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課題マップとは

■課題マップ作成の目的

総合科学技術会議の環境分野に設置されたゴミゼロ型・資源循環型技術研究イニシャティブでは、各省で実行中の研究課題を集めて、イニシャティブ登録課題としてまとめている。これらの登録課題については、研究推進の効率化の観点から連携や情報交換の可能性を探るための情報を提供するとともに、個々の研究課題の位置づけを明確にすることにより、今後のイニシャティブ研究活動推進に役立てていくことが重要である。

そこで、ゴミゼロ型・資源循環型技術研究イニシャティブに登録されている課題を対象に、研究開発特性等を踏まえた課題マップを作成し、その現状等について整理することを目的とした。

■課題マップの作成手順

(1) 整理対象課題の設定

ここでの整理対象課題は、「ゴミゼロ型・資源循環型技術研究イニシャティブ」に該当するとして2002年度及び2003年度に各省から申告のあった48課題(施策ベースの件数。個々のプロジェクトベースでは204課題)とした。したがって、各省から申告のなかった課題や民間が自ら実施している研究課題等については整理対象外である。

(2) 整理軸の設定

整理対象とする「ゴミゼロ型・資源循環型技術研究」イニシャティブを構成する4つのプログラムについて、物質循環におけるライフサイクル上の位置付けを次図に整理した。

物質循環におけるライフサイクル上の位置付け

前図に示すとおり、各プログラムによってターゲットとするライフサイクルの段階は異なる。このため、“モノ”による分類軸(廃棄物等の発生源による分類もしくは対象とする品目による分類)を各プログラム共通の分類軸とし、もう1軸は各プログラム毎に異なる分類軸を設定することとした。

a. 循環型社会創造支援システム開発プログラムの分類軸
分類軸
考え方
設定した項目
個別循環資源の発生源による分類 各課題において対象とする個別循環資源の発生源に応じて分類。 一般廃棄物(ごみ)系
使用済製品系
産業廃棄物系
農林水産業廃棄物系
建設廃棄物系
生活排水
処理残渣
目的等による分類 各課題で設定した目的に応じて分類。 循環度の把握・評価
生産・流通・販売・回収システム構築
最適化(マネジメント)
合意形成
規格化・基準化
その他

b. リサイクル技術・システムプログラムの分類軸
分類軸
考え方
設定した項目
個別循環資源の発生源による分類 各課題において対象とする個別循環資源の発生源に応じて分類。 一般廃棄物(ごみ)系
使用済製品系
産業廃棄物系
農林水産業廃棄物系
建設廃棄物系
生活排水
処理残渣
物質循環フローにおける段階(フェイズ)による分類 各課題において対象とする物質循環フローにおける段階(フェイズ)・形態に応じて分類。 回収(静脈物流)段階
リサイクル段階 バイオロジカル
マテリアル
ケミカル
サーマル
利用段階

c. 循環型設計・生産プログラムの分類軸
分類軸
考え方
設定した項目
品目(素材・製品)による分類 各課題において設計・生産時に配慮する品目(素材・製品)に応じて分類。 非耐久財
耐久財
素材
農林水産物
建設物
研究の配慮視点による分類 各課題において設計・生産時に配慮する視点に応じて分類。 リデュース(省資源化)・リペア配慮設計、生産
リユース配慮設計・生産
リサイクル配慮設計・生産
有害物質の削減・代替
省エネ
再生材・部品の使用
地球温暖化防止
自然循環

d. 適正処理処分技術・システムプログラムの分類軸
分類軸
考え方
設定した項目
個別循環資源の発生源による分類 各課題において対象とする個別循環資源の発生源に応じて分類。 一般廃棄物(ごみ)系
使用済製品系
産業廃棄物系
農林水産業廃棄物系
建設廃棄物系
生活排水
処理残渣
目的等による分類 各課題で設定した目的に応じて分類。 中間処理(減量化・浄化・安全化)
処分場管理
不法投棄・不適正処理防止
汚染跡地修復
その他

(3) 課題マップの作成

各プログラム毎に、上記の分類軸を2軸とした平面上に各課題をプロットし、ゴミゼロ型・資源循環型研究分野の課題マップとした。

■課題マップから見えてくること

作成した課題マップから、ゴミゼロ型・資源循環型研究分野における現状の特徴・課題として以下の点を挙げることができる。

  • 4つのプログラムのうち、“設計・生産段階”をターゲットとする「c.循環型設計・生産プログラム」に該当する研究課題が少ない。
  • 「b.リサイクル技術・システムプログラム」の課題マップを見ると、リサイクル段階をターゲットとする研究課題は多いが、そのうち“サーマルリサイクル”をターゲットとした研究課題は少ない。
  • 「a.循環型社会創造支援システム開発プログラム」の課題マップを見ると、“合意形成”など社会人文科学に属する研究課題が少ない。また、“規格化・基準化”や“最適化(マネジメント)”など、その性格上、国が率先して取り組むべきテーマに該当する研究課題が少ない。

作成した課題マップは、現状においてどのような項目に課題が集中しているか、あるいは少ないかを見るのに役立つ。課題の集中には、その項目のニーズが高く重要である、当該項目が少し前に重点化されて課題募集が行われた、過去の成果や研究体制を活かして取組みやすい、研究資金を獲得し易い、などの側面がある。
一方,マップが相対的に空いている部分の項目には、研究実施済み、実施する意義が小さい、重要だが取組みが困難で着手されていない、研究成果による利益が見込めない、などの側面もある。
従って,課題マップは、実行中あるいは実施予定の課題について研究推進の効率化の観点から連携や情報交換の可能性をさぐるための情報を提供する、今後より重点的に取り組むべき課題をその連携・推進体制を含めて明らかにしていく、などのために活用されるべきものと考えられる。

なお、今回整理対象とした研究課題は、各省から申告のあった課題のみであり、国の実施している研究課題の全てを網羅しているわけではない。
各々の課題の実施期間,投入されている資金の額やマンパワーは千差万別である。
また、この分野では民間においても研究開発が相当程度実施されていると推測される。研究資源の配分等の検討に際しては、これらのことを考慮する必要がある。



ゴミゼロ型・資源循環型技術研究イニシャティブ登録課題 マップ(2002〜2003年度版)
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