究分野をしっかり見て、そこの研究を開発していくといったプログラムである。

 具体的には、これは大学もしくは国、あるいは独立行政法人も含めた研究機関を中心に研究開発が行われるということを予定しているものであり、こういうものが片方にあるということだけは、ちょっと知らせておいたほうがいいのかなと。そのプログラムを的確に実行していくための有益なアドバイスを、このプロジェクトのほうから発していただくというのも1つ重要なことなのかもしれない。これもやはり6月から7月にかけて応募して上がってきたものを評価して、どれを採択するかということを決めていく手続が進行するので、そこにある種のメッセージが出れば、非常に有益な指針になるのかもしれないので、こういう分野あるいはこういう政策提言というのは重要でしょうという一般論的な形でメッセージを出していただけると非常にありがたい。

【冨浦】要するにこのプロジェクトのミッションは、政策立案に必要なR&Dにかかわる項目をまとめるということであると理解した。それについて、一部指摘があったと思うが、省エネにかかわる技術というのは、ほとんどと言っていいぐらいが産業で行われている。

 そうすると、この法律にかかわる予算というのはダイレクトに産業に来ない仕組みになっていて、これは研究法人を経由しないと来ない。あるいは大学に主として流れていくから、大学との連携をしないと流れてこないという仕組みになっているはず。そこら辺について十分に配慮しないと、せっかくの産業のいいアイデアが、この法律でいうところの予算項目の対象から外れてしまうということについては、格段の配慮をいただきたいということを事前にお願いしておきたい。なぜならば、だめですとなると、そういう提案を今度の内容に盛り込むことができないことになりますと、ぜひご配慮をお願いしたい。

【平田】今日は、個別のテーマにはなるべく入らないようにしようと当初から思っていたが、時間的に限られている面もあり、今度の議論の柱に水素の問題を具体的に、重点項目として記述して欲しい。燃料電池の協議会もできたが、それに対して供給側というか、水素製造と供給のインフラに関連するところも今回は重点を置いていただきたい。21世紀の後半は水素になるだろうと思っていたが、はるかに早まるのではないかと考えているので、メッセージという意味では記述を強化していただければと思っている。

【茅】今日いただいた意見を参考にして事務局側と協議をして、次回どういうことをどういう議論していただくかを決めて、できるだけ事前にそういった資料は出席者の方に配りたいと思う。そういった形で進めたいと思うので、よろしくお願いいする。

事務局より次回のアナウンス:第3回目までは一応日程が決まっている。諸手続がおくれていて申しわけ無い。2回目、3回目の案内についても、できるだけ早くお送りしたいと思っている。

 第2回は、5月14日月曜日9時30分から12時。場所は三田共用会議所。

会議室の場所はまた追って連絡する。第3回目は5月21日、翌週の月曜日14時から17時。こちらは同じく三田共用会議所にて開催を予定している。

 もう1点、今回の議事次第に議事として掲載しているが、本日の出席者の皆様あるいは欠席の方々にも連絡して確認して、電子メールによるメーリングリストを作成し、本日話のあった各種議論あるいは資料の送付等を、不都合がなければできるだけ電子処理を行っていきたいと考えている。こちらについてご了解いただきたい。

【茅】  それでは、そういう予定ですので、よろしくお願いする。

 では、ほかになければ、本日はこれで閉会とする。

 

以上

 

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